(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月)
今日は久しぶりにインドアな感じで、ぼんやり過ぎた。思い出すのは、昨日の後悔。
昨日は堺のため池をウロウロした、ってのは昨日書いたけど、せっかくため池をウロウロするのだからと、カエルやエビやザリガニや貝を採集してこようと思って、入れ物と水網を用意していた。しかーし、入れ物は持ったけど、水網を忘れた。忘れたことに、出発してしばらくして気付いたが、戻るのが面倒なので、そのまま一路ため池へ。まあ、水網がなくてもなんとかなるさ。
おおむね何とかなった。ヌマガエルは捕れたし、ヒメタニシもカブトエビもカイエビも採った。しかしザリガニは手強かった。
ある池にザリガニがいた。岸の草を刈って、池の中に放り込んである。その刈られた草にザリガニがひっついている。どうやら食べているらしい。あっちにもこっちにもザリガニがいる。手も届きそう。しめしめと思って、手を伸ばすとすぐに水の中に潜ってしまう。まるで歯が立たない。
別の場所にもザリガニがけっこういた。ここは浅くてザリガニは潜っては逃げられない。今度こそしめしめと思って、手を伸ばすとすぐに逃げていく。速くて捕まえられない…。
逃げ場のない溝にでもいてくれないと、ザリガニを素手で採るのは難しい。水網さえあれば…。
ザリガニには逃げられたけど、謎の水草を採ってきた。アサザだったらしい。ほめられた。ただし、場所柄からして、植栽の可能性がある。
人が意図して植えたなら植栽、知らずに人が持ち込んだのなら移入、鳥にでもついて持ち込まれたのなら自然分布。後の二つは現実的には区別のしようがない。どう判断されるんだろう?
とっても暑くて死にそうな中、堺市のため池を自転車でウロウロ。顔見知りのおじさんが農作業してるところに遭遇。こっちは月に一度しか行かないし、おじさんは仕事のない日しか農作業をしない。というわけで、出会うのは年に数回程度。いつもは、軽く挨拶して、近頃この辺りでどんな鳥が出たとかいう会話をするのだけれど、今日はなぜか農作業の話題でもりあがる。炎天下、30分も長話。
苗を手にして田んぼの中をウロウロしてるので、何をしてるのかと尋ねると、田植えした苗の少ないのに足しているんだとか。機械はお馬鹿で、適当に植えるから多すぎたり少なすぎたりするらしい。
それから草取りの話。おじさんの小さい頃は、学校から帰ったら、苗が植わっている列と列の間を、なんとかいう道具を転がして草取りをしたものらしい。縦の列を一通りやったら、今度は横の列。縦横に行ったり来たりするらしい。昔は手植えやったから横の列もそろっていたからできたんだとか。機械はお馬鹿だから横の列はそろわない。
今は薬を使うから楽だとか。なんでも固まりを水の中に置いておくと、5m四方くらいに拡がって、地面をコーティングして草が生えなくするんだとか。また田植え前の苗に振りかけておくと、ニカメイチュウが発生しないという薬も使っているとか。さらになんたらメイチュウとかウンカとかの対策の話に進む。いろいろ薬を使ってようやく収穫できるらしい。兼業なので、手間を減らしてくれる薬は使わざるを得ない。それでもおじさんは自分の家でも食べたり、知り合いにあげたりするから、できるだけ控えめにしていらしい。
そこからこだわりの話へ。おじさんのこだわりは、天日乾燥。機械乾燥よりも絶対にうまい米ができるんだとか。干している間に、葉っぱや茎からコメに養分が移動するとのこと。タマネギでそんな話を聞くが、コメでもそうなのか。
最後はぼやき。近頃体力が落ちてきたから、押して歩く耕耘機ではなく、座って運転する耕耘機を購入。200万円。おじさんの田んぼは年間100万円程度の稼ぎにしかならないとか。完全に赤字。この辺のコメ作りなんて、みんな赤字や。金のかかる趣味みたいなもんや。
そうか、大阪の(少なくとも堺の)水田は趣味人によって維持されているのか。ケリもヌマガエルもカイエビもオオミクリも趣味人がいなくなったら、一緒にいなくなってしまうかも。これからも、大阪に数多くの趣味人が生き続けることを祈ろう。
最近体験した恐ろしい話。
とある本の原稿に必要なので、分布図を作ってみた。今までに採集した標本とか、観察情報とかを総動員して、ようやく完成。ここまでは怖くない。むしろこの直後は楽しい。
ほほー、この種はこんな分布をしてたのか〜。やっぱり山手が分布の中心やねー、とか。北部には分布してないねんなー、とか。分布図にしてみて初めてわかる傾向が読み取れる。分布図に等高線を重ね合わせたりしてみれば、標高が高い場所には分布してないのかー、なんてこともわかったりする。しかし、いろいろ考えながら分布図をながめていると、そろそろ恐ろしい事が起こり始める。
そう、分布しているはずなのに、プロットがない場所に気付き始めるのだ。調査エリア全体を万遍なく調査していればいいけど、普通はそうではない。また、なんとなく情報を集めていた場合では、すでにGETしていると勘違いして、採集や記録をしていなかったり、なんとなく面倒だからその日はスルーしてみたり、あれやこれやで、記憶では分布しているのに、記録では分布していなかったりする。
ここで、人は二つに分かれるのだと思う。呪われにくい人と呪われやすい人。まあいいか〜と思う人と、プロットが抜けてるエリアを再調査だ!と思う人。
そんなわけで、さらに最後の追い込みは続く。
午後7時、とある橋に集合。全員自転車でやってきていた。萌藏は遅刻とのことで、先に現地に出発。Y川の河口のベントス相は極めて貧弱なのだけど、それでも先日の調査で、クロベンケイガニ、ケフサイソガニ、ハマガニが確認された。そのハマガニをもう一度ということで、参集した次第。
忙しい中で、遅刻しそうになりながら慌てて行ったので、草履履きだし、懐中電灯は忘れるし、そもそもハマガニがどんなカニかの予習もしていない。
でも、とりあえずカニ自体はたくさんいる。堤防の壁にたくさんへばりついている。いったい何をしてるのかしらないけど、見つけやすい。でも、けっこうな斜面なので登っていって捕まえるのは、ちょっと難しい。はだしになってゆっくり登っていく。登ってそのまま横歩き。カニを捕って降りてきたら、草履からは離れてしまう。ガラスの破片がけっこう落ちているので、ちょっと危険かも。
やがて萌藏が合流。楽しく採集したカニはことごとくクロベンケイガニと否定される。なんでもハマガニは、あんまり毛がないらしい。龍さまが採集したカニの中に、あまり毛がないのがいた。アカテガニっぽいという話になる。この水系で新記録! やがて、龍さまはもっと立派な赤いアカテガニを採集してきた。これは確かにアカテガニ。
というわけで、一応成果があったものの、ハマガニの方は見つからず。暗くなってくるとさらに見つからない。だいたい今晩は大潮なのはいいけど、浣腸は真夜中。いまはほとんど満潮で、ハマガニ探しどころではないかんじ。もうちょっと潮の具合を見てから来た方がよさそう。と、言い訳して挫折。
次回があるのかは謎。
大和川水系のいろんな生きものの分布図を作っている。ここ3年ほどの間に調べた成果。提出日が迫り、だんだん追いつめられてきた感じ。哺乳類はとっくに終わり(2枚だけだから)。今日までに鳥類14枚を一応完成させて。今日は両生類に突入。
一部の生物群は、プロトタイプの分布図を作成しておいて、情報の抜けているエリアの情報を求めたりしていたが、両生類の大部分は標本や情報の整理が遅れて、これが初めての分布図作成。体系だった調査をした種はいいのだけれど、なんとなく標本と情報を集めていた種が心配。
そんななか、カジカガエルの調査をしてくださったTさんやMさんの報告には、合わせてタゴガエルやシュレーゲルアオガエルの観察情報も盛り込まれている。おかげで、プロットが充実。ありがたや〜。と、TさんやMさんに愛を感じてみたり。
一方で、タゴガエルが生息してる場所に、鳴いている時期に行ってるのに、フィールドノートにきちんと記録していない過去の自分を罵倒してみたり。
多くの方の協力で、それなりに大和川水系のカエルの分布が明らかになった気がする。でも、分布図にしてみると、情報が抜けてるエリアが目に付く種も。アマガエルがノ、タゴガエルがノ、トノサマガエルノ。補足調査に行きたいけど、締め切りは延びないものか??
今日は、なにわホネホネ団の活動日。他のことでやや忙しく、出だしも片づけタイムも、違う作業をしていたけど。間ではしっかり皮むきした。やはり新発見をした。
ハシボソミズナギドリの皮剥きをした。口をパカッと開けてみて少し驚く。舌の両脇に逆トゲがギザギザ付いている。上顎の内側にも呼応するようなギザギザ。捕まえた魚を落とさないためだろうけど、オオミズナギドリもこんなんなってたっけ?
それから、ハクビシンに取り組む。胴体と前足の片方だけ剥かれてあったのの続き。各足に指が5本あって、それぞれ指が長く、足先を剥くのが面倒。それでも開いて剥いていいと言われたので、わりとすぐに終わった。隣では、同じように足先を剥くのが面倒なアライグマを、こともあろうに筒剥きにしようとしていた。しっかり挫折していた。
そのハクビシン、何度も剥いているのに今回初めて気付いたことが二つも。まず指の爪が引っ込むらしい。ネコみたい。皮を剥く時は少し変な感じ。そして陰茎骨がない。ないって事は、曲がるってことかな? それはそれで便利かも。
箕面に鳥を見に行った。
小さい頃箕面に行くと言えば、阪急箕面駅から滝道を歩いて、サルに餌をあげて帰ってきてたような記憶がある。当時はまだサルへの給餌が行われていて、滝の周辺にはたくさんサルがいて、観光客からの餌を狙っていた。
そこいら中に、サルがいて、餌を狙っている。サルは人間をなめていて、攻撃的に来る奴がいたり、油断してると手に持っている食べ物をかっさらっていったり、下手をしたら荷物ごと持って行かれたりしていた。
子どもは格好の獲物。行く時はかなり緊張した。とにかくサルと目を合わせないように、うかつに食べ物を見せないように、荷物は絶対手放さないように。言い聞かせられる。ドキドキしながら行って、少しサルに餌をあげて、なにかしら怖い思いをして帰ってくる。いま考えると、どうしてわざわざ怖い思いをしにいくのか謎だが、生のサルを近くで見られるという誘惑には勝てなかったらしい。
今日も、阪急箕面駅から滝道などを歩いて、滝まで行った。サルは雄ザルが1頭いただけ。こちらには関心がないらしい。さらにビジターセンターまで行って、才が原林道を歩いて帰ってきた。帰りの才が原林道でサルの群れに遭遇した。
餌付けが行われなくなってから、何度か行ってるけど、群れに遭遇したのは初めて。雌を中心にした群れで、雌が10頭ほどいて、そのほぼすべてが子どもを抱いていた。道ばたで休んだり、木に登って木の葉っぱを食べたり。人を見ても逃げないけど、餌をねだる風もない。人付けされたサルの群れのような感じ(感じではなくそうなんだろうけど)。屋久島にでも来たような気分(行ったことないけど)。
木の上で葉っぱを食べるのに忙しい母ザルは、小ザルを残して、隣の枝に移動。しばらく一人で枝にしがみついていた子ザルは、あわてて、お母さんのところへ行って、背中にしがみつく。可愛い〜。お母さんのお腹にしがみついて、乳を吸ってる子ザルは、こっちが気になるらしく。乳首を吸いながら盛んにこっちを見てる。可愛い〜。まだ授乳されてる子ザルの目は青い。もう授乳されてないらしい少し大きい子ザルの目は、大人と同じく黄色っぽくなっていた。
餌をねだらないサルは、野生のサルらしい。箕面のサルもすっかり野生のサルっぽくなったなー、と感慨深い。それを間近に見ていると飽きない。ちょっと得した感じ。
今週くらいから、新たな生活パターンができてきた。もうしばらく続いた後、また元のパターンに戻るだろうが、記念に記録しておこう。
起床は午前4時頃。起床と言っても、寝っ転がってテレビを見てるだけ。午前6時家をでる。もともと朝食をとる習慣はない。家をでたらフィールドへ(フィールドへ行く予定のない日は二度寝)。
午前7時過ぎ、フィールド到着。調査開始。調査の終了時間はいろいろ。午後から用事があれば昼まで(それでも5時間近く調査できる!)。時間があれば、夕方まで(午後7時まで歩けば12時間だ!)。昼食は、軽くパンやおにぎり、あるいは食べない。一人でフィールドに出ると昼食をとらないことが多い。飲み物は死ぬほど飲む。
調査が終わったら、いったん帰宅。シャワー浴びて、着替えて、職場へ。まずは調査成果の整理、それから夜まで仕事。午後11時頃を目処に帰宅。寝っ転がってテレビを見て、夕食。就寝は午前1時頃。
昼間の時間がながく、フィールドワークもデスクワークも進む。問題は、睡眠時間がとても少ないこと。あまり寝てないし、あまり食べてないし、その上、歩きまくっている。それなのに、なぜか元気。自分の事ながらどうなっているのかよくわからない。
正しいオタマジャクシの飼い方をご存じだろうか? 知らない? 知らなければ、まずオタマジャクシを飼う時、なにが一番問題になるか考えてみたらいいだろう。
少なくとも止水性のオタマジャクシを飼う場合、金魚に必要なブクブクは必要がない。まあ一応餌はあげないといけないし、糞で水が汚れたら水を換える必要もある。しかし、それはたいした手間でもないし、ちょっとその気になってがんばればよろしい。一番の問題は、いくらその気になってがんばっても、ほとんど避けがたい現象。そう、オタマジャクシはカエルになってしまうのだ。
考えてみたら、こんなに理不尽なことはない。こっちはあくまでもオタマジャクシを飼いたいのに、勝手にカエルになる。その上、カエルになると、生きた虫が食べたいなどとわがままを言い出す。迷惑この上ない。子どもの頃には何でも食べるあんなにいい子だったのに、大きくなってわがままになるとは、成長過程になにか問題があるとしか思えない。親の顔が見てみたいところだ。
これでおわかりだろう。正しいオタマジャクシの飼い方とは、すなわちカエルにならないように、ずーっとオタマジャクシを飼うことなのだ。そんなことができるのかって? なにを隠そう、いま手元に3月25日に採集したニホンアカガエルとヤマアカガエルのオタマジャクシがいるのである。このアカガエルは2〜3月に産卵するので、今頃はみんな小さなカエルになっていること。ところがうちのオタマジャクシには後足が生える様子もない。正しいオタマジャクシの飼い方を追求している人のために、どうやってこの偉業が達成されたかを記しておこうと思う。
思いはするのだが、どうして達成できたのか、いま一つわからない。まあ、偉業とは往々にしてそういうもの。とにかくコツは、春先の成長期に、ほとんど餌を与えず、水も換えなかったことではないかと思う。少なくともどんどんカエルになってしまった昨年との違いはそのくらい。端的に言えば、忘れてたのだ。思うに、餌が不足すると成長を遅らせて、好条件を待つという生理があるのではないだろうか? あるいは、高密度下では成長を遅らせるとか(そして糞の中に成長阻害物質があるとか)。
とにかくあまりこまめに世話をしないのが、矛盾しているようだが、オタマジャクシとして長生きさせる秘訣らしいのだ。ただし、注意が必要なのは、あまりに餌をやらないと、丸いオタマジャクシが三角になってしまう。また水替えを忘れてすぎると、死んで腐ってしまう恐れもある。何事にも加減が大切なのは言うまでもない。
オタマジャクシを長生きさせ、すっかりオタマジャクシ飼育マスターの称号を欲しいままにしていたのだが、栄光の日々が過ぎるのは早い。近頃、なぜかオタマジャクシが次々と死亡し、標本に変わり果てつつある。オタマジャクシのまま冬を越させるつもりだったのにノ。残るは5匹。
なんてことはしなくても、放っておいてもオタマジャクシの状態で冬を越すカエルを飼えばいいんだけど。ウシガエルは飼えなくなったからね〜。
とある知り合いの話。
水草や甲殻類や貝などを探して歩き回っていたらしい。すでに何ヶ所かで水草を採集して、それなりの達成感とともに歩いていたところ、とある小さな水路にさしかかった。
遠目にも水の中に何かが生えてるのがわかる。こんな場所だと糸状藻類のたぐいかな、と思いながら近づいてみるとエビモだった。今日はエビちゃんが多いなとか、思いながら水路の中に入った。
ここで、少し補足説明。この知り合いは変わっていて、スニーカーを履いたまま平気で水の中に入る。濡れて気持ち悪いやろと思うかもしれないが、今日みたいに暑い日は、かえって気持ちがいいんだとか。話を元に戻すと、
水路の中で、エビモを根っこから採集。と、エビモにヒメタニシとマシジミがけっこう引っ付いてきた。貝も採集しなくっちゃと思いつつ、よーく見ると小さな丸い二枚貝が。ドブシジミや!
ここで、また補足説明。ドブシジミは、今回の一連の調査では、まだ2ヶ所でしか見つかっていない、けっこうなレア物。盛り上がる気持ちもわかってあげよう。で、話を元に戻すと、
エビモの採集もそこそこに、今度はドブシジミ探しに熱中し始める。水路の底にたまった砂を、水網ですくっては中身をよーく見ていく。するとけっこう見つかる。小さいけど数はけっこういるらしい。と思いながら、さらに砂をすくっていると大きな二枚貝が出てきた。イシガイや!
当然ながら、また補足説明。イシガイもまた、今回の一連の調査では、まだ2ヶ所でしか見つかっていない、かなりのレア物。盛り上がるのも無理もない。で、話を元に戻すと、
今度はイシガイ探し。あんまり見つからないけど、とりあえず2個をGET。という具合に、一人水路の中で盛り上がっていたそうな。
その水路は、水路と言っても溝に毛が生えた程度の小さな水路。立つと上半身は外にでている。水路の片側は田んぼだが、反対側は普通の車道をはさんで普通の住宅地。道は通学路になってるらしく、学校帰りの中学生が盛んに通っている。近所のおじさんも通っていく。
水路の中で妙に盛り上がっている人を見て、なんと思ったかは謎。みんな、見て見ぬふりをして通り過ぎるのでノ。でも、よく考えると、水路に入って、水網で砂をすくっては、妙に嬉しそうにしてる人は、かなり変。大きくなっても、あんな風になってはいけませんよ、と言いたくなるくらい変かも。
最後の補足説明。帰ってきて専門家に見てもらうと、イシガイではなくタガイと言われたらしい。タガイもまたまだ2ヶ所でしか見つかっていないので、まあいいか。
以上、あくまでも、とある知り合いの話。
大和川水系の生物相調査も佳境ってゆうか、いつまでやってんねん! って感じだが、この期に及んで新記録があったり、盛り上がりには事欠かない。
で、なぜか甲殻類の分類順を調べる羽目になったので、今回の調査で確認している大和川水系の甲殻類リストを作ってみた。
といっても水生のもののみ(陸生のダンゴムシ、ワラジムシ、ヒメフナムシとかは無視)。ミジンコ類など微小なのは抜き。あと面倒なので学名も省略。分類と配列は、『新日本動物図鑑』(北隆館)に従ったが、載ってないのは前後に適当にちりばめた。その他、曖昧なのはご容赦を。
節足動物門
甲殻綱
鰓脚亜綱
無甲目
ホウネンエビ科:ホウネンエビ
背甲目
カブトエビ科:アジアカブトエビ、アメリカカブトエビ
貝甲目
カイエビ科:カイエビ
トゲカイエビ科:トゲカイエビ
ヒメカイエビ科:ヒメカイエビ類2〜3種くらい?
タマカイエビ科:タマカイエビ
軟甲亜綱
等脚目
ミズムシ科:ミズムシ
ヨコエビ科:ニッポンヨコエビ
十脚目
ヌマエビ科:ミナミヌマエビ
テナガエビ科:テナガエビ、スジエビ
ザリガニ科:アメリカザリガニ
サワガニ科:サワガニ
イワガニ科:モクズガニ、ケフサイソガニ、
クロベンケイガニ、ハマガニ
その他、ヌマエビやエビノコバン(軟甲亜綱等脚目、エビに寄生する)が記録されてるらしいが、今回は確認できなかった(最後の追い込みで見つかるかも!)。外来のエビ類やヨコエビ類が入っている可能性もあるが、今回は充分な調査ができなかった。
充分な調査ができなかったってゆうか、なんとなく心残りなのがミズムシとニッポンヨコエビ。共にどこにでもいて、それでいて近縁種が分布していないとされる。分布図とか生息状況を調べる意欲があまりわかない。が、いろんな調査のついでに頻繁にお目にかかったのに。ついでに採集しておけば、よかったかなぁ〜。
今日は、斑鳩町を横断した上に縦断までして、さらに平群町も縦断してみた。なかなか成果があったと思う。
水草は、初めてののを3種類も採集した(と思う)。まずは、ウリカワ。水草図鑑で絵合わせしただけやけど、たぶん正解。水田雑草らしい。初めて見たけど、珍しくないらしい。次は何か分からない。コウホネか何かかな。そして最後は、イトモ! の仲間と思う。先日はただの細めのヤナギモでぬか喜びをしたが、今度こそ。なんせとっても細いからノ。
ウスイロオカチグサも採集。山からの冷たい水が流れる水路の壁にひっついていた。カイエビ類も採集したが、あいにくまん丸なのはおらず。
そして、重大な発見とは、
また早起きして午前7時10分から調査をスタート。6時間ぐらい歩いて、午後1時過ぎには終わる予定だった。でも、調査終了時間は、午後4時過ぎ。いつもの調査とあまり変わらない。つまりスタート時間に関わらず、終了時間は似たようなものになるという法則があるらしい。
もう一つの発見は、飯も食わずに9時間歩いても、とくにどーってことはないってこと。ジュースは死ぬほど飲んだけど。
【付記】
コウホネ?と書いたのは、ミズヒナゲシという外来種だったそうな。別名ウォーターポピー。そのまんまやん。
昨日の夕方はザーザー雨が降っていて、今日の午前中も天気が悪そう。てっきり観察会は中止と思っていたら、なんと決行! とりあえず集合1時間前に集合場所に到着。集合30分前になっても誰もこない。これは参加者なしで中止か、と思ったら、次々と人が集まって観察会開始。
普段の観察会では、けっこう子どもが多い。昨日の観察会も子どもが多かった。よく知ってる子は、どんどん話しかけてくれる。共通話題が多いので、なぜか盛り上がったりもする。それはそれで楽しいけど、一方で初対面の子は会話に参加しにくい。機会を見ては話しかけてみる。
話しかけて反応してくれる子や、知り合い同士の会話にもどんどん入れる子とは、すぐに友達になれる。でも、人見知りする子とはなかなか友達になれない。それでも何度か顔を合わせさえすれば、ちょっとずつ話をしてくれるようにもなる。
さて、今日は珍しく、よく知ってる子が一人もいなかった。ってゆうか子どもは、初対面の男の子が二人だけ。幸い二人とも小学一年生らしいが、二人も初対面。
一人はとっても元気。一番最初から話しかけてくれる。すぐにため口。もう一人は、ちょっとおとなしそうな感じ。でも、同年代が二人だけなせいか、一緒に近づいてきてくれる。おかげですぐに話をしてくれるようになった。
例によって、二人同時に違う話を始めるので、こちらはほとんど聖徳太子状態。鳥の観察会なのに、カブトエビ、ナメクジ、コイ、カメ。鳥以外の動物にばかり反応する。まあ、おかげで観察会の幅がでてよかったけど。
観察会が終わる頃には、二人は友達になったようす。そして、分かれる時は、二人とも手をふってくれた。友達が二人できたらしい。そんなわけで、楽しい観察会だった。
問題はといえば、歩いていると浣腸をしてきたり、ザックに木の枝をさしたりしてくること。怒ってもよさそうなところだが、中学生になっても同じ事をしてくる奴に心当たりがある。それを思うと妙に面白くて、怒る気にはならなかった。
つまり奴は、小学1年生レベルってことやな。今度、会ったら言ってやろ。
近頃は、諸般の事情で睡眠時間が少ない。夜更かしだけでなく、妙に早起きの日があったりと、睡眠時間帯も一定しない。おかげで、早起きが苦にならない、というメリットがある。
今日は朝から観察会。午前9時半に近鉄市尾駅に集合。と聞いてもぜんぜん平気。それどころか、いっそ早起きして、それまでに周辺で調査できるやん!と思いついた。
どうせ午前4時頃には起きてるし、それから午前6時頃まで用事をすませて、出発したら午前7時半には到着。2時間は余裕がある。
そして、朝、予定通り起きて。というか、ほとんど寝ずに、午前6時に家を出発。
午前7時10分、近鉄橿原神宮西口を降りる。ここから調査しながら、市尾駅まで歩く予定。時間的余裕ありまくりなので、のんびりスタート。高取川でさっそく各種水草を発見。近くの田んぼではカブトエビを採集。古墳の掘りではスジエビを採集。田んぼでマルタニシを見つけて、一人盛り上がったりする。
午前8時30分、まだ橿原高校の辺りにいる。やばい。まだ5kmほどあるのに! のんびりモードを改め、急ぎ足で歩き始める。でも、途中でヒメタニシを見つけたら拾ってしまう。
午前9時、曽我川の東橋。残りの距離は約3km。もうトップスピードで歩かないと間に合わない〜。
と思ったその時、前方の群界橋を越えて、白っぽい鳥が飛んでくる。ハトくらいの大きさ。ドバトにしてはなんか変、と思って双眼鏡をのぞいてびっくり。ヤマセミだった。飛んできたヤマセミは、目の前の電線にとまった。ぜんぜん逃げない。時間がないけど、ヤマセミ! とにかくザックからデジカメを取り出して、撮影してみる。光学で3倍ズームしかないけど、なんとかヤマセミらしい頭がわかる画像が撮れる。ちょっと満足。もっとゆっくり見ていたいけど、時間がほんまにない〜。もう観察会はどうでもええ!とも思ったけど、そんなわけにはいかず歩き出す。後ろ髪をひかれてヤマセミみたいな髪型になりそう(うまい!)。
午前9時33分、市尾駅到着。だれもいない…。なぜ? と思ったら、集合は午前9時40分だった。
ヤマセミは観察会の中でも出現した。近くのどこかに巣があるんじゃないかと思うけど、残念ながら見つからなかった。それにしてもこの辺りは何度も来てるけど、ヤマセミを確認したのは初めて。なんど調査しても新発見があるのは楽しいけど、調査がエンドレスなのは困りもの。
原稿の締め切りと言えば、文章を書くのにうんうん言ってそうだが、文章はけっこうあっさりできた。もちろん編集者から大量のダメだし。せっぱ詰まってきたら勝手にいろいろ書き換えてくれるから楽珍楽珍。ところが図ができていない。
いったいいくつの図を用意しないといけないのかリストアップしてみた。画像が20、線画が1、分布図が29。分布図だらけ。一つの分布図で2〜3種の生物の分布を表示してることも多いから、実際に分布を示す種は、56種くらい? 若干流動的。それでも分布図だらけ。分布図を見せる本やね。
今日はリストアップで力尽きた気がする。残るのは、画像7と分布図23…。23の分布図の状況を分類すると、
◆カテゴリー1:おおむね出来ていて仕立て直すだけ →9 枚
◆カテゴリー2:他の人の標本整理待ち →8 枚
◆カテゴリー3:データを掘り起こす必要がある →9 枚
とりあえず急いで、カテゴリー1をやっつけて、カテゴリー3に突入だ!
といいつつ、まだデータを集めていたりする。果たして間に合うのか?
平凡な雨の一日。雨なので調査を断念。インドアな感じで、盛り上がりに欠ける。と、思っていたら夕方になって、哺乳類の話題で一気に盛り上がる。
まずはヌートリア。萌蔵(仮名)が、奈良県の色んな市史や町史を調べてくれた。市史や町史はいろいろ奥が深くておもしろいのだが、河合町史(1981年)と安堵村史(1961年)(当時は村だったらしい)にヌートリアの記述が発見された。
河合町史に曰く、ヌートリアは1942〜1960年には、大和川や周辺のため池で繁殖していた。大阪府で飼育されていた個体が逃げ出して、大和川を遡ってきたものと思われる。
安堵村史に曰く、1945年頃から笠目や西安堵のため池や、富雄川、窪田付近の大和川にかなりの個体数が生息。
河合町や安堵町の辺りは散々歩き回ったけど、ヌートリアには出会わなかった。ってことは、かつて一度は定着したと見えたヌートリアが、その後絶滅したってことか? なにが原因で絶滅したかわかれば、現在増えつつあるヌートリア対策に役立ちそう。
ちなみに河合町史には、大和川にかつてカワウソが生息していたと書いてあった。詳細は不明らしいが。
そして最後はイタチ。イタチはイタチでも子イタチ。呼ばれて行ってみると、中学生がなんやら小さな動物を持っている。見せてもらうとイタチの子どもだった。大阪市住吉区で落ちているのを拾って持ってきたらしい。
持たせてもらったけど、とっても可愛い。抱かれるのは嫌らしく、脱出しようとするが、噛もうとはしない。爪を立てるだけ。逃げないように首に紐を巻かれていた。大人ならそんな紐はすぐにはずしそうやけど、大人しく巻かれたまま。臭ってみると、やはりイタチ臭いけど、我慢できないほどではない。洗えば、室内で飼えそうな感じ。
まだ乳離れしてそうにないので、拾った場所に放したらすぐに死にそう。というわけで、緊急避難的に当面飼うのは仕方がないが、大きくなったら(たぶん気が荒くなるだろうし)拾った場所で放すように。飼育方法や餌はフェレットを扱っているペットショップで尋ねるように。死んだら持ってくるように。と言い含めて帰らす。
イタチも子どもの頃は大人しいもんやねんね〜。ずっとこうなら飼ってみたいかも。でもきっと恐くなるんやろうな…
柏原市から三郷町にかけて歩いた。コシアカツバメの繁殖を確認したし。シュレーゲルアオガエルは鳴いていたし。イモリはいたし。サワガニやスジエビやヒメタニシは採集したし。ヤナギモやイチョウウキゴケを見つけたし。などなど、いろんな分野で一応の成果があったので、一応満足。
と思って帰ってきたら、同じように調査に出かけていたNさんに出くわした。カイエビを2種類採ったという。トゲカイエビとヒメカイエビとちゃうん、と思いつつ見せてもらう。
ちゃうかった。見たことのないまん丸のカイエビが泳いでいる。けっこうでっかい。これはB湖博物館のG氏が、ぜひ探すようにと言っていたあれではないのか? タマカイエビ。そうそうタマカイエビ。二人とも甲殻類は完全に門外漢なので、どちらも絶対の自信はないけど、二人ともきっとタマカイエビと確信。なんと言っても、名前の通りまん丸だし。
えー、カブトエビやカイエビはあちこちで探してきたけど、こんなん見たことない〜。そんなわけで、なぜか妙に悔しい。他の場所で見つけてやる!
聞くところによると、先週の土曜日、大和川河口でベントス調査が行われたそうじゃ。けっこういろいろとカニ類が見つかり、姫はたくさんのカニを集めて喜んでいたとか。そこに、萌蔵(仮名)さんがやってきて、1匹だけをピックアップしてこれ頂戴と言ったそうな。姫は気軽にカニを渡した。
これだけなら問題ないのじゃが、なんとそのカニはハマガニというそれはそれは珍しいカニ(大和川河口限定)で、後からそのことを知った姫は、えらくご立腹だとか。くわばらくわばら。
さて、前向きな姫はそのカニを取り返すのではなく、もう1匹ハマガニを捕まえようとその後何度かトライしているが、なかなか見つからないとか。それもそのはずハマガニはどっちかと言えば夜行性で、昼間探してもなかなか見つからない。そんじゃあ、ということで夕方から夜にかけての調査を企画した。姫の怒りを鎮めるために、者どもいざ大和川河口へ。
というわけで、2006年6月27日午後7時に阪堺大橋の南詰めに集合。公式行事ではないので、保険のたぐいは一切かかっていない。なにかあっても当局は一切関知しない。自己責任なので注意すること。
もし、夜の観察が楽しければ、公式行事を考えてもいいかもね。
スニーカーに穴が開いた。それは今日のことではなく、先週から開いていた。だましだまし使っていたが、うかつに歩くと足が痛いので、新しい靴に更新。なんせ穴は、かかとの真下。そんなところに穴が開くとは…。
そんなわけで、新しいスニーカーを買った。今日が履き初め。今日は、汚さないように気をつけよう。
さて、川沿いを歩いていると、マイブームのオオカワヂシャを発見。さっそく降りて採集。と、思って一歩踏み出したら、水の中に足を突っ込んでしまった。草を踏んだつもりが、その下は水が流れていたらしい。おニューの靴がさっそく濡れてしまった。と、ショックを受けていたら、もう片一方も浸水。もういいや! と靴をはいたまま水の中をジャブジャブ。冷たくて気持ちはいい。ただ、おニューだったのに…。
一度濡れてしまえば後はどうでもいいので、一日靴をはいたまま川の中を歩き回った。それはそれで楽しい。
川の中で水草を採ったり、貝を探したりしてるとは言え、本業は鳥屋。当然ながら、双眼鏡をぶら下げている。ぶら下げながら水の中をのぞきこむと、双眼鏡が水に浸かりそうになるので、注意が必要。もちろん注意してたのだけど、あれは生きたシジミではないか! と思わず顔を水面に近づけたら、双眼鏡が完全に水没してしまった。慌てて、救い出して、ふく。とりあえず、中に水は入ってないらしい。でも、カビたりしないか心配〜。
とうとう穴が開いたとは言え、前のスニーカーは、けっこう長いこと保った。半年以上と思うんだけど、日記に書いた気がするけど、正確なところがよくわからない。でもとにかく長持ちした。さすが大奮発して大枚3000円もはたいただけのことはある。新しいスニーカーもいきなりの水没にめげずに、長持ちしますように。
今日は、城ヶ崎へ行った。そういえば、大学生の集団みたいなのが、巡検っぽいのに来ていた。はぐれたのが先に到着して、「ここはモしろがさきモですか?」と尋ねたので、「いいえモじょうがさきモです。」と丁寧に答えたのだが、無事に落ち合えたらしい。先生らしき人物は、ちゃんとモじょうがさきモと言っていたので、件の輩は、人の話を何も聞いてないらしいことがわかる。
こちらは、中高生を引き連れての磯観察。といっても、よく考えると、鳥屋は磯では役に立たない。仕方がないので、磯の生き物を探したり、教えてもらったりしつつ、あとは危ない場所に勝手に行く奴がいないか見張る程度のお仕事。あまり磯観察に熱中できないのが残念なところ。
仕方がないので、見晴らしのいいところで、双眼鏡で監視。ビーチのライフセーバーのようというと格好いいけど、退屈。足下には大嫌いなフナムシがウロウロする。近づいてくると嫌なので、棒で追い払う。
追い払っても追い払っても奴らはやってくる。ちょっとは学習してこちらを避けて欲しいものだ。だんだん追い払うのにも飽きてきて、フナムシを観察してみることにした。どうも同じ個体が繰り返し帰ってきているらしい。行動圏がある程度決まっているのか。一方、他の個体を追い払う様子はないので、なわばりではないらしい。
さらに近くでよーく観察してみた。歩脚は7対あるらしい。尾が1対出ていて、先が二股に分かれている。などと思ってみてると、だんだん近づいてしまって、ふと気付くと目の前にフナムシが。あー怖かった。
あちこちのフナムシを観察していると、中に超特大のフナムシがいた。胴体だけで10cmはあったと思う(もちろんオーバーに記憶してるだけの可能性は否めない)。色も普通のフナムシとは違っていて、光沢のない緑がかった感じ。質感はゴム製品みたいな感じ。フナムシって長生きすればするほど大きくなるのかな?
そんなわけで、人生で一番じっくりフナムシを観察した一日であった。やっぱり嫌いやけど。
どっちが強いとお考えだろうか? カメは決して生まれたての子ガメではない。充分成熟してそうなミシシッピーアカミミガメ。トンボも決してメガネウラ級のトンボではない。普通にコシアキトンボ。だとすると、大きさから言って、とうぜんカメと考えるのが普通だろう。でも、そうとは限らないらしい。
今日は、枚方市のY池に出かけた。池に突き出た浮御堂もどきで、アオサギとカワウの繁殖コロニーを見てた。ふと下をのぞくと、ミシシッピーアカミミガメが浮かんで、こちらを見上げている。餌をくれるかもと思っているらしい。
そこにやってきた1匹のコシアキトンボ。猛然とカメに攻撃する。水上にあげたカメの頭を狙って、繰り返し攻撃。産卵するときのように、腹を打ち付けているように見える。
カメは、嫌がって水中に引っ込む。しばらくして再び頭を出すと、また同じトンボの攻撃。これを繰り返す。その内に、カメがトンボにパクッと食いつくかと思ったけど、カメはやられているだけ。
やがて、カメがその場所から離れていったら、トンボの攻撃が止んだ。そしてトンボもやがてどこかへ。そしたらカメが戻ってきたけど、今度はトンボは留守で攻撃を受けず。
自分よりはるかに小さいトンボにやられているだけのカメが妙に面白い。なわばり所有者がなわばりを守れるのは決して強いからではなく、強気に攻撃するからだ。という研究がハゴロモガラスであるけれど。種間でも、種間でも強気な奴は勝てるらしい。ブルジョア戦略は安定なんだねえ。
それにしても、あのコシアキトンボがいったい何をしたかったのかは謎。
サギの繁殖コロニーを見に行くから、集団繁殖について語ろうかと思った。でも、よーく考えたら、この後、ツバメの集団ねぐらやカラスの集団ねぐらも見に行く。ってことは、集団をつくることの損得について語る機会は、たーっぷりあるってことに気付く。
というわけで、急遽、つがい関係について語ることに。なんせ集団繁殖地といえば、EPCの宝庫。
今はなきO市立大学動物社会学研究室のおかげもあって、配偶システムやEPCに関する研究は、国内にゴロゴロしてる。そのうちの一つ、Fさんのアマサギの研究を見ると、アマサギのオスはたいへんそう。飯食うのも諦めて、巣を(というかメスを)ガードして、それでも油断したらメスはつがい外交尾をして、あげくの果てに巣を捨てて去っていってしまう。
もちろんオスはオスで、他のメスとつがい外交尾という選択肢があるわけだけど…。
サギの繁殖コロニーって、生き馬の目を抜くような大変な場所のよう。そういえば、近年、サギ類の繁殖コロニーの規模が小さくなる傾向がある。アオサギなんか、単独営巣も珍しくなくなってきた。これって、コロニーの大変さに嫌気がさしたペアが、新天地を求めて出て行ったからなのかも〜。
そして、しばらくすると、今度は単独営巣の寂しさに耐えかねて、また大規模コロニーが復活。こうして、サギ類の繁殖コロニーの規模は大きくなったり小さくなったりの振動を繰り返すのである。なーんてストーリー展開はないかな?
と言っても、いま流行のプロジェクトYの調査ではない。毎月行っている水鳥調査。プロジェクトYはほんのここ3年ほどの流行にすぎないが、この水鳥調査は1994年5月から毎月かかさず行っている由緒正しい伝統的な調査なのである。
でも、今は水草調査がマイブーム。水鳥を数えつつも、ついつい水草に目がいってしまう。だいたい、この時期の大和川にはあんまり鳥がいない。河口にウミネコとカワウがいる以外は、サギ類とカルガモがちらほらいて、ところどころでコチドリが騒いでいるだけ。水草に浮気する余裕は充分あるのだ。
そんなわけで、要所要所で水辺のオオカワヂシャを採集しながら進む。先月は目にとまらなかったカワヂシャも各地で見つかる。どうやら水草の目ができてきたらしい。オオカワヂシャとカワヂシャの雑種というホザキノカワヂシャっぽいのも見つかる。
さて、このオオカワヂシャは特定外来生物に指定されている。ってことは、野外に放すのはもちろん、生きた個体の売買も、飼育・栽培も原則禁止。それどころか生きた個体の運搬も禁止。動物の場合なら、採集して殺して持ち帰ればいいわけだけど、植物の場合は…。
植物の場合、死という概念が曖昧なので対処に困る。引っこ抜いたから死んだというわけにはいかない。折り取った一部から生えてくる植物もあるし。
仕方がないので、地上部を折り取ることで、許してもらうことにしよう。持って帰ってどうせ標本にするのだし。環境省も切り草は死んだと見なしてくれるらしい(と、植物屋さんに聞いただけなので真偽のほどは不明)。
そんなわけで、オオカワヂシャは採集して持って帰ってきた。ふと水面を見ると、小さいながらもボタンウキクサが浮いていた。これも特定外来生物。さっそく標本用に採集。と思ったけど、これは丸ごとすくうしかないのでは? すぐに標本にすればいいのか? 新聞紙におした時点で標本になったとみなしていいのか? でも、しばらくは生きてるだろうし…。特定外来生物の植物の扱いは難しい。
昨日まで、6日連続でフィールドに出ていた。まあ、遠方に長期調査に行けば、そんなこたぁ当たり前かもしれないけど、われわれ軟弱で出不精な都会人的には、たいへんな出来事。
なにが大変かって、毎日疲れて帰ってきて、採集物のとりあえずの整理と、急ぎのメールの処理をしたら、あとは頭を使う気力もなく、寝て。起きたらまたフィールド。他の仕事が進まない…。
というわけで、久しぶりに一日室内にいると、大いに仕事がはかどる。原稿も書ける書ける。なーんて事はなく、あいかわらず原稿は書けない。
仕方がないので、呼ばれてもない会議に顔を出して、ジュースなどを分けてもらいながら、他の人の話を聞くともなしに聞きながら原稿書き。
昔から、家族のそろった居間のこたつで、テレビを見ながら勉強していた究極のながら族としては、この状況が一番原稿を書くのに適しているに違いない。と思ったけど、あまり進まなかったかな〜。
今日は、鳥を中心に、甲殻類と貝類の調査。そのついでに水草も見てこようと思った。が、結果は、水草調査をしにいった感じ。
二兎を追う者は一兎をも得ず。四兎をも追っても一兎を得られたのだから、良しとすべきかもしれない。
とにかく、自転車で川沿いに走っていると、水草が気になる。オオカワヂシャを見つけては採集。けっこうカワヂシャと一緒に生えている。その割には、雑種は見あたらない。
水路を見つけたら、沈水性の水草がないか気になる。たいてい糸状藻類しか生えていない。残念。ちなみに藻類は高等植物ではないという理由で調査ターゲットからはずされている。
どうやら、河川や水路や溝を見るたびに、水草が気になる。これは、水の流れを見るたびにヒメドロムシを探したくなった昨年の夏に似た症状。どうやら水草にはまったらしい。
昨日、採集してきた水草がイトモかもしれない、とのこと。イトモはけっこう珍しい。イトモなら嬉しいな〜。水草病がさらに悪化するかも。
河内長野の山手の川沿いを一日ウロウロした。でも、一番のお目当てのものは見つからず。仕方がないので、2番3番のお目当てのものを中心に探す。
石見川というかなり山手の集落。けっこう上位にお目当てのサワガニを溝の中に見つけ、溝の中に入って拾っていると、古老に話しかけられる。年の頃なら75歳にはなってようかという感じ。
なに採ってるんや?
サワガニです。
わしも小さい頃は、よう釣って遊んだもんや。その頃は、こんなにでっかい黒いカニもおった。けど、今はおらん。
それはモクズガニですね。こんなに上流まで来てたんですね。
昔はカワガラスっちゅう鳥もいたけど、見かけんようになった。
今でも小深あたりにはいますねー。
今日は見あたらんけどイモリもおるし、腹の赤くないのもいる。
それはブチサンショウウオ! ヘビはどうですか?
ぎょーさんおるで。カエルをよう食べとる。
モクズガニにブチサンショウオ。なかなか貴重な情報が得られた有意義な会話であった。
古老とわかれてしばらくいくと、溝にヤマカガシの幼蛇が落ちていた。なるほどカエルを食べるヘビがいる。
さらに進むと、道ばたにアオダイショウとシマヘビがなかよく並んでいた。このアオダイショウ、測ってみると170cmもあった。身長と同じ。もう一人いたら、並んで写真を撮ってもらったのだが…。
今年もイチゴ狩りのシーズンがやってきた。イチゴ狩りで一番悔しいのは、うまそうなイチゴがなっているはずなのに、すでに先を越されていて、残っているのは未熟なものばかり、って状況。
今日は、一部すでに先を越された場所もあったけど、全般的に熟した果実がけっこうある場所に巡りあって、なかなか豊作であった。ただ、残念なことに団体で行ったもので、素早い子どもらや、目ざとい年配者に負けてばっかり。口に入ったのは、あまり多くなかったノ。
それでも、うまかった。やっぱりナガバノモミジイチゴとクサイチゴはうまいな〜。クサイチゴの方が甘いけど、ナガバノモミジイチゴの甘酸っぱさも捨てがたい。
今度は、一人で行って、思う存分食べるべ
今日は、水路や川を見て回って、水草についていろいろ教わった。大和川水系の流水に普通に生えてる沈水性の水草は5種だけなので、覚えるのも簡単。抽水植物はさっぱりわからないし(いまだにヨシとツルヨシの違いがわからない)、沈水植物でもため池のはわからないけど。流水、沈水、大和川水系の3条件を付ければ、もはや免許皆伝。
さっさと免許皆伝になったので、あとは水草の説明をろくに聞かずに、水の中の動物を水網ですくっていた。アメリカザリガニがけっこうとれる。場所によってはアホみたいに取れる。カメの餌にでもしようと捕りまくる。特定外来生物ではないものの、要注意外来生物。捕りまくることにさほど罪悪感がない。
持って帰ってきたアメリカザリガニ。標本用をキープした後は、飼ってるカメくん達に分け与える。カミツキガメくんは恐いくらいの勢いで食いつく。ワニガメくんは一応無視してるけど、あとでこっそり食べるはず。食欲不振のスッポンくんも、すぐに食いついた。というわけで、餌金とかカメ餌を買わずにすんだ。ありがたや。
こんな具合に、カメくん達はアメリカザリガニが大好物。もしアメリカザリガニがいなくなったら、こうしたカメ類が減少するんじゃないかと思うくらい。他にもサギ類など、水辺の捕食者にアメリカザリガニ愛好者は多い。
一方、もしかしたら大量のアメリカザリガニのせいで、水辺の大型捕食者が、異常なまでに増えてるのかもしれない。だとしたら、アメリカザリガニを減らした方がいいのかな〜。
と、問題はなかなか奥が深い。
ところで、今日捕まえたアメリカザリガニに1匹だけ青い個体がいた。なかなか綺麗。これって、このままずっと青いのかな?
この繁殖期のテーマは、コシアカツバメの繁殖地探し。昔の記録のある場所に行ってみたり、山手に行けば大きな建物に注目してみたり。ツバメが飛んでいたら、腰が赤いか確認したり。
今日は、富田林から河内長野あたりを歩いた。山の方の道路を歩いていると、なんやら大きな建物。コシアカツバメの巣があるかも。と思ったら、周辺をコシアカツバメが飛んでいる!
がぜん盛り上がって、その建物に近づいていく。なんやら門があるけど、開いてるし、とくに咎められそうでもない。管理してる人に断るにしても、まずは入らないと話が進まない。
と、自分に言い訳して入ってみる。誰かに断った方がいいかなぁ〜、と思いつつ進んでいくと。ツバメが巣のあるっぽい渡り廊下に出入りしてる! とりあえず、一目散に出入りしてる渡り廊下の方へ。
下からでもツバメの巣がほぼ全部見えている。2〜4階の渡り廊下の天井に巣が9つ。2つは入口が壊れてる。壊れてない巣の一つから1羽が顔を出し、もう一つからツバメが飛び出す。少なくとも2巣で繁殖確認。
と、一応満足して、ふと横を見ると、職員らしきおじさんが立っていて、こっちを黙って見てる。顔が合っても無言。これはまずいのではないか? と思いつつ、しばらくにらめっこしてたら、相手が何かいいかける。ここは機先を制しなければ! とコシアカツバメの解説を始めてみた。
「あそこに見えるの、コシアカツバメって鳥の巣なんですよー。大阪で繁殖してる場所はあまり多くないんですよー。今日は、コシアカツバメの巣を探しに来たんですー。」
それに対して、職員側、
「はぁ、バードウォッチングかなにかでノ。あの渡り廊下は、非常階段に行く廊下なので、普段は誰も行かないんです。」
と、納得した上で、なぜか説明つき。
二人で並んで門まで歩いて、さりげなく解散。結局、無断立ち入りを咎めたり、謝ったりというやりとりはなく、終わった。先手必勝とでもいうのか。
ある種の介護施設かなにかだったらしい。これが学校だったら、今の世の中、下手したら通報されてしまうかも。学校に入る時は注意しよう。
というわけで、コシアカツバメの調査は、なかなかスリルに満ちているのである。
世界最小の植物というのを見せてもらった。植物の中に藻類を入ると最小の座が危うくなるので、維管束植物の中でとか言ってた気がする。一応、種子植物の一種。
世界最小と言われると、ほぅー、と思うけど、何度も見たことあるし、名前も知ってる。世界最小という言い方があるのか〜、と。その言い方に感心したというか、言われてそんな見方があるのに気付いたというか。
種子植物だけあって、まれに花を付けることがあるんだとか。それにはほんとに吃驚。おそらく世界最小の花に違いない。一度見てみたいものだ。
あと感心したのは、標本の仕方。種子植物なので、やはり定型サイズの台紙に貼るらしい。でも、普通のテープでとめるのは不可能。で、どうするかというと、水にたくさん浮かべて、濾紙かなんかで大量にすくい上げて、そのまま乾燥。ひっついてる紙ごと台紙に貼るらしい。一度、さく葉標本を見てみたいところ。
なんせ成熟個体でも、一個体の大きさは1mmに満たない。1枚の台紙にいったい何個体ひっついているんだろう?
ここで問題。この世界最小の緑のツブツブ。じゃなかった、世界最小の植物はなんでしょう?
さて、話はかわって、全国7120名の難読地名ファンのみなさま。ご無沙汰しています。久しぶりの今回は、奈良県高取町。さほど難しくない地名から、ちょっと読めないのまで、6つ選んでみました。
越智、吉備、丹生谷、与楽、谷田、羽内
最初の3つは人名にもあるので簡単。4つめは、普通に読んだらちょと違う。5つめは普通によんだら間違い(今日は大声で間違った読み方をしていたノ)。最後が読めたら、あなたは名誉高取町民。
近頃は警察と仲がいい。今日は、拾得された謎のカメの同定を頼まれた。見せてもらうと、スッポンだった。けっこうでっかくて立派。
これが逃げたペットだったら拾得物やけど、野生のスッポンだったら野生動物を捕まえただけ。拾得物なら法律上は半年の保管、野生動物なら捕まえられた場所に放しにいくんだそうな。ちなみに半年の保管と言っても、生ものとか生き物の場合、無理だったりするので、2週間で処分することが多いとか。
さて、カメを拾った場合を考えてみよう。ケヅメリクガメとか、スッポンモドキなら、拾得物扱いして問題なさそう。カミツキガメやワニガメの場合、かつては拾得物だったろうけど、今は”野生”かもしれないのでややこしい。日本の在来のカメの場合も、野生の場合も、ペットの場合もありそうで判断に迷う。
スッポンが街中を歩いていたらペットかスッポン料理店から逃げたと思うけど、川や水路の近くなら野生かも。今回の場合、とっても大和川に近い場所で拾われたらしいので、野生の可能性もあるのかな〜。正確な場所を聞いて判断ってとこか。
ちなみに警察的には、あまり深く考えず、拾得物か野生か微妙なら、とりあえず2週間預かって、その後は適当に処分するらしい。適当ってのがどんな処分かは気になるところ。
カメオではない。カメモ。もちろんカモメでもない。
昨日、久しぶりに飼っているカミツキガメとワニガメに餌をあげた。どのくらい久しぶりかというと、たぶん昨年の10月以来ではないかと思う。半年以上も餌をあげなくても元気とは、たいへん飼いやすい。
とはいえ、すでにけっこう暖かくなってるからカミツキガメはかなり腹をすかせていたらしく、餌に向かって伸びてくる首が積極的でちょっと恐い。一方、ワニガメはあいかわらず腹が減ってるのか減ってないのかわからない。大きめの金魚を10匹入れてみたけど、とりあえず食べそうではない。
カミツキガメの背中は以前から藻類の楽園となっている。ってことは知っていたけど、久しぶりに見ると、えらく毛足が長くなっている。食事に忙しそうなすきに、甲羅の藻類を引っ張ってみた。けっこう堅くてしっかりくっついている。
このまま放置したら、見事なミノガメになりそうだが、この夏のお披露目にミノガメってのもなんなので、藻類を手当たり次第むしってみる。頭に生えてるのは、どうしたものか思案中。
この藻類。もしかしたら、カメにだけ特異的に生える種類だったりするかも。名前はきっとカメモ。
昨日は、なにわホネホネ団の活動日だった。でも、昼間は他のサークルの観察会に出かけていて留守だった。留守の間に、多くの見学者がやってきて、なんやらにぎやかだったらしい。
それはさておき、夕方に帰ってきて、ホネホネ団に合流した。おやつを食べて、鳥の皮むきのダメだしをして、タヌキとかの皮なめしを手伝った。皮に残っている脂や肉をずーっと削り落としていたので、今日は指先が痛いし、力があまり入らない。これを繰り返していたら、アイアンクローができるようになるに違いない。
それもさておき、夕方からの短い参加ながら、昨日はいろんな発見があったので、記録しておこう。
・毛皮の処理の仕上げには、手のひらに収まるサイズの石器が便利。T顧問から借りたというのを使ってみると具合がいい。サヌカイト製らしい。褒めちぎっていたら、T顧問が新しい石器をいくつか作ってくれた。各自、自分の手の大きさにあった石器を作っておくといいかも。
・トレイに尖った骨がいっぱい並んでいると思ったら、ハリセンボンのトゲなんだとか。1000本どころか、500本もなかったらしい。
・キンクロハジロの皮むきをしていた。内蔵があったので、胃を裂いて、中身を出してみた。大部分が黒っぽい細かい物。詳しくは調べてないけど、食べ物と言うより泥みたいな感じ。はっきりした固まりの大部分は、小石。堅い物をすりつぶすのにいるとしても、ちょっと多すぎるように思う。小石だらけ。あと、ウルシ類やシャリンバイなど樹木の種子が少し入っていた。本来の食性である予定の貝は、二枚貝の殻の破片がごくわずか混じっていた程度。ちゃんと食事していたのか疑問。ちなみにこの1月に和泉市で拾われた死体。栄養状態は悪くなかった。
今日は、六甲山をウロウロというか、東お多福山に登ると見せて、登らずに、住吉川沿いに下ってきた。住吉川沿いはソウシチョウがとっても多い。どのくらい多いかというと、囀っている鳥の多い方から、トップ3がソウシチョウ、センダイムシクイ、ウグイス。というくらいに多い。
いつまでたってもソウシチョウの囀りが覚えられないので、今日こそ覚えるべくがんばってきた。どのくらいがんばってきたかというと、ソウシチョウの囀りはこんなんだと、未来の自分がわかるようにフィールドノートにメモしてきたのだな。どんなんかと言うと、
「低い声のメジロのようなさえずり。音質は、コジュケイやウグイスに似てる。出だしにはホオジロ風のフレーズ。クロツグミよりも囀りのヴァリエーションが少ない気がする」
これで未来の自分がわかることを願おう。
まだ関西にはいないようだが、関東なんかでは、ガビチョウなんていうまたややこしい声で囀る鳥が拡がっている。ただのガビチョウだけでなく、カオグロガビチョウ、カオジロガビチョウ、ヒゲガビチョウ。日本各地にいろんなガビチョウ類が定着しはじめている。近い将来、関西でもガビチョウ類が定着する可能性は高い。そうなると、囀りを覚えるのが大変! とにかく今の内に、まずソウシチョウを覚えなくては!
本日(5月27日)、正午頃、大阪府堺市野尻町在住のアルビーさんの入籍が明らかになった。お相手は一般人とのことでその素性は明らかにされていない。
アルビーさんは、2001年5月生まれの満5歳。本籍は、兵庫県伊丹市昆陽池。独り立ちしてからは、大阪府堺市を中心に活動し、近年は松原市や大阪狭山市から富田林市や岸和田市にまで、その活動範囲を広げていた。
新居は、本拠地である堺市野尻町大津池の島の西の端の方。見晴らしのいい高枝に構えている。おそらく出来ちゃった結婚であろうと噂されているが、その点はさだかではない。しかし、今まで出かけたまま戻らないことも多かったのが、近頃はめっきりおとなしくなり、真面目に帰宅し、家で過ごすことが多いという。
現地で取材しているC特派員によると、4月21日にはまったくそんな気配はなく、そのスピード結婚ぶりに周囲は驚きを隠せない。なお今後は、アルビーさんの子どもが、アルビーさん似なのかどうかに周囲の注目が集まる模様。
昨日、金剛山から下る時、ふと気が向いて、コケを採集してきた。渓流の湿った岩や倒木の上に、小さな丸い葉っぱがたくさん着いていてとても綺麗だった。ちょっと名前が知りたかったわけ。
今日、コケ屋さんを見つけたので、名前を尋ねてみた。チョウチンゴケの仲間と即答。チョウチンゴケ科には、何種かあるらしく種名までは即答されなかった。そばに転がっていた『福井のコケと地衣【補遺】』という本を見るに、ツルチョウチンゴケというのに似てる気がする。もちろんこんな絵合わせで決めたらダメなんだけど。
そのチョウチンゴケに並んで、細くて短いもやしみたいなのが、生えていたのでセットで採集してきた。もしかしたら、そのチョウチンゴケのさく(草冠に朔なんだけど‥)かもと思ってたら、別のコケなんだそうな。ヤバネゴケの仲間と今度も即答。オタルヤバネゴケかなぁ、とのこと。
ちなみにチョウチンゴケは蘚類で、ヤバネゴケは苔類なんだとか。種名はもちろん、科名どころか、蘚類と苔類すら区別できないノ。コケは奥が深すぎ。顕微鏡で見るのはめんどいし。
わかったことといえば、どうやら自分はチョウチンゴケの仲間が好きらしいことか。この名前だけでも覚えておこう。
今日は金剛山を下った。北側斜面の谷沿い、川沿いに歩くのが目的なので、いちいち登山は面倒。ロープウェイで上まで行った。ロープウェイが出たばっかしに着いたので、30分待ち。もしかしたら、歩いて登った方が速かったかもノ。
それはさておき、お気に入りの谷を下る。ほんのりと歩く道はあるのだけれど、とくに源流部分は石がガラガラで足下に気をつけないとこけそう。急なところを何度かまいて、ようやく林道に出てくる道。下るのはいいけど、このコースを登るのは難しそう。最後の登り口を見つけるのが大変。
さて、一番の狙いはカワガラス。予定通り発見。次の狙いはカジカガエル。これは見つからず。残念。そしてサワガニ。無事に採集。あとは、ヒメドロムシやミズギワゴミムシを採集。一応の目的は果たせたのではないかと思う。
それにしても、ガンドガコバにカヤンボ。この地名の由来・意味はなんなん? 日本語離れしてるよなー。
午後から30名ほど引き連れて、植物園をウロウロ。鳥の観察だけど、バードウォッチングではなく、鳥の繁殖行動の観察。
まず、東屋にあるスズメの巣を見に行く。予定通り、巣材を熱心に運んでいる。その横の変な構造物で営巣するムクドリも観察。親鳥が餌を運んでくるたびに、中からヒナの大きな声が聞こえる。
少し進むと、木の上に鳥の巣を発見。ちょっと変だけどヒヨドリの巣。と説明してたら、ヒヨドリが帰ってきて、巣に座り込んだ。すでに卵があるらしい。その巣のすぐ横に、シジュウカラの巣立ちビナがいた。ぼやっとした模様が可愛い。でも、繁殖期のヒヨドリは気が荒いから、攻撃されるに違いない。と思ったけど、ヒヨドリは無視。巣に入ったメスも、巣の周囲にいるだけのオスも、シジュウカラには反応しなかった。シジュウカラは攻撃されないものなの?
池の上をコアジサシが4羽ほど飛び回る。盛んにダイブして魚を捕る。でも、見てたら自分で呑み込んでいた。ヒナに餌を運ぶわけではないらしい。
草刈りした芝生の上に、ムクドリとスズメの集団。ムクドリは盛んに虫を捕まえては、どこかに運んでいく。スズメは、よーく見ると嘴の黄色い幼鳥がけっこう混じっている。でも、親からの給餌は受けていなかった。
さらに、進むと、シジュウカラとメジロが囀る。これも一応繁殖行動。そばをコゲラがウロウロ。1羽だけで何をしてるか不明。
小池の北の松林でカラスの巣を探していると、妙な鳥が枝にとまった。見てみるとコサメビタキ。こんな時期に出現するとは珍しい。繁殖したら嬉しいけど、コケとか地衣類がないから巣がつくれないかも…。さかんに飛び立っては虫を捕る。地面すれすれで大きなガを捕ったりして、なかなかのサービス。
と、コサメビタキを見ていると、あの大きな鳥はなんや? という声が聞こえてくる。見に行ってみると、アオバズクがいた。枝にとまってこちらを見てる。これも繁殖したら面白いけど…。
コサメビタキとアオバズクのおかげで、すっかり普通バードウォッチングのようになる。
二次林で、ハシボソガラスとコゲラの古巣を観察。ちょっと繁殖行動の観察っぽい感じに戻ったかと思いきや。カメラマンがサンコウチョウを撮影してるのに遭遇。一緒にサンコウチョウのオスを観察した。
まあ、鳥の繁殖行動を色々観察して解説もしたけど、記憶に残っているのはアオバズクとサンコウチョウ。心ならずも普通のバードウォッチングになってしまった…。
某公的機関からの問い合わせ。一番速く飛ぶ鳥のスピードはどのくらい?
『The Cambridge Encyclopedia of Ornithology』って本を開いてみたら載っていたので、それを見ながら答える。一番速いのは、ホンケワタガモの秒速21m(時速75.6km)、ついでコハクチョウの秒速20m(時速72km)とある。もちろん、すべての鳥の情報を網羅しているわけではないだろうから、もっと速い鳥もいるかもしれないけど、意外と速くない。
速そうな仲間を見てみると、チョウゲンボウが秒速9m、ヨーロッパアマツバメが秒速11m、ツバメが秒速9m。みんな時速40kmを超えない。全体を見ると、大形の鳥がずっと安定してバタバタ羽ばたいて飛ぶのが一番速いらしい。
ちなみに、以上はすべて水平に飛ぶときの話。急降下するときはもっと速い。最速記録としてあがっているのは、ハヤブサの急降下で秒速70m。時速252km。速ーーーい。一昔前の新幹線なみ。
時速100km以上で水平に飛ぶ鳥がいるか知りたかったらしい。いったい、なんの事件?
フィルムケースのふたを開けると、コウガイビル君が出てきた。よーく見ると、シュモクザメの頭みたいな形の頭(頭という用語はたぶん不適当だけと、まあいいか〜)で、前を探りながら進んでいる感じ(頭の前縁に小さい目がたくさん並んでいる、と、ものの本を見ると書いてるようだ)。頭を左右にふって、先端が地面(この場合はフィルムケースの側面)にぶつかると引っ込めてる。
いたって機嫌良く進んでいる。ようでもあるし、フィルムケースの感触が嫌で、大急ぎで移動してるようでもある。
フィルムケースから降りると、下にコピーした地図があった。老人ホームと書いてある場所の手前で止まってしまう。最初は頭で地面をさぐっていたが、やがて動かなくなる。
紙の上は気持ちええなぁ〜、と休憩している。ようでもあるし、紙の上は動きにくいだけのようでもある。
今度はテーブルの上に移してみる。やっぱり動かない。頭を地面に付けては、地面にひっついた頭を引きはがすのに苦労している。ようでもあるし、引っ付けてははがして遊んでいるようでもある。
上から水を垂らしてみる。全長2cmほどのコウガイビル君は、表面張力で丸く盛り上がった水滴の中にすっぽり入った。とたんに動き出す。わーい水だぁ、気持ちいいな〜、と喜んでいる。ようでもあるし、水に溺れてるだけのようでもある。
自力では水滴の表面張力を突破できないような感じなので、水を減らしてみた。コウガイビル君は動かない。機嫌良くじっとしている。ようでもあるし、単に弱ってるようでもある。
コウガイビル君の気持ちはよくわからない。どうしたら、うまくつきあえるんだろう?
大和川ばかりに行ってたけど、今日は淀川に行った。プロジェクトYで一緒に大和川の調査をしてる人も一緒だった。その人、曰く、淀川もプロジェクトYやね。
ばれたらしい。そう大和川がプロジェクトYなら、淀川もプロジェクトY。実際、ひそかに大和川の調査がこの夏に一段落したら、淀川の調査プロジェクトを始める予定。その名もプロジェクトY2。どうやら誰でも思いつくことらしい。
ところで、世間的にプロジェクトYっていうと何のことかな? と思ってググってみると、いろんなプロジェクトYが引っかかってくる。その中で、同じ自然史系のといえば、屋久島関係のプロジェクトYがある。どうも2004年6月にはじまったらしい。こっちより後、パクったな!
今日の午後は、大阪市西区の300人以上入る会場で高座に上がった。N師匠との二人会。恐れ多くもN師匠が前座で、こちらがとりを飾らせてもらった。
着いたのが、午後1時過ぎ。取るものも取りあえず、まずは会場の下見。なかなか立派。演者にスポットをあてると言うから、丁重にお断りした。
それから楽屋入り。N師匠と相部屋だったが、なかなか豪華。4畳半くらいのフローリングに、3畳ほどの畳の間がついている。水道も布団も戸棚もあって、我が家とさほど変わらない。冷蔵庫の中の物は何でも好きなだけ飲んでもいいと言われた。大喜びで開けてみると、緑茶とミネラルウォーターのペットボトルが5本。それでも好きなものを好きなだけという響きが嬉しい。
午後1時半に会場が開場。続々とお客さんがやってくる。知った顔もチラホラ。100人弱だろうと予想していたけど、150人にせまるお客さんが集まった。それだけ入ると定員300人の会場も寂しくない。よかったよかった。
午後2時、前座のN師匠が高座に上がる。今日の師匠は、あまり知らない演目をやるようなので客席で拝聴する。出だしはなかなかいい出来だったが、後半は少し盛り込みすぎか。いまひとつ笑いが取れてなかった。とりにプレッシャーがかかる。
午後3時。出番がやってくる。高座に上がったら、あとは成り行き任せ。思いつくままに演じたら、時間を過ぎてしまった。でも、それなりに笑いはとれたと思う。
事務所の方で、お茶とお菓子を出してもらって、お客さんの感想を見せてもらいながら、少し休憩して引き上げてきた。わりと受けはよかったらしい。よかったよかった。
せっかくの楽屋にいた時間は、5分もなかったな〜。それが少し心残り。
2004年から大和川水系の色んな生物を調査してる。てな話を明日するので、この3年ほどの間にどんな調査をしたかリストアップしてみた。自分が中心になった調査だけでも、けっこうたくさんあって吃驚。
【鳥類】
・河川沿いの繁殖鳥類調査(2004年4〜6月):分担調査
・河川沿いの冬鳥調査(2004年12月〜2005年2月):分担調査
・ため池の繁殖鳥類調査(2005年4〜8月):分担調査
・カワガラス調査(主に2006年2〜3月):分担調査
+ただし2005年1〜6月、2006年1月の情報も含める
・コシアカツバメ調査(2006年5〜7月):分担調査
・その他の鳥の繁殖調査(なんとなくずっと):随時情報収集
とくに注目してるのは、カワウやサギ類のコロニー、イワツバメ、ヒメアマツバメ、イソヒヨドリ
【カメ類】
・河川のカメ調査(2004年4〜6月):鳥の調査に便乗
+2005年10月に補足調査
・ため池のカメ調査(2004年12月〜2005年2月):鳥の調査に便乗
・その他のカメ調査、とくにスッポン(ずっと):随時情報収集
【カエル類】
・アカガエル調査(2005年1〜3月、2006年2〜3月):分担調査
・アオガエル調査(2005年5〜6月):分担調査
+2006年5〜6月に補足調査
・カジカガエル調査(2006年5〜6月):分担調査
・その他のカエル調査(ずっと):随時情報収集
【哺乳類】
・カヤネズミ調査(2005年9月〜2006年3月):分担調査
・アライグマ調査(ずっと):随時情報収集
本来の担当はこんなところ、だいたい主だったターゲットの調査はしたと思う。で、いまだにコシアカツバメとカジカガエルの調査を継続中なわけやけど、ここにきてなぜか本来の担当以外の担当が…。
いろんな調査のついでに、注文されれば他の分類群の情報や標本も採取してきた。で、なんとなく頼まれてなかったけど、カニやエビやザリガニも採集してきてた。この4月にようやく整理が完了して、分布図ができた。ところが…。
やはりついでに採集してたのではダメだった。抜け落ちがあまりに多い。何度も行ってる場所は、すでに採集してるような気がして採集し損なっていたり…。あんなに行きまくってたのに〜。
というわけで、最後の最後の追い込みでサワガニの分布図を仕上げるぞ!
というものが、近所の幼稚園に来ていた。自転車で前を通りすぎる時に気付き、Uターンしてどんな様子か見てみた。
幼稚園児と一緒にたくさんの保護者もきていた。ちょっとしたお祭りのような感じで、一見盛り上がってる。でも、どっちかと言えば保護者の方が盛り上がってる感じ。保護者はみんな動物にむらがっているのに対して、園児の半分くらいは動物には見向きもせずに遊んでいる。
まあ、幼稚園児の全部が全部動物好きとは限らないわけで。なかには動物大嫌い!って子もいるだろうし。そんなもんなんだろう。
人垣にはばまれて、どんな動物がいるのかはいま一つはっきりしない。人の隙間からチラチラ見える動物を、がんばって同定する。
よく見えるのは手前にいる牛と馬と驢馬。牛はホルスタインの子牛で、小さくて可愛い。馬は小さめのポニー、驢馬も小さい種類のよう。この3頭がよく見えるのは、ほとんど誰も近づいてないから。小さいのを選んだとはいえ、園児にはあまりにも大きいらしく。みんな遠巻きにしてるだけ。
人垣に囲まれているので、一番大きいのは、羊と山羊。合わせて5頭くらいいるらしい。羊の方が多くて、いろんな種類が混じってる。こやつらは手から餌を食べるので人気らしい。
人垣の足下は、家鴨と鵞鳥と鶏が群れになって行ったり来たりしている。合わせて10羽程度? 右往左往しているだけで、あまり人気はなさそう。
一番人気は、ダントツでウサギ。何頭いるかはよくわからなかった。さわられたり、抱かれたりと、可愛がられている。
さらに小さな動物もいたのかもしれないけど、見えなかった。
妙に珍しい動物にはしらず、家畜と家禽を中心とした構成は好感が持てるな〜。と思いつつ、動物を連れてきたらしいトラックは、2トン程度の小さなもの。きっと移動中はギューギュー詰めだろうな〜。といった感じ。
幼稚園の外で熱心に中をのぞいている不審人物。あんまりねばっていると、このご時世、通報されるとまずいので、早々に退散した。
移動動物園って商売として成り立ってるのかな? 移動博物館って、商売にならないかな?? 何持って行ったらいいかわからんけど。
河内長野の山手の家の周りには、ナンテンがよく植えられている。というより、生えている。石垣からいっぱい生えていたりする。秋になると赤い果実がたくさんなって綺麗。
河内長野の山手を歩いた。ナンテンの赤い果実がたくさんなってた。結局、冬の間に鳥に食べてもらえなかったらしい。もうヒヨドリは、花やら虫やらをもっぱら食べている。そろそろ繁殖をはじめているムクドリも、もっぱら虫を食べる。ツグミたちは、もう北の国に帰ってしまった。
ナンテンの果実の行く末が案じられる。もう少ししたらサクラの果実が熟してくる。昆虫食よりになってるヒヨドリもサクランボは大好き。その時までがんばって、サクランボに目がくらんだヒヨドリに、間違えて食べてもらえる事に賭けてみるか。不味さが際立つだけなら、逆効果だがノ。
いっそのこと、次の冬までがんばれば、鳥に食べてもらえるかも。果実の長期予報では、次の冬は不作を予定(あんまり信じないように)。
世の中には、起きる起きると言われていても、なかなか起きない出来事がある。たとえば紀伊半島沖で大きな地震が起きることは、ずいぶん前から言われてるけど、さっぱり起きない。出来事が予測されてから(とくにそれがはっきりした期限が定められてない予測の場合)、実際にその出来事が生じるまでの時間が長ければ長いだけ、その予測の真実味が失われていく。なかなか起きない→しばらくは起きない→きっと起きない。などという問題のすり替えが行われていると考えられる。
さて、話はかわって、あなたのズボンはどこに穴が開いているだろうか? もちろん買い立てならば穴は開いてないかもしれないが、はき古していく内に、どこかしら穴が開いていくものである。どこに穴が開くかというのは、その人のズボンをはいての行動を表しているといっていいだろう。
たとえば、ジーパンの似合うCさんの例を紹介しよう。ふつうズボンに穴が開くと言えば、膝とかお尻とかが期待されるわけだが、Cさんの場合、そんな場所には穴があかない。最初に開くのは、ズボンのすそ。自分の脚の短さを理解せずに長めのズボンをはくからではないかと思う。次に開くのは、左後ろのポケット。左利きのCさんは、いつもこのポケットに財布を入れている。金は入ってなくてもいらないものがたくさん入っている財布は、いつもパンパンで、その角があたって穴が開くらしい。そして次に開くのは左前のポケット。ここには鍵などの尖った物を入れてるから。そして最後に両太ももの内側。調査と称して自転車で走り回る事が多いかららしい。ここに穴が開いても最初は誰も気付かない。でも穴が大きくなってくると超セクシー。というわけで、内股の穴が大きくなったらズボンはお蔵入りとなる。
さて、問題は左後ろポケットの穴の大きさ。あまり大きくなると財布が落ちてしまう。しかし、これまでは充分な大きさの穴に成る前に、ズボンはお蔵入りしていた。穴がかなり大きくなって、見た目にも今にも落ちそうで、電車の中で見知らぬおじさんから注意を受けたこともあるけど、財布が落ちたことはなかった。Cさんは、てっきりこのまま財布が落ちることはないと信じていた。
しかし、その時は突然やってきた。今日の夕方のこと。廊下を歩いていると、何かが落ちる音。振り返ると財布が落ちていた。ついにこの日がやってきたかと、Cさんは廊下で一人感慨にふけったのであった。
そんなわけで、みなさん大地震への備えは万全に。
水の中にハリガネムシがいるのを見つけた。水の中で、盛んにグニャグニャ動いていた。溺れてはるのかな、と思った。
次の場所に行ったら、またハリガネムシが水の中でグニャグニャしていた。今度は他にも何匹か仲間がいた。どうやら溺れてはるわけではないらしい。
たしかハリガネムシの成虫は、カマキリなどの昆虫を宿主としてるけど、水の中に入って繁殖するはず。繁殖行動なのかな〜、と思いつつ帰ってきた。
帰ってきて本を引っ張り出して読んでみる。こんな妙な生き物のことを調べるなら、中山書店の『動物系当分類学』のシリーズ。ハリガネムシが何のグループかわからず手間取ったけど、ワムシやセンチュウやサナダムシと一緒に袋形動物門に入れられているのを発見。そんなん知らんし…。
で、生殖行動の記述を見るに、
・雄が雌にグルグル巻き付いて交尾(?)をする。交尾と言いつつ挿入はなく、雌の受精嚢の入口に接して放精するらしい。
・産卵は4〜7月に行われるものが多く、水中の草などに卵紐を生み付けるらしい。
・寄主からの脱出は多くの場合、夏から秋で、越冬して、繁殖して、死ぬんだそうな。
残念ながらダンスについては載ってなかった。想像するに、雌雄が交尾するためには、雌雄が出会う必要があるわけで、もしかしたら雌は雄をえり好みするかもしれないわけで。となると、あれは求愛のダンスという可能性がある。もっと、じっくり観察してくればよかった〜。
なお、観察したのは小川の中。よどみではあったけど、少しは水が流れている。流されまいと、必死で泳いでいただけという可能性も捨てきれない。
能勢に虫取りに行くぞー。というわけで、能勢電に乗って、終点の妙見口で下車。少し歩いて初谷へ。初谷を1/3ほど入って弁当を食べて帰ってきた。
初谷を終わりまで詰めて、妙見山の山頂部に行けば、能勢町。だけど、初谷自体は豊能郡豊能町。ぜんぜん能勢には行ってないわけだけど、豊能町の人以外は気にしないことになっている。
さて、今年の虫取りマイブームは、ヒメドロムシを引きずりつつも(今日も採った)、河原のミズギワゴミムシ採り。とにかく河川敷で、石や落ち葉をひっくり返して目に付く甲虫を採る。ミズギワゴミムシよりは、ハネカクシなどいわば外道の方を多く採集してる気がするけど、それはそれで役に立つだろうからいいとしよう。
そんなわけで、昼食を終えたら、川の水際の砂利をひっくり返してみた。5mm弱の大きなミズギワゴミムシがけっこう多いので数匹GET。とりあえず、掘り返しても他には見あたらない。
と、しばらく放置してから、ふともう一度よーく見ると、2mm前後の小さめのミズギワゴミムシもいるのでGET。コミズギワゴミムシの仲間? 大きさからすると2種類いるみたい。同じく2mm前後のハネカクシもいたのでGET。これも2種? さらに濡れた砂利をにらんでいると、さらに小さな甲虫が歩いているのに気付く。1mmちょっとの大きさ。手にしてみると、パチパチと跳ねまくる。極小のコメツキムシらしい。小さいくせに5cmくらい跳ねる。こんな小さいコメツキムシは初めて見た。思いがけず多様度が高くて楽しい。
そんなわけで、水際で微小甲虫を採集する時は、砂利を掘り返した直後だけでなく、しばらく時間をおいて(あるいは時間をかけて)出てくるのを待った方がいいように思った。なぜかはよくわからない。ゴミとかの下に隠れてる甲虫を探すときは、ゴミをどけた直後が勝負なんだけどね〜。
今日は、雨がザーザー降っている中、淀川の河川敷を歩いた。油断して半袖だったのだが、風が強くて寒かった。足下はずぶぬれになるし。帰ってきたら熱っぽかった。早めに寝よう。
それはさておき、雨なので鳥があまり見られない。囀ってもいない。今日は、オオヨシキリやセッカの囀っているところをながめて、なわばりについて考えようと思っていたのに…。
なわばりでも調べようかと思ったら、ソングエリアでなわばりの範囲を決めてみたりする。囀っていないとなわばりの範囲が決められない。つまり研究者サイドから言わせてもらえば、雨の日はなわばりはないってことになる。
一方、鳥サイドでは。囀ってなければ、その上、個体の目立った行動もなければ、鳥サイドとしても、なわばりはその存在も範囲も明示されていない。でも、なわばり所有者は、ある範囲をなわばりって思ってるんじゃないかと思う。たぶん、近くで暮らしてるお隣さん達は、なわばりの存在も範囲も知ってるはず。でも、余所者には、なわばりがあるかどうか、わからないだろうな〜。
だいたい囀ったり、追い払ったりしてない場所はなわばりでないとしたら、同一個体は同時に複数の場所に存在できない以上、ある瞬間に個体が持てるなわばりは、自分の存在する場所だけってことになってしまう。それでは、なわばりを考える意味がない。
そんなわけで、雨がふってオオヨシキリの活動がさっぱり見られなくても、地元のオオヨシキリのみなさん的には、この同じようなヨシ原が、いくつものなわばりに分割されてるんだろうな〜。と、思いつつ余所者感を味わうのであった。
今日は、フクロウの卵をもらえることになった。営巣してたのだが、巣を放棄してしまい、卵が残っていたという。フクロウの卵といえば、白いピンポン球みたいなの。届くのが楽しみ。
さて、こんな具合に、今年はいろんな卵が手に入る。
一昨日は、キジの卵をもらった。農作業中に巣を見つけて、親鳥を追い払ってしまったらしい。5月の始めにはアオサギのコロニーで、割れていない青い卵を拾った。4月には、カワウの卵をもらった。
この4月以降、卵運の運気が上昇しているらしい。昨年はこんなことはなかった。つまり、この4月になにか運気を上昇させる出来事があったに違いない。
思い起こすに、4月の前半にドバトの卵を受け取った。家のベランダにあったとかいうのを、小学生の男の子が持ってきた。どうもお母さんが、処分に困って子どもに持たせて送り出したらしい。最初は名前を尋ねに来たのかと思いきや、置いて帰ってこいと言われたとかいって置いていった。近所のドバトの卵が欲しいかと問われると、微妙なのだけど、とりあえず受け取った。
思うに、これが卵運の運気上昇の原因に違いない。もしかしたら、あの男の子は卵の神様のお使いだったのかも。神様、次はソウシチョウの卵が欲しいです! コレクションにないので。
とまあ、このように卵運を設定することで、すべてが明確に説明できたような気がする。占いや神様が根強いわけだ。
貝という感じをばらして目八。戦中から戦後にかけて関西で活動していた貝屋さんのサークル。
今日、『夢蛤』という雑誌の21号というのをながめた。吉良哲明が個人的に作っていた出版物。もとはガリ版刷りで、写真は1部ずつに手作業で貼ってあるとか。古本屋では、30ページ1冊1万円近い高値で取引されているとか。
執筆者や研究会参加者として名前があがっている人には、黒田徳米や波部忠重など有名人の名前が並ぶ。というか吉良哲明自体がその筋では有名人。
21号は戦後すぐに出版された号で、戦争中に行方不明になった貝屋さんが、シベリア経由で無事に帰国したといった生々しい消息が書かれてあったりする。
なにより印象的なのは、戦中から戦後すぐにかけての貝屋さんの生態。昭和19年1月に和歌山市内のホテルの食堂を借り切って、目八会の会合が開かれている。戦争まっただ中、ホテルに集まって呑気に貝の話をしてたのか〜。
戦後も昭和21年頃から頻繁に会合が開かれている。食糧不足で生きていくだけで精一杯の時代だったんじゃないのか〜。
戦争が起ころうと、明日の食べ物がなかろうと、学問の世界に精進してたって事なんだろうか。浮世離れを絵に描いたような…。
その中に鳥の事も少しだけ書いてあった。戦後すぐの東京湾には、毎年10〜3月にハジロガモが約15万羽渡来して、アサリなどの稚貝を食害することが問題になっていたそうな。
東京湾に渡来するカモの個体数は、べつに減ってないというか、むしろ増えているのかな?
今日は、骨に造詣の深いN氏(仮に団長と呼ぶことにする)と、アマチュア集団の対決をじっくり観察する機会を得た(このアマチュア集団を仮にMAOと呼ぶことにする)。
とある建物の地下。怪しげな一室にて。人知れず行われた白熱の戦いを紹介しよう。戦いは、団長が自慢の一品を出してきて始まった。
団長:これはカラカルの頭骨ですよー。
MAO:カラカルって?
団長:だから、耳の先に毛が立ってる大きめのネコの仲間の…。
MAO:<反応なし>
団長:ほらチンの頭骨は、変な形なんですよー。
MAO:<顔に?が飛びまくる>
団長:ほら吻が短くつぶれていて。
MAO:へー。<わりと無感動>
団長:これが色んな動物の陰茎骨ですよー。
MAO:穴が開いてませんね。
団長:どうして穴が?
MAO:だって、おしっこが通らないノ。
団長:ゾウの頭骨です。
MAO:長い鼻がありませんね?
団長:鼻には骨がありません。
MAO:えー!<リアクションよし>
団長:サイの角は骨じゃなくって、毛が変化したものです。
MAO:じゃあ、柔らかくて戦いに使えないんですね。
団長:いや、堅いことは堅いので…。
気の毒に、団長は惨敗であった。MAO恐るべし!
戦いは、この後も場所を地上に移して行われたが、団長の名誉を守るために、ここに記すことは控えたいと思う。がんばれ団長!
注)なお、ここで使った仮名は、実在の人物とはまったくなんの関わりもないことをお断りしておく。また、当然ながら、実際のやりとりと、ここに書いたやりとりが完全に一致するわけではないこともお断りしておこう。
電話がかかってきた。昨年の8月にバンの幼鳥の死体を拾ったそうな、どうしたらいいかわからなかったので、天日で干して干物にしてあるとか。変わった保存法だが、できれば仮剥製にしたらよかったのだが、とりあえず保存はできているかと。
さて、そのバンには、白い点々がけっこう付いているんだそうな。
バンは孵ったばかりは白いフワフワ。それが独り立ちする頃には少し緑色がかった灰色っぽい色合いの幼鳥羽。さらに黒い成鳥羽になっていくわけ。
フワフワではなく、成鳥羽でもなく、幼羽に白い点々がついていたらしい。それも1羽や2羽ではなく、4〜8羽程度に多かれ少なかれ白い点々が付いていたという。バンの一腹卵数は5〜10個と幅がある。けど、ふつう連れているヒナ数は、5羽前後程度かな〜。とすると、2つがい分? あるいは1つがいの2腹分?
とにかく白い点々というのがどんななのかよくわからないけど。幼鳥の分散過程の研究には便利かも。成鳥になってもついていたら、その一族の消長も追えるのに残念。
ってゆうか、成鳥で白い点々の個体はいないっていうんだけど、分散して見失ってる可能性もある。どこかに白い点々付きのバンがいないか注意してみよう。ちなみに大阪府箕面市での話。
子どもに見せるべく、ユリカモメの皮むきをした。子どもはすぐに飽きて、どこかに行ってしまった。ありゃりゃ。でも、大学生若干1名が、ずーっと見ていた。
初めて鳥の皮むきを見るらしい。要所要所で感想を言ってる。なかなか新鮮なので、初心を忘れないように記録しておくことにしよう。
その白い粉はなに? ホウ酸の粉末。
その皮の裏についてる赤茶色のはなに? 脂肪。ふつうの脂肪は黄色いんやけど、これは茶色いね。
その黄白色の汁はなに? わー、胃内容が垂れてる。うーん、なんかクリームみたいな臭いがするな。
その丸いのはなに? 目玉ー。鳥の頭は目玉と脳だらけ。
赤いドロドロしたんはなに? 脳みそー。脳内出血してるから赤くなってるけど、本当はピンク色。
脳みそは灰色とちゃうの?
なるほど、ベルギー人の脳細胞は灰色らしいが、鳥の脳みそは灰色ではない。たぶん、鳥は事件を推理しなくていいからだろう。
植物園をウロウロした。春の渡りもピークを過ぎ、ヒタキ類も少なくなった。とはいえ、オオルリの姿は見つけられなかったけど、キビタキはけっこういた。たいてい黄色かった。春だというのに、コサメビタキもちらほらいた。
アカハラのピークも過ぎたようだが、少しは残ってる。ツグミもまだけっこういたりする。コルリはすっかり少なくなって、アジサイ園に1羽いただけ。
あと渡りの途中に立ち寄ってる鳥は、ツツドリにセンダイムシクイ程度。
そんなわけで、多数派の渡りのピークが過ぎれば、数は減るけど、少数派が期待できるはず。サンコウチョウやメボソムシクイ〜。と思ったけど、見つからなかった。まだ早いのか?
そんなわけで、今日の一番は、コサメビタキ。綺麗な色はなくても、目が大きくて可愛い。横枝にけっこう長くとまって、盛んに囀っていた。
盛んに囀ると言っても、コサメビタキのこと。複雑な節回しはいいけれど、か細い声で、とっても小声。目の前で見てるから、コサメビタキが囀ってるとわかるけど、ちょっと離れたら微かになんか声が聞こえるな〜、って程度かも。
そもそも囀りって、なわばり宣言だったり、メスへのアピールだったりするはず。それなのに小声で囀ってどうする! 人間の耳には聞こえない超音波かなにかでは大きな音量をだしてるんだろうか? でなかったら、この囀りになんの意味があるんだろう?
そんなわけで、コサメビタキ。5月上旬から繁殖期のはず。このまま、この公園で繁殖しないかな〜。コケや地衣類が多くないとあかんかな〜。
現在抱えている締め切りのある原稿をおさらいしておこう。
A.ヤモリの原稿:締め切りは、たぶん3年前の3月。ここまで来るとすがすがしいかも。
B.サークル関係の原稿:たぶん2004年末とかが締め切りだったんじゃないかな〜。で、今度こそ書けよ、と恐い声でゴールデンウィーク明けに最終締め切りが設定された。書かないと恐そう。
C.うらにわーずの原稿:しばらく編集者の方が放置してくれてたんやけど、とうとうこの4月30日が締め切り。少し過ぎた気がするけど、きっとまだまだ大丈夫。
D.鳥サークルの会報:5月の終わり頃に発行予定。
E.大和川水系の原稿:締め切りはこの5月末。これだけは書かなくては!
F.ミソサザイの原稿:この8月末か〜。分析しなくっちゃ。
G.某辞典の原稿:たしかこの夏辺りに締め切りがあった気がする。
ってわけで、本業にはまったく手を付ける余裕がない今日この頃。ってゆうか、今年この十数年。
とりあえず、B→C→DorE→ForG→Aの順で処理しますので、関係者のみなさま、よろしくお願いします。
なんて書いてる暇があったら、原稿書けよってか。
悲しいときー
山芋のような芋をもらったけど、台所に置きっぱなしにしてたら芽が出てきて、約60cmまっすぐ上に伸びたら今度は横に曲がり始め、部屋でつる性植物が伸びていくところを観察するのは楽しい事を発見し、みんなに見せてやろうと思って、自転車の前かごに入れて出発し、目的地の直前になって、なにげなく走りながら芋を持ち上げたら、肝心の芽が風圧で取れて落ちてしまい、よーく見ると芽の先端もすでに折れてしまっている事に気付いたとき。
山芋のような芋を…(以下、繰り返し)
桜井市に行って、寺川と初瀬川(大和川の上流ともいう)辺りを歩き回った。月曜日が暑かったので、半袖で行ったら、朝は寒かった。でも昼は暑かった。日によく焼けた。けっこう疲れた。
思い起こせば、昨年の5月10日。大和川の土手がナヨクサフジで真っ紫色ってことを書いた。でも、今日歩いた寺川や初瀬川は、真っ黄色。圧倒的にセイヨウカラシナが優占している。ナヨクサフジも生えているけど、あまり優占してないし、さほど花が咲き乱れている風でもない。
とこれだけなら、場所が違えば優占種も違う話のようだが。昨日は、大和川に行った。昨年の5月10日と同じコース。土手はどっちかといえば黄色い。少なくとも真っ紫色ではない。
つまり、今年はナヨクサフジがどこでもあまり咲いてないだけなのかもしれない。
大和川の土手の色に関しては、真っ紫色と真っ黄色を隔年で繰り返すという仮説を立ててみた。検証には何年もかかるけど、反証はすぐにできそう。とりあえず来年の5月初めに検証に挑戦してみよう。
カンガルーの後ろ足の足跡はどんなん? と尋ねられる。前足は本を見てわかったけど、後ろ足がわからないとか。前足だけわかるって、どんな本や! と本に突っ込んでも仕方がないので、調べてみる。
すっかり忘れてたのだけど、こんなこともあろうかと買い込んでいた本が役に立った。
『Tracks, Scats and Other Traces, A Field Guide to Australian Mammals』(Oxford
University Press, 1996)
どうやら3年ほど前に購入したらしい。こういう事態を3年も前に予見していたとは、我ながらあったまいい〜。
で、改めて有袋類の足跡をながめる。
オポッサムとかタスマニアデビルとかの足跡って、一見食肉類風なんやけど、手のひらの肉球が分かれていて、変な足跡。小さい種類は、ネズミのような感じ。
さて、問題のカンガルー類の後ろ足。後ろ足は4本指やけど、内側の短い2本は足跡に残らず、正面を向いた3本目の大きな指と、外向きの少し短めの4本目の指の跡だけがつく。その後ろに細長い肉球(かな?)の跡が付く。
ホッピングすると、後ろ足の指先だけの跡がつくので、2本指の鳥みたい。
ゆっくり歩いているときは、後ろ足の跡に重なって、前足の跡がつく。さらに尻尾をすった跡もつく。前足は5本指で指が長い。ちょうどアライグマの足跡みたい。
てなわけで、2本指の大きな鳥が、棒を引っ張りながら、アライグマと一緒に歩いてるみたいと思ったら、カンガルーが歩いたってこと。これさえ覚えておけば、その辺でカンガルーの足跡に出会っても大丈夫。
ちなみにこの本。後ろの方をパラパラみると、頭骨や下顎骨などの写真が並んでいる。買ったまま放ってあったが、意外とホネホネ団的な本であった。
淀川河口の矢倉緑地と海老江干潟をまわって、シギ・チドリ三昧。期待のホウロクシギはでなかったものの、12種出ればまあ満足。
オオソリハシシギもメダイチドリも赤くて綺麗。ハマシギの腹は黒くて、コチドリの黒い帯もばっちり。春のシギチは綺麗で見ていて楽しい。
ただ、春のシギチを覚えても、秋にはさっぱりわからなくなるだろうな〜。オオソリハシシギとかは、ともかく。全体に薄茶色になったハマシギやメダイチドリはまったく違う鳥に見える。
一緒に行った人が、ほとんど初心者ながら出現種をほぼ見分けられるようになってたけど、秋が楽しみ。
鳥の中には、繁殖期と非繁殖期で羽衣が大きく変わる場合がある。カモの雄は、非繁殖期(エクリプス)では雌と同じような茶色系統なのに、繁殖期用の羽衣は、緑色や茶色で色とりどり。
一方、シギ・チドリ類の中にも、非繁殖期には地味なうす茶色系統なのに、繁殖期には綺麗になる(特に雄)。が、なぜかことごとく綺麗な赤茶色になるだけ。もちろん腹が黒くなったり、その他の黒色も鮮やかになったりするけど。青や緑や赤などの他の色合いを帯びるものはいない(いないよね?)。
どうして綺麗な緑色になるシギ・チドリ類はいないのだろう? 営巣環境が関係する? 系統的制約?
話はかわって。ダイゼンがいたけど、どの個体も腹があまり黒くなく、背はあまり白っぽくない。どうして、こやつらは夏羽になってないのかな?
今日は、島本町・高槻市ツバメ類の巣ツアーに参加した。
出だしは、阪急水無瀬駅の改札口前のツバメの巣。
まだ抱卵中らしく、下から見上げる我々を嫌そうに見ていた。でも、こんなに人通りに多い場所で営巣する以上、見られるのは覚悟しておいてもらわないと。まだヒナがいないけど、巣の下には糞が落ちていた。巣で寝る成鳥が糞を落とすらしい。
続いては、水無瀬駅の近くの阪急・新幹線の高架下のコシアカツバメの巣。まだ少し時期が早いけど、ときどきコシアカツバメがやってきて、巣で何かしては飛び去っていく。下にはけっこう糞が落ちてたりするけど、これは昨年の糞らしい。産卵もまだっぽくて、卵殻、餌の食べ残し、ヒナの死体と言った盛り上がる落とし物はなし。産卵前に古い巣材を引っ張り出すそうで、引っ張り出して落としたとおぼしき古い枯れ草があちらこちらに落ちている。それに混じって、鳥の羽毛も落ちているのだが、羽軸だけになっているのが目に付く。これはいったい何をした結果なんだろう。
最後に、高槻市駅近くの阪急高架下のイワツバメの巣。こちらは、けっこう盛んに出入りしていて、コシアカツバメの巣よりも見ていて楽しい。昨年使ったとおぼしき巣の下には、糞がたくさん落ちていて、場所によっては山になってる。何年も使っている巣ということか?
そんなわけで、大阪で繁殖するツバメ類の巣を一通り観察。やっぱりイワツバメが一番可愛い!
植物園をウロウロした。
二次林のところでは、アカハラ、オオルリ、キビタキがたくさんいて、エゾムシクイの声もセンダイムシクイの囀っている姿も見られた。ヒレンジャクの10羽ほどの群れもいたし、けっこう長い時間を楽しく過ごした。
アジサイ園では、カメラマンがたくさん集まっていた。ながめていると、アジサイの植え込みの中の地面を小鳥が走り回っている。コルリがけっこうたくさんいるらしい。真っ青な個体も混じってる。ノゴマの姿まで見つけて、けっこう長い時間を楽しく過ごした。
この春の渡りは当たりのように思う。そういえば、先週の観察会でも、参加者ほぼ全員がオオルリとキビタキをばっちりと見た。こんな事は今までになかった。なんで? と尋ねられた。
秋の渡りが多ければ、その年の繁殖がうまくいったのかな、てなもんだが。春の渡りの場合は、越冬がうまくいったのか?
あるいは、渡りのスタートが遅れてピーク時に集中してるのを見てる? あるいは、植物園に長期滞在してるだけ?
とりあえず、他の場所の様子を知らないと答えられないことだけは確か。
鳥の繁殖期の説明をしてみようと思い立ち、手近な本や雑誌をめくって、繁殖期についてどんな事が書いてあるかみてみた。
ところが、あんまり書いてない。特定の鳥がいつ繁殖するかは書いてあっても、その繁殖期がどのように決まっているのか、ってことが書いてない。
ヒナを育てるのに必要な食物が多くなる時期に合わせてる、ってのが定番のはずだが、国内でデータ付きで書いてるのは、由井正敏くらいしか見つからずノ。
この手の話は、デイヴィッド・ラックの研究から入るのが筋ってもののはず。と思って翻訳物も探したが見つからず。なんで見つからないんだろう? 仕方がないので、洋書に走る。
ヒナに与える食物資源がピーク時に、育雛期を合わせるのが、ヒナをうまく育てる上では、ベストチョイス。が、メスの栄養状態などの都合で、必ずしも合わせられない。なんてのがありがちなお話。
さて、ヒナに与える食物資源がわかりやすいピークを持つと、この話もわかりやすい。一番のお薦めは、春の植物が葉を開くのに合わせて、一斉に大量発生する鱗翅目幼虫などの昆虫を食べる場合。シジュウカラをはじめとして、一番熱心に調べられているのがこの類。
その他の場合でも、飛翔性昆虫を食べる場合は、やはり虫がたくさん発生する春から初夏。小鳥を食べる場合は、巣立ちビナがたくさん出てくる初夏。などと、おすすめ繁殖シーズンが設定できる。
が、魚を食べる場合などは、いつ繁殖するのがお薦めかが、食物資源からは設定できないもよう。とくに海洋性の魚喰いの鳥の繁殖期は、繁殖期が一年周期で回っていないケースもあるらしい。
そこに、年に複数回の繁殖するという条件を付け加えると、話はさらにややこしくなるような気がする。それとも単に食物資源に明確なピークがなくて、(1回の繁殖に必要な時間に比べて)繁殖開始可能な時期が長くなった結果と理解したらいいだけか?
ところで、産卵期にメスが充分な食物を確保しつつ、育雛期にヒナへ与える食物資源が最大になるように産卵のタイミングを合わせる文句なしのやり方は、成鳥の食物とヒナの食物をずらすこと。ヒナの餌が鱗翅目幼虫なら、成鳥は冬にも確保しやすい種子などを食べればいいわけ。スズメなんかはそうなってるはずなんやけど、繁殖期はどうなってるんだろう?
ここんところ(ってゆうかこの2年ほどずっとそうやけど)、大和川づいている。今日は、大和川のスッポンの分布図作り。以前一度作成したんやけど、その後の標本記録と観察記録を付け加える。
大和川水系をウロウロするようになるまでは、野生のスッポンを見たことがなかったのだが、大和川水系ではけっこう見かける。
スッポンは、砂にもぐるのが大好き。大和川水系の川底には砂が堆積していることが多い。だからスッポンもたくさん暮らしているのだろう。
昼間は、砂にもぐっていることが多くて、さすがの大和川水系でも、そんなに頻繁に見るわけではないのだが、ふと気付くとミシシッピアカミミガメと一緒に日向ぼっこしてたりする。
大和川は全体的に浅いので、川底を泳いでいるのを見つけることもある。
大阪では石川にも西除川流域にもいる。奈良盆地でも、大和川本流はもとより、富雄川、佐保川、寺川、曽我川、葛城川、高田川にもいる。とまあ分布はまんべんなく拡がっている感じ。
今までにスッポンを確認した地点は、17ヶ所。もう少し増やしたいところ。
というわけで、もし大和川水系でスッポンを見かけたら、観察日と詳しい観察場所をお知らせ下さい。
昨日の続きなんやけど。今日は、カワニナ類のお話。
カワニナ類担当は、今日一日かけて、大量のカワニナ類の標本のチェックをしたらしい。もちろん、これから標本になる予定のも、これから採集されるのもあるんやけど、大和川水系のカワニナ類の様子がかなりわかってきた感じかも。
圧倒的にカワニナが多いけど、パラパラとチリメンカワニナも採集されているらしい。そして、1ヶ所でクロダカワニナがいたとか。
そのクロダカワニナを見せてもらった。産地は大淀町。採集者は、…自分であった。説明付きで、カワニナと並べて見ても違いがわからない。野外で区別するなんて夢のまた夢って感じ。
ほんまにクロダカワニナなん〜?と失礼なことを口走る。
思い起こせば若かりし頃、研究室でカワニナを調べていた方の話を聞かせて頂いた。京都の鴨川でカワニナとチリメンカワニナを調べてたんやけど、成貝の形態では区別できないって結論だったと思う。チリメンカワニナの中に、カワニナと区別できない個体が混じるからだったんじゃなかったっけ。
さて、成貝の形態での同定の信頼性はどうなんだろう?
ここ数年、大和川水系の各地に行っては、淡水貝を採集してきた。分布を調べるためだし、証拠標本を保存しておくため。
採集してきたのはいいけれど、そのままずーっと放ってあったのが、そろそろお尻に火がついて、近頃ちゃくちゃくと標本になっていってる。
標本になって並んだ貝を見るのは、なかなかおもしろい。
採集したときは、ヒメタニシ?と思ってたのに、こうして並んでいるのを見るとマルタニシだったことに気付いたり。
さて、昨年は、ジャンボタニシこと、スクミリンゴガイの分布を明らかにするべく、各地でジャンボタニシを採集した。それがずらーっと並んでいる中に、群を抜いて大きな個体が一つ。殻高が65mmもある! 普通に大きなジャンボタニシのサイズが、せいぜい45mm程度であることを考えると本当に大きい。なんせケースに入らない〜。
採集地は、奈良県安堵町。それはいいとして。採集者が、Nさんというのがちょっと悔しい。ひそかにこの記録を抜く個体を探そうと、堅く心に誓ったのである。
今日は、桜井市から橿原市にかけての川や水路を巡って歩きました。
植物に詳しいのがいたので、いろいろ尋ねてみる。割となんでもすぐに答えが返ってくるので、楽しい。
水路などの水の中に生えているのは、ホザキノフサモやコカナダモが多く、ところどころにヤナギモやセンニンモ。種類が少なくて覚えるのは簡単。
緑色の細長いのを尋ねると、アオミドロか何かの藻類。ととたんに曖昧な答え。コケを指さしても、あれはコケとそっけない。曰く、高等植物じゃないから知らないんだとか。そういうものらしい。
水路や溝のわきに生えているのは、タガラシにスカシタゴボウにタネツケバナ。オオカワヂシャも多い。カワヂシャとオオカワヂシャの違いはけっこう微妙。花がないと自信がない。
ちなみにスカシタゴボウは、最初、すかした牛蒡? と思ったけど、透かし田牛蒡らしい。
と、けっこう植物についての知識が増えた一日であった。
裏の田んぼの横の池に、小さいカメがいっぱいいたと言って見せられた。孵ったばかりのミシシッピーアカミミガメの子ども。もう孵る季節らしい(なのか?)。昨年まで、ミシシッピーアカミミガメはいなかったから、どこか近くで産卵された卵から孵った子どもが手近な池にやってきたと考えるしかないだろう。
ともかく、うちの池にミシシッピーアカミミガメはいらないので、見つけ次第捕獲。
捕まえたはいいけど、どう処分するかが悩みどころ。飼う気はないし、他の場所に放したら外来種問題を促進するだけ。必然的に死んでもらうという結論だが、べつに標本にはいらないし、殺してゴミというのもノ。と、カミツキガメを思い出した。
で、カミツキガメの水槽に入れてみる。速攻で食いつく。それはいいけど堅い甲羅が邪魔で、すぐには呑み込めないらしい。ちょっと苦労しつつ、それでも最後は甲羅を割って食べた。ただし、ミシシッピーアカミミガメも素早くカミツキガメの下に逃げ込んだりする個体もいる。まあ、それはそれでいいか。
というわけで、ミシシッピーアカミミガメの子ガメは、カミツキガメの餌として利用することに。アメリカザリガニや魚を採ってくるよりは簡単。
この調子だと、カミツキガメは他の子ガメをけっこう食べてる可能性がありそう。ミシシッピーアカミミガメと移入種同士で食いあうのはまだいいけど、クサガメやイシガメへの影響がかなりあるかも。
ピヨちゃんに餌をあげに行くのに、子ども達を連れて行った。雄鶏には、けっこう攻撃的で恐いのが多いけど、ピヨちゃんは恐くないねん〜。などと言いながら連れて行ったのに、小屋を開けたとたん蹴りを入れられた。餌がなくなってしばらく経っていたからか、それともようやく小屋を自分のなわばりと認識したからか。
蹴りを入れられたと言っても、さほど痛くない。こっちが平然としてるからか、子ども達もピヨちゃんを怖がってない。平気でさわりに行くし、顔を近づけるしで、見ているこっちが少しドキドキするくらい。顔に蹴りを入れられたら、やばいし。
子どもたちはその辺で見つけた虫を持ってきてくれる。といってもダンゴムシとテントウムシばっかり。餌箱に入れてもピヨちゃんは穀物ばかり食べている。仕方がないので、虫を手に乗せてピヨちゃんの目の前に。邪魔だからか、ようやく虫をつついてくれる。テントウムシは食べるけど、ダンゴムシははじくだけ。
てな風に、子ども達が入れ替わり立ち替わり、ピヨちゃんの前に来ていたら、突然ある男の子に飛びかかって蹴りを入れた。びっくりした男の子は、やがて泣きながらお母さんのところへ。どうもその子の赤いズボンに攻撃したらしい。
先日、ニワトリを飼ってる人に赤い服を着てたら攻撃すると教えてもらったけど、ほんとやったんや〜。男の子には悪いけど、ちょっと嬉しい。
他の子がかぶっていた赤い帽子を見せたら、やっぱり攻撃した。追試もばっちり。
というわけで、勇気のある人は、今度赤い服を着てきてね。
堺市のため池をウロウロ。4月も後半と思って薄着をしていったら、風が強くて、やたらと寒い。その上、ときどき小雨がぱらつく。
そんな天気が関係あるのかよくわからないけど、いくつかのため池の上を、ツバメの大群が乱舞していた。集団ねぐらに集まってきた時とは違って、けっこうてんでバラバラに、低いところを飛び回っている感じ。
当然、食物であるところの飛翔昆虫を採っているんだと思うのだが、特定のため池に大量にいるってことかな? こんな天気の時には集まるとか? この時期に一斉に羽化するとか? 少なくとも肉眼で見る限り、昆虫が大量に飛んでいるわけでもなさそうなんだけどノ。
それはともかく、ツバメが低く飛ぶと天気が悪くなるという。これだけ低いところを大群が飛んでいるところを見ると、さぞかし天気が悪くなるに違いない。
広辞苑を紐解いてみる。
◆「くしゃみ:クサメの転。」
くそ、たらい回しかい。
◆「くさめ:一回ないし数回痙攣状の吸息を行なった後、急に強い呼息を発すること。鼻の刺激または烈しい光刺激によって起る反射運動で、中枢は延髄にある。」
なんか咳との区別がわからん。
◆「せき:せくこと。即ち喉頭・気管などの粘膜に加えられた刺激によって反射的に起こされる短くて強い呼息。」
やっぱりどう違うかわからん。
広辞苑は頼りにならない。しかし、生物学辞典には載っていない。で、Wikipediaに頼ることにした。
◆「くしゃみ(嚏)とは、吸気中のウイルスや塵などを体外に排出しようとして起こる体の作用をさす。風邪をひいたときの一般的な症状として起こるほか、花粉症などでは鼻の粘膜が刺激され、発作的に起きることもある。」
◆「咳嗽(がいそう, cough)とは、医療分野における症状の一種であり、肺や気道から空気を強制的に排出させるため、通常繰り返して起こる、気管・喉頭・呼吸筋の反射的な収縮運動である。一般的には咳(せき)という。」
そんなわけで、せきは喉から気管にかけて、くしゃみは鼻の方の異物を排出しようとする反応らしい。
で、鳥はくしゃみをするかって? それらしき行動はあるけど、あれは鼻に入った異物を出そうとしてるんだろうか?
【追伸】ブタはくしゃみとせきの両方をするらしい。その数を数えてブタの健康診断をするというサイトを見つけてしまった。
近頃、なにわホネホネ団が、一部で知名度を高めているらしい。で、なにわホネホネ団の団員は、動物の死体を見つけたら、拾わずにはいられない。という話がまことしやかに語られていると聞く。
必ずしも、そうではないことをお話ししよう。
今日、なにげなく天理ダムを目指して歩いていた時のこと。布留川沿いをはずれ、道は大きく回り込みながら、天理ダムに登っていく。だるいな〜、と下を見ながら歩いていたのが悪かった。ふと道ばたにタヌキが落ちているのを見つけてしまった。
噂に名高いなにわホネホネ団の団員なら、ためらわずに拾うかと思いきや、あにはからんや悩み始める。
今日は、まだまだ歩くねんけどなー。大きな袋も持ってないしー。たくさん手に入るタヌキだしー。この辺りのタヌキは、K団員のおかげですでにあるしー。まあ、とりあえず記念撮影。
それから、とりあえずよーく観察。あんまり血は出てない。臭いもしない。少なくとも大きなダニは見あたらない。左の目玉がくりぬかれてなくなってるし、肛門のところから内蔵がかなり食べられてる感じか。イタチの仕業?
とりあえずザックを整理してみよう。大事なものをポケットに入れて。食べ物は袋に入れて、なんとかザックはあけられそう。
ひとには死体を見つけたら拾って来いと言ってる手前、自分が見つけたのに拾って来なかったとバレたら何を言われるやら。こんな場所でとは思うけど、世間は狭い。壁に耳あり、障子に目あり。
えーい。ザックに入れてしまえ!
というような熟慮の結果、拾ってきたわけである。その後、タヌキはザックに揺られて、約4時間。さらに1時間半ほど電車に揺られて、今は冷凍庫の中。
帰りの電車の中で、ふと腕を見ると、ダニが2匹歩いていた。帰ってきて、ザックの中を見たら、ダニがたくさん歩いていた。ザックもタヌキと一緒に冷凍庫に入れた。今度から、大きな袋を持って歩こう。
って、この前も反省したっけ。
いや、二つのお題を絡ませるつもりはなくって、一つの装置でどちらも調べられるから、まとめて計画を。
三本の棒の間に、下に尖った目の細かいネットを取り付けて、自立させる。ネットの上に木製の棒を横にわたす。これでできあがり。とりあえず、これをセミ調査器と呼ぶことにしよう。
●調査1:セミの産卵場所選択
調査地:とりあえず植物園で
対象:セミの産卵痕
頻度:設置して回収するだけなので年2回
方法:
1.このセミ調査器を複数用意して、セミの産卵が始まる前に、環境の異なる場所へ設置する。 たとえば、日当たりのいい場所と悪い場所。
2.セミの産卵期が終わった秋にでも、ネットの上にわたしてある棒を回収して、セミの産卵痕がいくつついているか数える(ちなみにセミは枯れ枝に、産卵管を刺して産卵するので、見ればすぐに分かる穴が開く)。
3.産卵痕の数を、場所間で比較。
予測される結果: 産卵痕が多いか少ないかを比較することで、セミのメスが産卵場所として好む環境を評価する事ができるだろう。
●調査2:幼虫の孵化時期
調査地:どこでもよい
対象:産卵された枯れ枝or木の棒
頻度:6〜7月に毎日
方法:
1.セミ調査器のネットの上にセミの産卵痕のある枯れ枝or木の棒をわたす。
2.セミの幼虫が孵化したら、下のネットに落ちるはずなので、孵化するはずの6〜7月に毎日落ちていないか確認し、落ちていたら幼虫を回収。数を数える。
3.複数地点に設置すれば、環境による孵化のタイミングの違いも評価できる。
予測される結果: セミの幼虫がネットの目を通ったり、ネットを登って逃げない限り、セミの孵化のタイミングがわかるはず。
さて、読者諸賢はすでにお気づきかと思うが、このセミ調査器、別名をシードトラップという。昨年来設置していて、すでに調査1の結果が出ている。
驚くべき事に、セミのメスはマテバシイの下の暗い場所にはまったく産卵せず。一方、トウカエデなどがまばらに生えた下にはものすごく大量に産卵した。両者の距離はほんの20mほど。もう少しレプリケーションを増やしたら、論文になるかしら?
川沿いの道を歩いていたら、ちょっと用を足したくなって、少し広場になってる場所の端っこの木の前で…。と思ったら、足下にキジバトがいてびっくり。
こっちはびっくりしてるのに、キジバトの方は地面にしゃがみこんで平然としたもの。あやうく、かけてしまうところだった。
よく見ると、とっても若いキジバト。巣立って2〜3週間程度か。ようやく独り立ちしたかなって頃合い。頭の羽根は生えそろっていて、産毛は見えないけど、くちばしはまだ黒くて柔らかそう。もちろん目はまだ真っ黒。
人に出会った経験がないのかもしれないけど、こんなに人を怖れないのはおかしい。なんせ、目の前にしゃがみ込んでも逃げないし、20cm位の距離から記念写真を撮っても逃げない。もしかしたら、怪我をしてたりして具合でも悪いのか? そーっとさわってみる。慌てて立ち上がって、少し歩いて逃げる。
少なくとも足は悪くないらしい。見たところ、翼の様子も普通。自分で地面の草を食べてたし。というわけで、そのままにしてきた。
無事に生き抜いて、人を怖れないキジバトが増えることを期待しよう。
と、尋ねられた。その人がいうには、キジの雄と雌がケーン、ケーンと鳴き交わすと聞いたことがあるとのこと。いやー、そんな話は聞いたことがない。聞いたことがないからといって、ないとは言えない。まず調べてみることに。
しかしまあ、キジってどこにでもいるのに、その生態はほとんど調べられてないらしい。伊豆諸島の式根島で調査されたことがあるていど?
◆丸(1988)Strix 7: 149-158
◆丸(1988)アニマ 195: 74-80
最近、他の研究の発表を聞いた事がある気がするけど、とりあえずこの二つを参照してみることに。
この調査、オスだけを個体識別してるんやけど、標識してるのではなく、ケーンケーンという声で区別している。曰く、「各個体の鳴き声は容易におぼえることができた」一度試してみよう。
で、この調査の結果、繁殖期、オスはなわばりを持つが、メスはなわばりを持たず、複数のオスのなわばりを群れで渡り歩くらしい。で、オスと交尾したら、メスだけで営巣してヒナを育てる。
広く分散してるけど、レック制みたいな繁殖システムらしい。てっきり一夫多妻のハーレムみたいなシステムかと思っていた。しかしまあ、レックとハーレムの違いは、メスが複数のオスの間を簡単に渡り歩けるかだけではあるか〜。
で、肝心の鳴き交わしだが、
・どこにもメスがケーンと鳴くとは書いてない。
・交尾以外のつがい関係はなさそう。
といった事からすると、雌雄の鳴き交わしはなさそうに思う。複数のオスが鳴いているのを勘違いした話ではないかな?
鳥の渡りの説明をしてみようと思い立ち、手近な本や雑誌をめくって、渡りについてどんな事が書いてあるかみてみた。
大部分は、
・渡りのコース、又はどこからどこへ渡っているか
・何をキューにして渡りの方向を決めているか、行くべき場所がわかるのか
といった内容だった。確かにパッと思いつく疑問だし、古くから研究されてきたにも関わらず、まだ多くの謎を残しているテーマだろうけど、そればっかりではつまらない〜。
むしろ興味をひかれた研究テーマとしては、
渡ったり、中継地に滞在したりを繰り返す、渡りのタイムスケジュールの研究はおもしろそう。まだまだこれからの研究課題って感じやけど。
それにも絡んで、中継地の利用パターンの研究。とくに食物の供給パターンと、その場所の中継地としての利用パターンを関連づけた研究はおもしろい。渡り鳥保護する上での中継地の重要性を示してるという意味でも意義があるし。中継地の分布やそこの食物量の変動パターンが、渡りのスケジュールに、ひいては渡り鳥の繁殖などにまで影響しそう。
さらに絡んで気になった点。
渡り鳥って、繁殖地で、非繁殖期の食物条件がよくなったら、渡らなくなったりする事がよくあるらしい。逆に、越冬地でいくら繁殖期の食物条件がよくっても、越冬地で繁殖するって例はあまりないらしい(ってゆうか書いてなかった)。この非対称性はほんとかな?
で、ほんとだとして。だとすると、越冬地へ向かう途中の中継地で食物条件がとてもよかったら、それ以上、渡らないってことは普通? で、繁殖地へ向かう途中の中継地でいくら食物条件がよくっても、やっぱり繁殖地へ戻るの?
このくらいのことは、もっとよく調べたら文献が見つかりそうではあるがノ。いや、もしかしたらその筋では常識かもしれんけど、今まであまり考えたことがなかった。
それは、ため池をフラフラと巡っていた昨日のこと。
松原市のとあるため池で鳥を見る。バンが1羽いるだけで寂しい。肉眼でざっと見たところ、他にはいない。でも、見逃していたらいけないので、一応双眼鏡で池をグルッと見る。
なんか壁に付いてるな〜。予定にないので、最初はあんまり気にしてなかった。でもピンク色が目にとまる。スクミリンゴガイの卵塊!
けっこう秋遅くにも卵塊を見たけど、春もこんなに早くから産卵してるとは。
秋の段階で、水がなくなるとスクミリンゴガイの成貝は次々と死んでいってるようだった。幼貝で越冬するのかと思ったけど、水さえあれば成貝で越冬して、春先から産卵するらしい。
その後にめぐったため池では、ピンクのツブツブに注意してみたけど、他のため池では見つからず。あの池が特別なのかもしれない。
mixiをはじめて早15ヶ月ほど。はじめてコミュというものを立ち上げてみた。その名もずばり「大阪市立自然史博物館友の会」コミュ。勝手に立ち上げたから非公認コミュやけど、学芸員や評議員も入ってるから、なかば公認コミュと言ってもいいのかも。
そんなわけで、大阪市立自然史博物館友の会会員は入ってね〜。会員でない人は、友の会に入会してから入ってね〜。
この友の会会員限定コミュの中では、会員だけに明かされる友の会の舞台裏とか、行事の先行情報とか、博物館の丸秘話とかが、飛び交う予定。
このコミュで、友の会の行事の企画が具体化していくなんてのもいいかも。
友の会会員やけど、mixiに入ってない知り合いは、まずmixiに勧誘すべし!
えっ、コミュって何って? それは入ればわかる! たぶん。
今日、聞いた話。
公園の管理作業で、木の枝を切っていたそうな。作業してる人は知らなかったのだけど、どうやらその木の上の方にはカラスの巣があったらしい。木に登って作業してるとカラスが攻撃してきて、蹴りを入れられて、頭から出血して降りてきたとか。そう聞くと、ちょっと怖い。
とは言うものの、今のところ関西では、カラスが巣をしてる木の下を歩く程度では、普通カラスは襲ってこない。上述のように巣のある木に登れば別だが、だいたい巣のある木に登れば、ヒヨドリですら攻撃してくるからね〜。キジバトは逃げるだけやけどノ。
関西でカラスに攻撃されたという話をよく聞くと、その大部分が、巣だったヒナが木の下の方にいるのに気付かず、近づいてしまったケースらしい。
というわけで、今のところ近所の公園でカラスが巣をつくってるからと言って、ビクビクする必要はない。
盛んに"今のところ"と入れてるのには理由があって。聞くところによると東京あたりでは、カラスが営巣している木の下を歩くだけで攻撃されることがあるとか(どこまで本当か知らないけれど)。今までは、関東のカラスは怖いな〜、で済んでたんやけど。
昨年、営巣中の木の下を歩くだけで攻撃してくるというカラスの話を聞かされた。豊中市方面での話。大阪のカラスも東京化してるとでもいうのか。それとも例外的に攻撃的なカラスがいるのか。
まあ一応、注意はしておいた方がいいかも。
先日、六甲山のネコが捕ったというネズミを横取りしたことは記憶に新しいが、今回は奈良のネコの獲物を横取りした。
この奈良市のネコは優秀なハンターで、昨年はシロマダラを捕ってくれた。奈良市の市街地といっていい場所なのに驚き。今回は、その後の成果がまとめて送られてきた。
順に中身を見ていく。アカネズミが4匹でてきた。ハタネズミも1匹。ネコだけにネズミをよく捕るらしい。なぜか、ドブネズミなどの家ネズミが届いたことはない。
鳥では、メジロが3羽にスズメが1羽。地上性捕食者的には、この辺りが捕りやすいらしい。
で、驚いたのはイタチが出てきたこと。ニホンイタチの雌っぽい。ネコよりは小さいだろうけど、小さくてもイタチ。ネコが勝つんだろうか? イタチまでも本当にネコが捕ったのかは謎。
論文が届いたのは2月9日のこと。3週間でチェックして返却しろと書いてあった。
いや、もちろんすぐに論文に目を通したさー。内容にさほど注意を払わず、表面的にサラサラ〜、と読んだだけでも不備が目に付く。
Summaryの英文が変。図表の説明も変。引用文献のスタイルも変。引用されてる文献がリストにない。それどころか、リストの文献に間違いが目立つ(知り合いの名前も違ってるし)。結果にでてくる言葉が説明されてない。誤字脱字も多いし。
で、面倒になってその時は挫折した。その後、イベント関係で忙しくなり、そのまま放置。イベント後も行事関係が忙しくて、また放置。ようやく一段落して、今日ようやくチェックを完了。
データ自体はそれなりに面白いけど、データの示し方が不充分だし、重要な点が議論されていない。もう一度全面的に書き直してもらうとしよう。
そんなわけで、編集長。ようやくできました。遅くなってスミマセンでした〜!
むずかしい質問をされた。そもそも鳥なら少しは知ってるけど、爬虫類はさっぱり詳しないねん! だれか知っていたらお知らせを〜。
その方は、台湾の先住民の伝承を調べているそうな。とある部族の伝承に、
「山の中でバナナのような甘い香りがしたら、近くにヒャッポダがいるから気をつけろ。」
というのがあるそうな。本当は、バナナ云々ではなく、なんとかいう木の花の香りと言ってたけど、植物名は忘れたノ。
で、尋ねられたのは、ヒャッポダは甘い香りがするのかどうか。さっぱりわからない。
ヘビが甘い香り〜? と思ったけど、手近にいたヘビ屋が、シマヘビは甘い臭いを出すと主張してる。ほんまかいな。ほんまでも、道を歩いていて感じるほど強い香りを出したりするの? もしするなら香料など商業的に利用されてもよさそうな。
そんなわけで、果たしてヒャッポダは甘い香りがするのか? いやそもそも甘い香りを出すヘビがいるのか? だれか知らないかな? 本当に甘い香りがするのなら、一度嗅いでみたいな。
ちなみに、その部族の伝承では、
「ヒャッポダは大きくなるとだんだん短くなっていき、やがて羽根が生えて、竜になる。」
なんて話もあるらしい。甘い香りもその類?
今日、某グループの会合が開かれ、その席でここ3ヶ月の間に達成すべきミッションが言い渡された。ミッションは大まかに分けると、ラストスパートとスタートダッシュがあるらしい。この3ヶ月でスタートダッシュするくらいなら、もっと早くスタートしろよ、という突っ込みはともかく、ここでミッションを確認しておこう。
まず、一番重要なミッションとして、コシアカツバメの巣探しがある。巣にコシアカツバメが出入りしているかまで確認する必要があるそうな。
同じく最重要ミッションにカジカガエル探しがある。これは川沿いを歩いて、声を記録するだけでいいらしい。
重要度は下がるが他のミッションも並べると、
・山手ではサワガニ、池などではエビ類、田んぼでアメリカザリガニを採集してくる。あと5月に奈良盆地の大和川でモクズガニの子どもを探す。
・水路や田んぼやため池で、貝類を採集。とくにオオタニシ、マルタニシ、イシガイ類。
・河原の石をひっくり返してミズギワゴミムシ類を採集。河川ではゲンゴロウ類を採集。ヒメドロムシ類は中下流で探す。
・照葉樹林でアリドオシ、イズセンリョウ、ハナミョウガを探し、河川で水草を探し、田んぼの周囲に生えている木の葉っぱを採ってくる。
ものすごい盛りだくさん。3ヶ月でこんなにできるんだろうか?
とりあえず整理すると、
★山手に行ったら:目でコシアカツバメとその巣を探しつつ、耳はカジカガエルの声に注意。水がたまっていたら水網を入れて、貝・エビ類・ゲンゴロウ類を採集し、川ではサワガニ、林床ではアリドオシ・イズセンリョウ・ハナミョウガを探す。
★田んぼがあったら、貝類・アメリカザリガニを採集し、周囲に生えている木の葉っぱを採る。水路の中にも要注意。
★川沿いを歩くときは、目でコシアカツバメとその巣を探しつつ、耳はカジカガエルの声に注意。水の中の水草とゲンゴロウ類を採集し、気が向いたら石などをひっくり返してミズギワゴミムシ類探し。さらに気が向いたら○○洗い。
どこ行っても、むっちゃ忙しい。
一昨日、アカウミガメを拾ったときに、大型カモメの死体も拾ってきた。と言っても、肉はほとんど残っていなくて、骨に皮と羽根が付いているだけって感じ。さらに残っているのは両翼と胸骨周辺の骨のみ。さらに右翼には風切羽がそろっているけど、左翼にはあまり次列風切は残っていない。さらに、右翼も中雨覆や小雨覆はなくなってる。
なんとも寂しいけど、おかげで残った部分の様子がよくわかる。風切を抜いて、順に並べて羽根の標本にするというので、隣で少しながめる。自分でやるのは面倒でも、ひとがやるのを見るのは楽しい。
初列風切は、掌骨や指骨にひっついていて、引っこ抜くのがなかなか大変。一方、次列風切は、尺骨(誰だ、橈骨って言ったのは!)の上に軽く引っ付いているだけなので、上に持ち上げながら引っ張れば、割と簡単に取れる。
さて、尺骨に乗ってる次列風切をながめると、必ず大雨覆とセットになってる。軸の根元辺りを見るに、次列風切のすぐ内側に接して大雨覆が生えている。ただし羽軸の根元の位置は、大雨覆の方が前よりで、そのせいか大雨覆の方が次列風切よりも上向きに生えている感じ。
初列風切と初列雨覆の関係も似たようなもんやけど、羽軸の太さが初列雨覆の方が圧倒的に細いので、初列風切のおまけのような感じ。それに引き替え、大雨覆は、次列風切に負けない羽軸の太さ。
何度も見たことがあるはずなのに、改めて見ると面白かった。で、忘れないようにメモ。
日経新聞の文化欄に、なにわホネホネ団の記事が載った。団長執筆によるなにわホネホネ団の紹介文に、丸い団長の顔写真(いやいや顔が丸いと言ってるのではなく、写真が丸く切られているわけで、確かにその丸枠に顔が綺麗にはまっているけど)、そして広報部長の可愛い写真付き。
地方版ではなく、全国版らしい。記事を見た人からのメールが、遠方からけっこう届く。
反応を見る限り、記事に、なにわホネホネ団に好意的なので、関係者としては一安心。でも、世の中には色んな人がいるからな〜。ちょっと不安。
なにわホネホネ団と団長は、INAXギャラリーの「小さな骨の動物園」で、すでに全国デビューをしてる。どんどんビッグになっていくのかな〜。やはりちょっと不安。
そんなわけで、カメ拾い。雨模様だけど昼から上がるとのことで決行。そううまく見つかるはずはあるまいと思っていたら、船から下りて、すぐに言われたとおりの場所にウミガメの死体を発見。期待通りに驚いた。
甲長約90cmのアカウミガメ。すでに肉はドロドロ。その中にはウジがいっぱい。あたりは、腐ったウミガメの臭いだらけ。
地元の人の話によると、昨年末頃には打ち上がっていたとのこと。で、地元の漁協の人が、背甲だけ欲しいと言ってるとのこと。えー、じゃあ背甲以外だけでも持って帰ろうか。と言ってたら、その人に連絡してくれて、そんな話なら背甲も譲ってくれることになった。ありがとう〜。
そんなわけで、みんなでばらして、出来るだけ肉をとって、洗って、包んで、作業完了。10人ちょっとでかかって約2時間。
分担して持って帰ってきた。骨や甲羅は厳重に梱包したので臭くないが、作業した者たちの服や靴や手が臭い。ウミガメ臭い一団が、電車に乗って帰ってきたわけ。本人たちは慣れたのでさほど臭くないけど、周囲はさぞ臭かったことだろう。
そうそう。カメ仙人のように背甲を背負って帰ってこようと思ったけど、うまくいかなかった。残念。
和歌山県のとある島の海岸にウミガメの死体が落ちている。と、教えてもらったのが、先月の25日。都合がつかずに今日に至ったが、ようやく明日、なにわホネホネ団で拾いに行ってみることに。久しぶりのなにわホネホネ団の採集遠征。
果たしてウミガメはまだ落ちているのか? いやそもそもウミガメなのか? もしかしたらウミガメ以外にも色々落ちているかも! と期待は高まる。
と、そんな団員の期待が高まる中、T顧問は一人ちゃくちゃくと準備をしていた。
簡単に持って帰れる場合のみならず、現地で解体作業をして持って帰る場合、現地で解体作業はしたものの持って帰れないから埋めてくる場合、などといろんなケースを想定して、必要な物一覧を作成。分担して持って行くことに。
なんとなく大きな袋を持って行けばいいと思ってたけど、それだけじゃダメだったか…。
そういえば、むかーしむかし、京都府の北にある冠島に行ったときのこと。海岸にオサガメの死体が落ちていた。一緒に行ってたハペトロ屋の先輩が絶対に持って帰ると言い張り。一緒にキャンプしてる場所まで運んだっけ。で、いったいどうやって船に乗せて持って帰るのかと思っていたら、甲羅を背中に背負って紐でくくりつけていた。すっかり乾燥してたからできたんやね。
その時は、ハペトロ屋は変わってるな〜、と思ったが。今にして思うと、あのオサガメの死体欲しかったな。
スズメの生態について尋ねられた。スズメは人が暮らしている周辺にたくさんいるけど、意外なほど調べられていない。とくに社会構造については、日本ではまったく調べられていない。と断言しても、怒る人は一人だけだろう。
スズメは幸いヨーロッパにもいる。で、ヨーロッパのスズメは日本よりは調べられている。だもんで、ヨーロッパの研究例を調べることになる。お手軽に、『Handbook
of the Birds of Europe, the Middle East and North Africa』に頼ってみた。
あらためて読んでみると、へぇ〜、てなことが色々と載っている。今後また質問されたときのために少し書いておこう。
・年死亡率など生命表がらみの個体群パラメータは載っていない。でも、標識調査で確認された最も長生きの個体は、12年9ヶ月。
・一腹卵数は5個前後が多い。一シーズンの繁殖回数は、2〜3回が多く、4回繁殖することもあるとか。繁殖成功率は、17〜69%とものすごく幅がある。
・基本的に一夫一妻だが、一夫多妻の報告もある。
・一度つがいになると、基本的に相手が死なない限りつがい関係は継続する。
・非繁殖期でも、昼間はつがいで一緒に活動することが多い。
・繁殖を終えた成鳥は、集団ねぐらに加わる場合と、巣穴で寝る場合があるらしい(書き方がちょっと曖昧)。巣穴で寝る場合は、つがいが一緒でないこともある。
といった記述は、おもにドイツとポーランドでの研究結果に基づくらしい。日本でも同じかどうかは謎。そもそもヨーロッパのスズメはshyだというところからして、日本とは違うし。
お昼にぴよちゃん到着。食べてもいいと言われたので、受け取った。
さわっても怒らないし、持ち上げても大人しい。餌を差し出すと餌だけちゃんとたべる。パンやキャメルコーンは好きやけど、キャベツの芯は嫌いらしい。というわけで、可愛い。困った。食べにくい。
とりあえず、ガーガーさんと一緒に入れておこうと連れて行く。紐を付けて歩かせようとすると、嫌がって歩かない。目の前にパンをちぎって落とすと進むので、それで連れて行けそうではあったけど、寄り道が多くて遅々として進まない。面倒なので、持ち上げて歩く。全然大人しい。抱かれなれてるのか?
で、ガーガーさんが暮らす小屋に到着。中に入れて放すとガーガーさんが逃げまどう。それを猛然と追いかける。ガーガーさんがつつき殺されてしまう! ってことはなくても、追いまくられたガーガーさんが、疲弊して死んでしまう可能性は大。
仕方がないので、分けて飼うことに。
面倒。でも、可愛くて食べにくい。もらったはいいけど、どうしよう。この雄鶏。
今日は、短時間であったが、キリンの頭と遊んだ。
キリンっててっきり2本角と思ってたけど、額にも隆起があって、どうみても3本角に見える。で、横に長く突き出た耳は、あまり毛が生えてなく、先がとんがっていて、悪魔の耳のよう。角があって、悪魔の耳があって、これだけならかなり怖い感じの動物みたい。
でも、目がでっかい。目玉はガチャポン位の大きさがある。さらにまつげが長い! 太いマジックが乗りそう。あと目先の方だけに、眉毛みたいなのも生えている。ちょっとお洒落かも。
というわけで、全体的には可愛い顔立ち。
あと、注目は、舌。舌の表は、けっこう堅くて、ざらざらしてて、逆とげみたいなのが付いている。一方、裏は柔らかくてさわると気持ち言い。で、その舌はうわさ通り長い。鼻が余裕でなめられるだけでなく、目にも届く。目がかゆいときには便利に違いない。
キリン1頭から、ウシ3頭分くらいのタンが取れるだろう。うまいかどうかは知らないけど。