2025年度 夏季博物館実習3日目(8月22日)
実習3日目2班のブログを担当しますR大学のM.Hです。
本日は動物研究室の学芸員である松井さんのご指導のもと魚類の標本の収蔵に至るまでの流れを学びました。
レジュメを用意していただき、始めは座学にて博物館(学芸員)の基本的な役割や派生的・その他の役割についてご説明いただきました。前者には資料の収集・整理・保管や調査・研究が含まれる一方で、後者には学校や各種機関・市民や地域との連携、市民の活動や交流の拠点となることが役割として含まれることを学びました。当館は普及教育活動に積極的であり、大阪湾海岸生物研究会や魚類の標本作成を学ぶためのサークル活動など学びの場となる活動があることを初めて知りました。
次に、当館における資料の収集・標本の制作方法について学びました。学芸員や研究会などによる採集、寄贈が多くを占め購入することは少ないことがわかりました。魚類の標本は液浸標本が主体であり、採集されたものを鰭を広げた状態でホルマリンで固定したのちエタノールに置換するという過程を経て制作されます。
本日は、配架準備と実際に配架するという二つの作業を行いました。
配架準備では、エタノール置換された標本を保存するための標本瓶に移し長期的な保存のため綺麗なエタノールで満たす工程を実施しました。瓶のなかで標本の頭が下になるように入れたり、エタノールを必ず瓶の肩まで満たしたりと注意点がありました。前者は比較的丈夫な器官である頭部を下にすることで長期的な保存にできるだけ標本の損傷を防ぐため、後者は揮発して減ったエタノールの量を一目でわかるようにすることでメンテナンスがしやすいようにという理由がありました。
配架作業では、配架準備を終えた標本を収蔵庫に持っていき棚に並べました。液浸標本の棚は「日本産魚類検索第2版」に指定される科番号の順に配置されていました。大阪湾産、大和川水系のものなど大阪府で採集されたものは他の産地の標本とは別に箱が用意されている分類群もありました。大阪府産を中心とした標本の調査や展示に使用するためわかりやすいように分けてあるそうです。
上述の実習内容を通し、魚類標本における収集・作成・管理・収蔵について学びました。本日の作業の中で扱った標本がいつか展示や調査研究に活かされることを楽しみにしています。


