博物館実習3日目
本日は博物館の表側と裏側を歩き回った1日でした。
午前には、博物館の表側・各展示室を学芸員の方と一緒に見学し、メンテナンスのしやすさやコストパフォーマンスなどに着目しながら展示について解説していただきました。
今まで、「展示ケースの照明の電球を替えるために、どこからケースの中に入るんだろう?」なんて考えて展示を見たことはありませんでした。しかし、展示のなかには、展示ケースの扉が不便な位置にあったり、足元にたくさんの障害物があったり、、メンテナンスのことをあまり考えずに設計されてしまったために、電球を替えるのも一苦労だという展示があることがわかりました。
常設展の展示室は、つくるときに展示物もまとめて一緒につくり込むため、一度つくってしまうと簡単には改装することはできません。そのため、展示をつくるときには、来館者の方々にどう伝えるか、ということだけでなく、長く保っていくためにどう維持管理していくか、ということも考えなくてはいけないのですね。
また、「この展示の中で一番お金がかかるものはどれだろう?」と見てみると、昆虫標本や鳥の剥製などではなく、意外にも植物の展示物にコストがかかっているのだそうです。
植物は、研究するときの資料としては基本的に押し葉標本をつくりますが、押し葉標本では色や立体的な形がわからないため展示向きではありません。そのため、展示用には一点モノのレプリカを発注して作っているのだそうです。とくに、トゲトゲや毛があったりして、複雑で細かい造形のものほどお値段が高いのだとか。
他の博物館を訪れるときにも、こんなふうに”博物館側の視点”で展示を見てみると、思わぬ発見があるかもしれませんね。
午後には、「はくぶつかん・たんけん隊」のお手伝いをさせていただき、博物館の裏側を参加者のみなさんと一緒に回りました。私は高学年と中学生の班を担当させていただいたのですが、さすが高学年、「ウツボカズラ」なんて難しい生物の名前もよく知っていて感心してしまいました。
イベント終了後には、携わったメンバーみんなで反省会を行いました。このイベントは十何年も前から続いていると聞きましたが、このように毎回反省会を行い、実施と改善が積み重なることで、長い時間をかけてより良いイベントへと向上していくのですね。
実習は今回で前半戦が終わりです。
次回は1月30日。後半戦もたくさんのことを吸収できるように頑張りたいと思います。