2024年夏 博物館実習5日目(8.25 水)
こんにちは。実習最終日のブログを担当する大阪公立大学のT.Uです。最終日は大阪市立自然史博物館友の会の行事である「青く輝くウミホタルの観察」に補助として参加し、参加者の皆さんと一緒に観察会を行いました。
世話役の学芸員や友の会評議員の方々と同じ時間に集合し一通りの説明を受け、最寄り駅と現地の集合場所で参加者の受付の手伝いを行った後、道路の横断時などに参加者の安全を確保しつつ、観察場所である淡輪海水浴場に向かいました。子供連れの家族やご年配の方々など、幅広い年代の人々が60人程度参加しており、思っていたより規模が大きくて驚きました。また現地で鍋島さんがウミホタルの解説をしている時も参加者の方々は熱心に話を聞いていて、人数だけでなく熱意のある活発な行事であると感じました。
解説を聞き終わってからはいよいよウミホタル観察に向けて動き始めました。ウミホタルは自作のトラップを使って捕獲します。参加者はあらかじめ自分たちでウミホタルトラップを作ってきていましたが、私たち実習生は用意していただいたトラップを使いました。蓋とトラップには小さい穴が開いていて、餌に引き寄せられたウミホタルが入ってくるようになっています。このトラップに餌であるカニカマボコを入れたネットを入れて蓋をし、海に投げ込みました。何となく沖の方がいるイメージがあったのですが、沖は海底に泥がたまっていてウミホタルの住処である砂の地面が少ないこと、そして潮の流れが速くウミホタルが流されてしまうことから、海岸から少し離れたくらいの位置が良いというのは少し意外でした。また、今回の観察場所は一般的な海水浴場で直前まで泳いでいる人も多く見かけました。そんな身近なところにウミホタルがいるのかなと初めの方は少し疑っていました。
20~30分ほど待ってからトラップの引き上げを行いました。私たちは海に向かって伸びる突堤の左側に投げ込みましたが、残念ながらウミホタルは見つかりませんでした。一方で右側に投げ込んだグループではある程度ウミホタルがトラップにかかっていました。そこで2回目は右側に投げ込んでみたところ、数匹ではありますがウミホタルを捕まえることができました。刺激が弱すぎると発光しない上、一度発光すると復活するのに時間がかかるため見つけるのに苦労しましたが、暗闇で青く光るウミホタルを見つけたときは感動を覚えました。
今回の観察会では世話役の方々の指示や仕切りが素晴らしいと感じました。世話役の方々も実際にウミホタルを採取しながら捕獲できる場所を確認し、まだ捕まえられていない人たちに場所を譲るように誘導して、参加者全員がウミホタルを観察できるように動いていました。参加者全員が楽しめるような環境づくりを自然に行っていてすごいなと思いました。またこの日は天候が不安定で観察会が始まる前から遠くに雷雲が見えていていて、観察会終了直前にその雷雲が近づいてきたため、一般参加者は流れ解散という形になりました。その旨を伝える際も迅速で場慣れしているように見えました。こうした不測の事態や不確定要素がある状況で臨機応変に対応する力も学芸員には必要だと改めて思いました。
博物館が教育普及の一環として観察会のような活動を行っていることは以前からある程度知っていましたが、参加者の熱意が非常に強く、ここまで活発だとは正直思っていなかったので驚きました。また今回は子供たちも多く参加しており、子供たちに色々なことを経験させることができる活発な博物館行事が頻繁に行われているのは素晴らしいと思いました。そしてこうした行事活動を維持し、取り仕切る能力も学芸員に必要なスキルだと感じました。トラップの作り方も分かったので、機会があれば今後ウミホタルを採集してみたいと思います。今日を含めて5日間、貴重な経験をさせていただきありがとうございました。