2022年度冬期博物館実習2日目(2023年1月8日)
神戸大学のM.Oです。
実習2日目の昨日、和田学芸員の指導の下、標本作成の手伝いとしてゴマフアザラシの骨の洗浄を行いました。
骨格標本を作るには、まず死体を骨、内臓、皮に分けるのですが、今回は分けられた後の骨を標本にするために周りについた汚れやいらない部分を洗浄するという作業を行いました。分けられた骨は、微生物や虫の力を借りておおよそ骨だけの状態にするのですが、その過程を踏んだ後でもまだ肉や筋が残っていたり、あるいは骨に土やその他の汚れがついてしまうため、歯ブラシや歯医者で使う金属の器具、メス、ピンセット、解剖バサミなどを使いながら作業を進めていきました。この作業を行う上で大事なことは、骨を混ぜてしまわないということです。最終的にきれいに洗いあがった骨は骨格標本として使われるわけですが、その際どの部分の骨かすぐにわかるように、あらかじめ骨を分けて混ざらないように注意しながら洗浄する必要があります。私は後ろ足の片方の部分を担当しました。ほんの一部分ではあるのですが、午前中2時間半、午後1時間半の合計4時間ほど作業を行い、学芸員の仕事の量の多さを痛感しました。またその間、「博物館たんけん隊」のイベント中だったため、小学生が実習室の見学に来ることがあり、私たちも子どもたちへの説明を聞くことで、各標本についての知識を深めることができました。
今回は、学芸員実習として博物館の裏側や、学芸員の仕事を垣間見ることができましたが、博物館が教育施設である以上、もっと博物館の内部を見学、学芸員の仕事の手伝いをできる機会があり、参加しやすい環境が整えば能動的な学習の一助になると思います。新たな学びのスタイルが求められている時代だからこそ、博物館のような楽しく知識を深められる場をより多くの人に楽しんでもらえる場として普及できれば良いと思います。