2016年秋期博物館実習3日目(2班)
本日は5日間ある博物館実習の折り返し地点・3日目です。ちらほら2班の中ではお疲れの方が出てきたようで・・・。それはさておき2班の博物館実習は次の通りです。
午前中は収蔵庫に収められている「大山桂文庫」の整理を行いました。「大山桂文庫」とは、貝類研究者の大山桂博士(1917~1995)の蔵書です。大山博士は戦前、日本がインドネシアに設置した科学研究機関、海軍省マカッサル研究所を経て、戦後は地質調査書の調査員となり、退官後は鳥羽水族館の研究員を勤めました。大山博士は論文を重視した研究を行っていたため、18~19世紀の原記載論文や図鑑・雑誌などの膨大な資料を個人で収集しました。没後は鳥羽水族館が保管していましたが、2014年に大阪市立自然史博物館に寄託されました。
2班はそのほんのほんの一部を整理することになりました。整理した資料の一部には英語・ドイツ語・中国語・旧字体で書かれた書籍が多数あり、年代順に揃えるのに苦労しました。傷んでいる書籍もあったため、みんな慎重に慎重に作業をしていました。また、資料の中には「痛風」という雑誌(もしくは会誌?)があ混ざっており、大山博士は痛風持ちだったのでしょうか・・・・・・?
午後は大山桂文庫の整理の続きとハンズオンの展示で使う貝の標本づくりを行いました。標本づくりの作業に入る前にハンズオンで使うマテガイやカキの標本を学芸員さんに見せていただきました。種類によっては手に触れて怪我をする可能性もあるため、表面ににニスを塗って表面をコーティングをして、対策を取っていました。しかし、そのようにすると実際の感触が伝わらないとも仰っていました。安全性と両立するのは難しいみたいです。
標本は指導学芸員の皆様(?)のお腹の中に入ったハマグリ・サザエ・スガイ・クボガイです。ハマグリは口がしっかりと閉じた状態にし、口に沿って瞬間接着材を塗って完成です。サザエ・スガイ・クボガイといった巻貝は貝の中にシリコンを適度な量を注入し、貝の蓋を取り付けます。シリコンを適度な量を入れるのが意外と難しく、多いと蓋が浮き、少ないと沈んでしまいます。しかし、女性陣はてきぱきとこなし、指導学芸員さんに褒められるほど! 男性陣は失敗作がいくつかあったり・・・。これが男女の違いなんでしょうか・・・? 合計して約50個ほどの標本を作りました。これが展示に出されると考えると、私たちが作ったハンズオンの展示がきっかけで「自然に興味を持ってくれる。」と考えると嬉しくも、少し恥ずかしくもあり、不思議な気持ちです。
実習については以上です。博物館実習も残り2日となりました。そう思うと少し寂しくも感じますが、限られた時間の中で、多くのことを学びとれるよう名一杯がんばりたいと思います。