2022年度冬季博物館実習4日目(1月11日)
こんにちは。近畿大学のF.Sです。
博物館実習の4日目である1月11日は、動物研究室の松井学芸員の指導の下、魚の液浸標本作製のお手伝いをさせていただきました。
液浸標本は処理を行った標本をアルコールの水溶液に浸すことで標本となった生き物の形を残すことができるものです。しかし、多くの生き物では保存期間の中で色素が抜けていってしまうこと、組織の固定は難しいことというデメリットも持ちます。
今回は液浸標本の作製手順の中でも最後の部分になる瓶詰め作業、配架作業を行いました。固定された標本にタグをつけ、種や採集地点ごとに分けます。これを70%エタノールを肩のあたりまで入れた瓶に頭を下にして浸します。このようにするのは、管理の際にエタノールの量を確認しやすくし、揮発によって量が減っていたとしても種ごとの特徴が出やすい頭を守るためです。蓋に必要な情報を記載した後、これらを収蔵庫に配架しました。また、配架後には残った時間でメンテナンスとして、保管されている瓶へのエタノールの補充を行いました。
4日目の実習を通して、実際の標本作り、保存に対する学びを得ただけでなく、費用、限られたスペースでの受け入れ、管理に対する人手の少なさ、等々の標本を守り続けていくことの大変さを感じることができました。