2024年度夏季博物館実習3日目(8月23日)
こんにちは、岡山理科大学のM.Sです。
実習3日目の3班は学芸員の和田さんの指導のもと、メガネグマの骨格標本の洗浄と収蔵庫内の骨格標本の見学を行いました。メガネグマの骨格標本の洗浄を行うにあたって標本の扱い方や標本の受け入れ、登録を行う過程、肉を分解させる方法を教えていただきました。骨格標本の洗浄は主に歯ブラシと歯医者が治療で用いるエキスカベーターという道具を使いました。骨格標本は丁重に扱う必要があり、特に今回洗浄したメガネグマの骨は高齢だったため,標本を壊さない、折らない、そして指骨は混ざってしまうと区別することが非常に困難であるため、混ぜないことを意識して洗浄しました。私は肋骨と椎骨を主に担当しましたが、どちらも少しずつ形や長さが異なり、その後洗浄した骨格標本を頭部から骨盤まで並べるにあたって基準になることを知りました。肋骨と胸骨をつなぐクッションで、関節の動きを滑らかにする肋軟骨という組織の除去も行いました。この組織は軟骨で骨格標本として残らないため、骨格標本を作るときにしか見られない貴重な経験をさせていただきました。全ての骨を洗い終わった後にはメガネグマとシカの頭部から骨盤までの椎骨を並べる作業を行いました。椎骨は脊椎を構成する骨で頭部側から順に頚椎、胸椎、腰椎、仙骨に分かれます。それぞれ形が異なり、それをもとに並べました。はじめは椎骨同士をつなぐ椎間関節という関節をもとに並べていましたが、前後の順番が分からなかった時、椎骨の左右に伸びる横突起は前後で揃っており,骨の形や長さは徐々に変化していくと教えていただき、座学で得る知識のほかに実際に考えながら触ってみて得られる知識が身につきました。
骨格標本を並べた後は、収蔵庫内の骨格標本の見学を行いました。哺乳類や鳥類の骨格標本を見ながら骨格標本からの種の特徴や標本が持ち込まれた経緯などを教えていただきました。骨格標本は組み立てて収蔵されているものだと思っていましたが、多くの標本を収蔵するには工夫が必要であり組み立てて収蔵されている標本は少なく、多くの標本は展示する際に組み立てていることを知りました。
実習3日目は、実際に学芸員の方が行っている作業の一部をさせていただきました。実際に実物を触ることで骨格標本を扱い方や身体を構成する骨の構造や役割を改めて学んだとともに、収蔵するにあたって必要な受け入れや登録の過程、骨格標本を作る際の肉の分解方法など大学の講義では得られない知識を得ることができました。