2024年度 秋期博物館実習 1日目(11月13日)
こんにちは!博物館実習1日目のブログを担当します、和歌山大学のN.Kです!
初日である今日は、博物館の概要や実習の大まかな方針を知る機会になりました。
午前は、冊子を用いた座学でのガイダンスをしていただきました。博物館の歴史や現在行っている事業、学芸員さんたちの研究分野など様々な話がありました。また、博物館で働く上で「人手が足りない」「お金が足りない」「場所が足りない」という足りない問題が常にあるということを教えていただきました。この時は、なんとな~く「博物館って大変なんだなー~」くらいの感想しか私は持つことができませんでした。
その後、お昼ご飯を同じ実習生たちと食べ、午後は学芸員さんに連れられて収蔵庫や展示室の中を案内していただきました。収蔵庫には想像以上の標本が所狭しと保管されており、中には棚がいっぱいで置く場所がないため通路に置かれているなんて標本もありました。私は「これが場所が足りない問題か!」とはっとしました。
また、収集しても段ボールに入ったまま一度も開封されていない標本もありました。学芸員さん曰く、標本が届いても時間や人手の関係で、なかなか標本登録ができないそうです。「ここでも足りない問題が!」と思いました。
収蔵庫を一通り回った後、展示室に向かいました。今回の展示の案内は来館者に向けた話ではなく、学芸員さん視点の話が多かったため驚きのある興味深い話が多くありました。
その1つが、展示していたものが無くなるという事件です。私は初めて聞いた時、そういったことを考えもしなかったため、驚きで頭の働きが一瞬フリーズしました。このような事件のために、触れることができていた展示をガラスケースに入れ、触れないようにしたこともあるそうです。
展示室にあるレプリカの値段の話も聞かせていただきました。笹や落ち葉、虫の標本などは実物を使うため実質タダのものもあり高くないそうですが、驚いたのはタンポポです。なんと数十万もすると!?!トゲトゲした葉や小さな毛を再現するにはお金がかかるということでした。説明を聞くとなるほどと思えますが、やはりインパクトのある値段でしたね。安直な考えですが、これからタンポポなどの植物のレプリカは目を凝らしてじっくり見ようと思います。他にも、1ケースの中身を作るのに1000万近くかかっているところもあるのだとか。
作るだけでも大変ですが、放っておけば展示はどんどん傷んでいきます。そのため、展示を維持するためには定期的にレプリカや標本を入れ替えなければならないそうです。蟹や虫は新たに捕まえないといけませんし、葉は虫を持ち込まないようきっちり燻製しなければなりません。展示品の入れ替えの際は、ケース内の足場は狭い隅の方しかなく、足跡や手形をつけたりしないよう慎重に動く必要があり、これもなかなか苦労するそうで…。
展示はお金もですが大きな手間もかかることが分かりました。
これから博物館の展示を見る時は「これを作る時、こういうところが大変だったかもしれない」という新たな楽しみ方もできそうです。
2日目からは週末の『大阪自然史フェスティバル』に向けた準備が始まります。博物館が開催するイベントに参加することは初めてなため、ワクワクドキドキですが精一杯頑張りたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。