毎年年末、仕事納めの日から大晦日までかすみ網を張っています。植物園が連続して休園なのは年末年始だけなので、貴重なチャンスです。でも今年は28日から31日までの4日間に捕まえたのは、キジバト1羽、ヒヨドリ11羽、メジロ2羽の14羽だけです。むっちゃ少ないと思ってたら、1994年が4日間で5種19羽、1995年が4日間で3種14羽、1996年が4日間で5種83羽。去年やけに多かっただけか。
今年最後の植物園の鳥のセンサスをしました。今年の冬は鳥の姿が少なく、数を数えるのはとても簡単です。ツグミやシロハラ、シメは少ししかいないし、去年は大量にいたマヒワはまったくいません。今年は代わりにカワラヒワがたくさんいます。
ちょっとおもしろい鳥としては、エナガが1羽います。長居公園で、エナガを見るのは3年前の冬以来です。このエナガ、尾羽がシジュウカラくらいしかなくて、シルエット気味に見たときは種類がわからずとまどいました。
それから今年もAccipiterがいます。ハシボソガラス位の大きさの幼鳥です。オオタカの雄か、ハイタカの雌といったところでしょうか。以前、オオタカと信じていた個体をたまたまかすみ網で捕まえたらオオタカだったことがあって、識別には自信がありません。少し前からカラス達に追いかけられる姿を見ていて、今年もやってきてるのは知っていましたが、2羽いるとは知りませんでした。今日はカラスに追いかけられると言うよりは、2羽で追いかけあっていました。
あいかわらず冷凍庫にため込んでいた鳥の死体の皮むきの続きをしています。また小さな発見をしました。
今日はアオバズクをむきました。フクロウの仲間は、羽根がとても柔らかくて、持つとフワフワしてとても気持ちがいいです。フクロウの仲間のもう一つの特徴は、眼球の形です。たいていの鳥の眼球は丸いのですが、フクロウの仲間は釜飯の釜のような形をしています(ふたははずしてね)。何故でしょうね。夜行性であることと関係があるんでしょうか?
で、今日の新発見は、足の毛です。オオコノハズクなんかには足先まで羽毛が生えていて、それがコノハズクとの大きな違いでもあるわけですが、アオバズクの足先、指の辺りには毛が生えてます。毛というよりは、とげのような感じで、けっこう堅くひっかかります。獲物を掴むのに便利なんでしょうか?
またまた冷凍庫にため込んでいた鳥の死体の皮むきをしました。そんな中での小さな発見をもう一つ。
今日はゴイサギを2羽むきました。片方は大阪狭山市で拾われた雌の成鳥で、もう片方は長居植物園で保護されて死んだ雌の幼鳥。成鳥の方には、白くて長い冠羽が付いていました。冠羽は3枚の羽からなっていました。おばけのQ太郎みたい(古いか?)。
冠羽を折ったり汚したりしないように皮をむくのに、いつもより気を使いました。派手な冠羽がたくさん生えているフウチョウなどの皮むくのは大変でしょうね。
冷凍庫にため込んでいた鳥の死体の皮むきをしました。そんな中での小さな発見を一つ。
今日はキジバトを2羽むきました。片方は阿倍野区の桃が池で拾われた雌の成鳥で、ものすごく痩せていて、そのうも空でした。たぶん餓死したのでしょう。もう片方は奈良でネコが捕まえたという巣立ち直後くらいの雄の巣立ちビナ。頭に黄色いうぶ毛が残っています。こちらのそのうは食物でいっぱい。ほとんどは植物の種子ですが、一つだけ殻の直径が11mmほどのカタツムリが入っていました。ミミズを食べるのは見たことがありますが、カタツムリは初めてです。
大阪鳥類研究グループの観察会として、羽曳野市から松原市のため池などを歩き回ってきました。はじめに羽曳野市野の新ヶ池でお目当ての白いハシビロガモを見て、その周辺のため池をいくつか見た後、一路北上。大塚山古墳でお昼を食べて、オシドリを見て解散しました。
道路を歩いてもおもしろくないと思って、できるだけ田畑の畦道を歩いたのですが、期待したホオジロ類やシギ類はさっぱりいませんでした。似たような環境なのに、大座間池の南の耕作地にはヒバリやタヒバリがいるのに、北にはいないのはどうしてでしょう?
大塚山古墳にはアカハジロの雌?とした鳥が1羽いました。下尾筒は白、翼を開くと風切の中央部が白く雨覆が黒っぽい、頭はホシハジロのような三角系、虹彩は暗色、脇と背は黒っぽくキンクロハジロの雌風。ここまではアカハジロの雌でいいですね。でも嘴のパターンがホシハジロ風、頭の色がチョコレート色で嘴の基部の淡色斑はあるようなないような。となるとホシハジロとの雑種?、それともメジロガモの雌?。誰か詳しい方、ぜひ見に行って教えてください。
・羽曳野市野の新ヶ池
予定通り白いハシビロガモが1羽混じっていました。よく見ると真っ白ではなく、薄茶色の模様がついています。
確認した鳥:マガモ(たぶんすべてアヒル)、ハシビロガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、ハクセキレイ、スズメ、ハシボソガラス
・羽曳野市野の大座間池
1/3ほどがゴルフの打ちっ放し場になっていました。
確認した鳥:カイツブリ、アオサギ、マガモ(たぶんアイガモ、交尾していました)、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモ、バン、ユリカモメ、ドバト、キジバト、ハクセキレイ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
・羽曳野市郡戸の細池
確認した鳥:カイツブリ、ホシハジロ、モズ、スズメ、ハシブトガラス
・羽曳野市郡戸の乗馬クラブ・クレインの西の池
確認した鳥:カイツブリ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、バン、ケリ、キジバト、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ムクドリ
・羽曳野市野の阿湯戸池
丸ごとゴルフの打ちっ放し場になっていました。水鳥の姿はまったくなし。
・松原市西大塚の小治ヶ池
確認した鳥:カイツブリ、コサギ、アオサギ、チョウゲンボウ、ハクセキレイ、スズメ
・松原市西大塚の今池
確認した鳥:コサギ、カワセミ、ヒヨドリ、スズメ
・松原市西大塚・羽曳野市南恵我之荘の大塚山古墳
例のアカハジロ?やオシドリは北側の堀、コガモやオカヨシガモは西側の堀にいました。
確認した鳥:カイツブリ、アオサギ、オシドリ、マガモ、コガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモ、アカハジロ?、ホシハジロ、バン、ユリカモメ、キジバト、キセキレイ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ハシブトガラス
・松原市上田の樋野ヶ池
確認した鳥:カイツブリ、コサギ、アオサギ、ホシハジロ、キジバト、ハシボソガラス
今日は博物館の展示室と2階のギャラリーの大掃除をしました。掃除の合間に、第1展示室と第2展示室の間にある休憩スペースから外を見ていると、ガラスが白く汚れているのに気が付きました。よく見ると鳥のような形をしています。ふと下を見るとキジバトが落ちて死んでいました。どうやらガラスに付いた白い汚れは、キジバトが衝突した跡のようです。そういえば大きさもそんなもんです。ぶつかって白い跡が残るのは、キジバトがいかに粉っぽいかということでしょう。
さらに探すと、キジバトが衝突した(らしき)跡は5-6個あります。というわけで、ガラスに付いている白い跡は、けっして汚れではなく、キジバトが衝突した跡を展示していると考えてください。胴体だけでなく翼の形のわかるのもあります。光の関係で、1階よりも2階から見た方が見やすいと思います。館へお越しの際はぜひ一度ご覧になってください。
野外実習「水鳥の数を数えてみよう」に行ってきました。カモを中心とする水鳥の数を数える行事で、下見の時に決めたコースを歩いたのですが、下見が平日で本番が日曜だったのが誤算。釣り人は多いし、ボートは浮いているしで、下見の時とはカモ類の分布がまったく違っていました。総数は179羽と、むしろ下見の時(144羽)よりも多かったんですけどね。
確認した鳥:カイツブリ(6羽)、カワウ(1羽)、ゴイサギ(3羽)、コサギ(1羽)、アオサギ(2羽)、マガモ(雄2羽、雌2羽)、白アヒル(8羽)、カルガモ(29羽)、オカヨシガモ(雄1羽、雌1羽)、ヨシガモ(雄1羽)、ヒドリガモ(雄21羽、雌17羽)、オナガガモ(雌2羽)、ハシビロガモ(雄21羽、雌20羽)、ホシハジロ(雄15羽、雌8羽)、キンクロハジロ(雄11羽、雌19羽)、バン(8羽)、ドバト、キジバト、カワセミ(少なくとも2羽)、コゲラ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、イカル、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
毎月行なっているため池の水鳥の調査に行って来ました。
この季節になると多くの池で水を抜いており、サギ類がわずかに残った水たまりにサギ類が集まっていたり、よく探すとシギ・チドリ類が見つかったりします。花田池も水を抜いて、約1/5の部分にのみ水が残り、ダイサギ9羽、コサギ17羽、アオサギ3羽がいました。何気なくサギの数を数えていると、あちこちにサギの死体がころがっています。死体かどうかはっきりしないのを除いても、少なくともコサギ3羽とアオサギ3羽が死んでいました。
2年前にも、この池で多くのサギが死んでいるのを見たことがあります。その時も水が抜かれていました。何が原因なのでしょうか。農薬などの薬物? 2年前の時には、死体を一つでも持って帰ろうと、池の中に降りたまではよかったのですが、泥の中に足をとられて、あやうく池の真ん中で立ち往生するところでした。
12月14日の行事の下見に行ってきました。カモを中心とする水鳥の数を数える行事、の予定なので、7つの池をまわって、試しに水鳥の数を数えました。カイツブリが4羽、サギ類が3種で9羽、カモ類が8種で144羽、バンが7羽。種類数がそこそこいて、観察会としてはいいかもしれないけど、カウントの練習には数が少なすぎるかもしれません。ドバトやカラスの数でも数えてもらおうかな。
確認した鳥:カイツブリ(4羽)、ゴイサギ(1羽)、コサギ(3羽)、アオサギ(5羽)、マガモ(白アヒルが5羽)、カルガモ(12羽)、ヨシガモ(1羽)、ヒドリガモ(28羽)、オナガガモ(6羽)、ハシビロガモ(39羽)、ホシハジロ(20羽)、キンクロハジロ(33羽)、バン(7羽)、ドバト、キジバト、コゲラ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、シジュウカラ、メジロ、アオジ、カワラヒワ、イカル、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
大阪鳥類研究グループの観察会として、鵜殿にヨシ原の鳥を見に行ってきました。鵜殿は大阪府で一番大きなヨシ原で、夏にはツバメのねぐらもできます。昼食の時にはたき火をして、イモを焼くという企画だったのですが、とても暖かい日だったので、たき火はむしろ暑いくらいでした。焼き芋はうまくできました。
たくさんの鳥を見ることができたのですが、猛禽類の数が多いのには驚かされます。大阪とは思えないくらいです。とくにハヤブサの1羽は、長い間鉄塔にとまって、ドバトらしき鳥を食べていました。いつもその鉄塔にとまっているそうなので、食べかすの骨が落ちているかと思い鉄塔の下に行ってみましたが、何も落ちていませんでした。誰かに先を越されたのかもしれません。
おみやげにセイヨウカラシナの葉を摘んで帰って、夕食の炒めものに使いました。ちょっと苦いけどダイコンの葉のような味で、おいしいものでした。
採集した昆虫:ナミテントウ、クロホソアリモドキ、ホソフタホシメダカハネカクシ、オオハサミムシ?の幼体、アヤナミカメムシ、クロモンサシガメ?
確認した鳥:カイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、トビ(2羽)、ハイイロチュウヒ(茶色いの1羽)、ハヤブサ(3羽)、チョウゲンボウ(1-2羽)、タゲリ(1羽)、ユリカモメ、カモメの一種(ユリカモメよりも大きい)、ドバト、キジバト、カワセミ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ウグイス、ホオジロ、アオジ、オオジュリン、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
12月に入ってから毎日、冷凍庫にため込んでいた鳥の死体を取り出してきて、皮むき(仮剥製を作っているという意味です)をしています。本当は寄贈してもらったらすぐに皮をむけばいいんですけど、忙しさにまぎれて冷凍庫に入れたままになることが多いんですね。逆に一度始めると、癖になって勢いが続くうちは毎日皮むきをしたりします。
仮剥製になると皮が固まっているので、羽根を自由に広げてみることができませんが、皮むきのために溶かした死体は自由に広げてみることができます。手にとって広げて眺めたり、いじったりしていると、野外で双眼鏡ごしに見ていた時には気づかなかったことに気づいたりします。そんな小さな発見の中から一つ。
堺市と松原市で拾われたバンを2羽むきました。生殖巣から判断して、どちらも雄。頭骨骨化(skull ossification)がCランクだから、どちらも幼鳥(つまり1W)だと思う(バンは頭骨骨化で年齢を判定してよかったかな? とりあえずラベルには年齢を書かなかった)。どちらも10-11月に拾われたもので、体内に脂肪を大量に蓄積していて、皮をむいていると手がベタベタになる。
で、気づいたことというのは、片方のバンの一部の初列風切と次列風切の先端に白い部分があるのに、もう片方は全部真っ黒なこと。先端が白いのは、初列風切(全部で10枚)の内側から1・8・10枚目、次列風切(全部で11枚くらい)の内側から1から4枚目まで。性別も年齢も同じ2羽と思うのに、この違いは何なのでしょう。何か知っている人は教えてください。
今日は博物館に鳥の死体が二つ持ち込まれました。
一つめは西宮市西波止町の御前浜で拾ったというハマシギ。あんまり小さいので最初はトウネン?、と思ってしまいました。望遠鏡で見ているときと手に持ったときでは違うものです。拾ったときにはすでに頭にウジがわいていたそうで、すでにけっこう臭います。翼や尾はきれいですが剥製にはできそうにありません。骨格標本と羽根のサンプルにするかなあ、と悩むパターンです。ちなみに計測値は、自然翼長が118mm、尾長が52mm、ふしょ長が25.1mm、露出嘴峰長が32.6mm、全頭長が58.4mmでした。
もう一つは、羽曳野市野の新ヶ池で目の前で死んだというユリカモメの幼鳥。飛んできて、池に降りてしばらくして突然なぜか死んでしまったそうです。とくに外傷はありません。そのかわりといっては何ですが、ハジラミが多数ついていました。とりあえず10匹程度採集して昆虫担当学芸員にわたしました。ユリカモメハジラミかなあ、などといい加減なことを言っていました(寄主特異性が強いので、ムギマキハジラミなどといったように寄主の名前がそのままついたハジラミが多いんです)。ユリカモメの方はともかく、ハジラミの採集者は私になるのではないかと思います。では採集場所は、大阪市立自然史博物館になるんでしょうか?
現在、自然史博物館の常設展示の更新の計画を進めています。今度の展示では地域自然史展示室といって、大阪府の自然を紹介する展示室ができる予定です。その展示を考える参考にと、学芸員5人で、泉州のため池に調査に行ってきました。今回まわったのは、堺市から熊取町にかけての丘陵地上部の小さなため池が中心で、8ヶ所で27個のため池(水がなかったかつての池は除いて)を見てまわりました。 堺市別所の北端の池で、オシドリ雄5雌4と、オオタカ1羽を見た以外は、あまりおもしろい鳥はいませんでした。丘陵地の小さな池にはほとんど水鳥はいないようです。
・和泉市の善正町・福瀬町・南面利町の小ため池群(8つ)
バイパスが通ってかなり環境が変わったようです。ミカン畑が多いが、とても農薬臭い。
確認した鳥:バリケン(放し飼い?)、ドバト、キジバト、ヒヨドリ、モズ、ツグミ、ウグイス、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス
・堺市別所の天野山カントリークラブへ行く途中の小さなため池(1つ)
ドジョウがいた。
確認した鳥:キジバト、コゲラ、ヒヨドリ、ルリビタキ、ウグイス、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、ハシブトガラス
・堺市美木多上のうわばみ池とその周辺の小ため池群(4つ)
うわばみ池の東側にはシリブカガシがたくさんありました。
確認した鳥:オシドリ、オオタカ、コゲラ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、メジロ、ホオジロ、ハシボソガラス
・貝塚市木積の薬師池(1つ)
周囲に小ため池がいくつかあるはずでしたが、なくなっていました。
確認した鳥:クサシギ、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、ヒヨドリ、モズ、カシラダカ、スズメ、ハシブトガラス
・熊取町野田の成合寺の山手の皿谷池など(2つ)
3つあるはずの池の一つは水がありませんでした。
確認した鳥:コゲラ、ヒヨドリ、ルリビタキ、ヤマガラ、シジュウカラ、ホオジロ
・熊取町野田と大久保の小ため池群(8つ)
捨ててあった畳に大きなヒラタケが生えてました。
確認した鳥:カイツブリ、キジバト、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、シロハラ、ウグイス、エナガ、ホオジロ、アオジ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
・熊取町野田の弘法池と八重冶池(2つ)
確認した鳥:アオサギ、マガモ(白いアヒル)、ハクセキレイ、ヒヨドリ
・泉佐野市日根野の十二谷池(1つ)
かつてツバメの集団ねぐらの可能性の報告がある池ですが、今はツバメが寝られそうなヨシ原はありません。
確認した鳥:カイツブリ、ハシビロガモ、バン、キジバト、セグロセキレイ、モズ、スズメ
大阪鳥類研究グループの観察会として、ハクセキレイの集団ねぐらを見ようと夕方から行ってきました。大阪府の都市鳥調査報告書(1992)によると2500羽も集まるということだったので、とても期待していました。午後3時頃から淀川に行って、最初はカモ類やカンムリカイツブリを観察し、午後4時過ぎに新十三大橋の左岸上流側に陣取りました。午後4時半になってもとくハクセキレイが集まってこなくて心配し始めたところ、新十三大橋の上流側にある水管橋の上にハクセキレイが多数集まっているのが見つかりました。そのハクセキレイが次々と新十三大橋の方へ飛んでいき橋桁に入っていきました。結局、午後5時5分頃でねぐら入りは終わりました。
午後4時50分に橋桁にとまっていたハクセキレイは91羽。この時点では大部分の個体は見える場所にいたようです。その後、午後5時5分までに上流側から橋桁に飛んできた個体は101羽。合計192羽のねぐら入りを確認しました。数え落とした個体は確実にいますが、おそらく200羽を大きく越えることはないと思います。2500羽が集まるんやなかったんか?
ハクセキレイのねぐら入りは初めて見ましたが、ツバメやムクドリのように群で飛び回ることもなく、スズメの用にやかましく鳴くわけでもなく、三々五々と集まってきたハクセキレイが、いつのまにかねぐらに入っていきます。イベントとしては今一つ。
確認した鳥:カイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ホシハジロ、バン、イソシギ、タシギ、ユリカモメ、セグロカモメ、ドバト、キジバト、ヒバリ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ツリスガラ、オオジュリン(たぶん)、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス
「水辺の鳥の観察会(第2回)」の行事で行ってきました。今回もユリカモメの中にカラーリングを付けた個体が何羽かいました。文字を読みとれたのは1羽だけで、”緑T6”。これは1992年3月7日に京都賀茂川の北山橋周辺で捕獲された個体でした。
なぜかいつもの大和川大橋と阪堺大橋の間にカモメの群がおらず、阪神高速湾岸線の所まで、ウミネコ、カモメ、セグロカモメを見るために歩くはめになりました。とっても疲れた。腹が立つことに、帰る途中には大和川大橋と阪堺大橋の間にカモメの群がいました。
確認した鳥:カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ユリカモメ、ウミネコ、セグロカモメ、カモメ、ドバト、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
来週の日曜の「水辺の鳥の観察会(第2回)」の下見に行ってきました。ぽかぽかと暖かい、というよりも厚着をしていったためにむしろ暑いくらいでした。ユリカモメの中にカラーリングを付けた個体が3羽いました。望遠鏡で苦労して書いてある文字を読みとった結果、”緑のカラーリングに白でS2”、”緑のカラーリングに白でU5”、”赤のカラーリングに白で68(6Rという意見もあったが、そんな足輪はつけてないとのこと)”とそれぞれ書いてありました。帰ってきてから調べた結果、緑のカラーリングはどちらも京都の鴨川で付けられたもので、”緑S2”は1991年12月21日に御園橋の400m上流で、”緑U5”は1993年12月17日に北山橋周辺で、それぞれ捕獲されたことがわかりました。”赤68”は、1990年7月7-8日にロシアのカムチャッカ半島クラマビツキ湖周辺のコロニーで付けられたものでした。
ユリカモメを見たら必ず足にカラーリングがついていないか確かめてみましょう。もし足輪付きのユリカモメを見つけたら、自然史博物館まで御一報を。
確認した鳥:カワウ、ゴイサギ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、シロチドリ、ユリカモメ、ウミネコ、セグロカモメ、オオセグロカモメ、カモメ、ドバト、キジバト、ハクセキレイ、タヒバリ、モズ、スズメ
毎月行なっているため池の水鳥の調査に行って来ました。
今日のコースは、万代池と長池二つと桃ヶ池だけ。1時間弱のコースです。土曜日とあって、どの池も釣り人でいっぱいです。長池にはカモの姿はほとんどなく、桃ヶ池と万代池にはカモ類がたくさん来ていました。互いにすぐ近所にあって、環境もそんなに変わらないように見えるのに、桃ヶ池はハシビロガモ、万代池はヒドリガモ、長居植物園の池はホシハジロがたくさんやってきます。
万代池のヒドリガモの群には例年通りアメリカヒドリ雄とヨシガモ雄が混じっていました。ヨシガモのメスの姿はまだのようです。ヒドリガモの雄の目の後ろ辺りをよく見ると、さまざまな程度に緑色の部分が混じっている個体がいます。あんまり緑色の部分が多い”ヒドリガモ”の雄は、ヒドリガモとアメリカヒドリとの雑種の可能性が疑われることがあります。またよく探せばヒドリガモの群の中には、アメリカヒドリの雌も混じっているのかもしれません。アメリカヒドリの雌は、ヒドリガモの雌に比べて、大雨覆が白っぽく、飛んだときには翼鏡の前の部分の白帯がはっきりとでるそうです。またアメリカヒドリの雌は頭の部分の灰色味が強く、首から下との色の違いがはっきりでる傾向があるそうです。といったアメリカヒドリの雌とヒドリガモの雌の違いは、日本の図鑑にはあまりくわしく載っていません。ここでは「Wildfowl: an identification
guide to the ducks, geese and swans of the world」という本を参考にしました。一度ヒドリガモの群の中から、アメリカヒドリの雌を探してみてはいかがでしょう?
万代池で確認した鳥:マガモ(39羽、そのうち6羽は白アヒル)、カルガモ(14羽)、ヨシガモ(雄1羽)、ヒドリガモ(124羽、ただしアメリカヒドリの雌は区別しようとしていません)、アメリカヒドリ(雄2羽)、オナガガモ(雌1羽)、キンクロハジロ(9羽)、ドバト、キジバト、セグロセキレイ、ヒヨドリ、スズメ
桃ヶ池で確認した鳥:カイツブリ(1羽)、マガモ(9羽、そのうち5羽は白アヒル)、カルガモ(12羽)、コガモ(1羽)、ヒドリガモ(29羽、ただしアメリカヒドリの雌は区別しようとしていません)、ハシビロガモ(67羽)、ホシハジロ(2羽)、ドバト、キジバト、ヒヨドリ、スズメ、ハシブトガラス
またまたかすみ網を張って、鳥の標識調査をしました。捕まえたのはヒヨドリ14羽とキジバト1羽。
ヒヨドリは捕まえて鳥袋に入れておくとよく糞をしてくれて(網からはずすときに糞をすることも多いですが)、それを調べると何を食べているかたいていわかります(花の蜜を吸っている場合はさすがにわかりませんが)。今回捕まえたヒヨドリの糞からは、クスノキ(5個体)、ムクノキ(2個体)、ホルトノキ(1個体)、タラヨウ(1個体)の果皮や種子が出てきました。
一方、キジバトは種子までも砕いて消化してしまうため、糞を採取しても何を食べているかさっぱりわかりません。で、どうするかというと、食べた後そのう(食道の一部)に溜まっている物を、指で絞り出すようにして口から吐き出させるのです。これは信州大学の中村浩志さんに教えていただいた方法で、食物をいったんそのうにため込むハト類やカワラヒワなど、おもに種子食の鳥に対して有効な方法です。種子食の鳥の食性を調べる方法としては、そのうを切開して取り出してみたり、嘔吐剤を飲ませるなどといった方法もありますが、こういった方法は鳥にかなりのダメージを与えることがあり(嘔吐剤の場合死ぬこともあるようです)、結局慣れれば指で絞り出すのが一番簡単で鳥へのダメージも少ないようです。
最初の内はコツがよくわからずに吐かせるのに時間がかかって、キジバトにはかわいそうなことをしてしまっていましたが、最近は慣れてきてけっこう手際よく吐かせられるようになりました。今回のキジバトから出てきたのは、クスノキの種子13個とナンキンハゼの種子5個、カヤツリグサ科の種子1個、セミの眼1個でした。ナンキンハゼの種子には白い種皮が付いていましたが、クスノキの種子には果皮はついていません。少なくとも長居公園のキジバトはクスノキの種子は大好きだが、果皮は大嫌いのようです。京都大学で観察していたときは、クスノキの果皮も食べていたように思うのですが、他の場所ではどうでしょうか?
毎月行なっている大和川の水鳥の調査に行って来ました。カモ類やカモメ類が増えてきて、数えるのに時間がかかる季節になってきました。阪堺大橋の上流側にカモメが例によって集まっていました。ユリカモメが2841羽、ウミネコが77羽、セグロカモメ25羽で、まだカモメはやってきていません。このうちユリカモメだけを数えるのに22分もかかりました(1羽当たり約0.46秒ってとこです)。それも一回ですんなり数えられたわけではなく、最初は約800羽まで数えた時に、2回目は約1000羽まで数えた時に、群が飛び立ってしまい、再び降りてくれるまで待ってから1羽めから数え直すはめになりました。
で、なんで群が飛び立ったかというと、チョウゲンボウが1羽上空を飛んだからでした。カモメ類みたいに大きな鳥が捕まえられるわけはないのに、サギ類やカモ類は平気なのに、どうしてカモメ達はチョウゲンボウごときで飛び立つのでしょう? 高野大橋の所では、ハヤブサも1羽飛んでいました。かなり低空を飛んでいたのに、サギ類はやっぱり平然としています。サギ類は猛禽に襲われないのかな?
確認した鳥:カワウ、ゴイサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、ユリカモメ、ウミネコ、セグロカモメ、ドバト、キジバト、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
大阪府下の丘陵地の調査のために、学芸員6人で尊延寺に行ってきました。尊延寺は、棚田があって、ため池が散在していて、大阪では数少ない里山の風景が残っている地域です。冬鳥にはまだ少し季節が早いのか、鳥はたいしていませんでした。田の畦でツリガネニンジンやアキノキリンソウ、アキノタムラソウなどの花を見たり、ため池や水路でカエル類やイシガメ、ドジョウを採ったり、カキの実を失敬して食べたり、アキグミやミヤマガマズミ、カマツカ、クリの実を食べたりして、とても楽しく調査(?)してきました。おみやげにヤマノイモのむかごを持って帰ってきて、茹でて塩をふって食べました。食べてばっかり。
採集した脊椎動物:ドジョウ、ニホンアカガエル、ヌマガエル、ニホンアマガエル、イシガメ
確認した鳥:ドバト、キジバト、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ウグイス、ホオジロ、カワラヒワ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
毎月行なっているため池の水鳥の調査に行って来ました。
すでにあちこちの池にカモ類がたくさんやってきています。といってもカモ類がたくさんやってくる池はそんなに多くはありません。28の池をまわって10羽以上のカモがいたのは、大泉緑地の頭泉池、向陵東町の芦ヶ池、黒土町の新池、百舌鳥町の但馬池、野尻町の大津池、金岡町の長池、石原町の堂ヶ池の7つだけでした。頭泉池にはアメリカヒドリが来ていました。例年は大泉池の方にいるですけどね。
ショックだったのは長曽根町の毛白池がどうやら埋め立てられるらしいということです。池の周りを覆っていた樹がすべて切られて、池の端にショベルカーがおいてありました。この池は大阪府南部で唯一のトチカガミがある池なのに・・・。調査を始めて丸2年になりますが、調査対象に選んだ77の池の内、2つは完全に埋め立てられ、5つは一部が埋め立てられました。大阪市内のようにろくに池がなくなるのもそう遠くないことのようです。
かすみ網を張って、鳥の標識調査をしました。例によってヒヨドリ狙いで、捕まえたのは予定通りヒヨドリ12羽とオオルリ1羽。今年になって捕まえたのはこれで75羽になります。例年に比べると少し少ないか。オオルリは雄の幼鳥で、腰から尾羽と翼の一部だけが大人の羽になっていて、小雨覆や腰なんかは青くてとてもきれいでした。
捕まえた鳥は足輪を付けて計測するまでの間、袋にいれて持ち運び待っていてもらいます(この袋を鳥袋と呼んでいます)。けっこう多くの鳥は、この鳥袋に入っている間に糞をします。この糞に含まれている物を分析すると、その鳥が何を食べていたかがわかります。野外で糞を見つけてもどんな鳥の糞かはわからないことが多いのに対して、捕まえたときの糞は鳥の種類が確実にわかります。そこで、捕まえて糞を採取して分析するというのは、鳥の食性を調べるのによく用いられる方法です。鳥を直接観察することが難しい場合(熱帯雨林など)は、たいていこの方法で鳥の食性を調べています。
今回捕まえた中では、ヒヨドリ10羽が糞をしてくれました。糞の中身としては、ムクノキの種子や果皮が出てきたのが5羽、モチノキの種子が2羽、クスノキの種子が1羽、ハナミズキの種子が1羽で、残る1羽からはムクノキの果皮とモチノキの種子とタイサンボクの種子が出てきました。
身近な鳥の観察会(第2回)の行事でいってきました。天気がよくて暖かくて、人出もとても多かった。一応、トケンの一種、キビタキ、メボソムシクイが出現しましたが、参加者が喜んだのは、カワセミやコゲラ、シジュウカラといったところでしょうか。
キノコ:マンネンタケ(去年の)
確認した鳥:カイツブリ、ゴイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ(白いアヒルとアイガモのこと)、カルガモ、ホシハジロ、バン、ドバト、キジバト、トケンの一種(大きさはツツドリ位)、カワセミ、キセキレイ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、モズ、メボソムシクイ、キビタキ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
午後4時頃、長居植物園へ遠足に来ていた小学校の男性教諭(名前を聞き忘れました)が、ゴイサギの幼鳥を池の側で保護したと言って、小学1-2年生を数人引き連れて持ち込んでこられました。外傷はないけど相当弱っていて、やはり夜には死んでしまいました。
生きたサギの仲間は、目を狙ってすばやくつついてくるので、扱うときは注意が必要です。以前、長居植物園でコサギを保護したときは、一応警戒していたにも関わらず、目をつつかれてしまいました。幸い眼鏡をかけていたので事なきを得ましたが、結構強い衝撃がありました。分厚いレンズが幸いしたのかもしれません。
今回のゴイサギはつつく元気もなかったからよかったものの、下手をすると失明の恐れすらあります。もちろんすぐに危険があることを注意しましたが、その先生も小学生たちも無防備に近寄って頭をなぜていました。知らぬが仏とでも言いましょうか。
珍しいものを見ました。自然史博物館の通用門の所に、オオルリの雄の幼鳥がいたんです。この季節オオルリは別に珍しくも何ともありません。でもそのオオルリは地上を歩いていたんです。はじめは逆光ぎみだったこともあって、地上をホッピングしている鳥の種類がよくわかりませんでした。尾と嘴の短いヒヨドリのような鳥やなーと思いながら、地上を2-3m移動していくのを見ていました。パッと飛んだところで、ようやくオオルリであることがわかりました。地上を歩いているオオルリを見たのは初めてでした。
10月19日の身近な鳥の観察会(第2回)の下見にいってきました。天気はよかったのですが、風が少し強くて、鳥は少し見つけにくかった。望遠鏡の代わりにデジタルビューカムを持っていって、見ると同時に撮影してしまおうと思ったのですが、使い方をよく知らなくてピントがまるで合いませんでした。
けっこう他にも鳥を見るあるいは撮影する人たちがたくさんいました。狙いの秋の渡り鳥としては、ツツドリ、キビタキ、メボソムシクイを見れました。私以外の人はセンダイムシクイ、ムギマキ、オオルリも確認したそうです。ちょっと悔しい。
捕まえた甲虫:ヒメゴモクムシ、ムーアシロホシテントウ
確認した鳥:カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、コサギ、アオサギ、ガチョウ(もちろん家禽です)、マガモ(白いアヒルとアイガモのこと)、カルガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、ドバト、キジバト、ツツドリ、カワセミ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、メボソムシクイ、キビタキ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
他の人が確認したという鳥:ダイサギ、センダイムシクイ、オオルリ、ムギマキ、ヤマガラ
大阪鳥類研究グループの観察会として、タカの渡りを見ようということで朝早くから、箕面の聖天の展望台に行きました。午前7時から正午まで展望台でねばりましたが、タカの渡りらしく東から西へ飛んだのは、ハチクマ1羽、オオタカ1羽、ノスリ1羽の合計3羽だけ。サシバの陰も形もありませんでした。今年の箕面でのタカの渡りのピークは9月21日で、1800羽も飛んだそうです。タカの代わりにヒヨドリは多数、東から西へと群が飛んでいき、午前7時から正午までの間に、ざっと数えて1200羽でした。やはり朝一番が一番多く、約80%は午前8時半までに飛びました。
午後は滝まで行って桜広場を通って帰ってきました。渡りの途中の小鳥類が少しはいるかと思ったのですが、さっぱりいませんでした。仕方がないので、キノコや甲虫を採集しながら歩いていました。採集した甲虫は、初宿学芸員の同定によると、ヒラタゴミムシの一種、クロシデムシ(とても大きい)、センチコガネ(滝道沿いのサル?の糞にたくさん集まっていた)、ダンダラテントウ、アカハバビロオオキノコ(体長約5mmの黄色い丸い虫)でした。採集したキノコは、佐久間学芸員の同定によると、コガネウスバタケ、カラカサタケ、ビョウタケ、ワヒダタケ、スジオチバタケ、ヒラタケ、アミタケ、キソウメンタケ、ムササビタケ、ヒイロタケ、キツネノチャブクロなどでした。
確認した鳥:カワウ、トビ、ハチクマ、オオタカ、ハイタカorツミ、ノスリ、ドバト、キジバト、キツツキの一種(アオゲラ?)、コゲラ、コシアカツバメ、キセキレイ、ヒヨドリ、モズ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、イカル、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
久しぶりにかすみ網を張って、鳥の標識調査をしました。捕まえたのは、ヒヨドリ4羽とコゲラ1羽。ヒヨドリを捕獲して計測して、カラーリングを付けるのがおもな目的なので、まずまずの結果です。
コゲラは網にかかっているヒヨドリをはずしていたら、かすみ網のすぐ近くにやってきたので、反対側から驚かしたら網にかかってくれました。長居植物園でコゲラを捕まえたのは、これで2度目です。どちらも頭の両脇に赤い羽のある雄です(雄の頭の赤い羽は野外ではなかなか確認できません)。計測値は、自然翼長が76mm、尾長が42mm、ふしょ長が14.5mm、露出嘴峰長が15.6mmでした。
以前捕まえた個体には右足に金属リングを付けたので、今度は左足に金属リングを付けました。長居公園でコゲラを見かけたら、足に金属リングが付いていないか確認して下さい。もし付いていたら、いつどこで見たかと、どっちの足にリングが付いていたかということを博物館までお知らせください。ちなみに以前捕まえたコゲラは今でも、長居植物園でときどき見かけます。
毎月行なっている大和川の水鳥の調査に行って来ました。暑くも寒くもない気持ちのいい日でした。一年中こんな気候やったら調査もやりやすいのにな。まだカモ類やカモメ類には時期が早く、かといって近年の大和川にはシギ・チドリ類はほとんどいないので、今回もサギ類をもっぱら数えてきました。阪堺大橋のところに下流からミサゴが1羽飛んできて、50m足らずの距離でホバリングしたり、水面に急降下したりして見せてくれました。もっとゆっくり見たかったのですが、ハシブトガラスが2羽やってきて追い払ってしまいました。
確認した鳥:カワウ、ゴイサギ、ササゴイ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、ミサゴ、コチドリ、ウミネコ、セグロカモメ、ドバト、キジバト、カワセミ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
来年度の特別展「都市の自然」のための調査として、学芸員多数で一緒に行って来ました。鳥ではシギ・チドリ類を期待したのですが、コチドリがいただけで期待はずれでした。とにかくヒバリが多くて、繁殖期は終わっていると思うのに、盛んに囀っていました。何故でしょう?何カ所か淡水の水たまりがあったのですが、ヌマガエルがたくさんいました。こんな埋立地にどうやってやってきたんでしょう?
確認した鳥:カワウ(ウミウかどうか確認したわけではありません)、ダイサギ、アオサギ、チョウゲンボウ、コチドリ、ウミネコ、ドバト、ヒバリ、ツバメ、ハクセキレイ、モズ、セッカ、スズメ
自然史博物館の親睦会の旅行に行って来ました。
1997/9/29 福井県越前町〜福井市の越前海岸
福井市の三里浜ではウミネコのミイラを見つけて持って帰ってきました。ここの浜は砂浜も海浜植生も発達したとてもきれいなところです。藤井学芸員によると、おもな海浜植物としては、ハマゴウ、ハマニガナ、ハマベノギク、ウンラン、ネコノシタ、ネナシカズラ、カワラヨモギ、ハマヒルガオがあったんだそうです。
確認した鳥:アオサギ、トビ、ハヤブサ、ウミネコ、イソヒヨドリ、ハシボソガラス
1997/9/29 石川県小松市の名谷寺
境内にはコケがたくさんあって、池もあって、けっこう感じのいい場所でした。植物は採集禁止と書いてあったが、動物については禁止と書いてなかったので、トノサマガエルやイモリを採集してきてしまいました。鳥ではヤマガラの姿がよく目につきました。
確認した鳥:コゲラ、ヒヨドリ、エナガ、ヤマガラ
1997/9/30 石川県小松市のゆのくにの森
本来は石川県の伝統工芸などを緑の中で体験する場所のようです。そんな体験はまるで無視して、うろうろしていました。一番奥の所にある沢沿いがけっこういい感じの場所で、シュロソウやクルマバハグマ、オトコエシ、キバナガンクビソウなどが生えていました。ここでも鳥はヤマガラがよく目立ちました。子供たちがジムグリを見つけて騒いでいたので、横取りしてしまいました。
確認した鳥:コゲラ、ヒヨドリ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
堺市の生物多様性調査として、仁徳天皇陵に行って来ました。外からは何度も見ていても、なかなか大っぴらに中に入る機会はないので、この季節ではあまり大したものはいないとは知りつつ同行しました。結局あまり鳥は多くはありませんでしたが、中側の堀は冬になればオシドリがきそうな感じでしたし、カワセミが繁殖していてもいいような環境でした。今度は真冬に行きたいと思っています。鳥以外では、ヨシノボリ、ブルーギル、ウシガエル、カナヘビ、イシガメ、クサガメ、ミシシッピーアカミミガメを確認しました。
確認した鳥:カイツブリ、カワウ(ウミウかどうか確認したわけではありませんが・・・)、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、キジバト、カワセミ、コゲラ、ヒヨドリ、モズ、オオルリ、シジュウカラ、メジロ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス
同じく日本鳥学会のエクスカーションで、新潟県愛鳥センターも見に行きました。ここは怪我をしたりして保護された鳥を収容する施設で、元気になれば放鳥されるのだそうですが、長期療養の鳥もたくさんいるようです。野外のゲージは一般に公開されていて、誰でも見ることができます。とにかく猛禽が多くて、トビの次にオオタカが多く保護されるそうです。見学している間にもオオタカの幼鳥が保護されてきました。
野外ゲージにいた鳥:ゴイサギ、アオサギ、ヒシクイ、オオハクチョウ、コハクチョウ、カルガモ、トビ、オオワシ、オオタカ、ノスリ、サシバ、クマタカ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、ウミネコ、ドバト、キジバト、オオコノハズク、フクロウ、ハシボソガラス(アルビノ個体を含む)、ハシブトガラス
日本鳥学会のエクスカーションで、最近ラムサール条約の登録湿地になった佐潟を見に行きました。ここも冬になればハクチョウやらガンやらが来るようですが、まだあんまり何もいませんでした。1羽だけいたマガンは、越夏した個体だそうです。飛べるのになんでかな?餌付けされているらしく、すぐ近くまでやってきました。
確認した鳥:ゴイサギ、ダイサギ、チュウサギ、アオサギ、マガン、マガモ、カルガモ、コガモ、キジバト、スズメ
日本鳥学会の合間に、JR新潟駅からバスで25分位の所にある鳥屋野潟を見に行きました。冬になればハクチョウやらガンやらが来るようですが、まだあんまり何もいませんでした。
確認した鳥:ダイサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、キジ、ウミネコ、ドバト、キジバト、キセキレイ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、モズ、コヨシキリ?、ヒタキの一種、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシボソガラス
日本鳥学会の1997年度大会に行って来ました。学会の感想はともかくとして、キャンパスは広くてけっこう樹が多く、ちょっとした林も残されていて、季節が良ければけっこう鳥がたくさんいそうな感じでした。関西から行ったものとしてはオナガをたっぷりと見られたのが嬉しかったです。なぜかスズメを見かけませんでした。
確認した鳥:ゴイサギ、トビ、キジバト、ヒヨドリ、モズ、ヤブサメ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、オナガ、ハシブトガラス
大阪鳥類研究グループの観察会として、古墳やため池を見てまわりました。羽曳野市の雄略天皇陵は新聞に紹介されたのを見て、一度行ってみることになりました。すでにサギ類の繁殖期はおおむね終わっているので、あまり数は多くありませんでしたが、ゴイサギやコサギの巣立ちヒナを見ることができました。人家に近いので、苦情が出るのもわかるような気がする場所です。住民から苦情が出て、宮内庁がテグス(?)を張り、多くのサギが死んで、また苦情が出たと新聞(朝日新聞8月16日夕刊)には書いてありました。まだそれらしきテグスが残っており、コサギが1羽ひっかかってもがいていました。サギのコロニーは多くの場所で、付近住民から苦情が出ては追い払われ、別の場所にコロニーができてまた苦情が出るということを繰り返しています。一つの場所から追い払うだけでなく、問題の起きそうにない場所にコロニーを誘致するという方向で考えない限り、同じことがこれからも繰り返されていくことでしょう。
確認した鳥:ゴイサギ、ダイサギ、コサギ、アマサギ、アオサギ、マガモ(実際にはアヒルです)、キジバト、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、セッカ、スズメ、ムクドリ
大塚山古墳は羽曳野市と松原市にまたがっています。2年前の冬にはオシドリが見られたそうです。毎年来ているのでしょうか? 北側の堀にヒシ類に混じって、ボタンウキクサが浮いていました。
確認した鳥:カイツブリ、ゴイサギ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ(実際にはアヒルです)、カルガモ、ニワトリ(野良なのか放し飼いなのかはわかりません)、バン、ドバト、ヒヨドリ、スズメ
樋野ヶ池は1994年9月に大阪で初めてレンカクが記録された池です。ちょっと期待しましたが、いませんでした。代わりと言ってはなんですが、オオアカウキクサがたくさんあるのを見つけました。「近畿地方の保護上重要な植物」という本にものせられていて、けっこう希少なんだそうです。
確認した鳥:カイツブリ、チュウサギ、アオサギ、カワセミ、ドバト
毎月行なっている大和川の水鳥の調査に行って来ました。天気が良くてひたすら暑い。河口部にカルガモとウミネコの団体がいたけど、あとはもっぱらサギ類の数を数えていたようなものでした。
確認した鳥:カワウ、ゴイサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、コチドリ、トウネン、タカブシギ、イソシギ、ウミネコ、ドバト、ヒバリ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス
毎月行なっているため池の水鳥の調査に行って来ました。昨年もそうでしたが、8月になるとあちこちの池でチュウサギが見られるようになります。チュウサギがいたのは、黒土町の新池、金岡町の池(名前がよくわからない)、金岡町の菅池、金岡町の森池。池の水面を覆ったヒシやスイレンの葉の上で、採食していることが多いように思います。
博物館のガラスにぶつかって死んだらしい鳥の死体が見つかりました。一見して明らかにトケン類なのですが、種名まではちょっと自信がなっかたので文献で調べてみました。トケン類に関しては、「野鳥」の1995年4月号の4-5ページが、結局よくまとまっていて便利です。羽縁の色は白、下尾筒の色はどちらかといえば汚黄白色、横縞は10本ということで、文句なしのツツドリということになりました。明らかに幼鳥で、計測値は、自然翼長が194mm、尾長が126mm、ふしょ長が21.6mm、露出嘴峰長が19.5mmと、全体にちょっと小さめでした。
すでに大量のウジが湧いており、頭はウジの固まりと化していましたので、仮剥製の作成はあきらめて、そのままウジに肉を食べてもらって、骨格と羽の標本にすることにしました。2日もたつとすっかり肉はなくなってしまいました。大したものです。
秋に国体関連の特別陳列が予定されていて、そのための写真を撮りに初めて室池に行って来ました。季節柄、あまり鳥には出会わず、一番印象に残ったのは、JRの片町線が東西線の開通のおかげでとても便利になったことと、JR四条畷駅がなぜか四条畷市ではなく大東市にあるのを知ったこと。鳥があまりいないので、虫採りばかりしてきました。
コース:JR四条畷駅-四条畷神社-権現滝-室池-(何とか言う急な坂)-四条畷神社-JR四条畷駅
確認した鳥:ドバト、キジバト、コゲラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、メジロ、ホオジロ、スズメ、ハシブトガラス