2018年夏季博物館実習4日目2班(8/24)

8月24日(金)前日の台風が過ぎ去り、天気は見事な晴れ。博物館実習4日目の始まりです。
本日の2班の実習を担当して頂くのは、動物担当の石田さん。主に貝類の研究をされている方です。作業内容は、杉本コレクションの貝の分類・仮番号の登録を行うというものでした。
作業内容を説明すると、貝の1つ1つはマッチ箱ほどの小さなプラスチック製のケースに保管されています。その中には、種名・学名・採集地・採集日・貝の見た目など、貝に関する情報が記載された「ラベル」というものが入っています。2班が行ったのは、そのラベルをプラスチックケースの中から見つけ出し、記載された内容を読み取り、Excelに入力してデータを残すという作業でした。ラベル内容をExcelへ入力後は、Excelの番号と対応させた仮番号ラベルをケースの見えるところに入れ、番号ごとに段ボールに収納しました。
一見簡単で楽そうに思えるこの作業ですが…とても細かく神経を使う作業でした。
まず、プラスチックケースからラベルを取り出すには、ケース内に保管されている貝やその下に敷かれている脱脂綿を一度出す必要があります。この貝がとても小さいのです。凄く小さいです。中には米粒よりも小さな貝もあり、もし落として失くしてしまったらどうしようと、内心ドキドキしていました。また、ラベルを探すのも一苦労で、何枚にも重ねてある脱脂綿の間に挟んであったり、貝の中に収納されていたりと、まるで宝探しのようでした。そして、一番大変だったのがラベルの読み取りです。私が担当した杉本コレクションの中には、古いもので採集日が昭和3年のものがあり、それは今からおおよそ100年前ということになります。現在の奄美大島が大隅大島となっていたり、漢字の表記が旧字体で読めなかったり、そもそもラベルの劣化が激しく読み取りが不可能なものなど様々でした。解読が難しい文字に出会う度に石田さんに尋ねたり、同じ班の実習生と一緒に考えたりと、難問クイズに皆で挑んでいるような感覚でした。1人当たり200個以上の貝の整理を行い、最初は果てしない作業のように思えましたが、珍しい貝を見ながらの作業はとてもワクワクして楽しかったです。
今日の実習を通して、貝には多くの種類があることを知りました。1つとして同じ形のものはなく、今まで見たことのない貝を沢山この目で見ることが出来ました。特に、一生を浮遊して生きる浮遊貝という種類を目にしたときは驚きました。ヒラカメガイの透明な体とカブトガニのような美しいフォルムには感動しました。いつか生きて泳いでいる姿を見てみたいです。また、私は趣味で釣りをするので、これからはもう少し足元の生き物に目を配ってみようと思いました。今回、石田さんから初心者向けの貝の同定の本を何冊か教えて頂いたので、素敵な貝を見つけたら拾ってみたいと思います。
(K大学 N.T)

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