2024年度 夏期博物館実習(2日目)

 2024年8月22日、夏期博物館実習2日目。昨日のオリエンテーションでは実習生全員と行動を共にしました。が、本日からは3日間、全20名の実習生は4班に分かれ、それぞれ別の指導者の下で行動していきます。

 2日目に私が配属した班の実習では「博物館における植物標本についてのレクチャー」と「植物標本のラベル貼り」を学びました。

「博物館における植物標本についてのレクチャー」

 植物園以外での自然史系博物館で見る植物の展示を想像してみると、青々としたレプリカの姿を思い浮かべる方が多くいると思います。しかし、博物館の研究として実際に使われている標本は「押し葉標本」と呼ばれる、植物を重しで抑え、平たく乾燥させて台紙に貼り付けた標本です。そんな押し葉標本の作成方法や博物館に寄贈・収蔵されるまでの過程、植物の標本の意義について植物標本の作製室や収蔵庫の見学を通して学びました。

 ここで特に印象に残った話は博物館の展示についてです。初めに博物館での植物の展示について触れましたが、多くの方は押し葉標本そのものを知らない方も多く、その要因の一つとして博物館の展示に押し葉標本を使わないこともあるのではと指導者の方がおっしゃられていました。この話を聞き、私は博物館の展示の内容だけでなく、展示に使う標本や資料の形態も一つの教育普及として重要であるのだと思いました。

 また、デジタル・アーカイブスへの登録作業である、押し葉標本の写真撮影の体験もさせてもらいました。私自身、カメラや写真技術に造詣が深くないため、写真撮影の設備についてあまり詳しく話すことができないのですが、指先一つでピント合わせや撮影、撮影した写真への作業などが行えるのはすごいなと思いました。さらに、こちらで撮影した写真は電波が届く範囲であればどんなに遠い場所でも標本の情報を鮮明な画像付きで伝えることができることに科学の便利さを痛感しました。

「植物標本のラベル貼り」

 レクチャー・収蔵庫見学が終わった後、私たちは神戸大学から寄贈された角野コレクションにラベルを貼っていく作業を行いました。ちなみに、角野コレクションとは角野 康郎氏が作製した水生植物の標本群を総称した名です。このように、博物館では個人や団体などから寄贈された標本群のことを「〇〇コレクション」と呼ぶことがあります。

 実習内容としてはまず、角野コレクションであることを示すラベルにアラビア糊を塗り、標本の台紙に貼ります。しっかり貼られたことを確認したらまた次の標本にラベルを貼り、そのまた次の標本に、そのまたさらに次の標本……と何度も何度もこの作業を繰り返していきました。

 途中休憩を挟んだり、こちらの標本を作製された角野さんの研究内容についてなどといった解説や雑談を交えながら、淡々と作業を行うこと約4時間以上。最終的に1,000点以上の標本のラベル貼りが完了しました。つまりは一人当たり平均約200枚以上のラベルを貼り続けたことになります。単純作業で目と肩の疲れが少々残りましたが、普段はめったに触れられることのない押し葉標本を至近距離で見ることができたのはかなり貴重な経験で楽しかったです。

北里大学 SS