2023年度夏季博物館実習4日目(8/26)
皆さんこんにちは、摂南大学のY.K.です。
2023年度夏季博物館実習の4日目の5班のの内容について綴りたいと思います。
私たちの班は、石井学芸員指導の下、収蔵庫の清掃や地層に関する実習を行いました。
皆さんは、博物館には展示されている以外にも資料があることをご存じでしょうか?
そのような資料を保管する場として、博物館の地下や展示室の裏に収蔵庫という場所があります。いわゆるバックヤードです。
午前中, 私たちはその収蔵庫を清掃しながら、害虫が発生していないか確認する作業をお手伝いさせていただきました。害虫の発生はなぜ確認するかというと、収蔵庫にある標本にとって虫は天敵だからです。博物館の使命には、①資料の収集、②調査・研究、③公開・普及があります。しかし、それらを適切に行うためには、資料を適切に保管・維持することが必要不可欠です。収蔵庫は広いのもそうですが、貴重な資料が多く掃除用具を当てて破損させてしまわないか、ということにも気を付けながら行わなければならないので大変な作業でした。
今回の収蔵庫の清掃では、直近で害虫が大量発生した痕跡は見つかりませんでした。しかし、過去のに発生したルリホシカムシの痕跡と、最近発生した可能性のあるヒメマルカツオブシムシが見つかりました。ルリホシカムシは動物の骨格標本に残った肉に発生し、発生すると危険だと石井さんはおっしゃっていていましたが、今回は過去のものであるそうです可能性が高いそうです。一方で後者は、特別収蔵庫の外につながる階段に近いこともあるのか、ここ最近発生したものであるかもしれない、とおっしゃっていました。このことをほかの学芸員さんにも共有するとおっしゃっていたので、いかに害虫の発生が重要視されているか、ということが伝わってきました。
午後からは、ボーリングコアというボーリング調査時に採取された地層の資料を見せていただいた後に、ボーリング柱状図というデータをデジタル化(PCに入力)する作業を行いました。打ち込む情報が多く、とても大変な作業でありましたが出来上がったときの達成感はひとしおでした。また、この作業の前に使うソフトについても教えていただき、違う環境や職場間でも一つのデータを同じ形式で表示できるように、様々な工夫がなされていることがわかりました。
最後に、学芸員の活動は本当に多岐にわたるのだなということを学びました。研究や教育といった活動ばかりなのかと思いきや、今回紹介した収蔵庫内の清掃、資料のデータ入力といったことまで担当していると知って勉強になりました。