2025年度 夏季博物館実習3日目 

 こんにちは。博物館実習3日目のブログを担当します、八洲学園大学のM.M.です。
 本日は松井学芸員のご指導のもと、未整理の魚の液浸標本を標本瓶に収める作業を行いました。ラベルの付いた標本と台帳の記録を照らし合わせながら一つずつ丁寧に標本化していきます。今回は大阪湾で採集された海水魚と大和川水系で採集された淡水魚が中心でした。一見標本瓶に詰めるだけの単純に見える作業であっても、実際には丁寧さと正確さが強く求められることを実感しました。特に、液浸標本ではエタノールの量や標本の収め方、ラベル情報の記入方法といった基本的な部分が、後の保存状態や研究利用のしやすさに直結する重要な要素であることを学びました。
 また、収蔵室での配架作業(収蔵室で扱いやすいカタチに管理・整理する作業)において、もし誤った場所に資料を収めてしまうと、圧倒的資料の数に埋もれてしまい後に発見することがほぼ不可能となってしまうため、ミスが許されない責任の重い仕事であることを理解しました。

 今回の実習を通じて、標本整理とは単なる保存作業ではなく、後世の人々が「使いやすく」「調べやすい」状態に整えることを目的とした営みであると気づきました。学芸員は、資料の「番人」であると同時に「案内人」でもあるのだと感じます。今日配架した標本が、将来の研究者に役立てられれば大きな励みになると思いました。

 個人的には、普段は魚類に関する研究や業務に携わっていることもあり、図鑑や論文でしか目にしたことのなかった標本を実際に手に取ることができ、非常に貴重で嬉しい経験となりました。