2019年度 博物館実習 冬季一般コース 3日目
博物館実習3日目は、実習生が4つのグループに分かれて実習を行いました。それぞれのグループ担当の学芸員さんに教わりながら、標本整理や文献整理など様々に作業をしました。
私たちのグループの担当は、植物がご専門の長谷川学芸員でした。コケ資料と果実標本のラベル整理とデータ打ち込みの作業を行いました。このデータの打ち込みは資料の情報を世界中の研究者などに役立ててもらうために非常に重要で、博物館の大事な役割の一つです。昔は、博物館の収蔵の棚が「データベース」だったそうですが、時代に合わせてみんながアクセス可能なデジタルの「データベース」にする必要があります。
みんなで収蔵庫から標本を運び出して、早速作業を開始しました。机いっぱいに並んだ標本はそれぞれ個性的で、数珠の材料になっている木の実など身近なものから名前も聞いたことないマレーシア産のコケなど好奇心をくすぐられました。採集した日時や場所、その植物の学名など重要な情報が書いてあるラベルを見ながら、その採集当時の様子に思いをはせたりなどしました。
このように楽しく作業させていただいていましたが、資料の量は膨大で、作業を進めるにしたがって少し途方に暮れそうになりました。さらに、果実標本にはラベルが無いものもあり、いくつかの標本は泣く泣く廃棄しなければならないものもありました。ようやく作業がひと段落した時は、ほっとしました。
私たちが体験させていただいたのは莫大な資料のうちのほんの一部です。普段体験できない作業を体験させていただいて、学芸員さんの日々の苦労の一部を実感することができました。
北海道大学 K.A