2024年度夏季博物館実習2日目(8/22)

こんにちは。神戸大学のK.Fです。

実習二日目、私たちの班は主に貝の標本作成を行いました。ケースの中で資料が動いてしまわないよう余白を綿で埋め、採集日・採集場所などが書かれたラベルに間違いがないか確認したのち、それを見えるように内包していく作業です。貝を置く際、巻貝にも二枚貝にも正しい向きがあるため気を付ける必要がありました。綺麗な標本が次から次へとできあがっていく様子は、まるでポケモンカードのコレクションが増えていくようで達成感がありました。

同じ種類の貝が大量にあり、最初は「同じものがこんなに必要なのかな?」と疑問に思いましたが、異なる場所や時代に採集された一種の資料は進化の研究や多角的な視点からの比較に役立つと知り、標本の多さに納得しました。

担当していただいた学芸員さんは、一度作成した標本を廃棄したことがないそうです。その場所、その時代に採集された資料は捨ててしまうと二度と手に入らないのだと思うと納得ですが、そうすると、増え続けていく標本に対し収蔵スペースが足りなくなるという問題が生まれます。本博物館では、貴重な資料が失われないようできる限り寄贈を受け入れているそうですが、新たなスペースの確保はすでに深刻な課題のようです。こうした背景から、むやみやたらに採集するわけにはいかず、標本にするかどうかの判断も重要になってくることが分かりました。

標本作成の他にも、寄贈された古い標本の扱い方(同じ瓶に色々な種の生物が入っている場合、一度取り出す必要があります)やラベルの綺麗な取り外し方法(ラベルは標本において最も重要なものであるため、剥がせない場合は瓶ごと切り取ることもあるそう…!)なども実演していただき、学びの多い一日となりました。