2018年度 夏季博物館実習(5日目)
5日目は毎月恒例行事の植物園案内の補助を行いました。
午前中は、案内してまわる場所の下見へ行きました。朝から天気が良く、小さい子や高齢の方、いつもクーラーが効いた部屋で作業している大学生には厳しい天気です。できるだけ木陰のあるルートを案内してまわることになりました。また、補助スタッフが多いため、普段は使わない生物顕微鏡を持ち出しての観察も行いました。
園内には、大小多くの枝が落ちていました。「2日前の台風だろう」くらいに思っていると、すかさず解説が入りました。枝が落ちる原因にもいろいろあるのです。台風の影響も勿論ありますが、大きさや切り口、枝の状態からエネルギー効率上元々落ちる予定だったもの、チョッキリが産卵して切り落としたもの、カラスによる枝落としによるものなど、いろいろな要因で落ちた枝が見つかりました。身近にあるものでも、知らないと気づかないものが多いのだなと思いました。他にも、シイ・カシ類とブナ・ナラ類のドングリの出来方の違いを実際に割ることで確かめたり、葉のフェルトのような手触りの面にある星状毛を観察したりしました。また、まわっている途中でボランティアの方が芋虫見つけましたが、種類が分からなかったので、窓口にいた昆虫担当の方に聞きました。相談窓口担当になるとこんな感じでいろいろもって来られるんだな、大変だなと思いました。
お昼過ぎから植物園案内開始の時間までは、午前中に拾ってきたものを観察しました。同班の方がアキグミの未熟な実(美味しくないらしい)を割って顕微鏡で観察していたので見せてもらいましたが、予想外にケバケバした繊維が詰まって驚きました。絶対家の布団よりふかふかしている……というのは、どうでもいい感想ですね。
午後からは実際の植物園案内へ。幅広い年齢層が集まっていました。顕微鏡での花粉観察、ドングリをつける樹木の解説と観察、カミヤツデの星状毛の観察、ヤタイヤシやシュロなどの実の被食などの解説を行いました。
何度か植物園案内に来ているご婦人と話していると、顕微鏡を使っての観察はほとんどしたことがなく、こんなにミクロな世界を見たのは初めてだ、と嬉しそうにしていたことが印象的でした。植物園案内などの行事は、植物や動物などの知識がほとんど無い人たち以外にも普段から来てくれている人たちやある程度知識を持っている人たちも参加しています。特に大阪市立自然史博物館ではリピーター率が高いと聞いています。ただ単純に全く知識のない人だけを対象にせず、色々な人が知識を増やし、楽しむことができるような工夫を考えることも必要なのだなと思いました。
5日目を通して、よく観察し疑問を持つこと、それを調べて自分の知識を増やすこと、誰もが楽しめるような工夫を考えることが大切だと感じました。
(4班 K大学 K. M)