近頃の自然史博物館
2002年6月
2002/6/22
今日が、長居競技場でのワールドカップ最後の試合。日本がくるかと思ったら、セネガルvsトルコ戦に。べつにあかんというわけではないけれど、ちょっと残念。日本戦でなくても、ひょっとしたらフランスやアルゼンチンやブラジルが来る可能性も!と思ってただけに…。
で、イングランド戦や日本戦ほど盛り上がらないかと思ったら、まあそれなりに盛り上がっていたらしい。
2002/6/14
ついに今日は、日本vsチュニジア戦。例によって博物館は休みで、警戒厳重。うっとうしいし、何よりテレビで観戦すべく、多くの学芸員は休んでいたりします。
ただいま午後2時半、そろそろ帰って観戦準備にかかろうと思います。長居公園にはすでにたくさんのサポーターが集まっている模様。帰りがてら、ちょっとウロウロしてサポーターの様子をながめてみよう。
2002/6/13
明日は、いよいよ長居競技場で、日本vsチュニジア戦。前日の夜から、長居公園は人手も多いし、なにより警官や警備員が大量にいます。ちょっと異様な雰囲気。
夜のニュースでも、盛んに長居公園が写っています。周辺には大量の報道陣がいるらしい。こんなんは安田病院以来。
2002/6/12
今日は、長居競技場でナイジェリアvsイングランド戦があります。朝から長居公園周辺には警官やら警備員やらが多数ウロウロしています。いろんな会社の警備員が借り出されているらしく、いろんな制服が見られます。まるで警備員の博覧会。
博物館に到着すると、輪をかけてたくさんの警備関係者に出会えます。今日は、博物館は休館で、1階の集会室と会議室が警備関係者の休憩室に徴用されているせいです。博物館の通用口もしまっていて、警備員がたくさん立っていて、博物館職員もIDカードをぶら下げていないと入れてくれません(建前は。一応顔パスをきかせましたが…)。
午前12時半、昼食を買って郵便を出すついでに、長居公園を自転車で一周しました。相変わらず警備員の姿が目立っていて、サポーターはまだそんなに多くありません。一応、普通に通行できるけど、競技場の周りには、チケットを持っていないと入れてくれないエリアが設定されています。で、ポストに郵便を出そうとしたら、ふさがれていて出せませんでした。ポストもゴミ箱も、長居公園周辺のあらゆる穴がふさがれているようです。
午後2時過ぎ、天王寺に会議で出かける途中、また長居公園をウロウロしてみました。キックオフを1時間半後に控えて、さすがにサポーターが大量に出てきました。競技場から長居交差点にかけては横切れません。またイングランドサポーターばっかりで、あたりは白と赤ばかり、その間になぜか日本のユニフォームの青が混じる。ナイジェリアの緑がないー!でっかい白人の姿がたくさんあって、明らかにいつもと違う雰囲気。
天王寺に向かう地下鉄はすいてたけど、天王寺から長居に到着する電車には、大量のイングランドサポーターが。天王寺にもけっこう警備員がいて、ここにもイングランドサポーターがチラホラ。
午後6時半、天王寺での会議が終わって長居に到着。試合終了から1時間ほど経っているのに、長居交差点周辺には、大量のイングランドサポーターの姿が。改札口で通行規制をしてるらしく、なかなか駅に入るのもたいへんそう(あびこ駅まで歩いている人もけっこういるみたい)。長居交差点周辺には、大量の人がいて、例によって団体で歌も歌っていました。白人のイングランドサポーターが歌っているのを、撮影している日本人という構図が妙に印象的。
とにかく長居公園にこんなに大量の人が来たのは初めてでは?どんなに競技場がいっぱいになっても、こんなに人がいるはずがないから、大部分は競技場の周りに応援、あるいは選手を一目見ようと(あるいはサポーターをながめに)来たんでしょう。明後日の日本戦はもっとすごいのでしょうか?
2002/6/7
今日、ワールドカップ用の首からぶら下げるIDをもらいました。といっても試合会場に入れるわけではなく、博物館に入るためのID。長居競技場で試合のある6月12、14、22日は、長居公園は厳戒態勢になるそうで、職員が博物館に入るにもIDがいるとか。博物館や植物園が休みになるだけでなく、アルバイトも業者も立ち入り厳禁。管理職は前日から、館内を一日数回チェックしてまわるそうです。
さらに昨日は、火災訓練までありました。これもワールドカップに向けてのようで。就職して9年目にして初めての火災訓練です。といっても、行事の下見があって参加できませんでしたが‥。フーリガンが、博物館を爆破するという設定なんだろうか?
ところで、そもそも長居公園のすぐそばに住んでいるのですが、長居競技場で試合のある日の前後は、交通も大幅に規制されます。基本的に通行禁止らしい。さらにマンションの自転車置き場からも”不審な自転車”を一掃するとかで、住民の自転車にはシールを貼ることになりました。
2002年5月
2002/5/17
ただいま午後7時。明日から始まる特別陳列「朝鮮半島と日本列島の自然」の準備が終わりました(担当部分は)。全体を見渡しても、まだ作業をしているのは2人だけ(この二人の展示は、まだまったく並んでいない)で、残りは完成しています。今朝の時点では植物関係ぐらいしか並んでいなかった事を考えると、あっという間にできた感じです。
担当部分の準備にしても、二日前に構想を練って、解説パネルの一部を作成した以外は、ぜんぶ一日で仕上げたことになります。約3倍の面積があるネイチャーホールを埋め尽くすことで、この一年鍛えられたので、旧特別展示室(それも全域ではない!)を展示で埋める程度ではさっぱりびびらなくなりました。いいのか、悪いのか。
今回の特別陳列では、大阪市文化財協会(今は大阪歴史博物館と言うべきか)と大阪市立科学館の学芸員が展示を作成したコーナーもあります。なんと大阪市文化財協会の方々は、ちゃんと展示のラフスケッチを作成してきて、それに合わせて展示を仕上げていました。とりあえず解説パネルを作成して、標本を持ってきて、現場で並べながら考えている当館学芸員とはえらい違いです。
2002/5/15
ふと気が付くと、次の土曜日から特別陳列「朝鮮半島と日本列島の自然」が始まります。ワールドカップ関連行事の一つで。身近な朝鮮半島の自然に目を向け、日本の自然との関わりを考えよう、といったテーマです。
あと3日しかないけど、なんと何も用意していません。昆虫研究室はちゃくちゃくと準備しているようですが、動物研究室の準備は今日からです。果たして間に合うか!と、書きつつもあまりあせっていないのは、大きい特別展示室:ネイチャーホールではなく、本館の方の小さな特別展示室で展示するためです。埋める面積がぜんぜん違うので、気分的にも楽です。
動物研究室関連では、鳥の仮剥製と、カエルとカニの液浸標本と、貝殻が並ぶようです。会期はワールドカップ期間と同じ6月末まで。でも、長居公園で試合がある日は、博物館が閉館になってしまうので、別に海外からの人が見てくれるわけでもなく、ちょっと残念。フーリガンが見に来てくれるとか、ベッカムが来るかもしれんとかなら、盛り上がったのに…。
2002/5/6
今日でゴールデンウィークが終了。毎日にぎやかで(少なくとも情報センターは)、ショップの売り上げも順調でした。ってゆうか、本屋の主人としては商品の補充に大変というか、品切れに頭を痛めていたというか。ゴールデンウィークに向けて、たくさんの本を入荷しておいたつもりが、恐竜本など売れ線を中心に、次々と品切れになってしまいました。子ども連れが多いせいか、売れ線の本が偏るのも、原因の一つです。
昨年のゴールデンウィークは、情報センターオープン直後で、多くの人が来てくれたのは、開店祝いみたいなものかと思っていました。が、少なくともショップの売り上げに関しては、ほぼ昨年と同レベル。商品が昨年よりも充実した一方で、入館者数自体もそれなりに多かった。身近で安くあがる行楽地として、それなりに定着したんでしょうか。
とにかくゴールデンウィークは無事クリアできたので、次は夏休みが勝負だ!
2002/5/3
ジュニア自然史クラブの行事で、午後から鶏パーティをしました。生きたニワトリを入手したので、殺して、解体して、料理して食べよう、という企画。骨は、骨格標本にします。
まあ残酷な企画なんですが、日頃、我々が食べている肉の背後では、殺して解体するという作業が行われています。我々が肉にありつくには、生きた動物を殺すという事を伴っているという事を実感するというのは、たいへん教育的効果が…。などと、かわいそうという声があがれば唱える予定でした。が、企画を提案したら、とくに反対もなく、けっこう多くの中高生が参加しました。むしろ1羽のニワトリでは、肉が足らないのではと心配したくらい。
殺すのは、ひと思いに首をはねるという方針。ついでに、首をはねられたニワトリは、そのまま走るというのが本当か知りたくもありました(参加者はみんなそんな話を聞いたことがあったらしい)。結局、すんなり首をはねられずに、ニワトリには悪いことをしました。が、首がなくてもニワトリはけっこう長い間、動いていました(走るというより、はねていた)。走るというのも、うなずけます。
実は、入手してから約半月、餌をあげて世話をしていたので、一番愛着があって、殺すのに抵抗があったのは私のようでした。
首をはねて、ぶら下げて血を抜いたニワトリは、湯に入れて羽をむしってから、解体作業。内蔵は一応すべて確認しました。精巣がものすごく大きいのが印象的でした。料理は、皮と内臓は焼き鳥に、骨でだしをとって、肉は鍋物に。鍋にいれた骨付き部分を食べるときは、骨を折らない、歯形を付けない、という指令を出しました。各部の味は以下の通り。
・肉:鍋物。うまいけど堅かった。地鶏みたい。
・肝臓:焼き鳥。これはうまい。
・脾臓:焼き鳥。肝臓と同じ味
・小腸:キノコを巻いて焼き鳥。そんなに味がない‥。
・精巣:焼き鳥。まあまあ。魚の白子ほどはうまくなかった。
鍋にはラーメンを入れてみましたが、とてもおいしかったです。ラーメンに鶏ガラスープはよく合う!鍋には豚肉を少し足しましたが、結局約20人がけっこうパーティらしく食べることができました。肉だけでも、ニワトリ1羽で、5-6人は充分食べられそうです。
2002/5/1
4月27日に、情報センターがオープンして丸一年が過ぎました。普通なら一周年記念のイベントでもありそうですが、まったく話題にもあがらず。ごく普通に、一周年記念日が過ぎて行きました。そういえば、博物館の50周年記念日もとくにイベントもなく、さりげなく過ぎていったなー。
4月27日にミュージアムショップも新装開店一周年です。本屋の経営も一年が過ぎました。で、4月末締め時点で、この一年の売上を振り返ってみます(年末にもやったけどね)。
で、閉店後、本の在庫チェックをしました。それから今年の本の売上を集計しました。4月27日に情報センター及びショップが開店してから約8ヶ月。一般書関係のデータは以下のようになりました。
●仕入:98出版社から、594タイトル、2839冊
●売上:494タイトル、2136冊
●在庫(2002年4月末時点):284タイトル、703冊
各期の取り扱いタイトル・冊数は、
2001年 2002年
4-6月 7-8月 9-10月 11-12月 1-2月 3-4月
タイトル 133 171 238 271 350 444
冊 数 433 958 911 898 1017 1163
本屋を開店したときは、ぼちぼち販売していく予定が、みるみる規模が拡大しています。じゃあちゃんと在庫は回転してるかというと、ショップの一般書籍だけの商品回転率(売上/期末在庫)は3.71。この数字はあまり芳しくありません。
というわけで、そろそろ規模の拡大に歯止めをかけて、在庫も引き締めていきたいと思います(といったことは、総会で話すべきか…)。
で、年間売上チャートの発表です。まずは、11位から20位。
11位:「絵本図鑑シリーズ 恐竜たんけん図鑑」岩崎書店(33冊)
12位:「カラー自然ガイド 野山の木II」保育社(32冊)
13位:「新・水辺の鳥」日本野鳥の会(31冊)
14位:「発見シリーズ1 からだの本」岳陽舎(30冊)
14位:「植物一家言」北隆館(30冊)
16位:「新・山野の鳥」日本野鳥の会(28冊)
17位:「どんぐりの謎」どうぶつ社(27冊)
18位:「新・神戸の自然シリーズ4.神戸の海藻」神戸大学内海域機能教育研究センター(24冊)
18位:「大地のおいたち」築地書館(24冊)
20位:「おりがみランド 恐竜のおりがみ その2」誠文堂新光社(23冊)
20位:「コンパクト版1 原色牧野日本植物図鑑1」北隆館(23冊)
20位:「探して楽しむ ドングリと松ぼっくり」山と溪谷社(23冊)
意外だったのは、「からだの本」の売れ行きのよさでしょうか。
そして、いよいよ年間トップ10!
1位:「草をしとねに」小学館(90冊)
2位:「ジュニア図鑑 27 きょうりゅう」保育社(62冊)
3位:「おりがみランド 恐竜のおりがみ その1」誠文堂新光社(42冊)
4位:「おりがみランド 虫のおりがみ」誠文堂新光社(41冊)
4位:「カラー自然ガイド 人里の植物 II」保育社(41冊)
6位:「カラー自然ガイド 人里の植物 I」保育社(38冊)
7位:「発見シリーズ7 恐竜の本」岳陽舎(36冊)
8位:「絵本図鑑シリーズ 日本恐竜図鑑」岩崎書店(35冊)
8位:「カラー自然ガイド 野山の木I」保育社(35冊)
10位:「どんぐりの図鑑」トンボ出版(34冊)
ぶっちぎりの1位は、昨年の「牧野富太郎と植物画展」だけの売上です。保育者のカラー自然ガイドもその時の売上が中心で、今年に入ってからはあまり売れていません。その他はむしろ後半の売上です。とにかく恐竜系は強い!
続きまして、逆にまったく売れなかった本ワースト10+a。仕入れたけどまったく売れていない本を、古く仕入れた順に並べてみました(かっこ内は、仕入れた日付)。
1位:「自然史の窓 ひとかけらの化石に宇宙をみる」岩波書店(2001.4.27)
1位:「自然史の窓 歯から読みとるシカの一生」岩波書店(2001.4.27)
1位:「自然史の窓 小笠原自然年代記」岩波書店(2001.4.27)
1位:「フィールド図鑑 クモ」東海大学出版会(2001.4.27)
1位:「日本産魚類検索」東海大学出版会(2001.4.27)
1位:「日本動物大百科1.哺乳類 I」平凡社(2001.4.27)
1位:「日本動物大百科2.哺乳類 II」平凡社(2001.4.27)
1位:「日本動物大百科7.無脊椎動物」平凡社(2001.4.27)
9位:「日本動物大百科8.昆虫 I」平凡社(2001.5.30)
9位:「日本動物大百科9.昆虫 II」平凡社(2001.5.30)
11位:「新魚大図鑑」つりサンデー(2001.6.6)
11位:「山溪カラー名鑑 日本の海水魚」山と溪谷社(2001.6.6)
1位とは、つまりオープン時から並んだまま…。誰か買ってください〜。でもまあ、店頭に並んで10ヶ月以上経つのに、1冊も売れてない本はこれだけしかない、とも言えます。
2002年4月
2002/4/25
吹田市のとある小学校に行ってきました。鳥と哺乳類の剥製がいくつかあるので引き取ってくれないかとの事でした。とにかく現物を見せてもらってから判断しようというわけです。
あったのは、
鳥類:マナヅル1点、ナベコウ1点、タンチョウ1点、ノスリ1点、フウチョウの一種1点(いずれも本剥製)
哺乳類:キツネの一種1点、サルの一種2点(アカゲザルか何か)、センザンコウ2点(ここまで本剥製)、スイギュウの角1本、イノシシの頭骨1点
その他:ヤシの実など数点
残念ながら引き取りはお断りしました。理由は、
●採集場所と採集日のデータがまったくない(入手日や入手先を含め由来は一切わからず)。
それでも状態がよければ、展示用に引き取ることもあるのですが、
●いずれも、ものすごく埃をかぶって汚れており、さらに羽などの状態もよくない。
それでも極めて貴重な標本なら(たとえばトキとかニホンカワウソとか)引き取るのですが、
●極めて貴重というわけでもない。
ツル類2種とフウチョウは、ちょっと悩んだのですが…。
引き取ってもらえなければ、すぐに処分するというわけでもないそうです。もし、研究や教育目的で要り用の方がいましたら、仲介してもいいのでお知らせ下さい。
2002/4/22
ミュージアムショップの本屋の主に、取次会社を経由して、全国農村教育協会から以下のようなFAXが届きました。
”(前略)「校庭のクモ・ダニ・アブラムシ」初版のダニ(土壌動物)の項に誤りがあることがわかりました。初版お買い上げの皆様方にはまことに申し訳ございません。(中略)
つきましては、無料で改訂版に差替えをさせていただきたいと存じます。(以下略)”
というわけで、初版を回収して改訂版に差し替えてくれるそうです。どんな間違えなのかわかりませんが、さぞかしコストがかかるでしょうに、丁寧な対応です。うちの本屋では、問題の本を4冊販売しています。この場を借りまして、当館のミュージアムショップで、「校庭のクモ・ダニ・アブラムシ」を買われた方、改訂版に差し替えたいと思いますので、和田(wadat@omnh.jp)まで連絡下さるようお願いします。
2002/4/20
今日は、友の会の夕べがありました。友の会会員を対象にした、特別展の見学会です。昆虫担当と友の会担当だけで手は足りていたのですが、なんきなしにのぞきに行きました。すると、子ども達に捕まっていじめられる羽目に。結局ずーっと見学会に退屈した子どもたちの相手をしていたような。それなりに役立ったのか?
ところで、すでに気付いた人もいると思いますが、博物館のホームページが新装オープンしました。今回は、専門家の手が入っているので、デザインもかっこいいし、仕掛けもこってます。でも、そこに今までのページがリンクしていると、素人臭さが目立つ…。
2002/4/19
昨日、ゾウと戯れたので体中が痛い。そのゾウはすでに少し臭ってる‥。
博物館裏のささやかなビオトープ予定地では、ユンボが入って、池の改修工事が行われています。通常の改修工事とは逆で、今まで単なるコンクリートで固めた水たまりだったのを、縁をぶちこわして岸辺をつくる作業です。ついでに水路も掘ってもらえるとか。ちゃくちゃくとビオトープが出来ていきます。あとは、田んぼに入れる土の確保です。
2002/4/18
なんやかんやで、結局ゾウ担当学芸員抜きで、ゾウの骨を受取に。無事に解体して骨を入手できるのか?
朝の9時半に奈良の某動物園に集合。早起きしたので、眠い眠い。ミーティングして段取りの確認をした上で、午前10時半に作業開始。
結局のところ動物園業界の結束の強さに圧倒された感じ(お互いに知り合いらしく、最初は圧倒されて、ちょっと輪に入りにくかったくらいで…)。京阪神のすべての動物園から少なくとも一人は手伝いに来てる方がいて、動物園の獣医さんを中心に解剖・解体が進められました。大学から獣医関係の研究者も来ていて、検死して記録を取ったり、あとで調べるためにサンプルを採取したりしていました。約30分の昼休みをはさんで、午後3時に作業完了。20人以上の人手があったので、早い早い。
結局、博物館からは4人で行きましたが、あんまり人手としては要らない感じ。足二本の処理をした以外は、処理の済んだ骨を受け取って取り分けてただけでした。あと、耳とか鼻とかも標本として、もらってきました。頭骨や脊椎骨(きりはなさずに一つながり)はとても4人で運べないくらい重いのですが、とにかく人数が多かったので、手伝ってもらって無事にトラックに積み込むことができました。
なんやかんや後始末もあって、トラックが荷物を積んで出発したのが午後4時過ぎ。博物館へは午後5時頃到着しました。が、ここからが大変。博物館にいた職員をかり集めて、まず小物を降ろし、台車などで砂場へ。それからクレーンを使って、重た〜い頭骨と脊椎骨を降ろして、これまた砂場へ。砂場に並べた上で、上にシートをかけてできあがり。約1時間かかりました。
クジラの解体と比べると、足がある分だけ処理が面倒ですが、あとはそんなに変わりません。そして何より肉が腐っていないので、ぜんぜん臭くありません。普通のゾウ舎の臭い程度です。
とにかくゾウの各部を間近で見られて、なかなか貴重な体験でした。一番ビックリしたのは、腹をあけて腸を出すとふくらむ事。ガスがたまってたんでしょうが、特大のソーセージができそうなくらいに大きい!踏んづけても、柔らかめのタイヤを踏んでるみたいで破れないし。
今度は、カバやサイをやってみたいかも。
2002/4/17
朝方、奈良の某動物園でゾウが死亡したとの連絡が入る。以前から具合が悪く、死んだら骨をもらうことになっていました。しかし、折り悪く、ゾウ担当学芸員は、なぜか今日から3日間留守。明日、死体を解剖するので、骨をもらいに行かなくてはならない!どうする?
とりあえず飛行機に乗ってるゾウ担当学芸員と連絡をとるよう手配。さらにゾウの解剖・解体作業を担当する方と連絡をとると、明日の朝から一日かけて作業するとのこと。解体して肉付きの骨を運ぶべく、運送屋に連絡して2トントラックの手配を依頼(以前、クジラの骨を運んだことが2回あるので、業者は慣れたもの)。さらに解体作業の人手を求めて、辺りの若めの学芸員を捕まえ、さらに関係者に連絡。
そのうち、ゾウ担当学芸員に連絡が取れたけど、帰ってきてくれない(北海道からやから当たり前か)。仕方がないので、自分でやることに。トラックが手配できて、人手も集まって、明日の段取りも決まって。
それだけで、夕方になってしまった。まだゾウの解体もしていないのに疲れた…。
2002/4/16
天気が悪くて調査に行けず。でも季節がいいからか、一日博物館にいるとやたらと質問などの電話がかかってきます。中でも注目は、とある施設からの問い合わせで、頭が二つあるヤモリを捕獲した人がいるけど、博物館で欲しいか?というものでした。
双頭のヤモリとは珍しい。ぜひ一度見てみたいものです。で、寄贈してくれたら喜んで受け取ります。と二つ返事。何でも、まだ生きていて、餌をやるとよく食べるとか。どっちの頭に餌をあげるのかな?
2002/4/11
今日は、今度の日曜に実施予定の行事の下見に行きました。鳥の野外調査の実習という企画で、農耕地でケリを観察しようと考えています。ケリがたくさんいる予定の場所に行ってびっくり。ケリがあんんまりいません。ってゆうか数年前と比べると、農耕地自体が激減している…。
ウロウロしてケリを探したけど、結局5羽しかいない。この5羽のケリを観察してみるか、他の鳥を観察してみるか、それとも行事の実施場所を変更するか。悩んだ末に、場所を変えることにしました。
博物館に帰って、大急ぎで場所の変更の案内を作成。電子メールが使える人には電子メールで送って、使えない人には葉書を出して。土曜中に葉書が着きますように。
結局、毎月ため池調査に行ってる堺市に行くことにしました。自分のフィールドなので、様子がわかってるので安心です。詳しくないフィールドで行事をするときは早めに下見を、という教訓が得られたってゆうか。いくらなんでも、あんなに環境が悪化してるとは想像しなかったってゆうか。とにかくあせりました。
2002/4/4
今年の初めから執行しているIT関連の予算で、博物館のホームページのリニューアルをしてもらっています。ようやく今期のリニューアルが完成しました。やはりその筋の人に作ってもらうと、デザインも仕掛けも違います。今までと比べようがないくらい、かっこよくなりました。
というわけで、リニューアルされたホームページを近日公開予定。お楽しみに。
2002年3月
2002/3/24
26日から仙台で日本生態学会大会があります。で、参加するし、発表もすることになっているのですが、発表の準備ができていない。明日出発なのに…。
大学院生だった頃は、学会発表の準備にはものすごい時間をかけてて。えんえんとデータをいじくり回したあげくに、講演予行とか言って、内輪で発表の予行演習をしたり。それが就職してからはがらりと変わり、年々発表準備の時間が減っています。この時期は、年度末やし月末やし。普及関係の名簿管理に、申込みへの返信。ショップ関係では、本の発注に、納品された本の整理。この春は関係している出版物のラッシュがあって、その校正。あげくは論文校閲に原稿執筆。いったいいつ準備するんだ!
というわけで、今回の準備期間は、今日を入れて3日弱。これでしっかりした発表ができるわけがない〜。講演中止の4文字が頭をよぎるが、一度やると癖になりそうやし。てなことを書いてる間に、少しでも準備をしなくては。
ただいま午後9時。OHPのプリントアウトが無事完了して、ようやく学会の準備ができました。なんとか間にあった感じ。これで講演中止にせずに済みます。よかったよかった。まあ、短期間で急いで準備したから、出来は推して知るべしですが…。
2002/3/15
明日から特別展「世界の蝶と甲虫」展が始まります。といっても、今回はまるで他人事のよう。ほとんど何も担当していません。どのくらいできたかな?と時々ながめにいくだけ。楽〜。で、現在、午後8時30分。驚いたことに、展示がほぼ完成しています。これは早い。誰も徹夜しないで特別展が始まるとは、前代未聞かも。
今回の特別展の特徴は、文字パネルが少なく、その代わりこれでもか!という位、昆虫標本が並んでいること。いつもはすき間なく解説のための文字パネルが並んでいるのが、今回はチラホラ。それでも数えてみると、50枚近くはありますが…。昆虫標本の入ったドイツ箱は、合計458箱(多少の数え間違いはあるかも)。その内、チョウが370箱と圧倒的に多く、残りはガが22箱(ベニモンマダラ類とニシキオオツバメガ)と甲虫(オサムシ、クワガタムシ、カブトムシ、ハナムグリ、カタゾウムシ)が66箱。入り口付近に世界の甲虫がある以外は、見渡す限り見栄えのする世界のチョウが並んでいます。ほとんどすべてアゲハチョウの仲間で、モルフォチョウにトリバネアゲハなど、なかなかこれだけ並ぶと圧巻です。これがすべて岡村さんという一人のコレクションというから驚き。
というわけで、一度お越し下さい。
2002/3/14
3月12日から今日まで、当館で全科協大会が開かれていました。全科協というのは「全国科学…博物館協…」とかなんとかいう団体です。科学系博物館の全国組織とでもいいましょうか。12日に総会と招待講演、13日に研究発表、14日に館内見学、てなプログラムでした。
背広を着たおじさんが全国から集まってきます。つられて当館の学芸員の中にも背広・ネクタイ姿が目立ちました。たいそうな名前の大会でしたが、集まるのは100人足らずで、偉いさんは多いもののあまり盛り上がらない大会でした。高い金を払って参加したいとは思えません。
2002/3/1
2月末日時点での大阪市立自然史博物館友の会の会員数が判明しました。1610名。これは、史上最高の会員数(2058名)を記録した1999年につぐ記録です。このペースなら年末までに2回目の2000名突破もあるかも!2月末と12月末の会員数の関係については、こちら。
2002年2月
2002/2/26
博物館の情報センターには、音響設備があります。カセットテープやCDなどを流せるとは聞いていたのですが、使い方を知らないので、使ったことがありませんでした。
今日は、情報センター当番だったので、学芸員の席に座っていると、なぜかクラシックが流れています。誰かが使えるように設定して、自分のカセットテープを流していたようです。クラシックなんかが流れていては眠くなる!というわけで、自分のCDを持ってきて、一日流していました。
といっても、子どもから高齢者までさまざまな入館者がいるので、選曲には苦労しました。これなら許されるだろうと流してみたのは、風の谷のナウシカ(サントラ)、ビートルズ(サージェントペパーズ)、ジョン・レノン(イマジンのサントラ)、シャギー(ブンバスティック)、エリック・クラプトン(ジャーニーマン)、エンヤ(ベストだっけか?)。日本語のヴォーカルが入ってるのはためらって使わず。あと、プリンスとかローリング・ストーンズも自粛しました。
なにげにDJ気分。ターンテーブルを持ってきたらスクラッチもできそう。確か照明もいろんなパターンをプログラムできたはず。一度パーティを開いてはどうだろう?
2002/2/24
今日は、博物館裏で穴掘りの行事です。ビオトープで田んぼを作ろうということになって、10m四方で深さ50cm-1mの穴を4つ掘る。穴を掘るだけの行事になんか誰も来ないかと思ったら、50人以上が集まりました。ちょっとだけ参加しましたが、みんなで穴を掘るのはそれだけでもなぜか楽しい。
みんなが穴掘りに精を出している間に、こちらは標本の受入をしていました。ついこの前、ためこまずにこまめに受入をしようと反省したのにも関わらず、さっそくため込んでしまいました。おかげで一日がかりの作業に…。
2002/2/20
とあるIT関連の予算の獲得に成功し、1月からたくさんのアルバイトを導入しています。仕事内容は、標本データベースの入力とか、図書のデータベースの作成とか、ホームページの作成とかです。いずれにしても、作業にはコンピュータが必要です。
最初の内は、アルバイトの人数も少なくて問題なかったのですが、軌道に乗り始めると毎日たくさんのアルバイトが来るようになりました。で、コンピュータが不足してきました。学芸員個人のまで動員していますが、時として取り合いに…。作業用のコンピュータを増やさないとどうにもならない〜。
といった問題はあるものの担当部分では、哺乳類の標本データベースはほぼ完成(なんせ500点ほどしかないから‥)、爬虫類の標本データベースも順調にすすんでいるし。入力の時間がとれずに2年以上放っておかれた鳥の観察情報データベースも、入力が進みはじめました。ありがたいことです。
2002/2/13
2月9日の植物園案内・動物編で、今年度の普及行事の担当は一応終わりです(もう次年度の行事と考えてもいいのが、3月に一つありますが)。で、2001年度に担当した行事の記録作成にようやく手を付けました。本当は、一回一回の行事が終わるたびに速やかに提出しなくてはならないのですが、ずーっとため込んでいたのでした。行事の記録を集める担当からは、やのような催促が続いていました。
行事の記録ってのは、いつどこに行って何をしたか、申込みが何名で参加が何名で、何が良かった何が悪かった、てなレポートと、参加者名簿、募集記事、返信の内容、当日の資料を一緒にたばねたものです。これがけっこう面倒です。
記録を作らなくてはならないのは、植物園案内・動物編が6つ、鳥のテーマ別自然観察会が2つ、鳥の野外実習が3つ、主担当になった地域自然誌シリーズが1つに教員対象の研修が1つ。この他に毎月ジュニア自然史クラブの行事をしてるけど、これはまとめて一つの記録で許してもらっています。ほかに主担当でないけど参加した行事はたくさんあります。
というわけで、この二日で14の行事の記録を作成しました。行事の際の名簿や資料を発掘したり、記憶を探って(フィールドノートやHPを参照もしつつ)レポートを書くのが大変。とくに植物園案内・動物編は毎回同じ場所なので、いつ何があったのかがごっちゃになってて。人間の記憶なんていい加減なものです。
とにかく、めんどくさかった。来年度からはためこまないようにしようっと。
2002/2/12
今日は、浄水槽だかの清掃だとかで、博物館本館のトイレが使用できません。トイレの度にややこしい経路をたどって、新館にまで行かなくてはなりません。面倒〜。道理で今日は出勤してるのが少ないと思った。
でもまあ新館があってよかった。今まではどうしてたんだっけ?
2002/2/8
今日、調査に出かけている間に、植物園にメジロの密猟者が現れたそうです。知ってる限りで、就職してから3回目。内2回は不在の間の出来事でした。今回は、大胆にも博物館のすぐ裏だったそうです。密猟者の処理はともかく、そ奴の言うことには、友達から長居植物園はメジロがよく捕れると聞いてきたとか。密猟仲間ってのがいるのかー、というのはさておき、長居植物園がそんな事で知られているとは知りませんでした。ってことは、気付いていないだけで、もっと頻繁に密猟が行われているのか?
というわけで、もし長居植物園で密猟者らしき者を見つけたら、すみやかに管理者である植物園事務所までご連絡下さい。ちなみにメジロの密猟には、かごにいれたメジロをおとりに使います。かごに入れたメジロを持ち歩いていたら要注意です。
2002年1月
2002/1/30
で、引っ越しです。ガラスケースを割れずに運んでもらえるか、剥製が壊れないか、などなど心配してたけど、とくに問題もなくあっさり終わりました。10人ほどがかかって、実働5時間ほどで、23のケースと中身が運ばれました。今まで3つの収蔵庫に分かれていた剥製が、史上初めて一同に会しました。ちょっと嬉しくなりました。
でも実は、ケースに入りきらずに箱に入って、ケースの上に置かれていた剥製達が、まだ旧収蔵庫に残されています。これを自分で運べば、担当部分の引っ越しは完了です。新しい収蔵庫は天井が低いので、ケースの上に箱が乗せられません。物品棚を用意するとしても、確保しているスペースは完全に埋まってしまいます。広い収蔵庫になったはずなのにおかしい…。
2002/1/29
明日がいよいよ剥製の引っ越しです。ガラスケースに入ってる剥製をケース外に避難させました。外に出してみると意外と分量が多い。
この作業の中でいくつか発見をしました。某希少哺乳類の剥製や骨格があったし(昨年の特別展で使えばよかった)。またチドリ類のヒナの剥製セットも発掘されてきました。コウモリの剥製もいくつか見つかったし。引っ越しを契機に、哺乳類の標本を整理したいところです。
2002/1/28
親睦会旅行で、琵琶湖の北の方へ日帰りバスツアーに行きました。例年は1泊旅行をしているのですが、今年度からは日帰り旅行になりました(新館オープンにともなって、1泊で行く日程が組めなくなりました)。
長浜の古い町並みを見て、湖北町尾上の湖岸の料亭(かな?)で昼食を食べて、ヒシクイやオオワシを見て、西明寺によって帰阪。湖北町で見た鳥はこちら。昼食を食べた場所は、宴会場から琵琶湖が見渡せて、なかなかいい場所でした。中から充分バードウォッチングができます。食い物自体はあまりお勧めできませんが…(なんで琵琶湖まで来て、マグロの刺身や焼いたサワラを食べなあかんねん!琵琶湖は全面禁猟のはずやのに鴨鍋やし)。
2002/1/27
というわけで、友の会総会当日。午前10時スタートですが、30分も前からけっこう人が来てたので、さっそく本を売り始めました。そのまま午後4時過ぎまでの6時間ちょっと。一瞬、昼食で離れた以外は、ずーっと店番をして、人を見つけては本を売りつけていました。
結局売れたのは、44冊。1/3はけたので、まあまあの結果でしょうか。
総会のその他の企画としては、ミニミニラスターバッジコンテストとTシャツコンテストがありました。例年、けっこう上位に入っていたのに、今年は入賞もなし。ちょっと悔しいです。バッジはまあまあの票を集めたけど(これは変なシジュウカラ、何の絵かわからない人が多かったかも…)、Tシャツ2点は、ほとんど最下位。かわいいネコやったのに!Tシャツコンテストでは、S学芸員のトロピカルにすら負けたのが残念。なんであんなんに票が入るの?
それから忘れてならないのは、友の会がNPO大阪自然史センターに合流することが無事に承認されました。形式的には、NPOをつくってから、そこに友の会が合流という形をとりますが、実態は友の会のNPO化です。といっても友の会活動は今まで通り(名前も会費も変わりません)。今まで友の会としてやっていた(本来の友の会活動とは言い難い)ミュージアムショップの運営や出版事業などを、友の会以外のNPOの事業と位置付けました。いわば、友の会活動を一層発展させるための再構成です。
というわけで、今までは友の会の本屋の若旦那をやってたのが、これからはNPO大阪自然史センターの本屋の若旦那になります。とりあえずは、何も変わらないですけど…。
2002/1/26
明日は、友の会総会です。ある意味、一年で一番大きなイベントのようなもんです。昨年は全体に目を配る担当でしたが、今年は本屋の出店を開くだけ。とても気が楽です。で、夕方から机を並べて、本を並べて、看板代わりの張り紙をして、出店の準備。
昨年の情報センターオープン以降、本屋の若旦那をやっていますが、最初に仕入れたっきり一度も売れていない本があります。あるいはもっと売れると思って多めに仕入れたらなかなか売れない本もあります。あるいは、表紙が少し破れたり、ページに折り目を付けられたりした本もあります。そういった(不良?)在庫や傷物を中心に、在庫一斉処分!という企画にしました。友の会会員を対象に、全品10%OFF。利益よりは不良在庫をなくすのが目的です。
あれやこれやで、準備したのは56点124冊。何冊売れるかな。
2002/1/24
収蔵庫の引っ越し作業は、明日の午前中に地学系の分が完了することが判明。ついに動物関係に突入します。まず貝標本などを運んでから、剥製になります。山場は、来週の火曜か水曜になりそう。
まだ余裕があるかと思ったら、貝などを入れるタンスを運ぶために、タンスの上の物を片付ける必要があります。上には骨格標本とか剥製とかをいろいろ乗せている(あるいは、博物館に採用された時にはすでにいろいろ乗っていた)ので、他人事ではありません。
というわけで、部屋を片付けるのを兼ねて、鳥と哺乳類の液浸標本と骨格標本を新収蔵庫に運びました。骨格標本はいくつか残したけど、液浸標本の移動は完了。あまり量は多くないけど、それでも液浸標本で4回、骨格標本で4回。台車に山のように積んで、エレベーターと廊下を往復しました。
あとはケース内の剥製を避難させる作業が残っています。他の学芸員に比べると分量が少ないので楽な方ですが、それでも面倒〜。
ところで、今日の午後、ベンガルトラが宮崎へ旅立っていきました。昨年の夏の特別展のためにきしわだ自然資料館からお借りした例のベンガルトラです。実は返すための運送代がなかったので、すぐに宮崎県総合博物館に貸し出すのをいいことに、当館から宮崎に運んでもらうように頼み込んだのでした。これでようやく昨年夏の特別展「レッドデータ生物」が終わった感じです。
2002/1/22
収蔵庫の引っ越し作業は、現在地学系に突入しています。この後、動物関係が始まる予定。ほんとうに準備をしなくてはならなくなってきました。で、とりあえず、自分が担当のガラスケースやタンスや物品棚などのサイズを計り直し、新収蔵庫での配置図をようやく作成。それぞれのケース類には、行き先を書いた紙を貼り付けました。担当するのは22個。少ない方ですが、やっぱり面倒。
あとは、ガラスケースの中身や物品棚に乗っている物をどこかに避難させなくてはなりません。さらにケース類の上や前にある物(たいていはケースに入りきらず箱などに入った標本類)もどこかによけなくては…。まだいろいろやることがあるなぁ。
2002/1/19
今日は、特定非営利活動法人大阪自然史センターの総会がありました。大阪自然史センターってのは、いままでの友の会をより発展させたNPOで、昨年の9月に認証されたばかりです。友の会の延長線なので、当然学芸員も関わっています。ちなみに会計担当理事なるものをやらされています。会計なんてさっぱりわからないのに、予算を作ったりします。貸借対照表なども作らなくてはなりません。何が何やらさっぱりわからず頭が痛いです。
NPO大阪自然史センターができても、博物館友の会は友の会で今まで通り存続します。で、友の会の総会が27日に控えています。この時期は総会の連発。友の会では特に何も担当してないので気が楽です。総会当日は、本屋の出店を開く予定。この日限りの超お買い得価格を設定します。みんな買いに来てね。
2002/1/17
収蔵庫の引っ越し作業は、予定以上に順調に進んでいます。5日かかるはずの植物の引っ越し第1弾が、2日で完了。自分の担当部分は来週の後半からと思っていたのに、急遽今日から関連部分が始まってしまいました。急に予定を早められても困る〜。
仕方がないので、今週中に引っ越す第3収蔵庫の担当部分(大部分は地学関係でなぜか一部に少しだけ哺乳類の標本が混じっています)のケースを空にすべく、哺乳類の標本を新収蔵庫へ運びました。ついでに来週末に始まる第1収蔵庫の哺乳類と鳥類の液浸標本も新収蔵庫へ。なんと当館ができて初めて、哺乳類の液浸標本が1ヶ所にまとまるという画期的な出来事です!今までは化石哺乳類担当と現生脊椎動物担当(専門は爬虫類やったり、魚類やったり、鳥類やったり)がそれぞれに集めて、それぞれの場所に置いていたのです。まとまったのを機にこれからは、哺乳類標本を充実させたいところです。…、鳥類だけでもアップアップしてるのにできるのかな?
というわけで、1月中に動く担当部分の準備はできた感じ。問題は、2月にはいってから動く、鳥類と哺乳類の剥製のケースです。中身を避難させて、ケースの置き場所を考えなくては。さらに問題は、それが1月中に早まるかも知れないことで…。
2002/1/15
今日から業者が入って、昆虫を除く(昆虫だけはすでに終わっている、はずなので)標本の引っ越しが始まりました。これから約1ヶ月もかかっての引っ越しです。といっても今日は養生だけ。要するに荷物を運ぶ廊下にマットみたいなのをはってました。旧収蔵庫から新収蔵庫まで、ずーっと。エレベーターの中にまで。
引っ越しは植物から始まるので、担当部分はまだまだです。と余裕をかましてないで、どのケースをどこに置くか、きちんと指示を作れとの圧力がかかってきます。ケースに番号を振って、地図を作らなくては。
2002/1/14
昨日、今日と、通称「ドキドキ小学生」という行事が博物館内でありました。小学生向けの館内裏方見学です。例年この時期に二日間の日程で行なっています。今年は、ちょうど旧収蔵庫から新収蔵庫への標本の引っ越しの真っ最中。昨日も、行事の合間をぬって昆虫のドイツ箱が運ばれていました。というわけで、コースに旧収蔵庫は入れずに、もっぱら研究室と新館を巡っていたようです。ようです、というのは、例年この行事では鳥の皮むきの実演をする係りになっていて、具体的なコースをよく知らないからで。
担当部分で例年と違っていたのは、今までは動物標本制作室という部屋(今いる動物研究室向かい)で皮をむいていたのが、今回(から?)は新館の資料前処理室でむいていたこと。資料前処理室というのは、外から持ち込んだ資料で、収蔵庫はもとより各研究室附属の標本制作室にも持ち込めないような物を処理するという部屋です。想定してるのは、でっかり哺乳類の死体とか、泥だらけの何かとか。鳥の皮むきにも最適です。
というわけで、二日で合計4体の皮がむけました。例によって、小学生達にはかなりのインパクトがあったようです。
「ドキドキ小学生」でたくさんの小学生が来ていただけでなく、この連休は特別展「木とのふれあいワールド」にもたくさんの入場者がありました。何度か様子を見に行きましたが、子ども達が足の踏み場もないくらいあふれかえっていました。おかげでショップの売り上げも好調。本屋の主人としてはありがたいです。
2002/1/12
明日から自然史アート展が始まります。ここ2年、1月の最終日曜日の友の会の総会の時に開いていましたが、1日だけの開催はもったいないとの意見があり、今年は先行してオープンしています。
一緒にオリジナルデザインのミニミニラスターバッジとTシャツも展示されています。こちらはコンテストになっていて、友の会総会の日に投票して人気順位を決めます。昨年はTシャツの応募が少なくほとんど学芸員だけが作っていましたが、今年はけっこう応募があり、中身もなかなかハイレベル。これからデザインを考えようと思うのですが、なかなか上位に食い込むのは難しそうです。まだバッジの方なら上位がねらえるかも。
まだ総会の日までは、新たなバッジやTシャツのデザインも受け付けてくれると思います。我こそはと思う方は、あるいはオリジナルのバッジやTシャツが欲しい方は、ぜひ応募してください。出品すると、バッジの方は展示したのがもらえます。Tシャツはコストがかかっているので、1500円で買い取りになります。
2002/1/11
今日になってようやく博物館のメーリングリストomnhの三年目の発言数ランキングが発表されました。本当は昨年の12月6日に発表のはずが、リストオーナーの茂似太がさぼっていたのです。昨年と一昨年と比較しながら、学芸員のomnhでの発言数ランキングを見てみます。
ちなみに三年目のトラフィックは、2294通。一年目が3181通、二年目が2701通と、順調に減っている…。じり貧なのか?
3年目 2年目 1年目
和田 岳 309 367 322
松本吏樹郎 45 71 54
岡本素治 36 17 124
茂似太 35 38 50
初宿成彦 32 33 104
佐久間大輔 18 20 35
樽野博幸 15 32 30
中条武司 12 19 27
石井久夫 12 13 22
川端清司 12 19 13
金沢 至 10 28 58
山西良平 10 5 3
那須孝悌 8 11 6
藤井伸二 3 20 61
塚腰 実 3 6 1
波戸岡清峰 2 6 11
石井陽子 0 13 14
今年もまたまた、他を大きく引き離しての圧倒的1位! 学芸員だけで562の発言があり(昨年は718、一昨年は935)、全体の24.5%を占めています(昨年は26.6%、一昨年は29.4%)。学芸員以外の発言の合計は、一年目が2246、二年目が1983、三年目が1732、とこちらも順調に減っています。学芸員による話題提供あるいは方向付けの減少が、全体のトラフィックの減少につながっているのかもしれません。
2002/1/10
昨年の4月に情報センターがオープンしました。その地下には新収蔵庫があります。でも、旧収蔵庫からの標本の移動はまだでした。すでに昨年の終わりに、昆虫標本のケースを移動させ、その後ドイツ箱の山を細々と学芸員らが運んでいました。学芸員によっては、ちゃくちゃくと担当の標本を運んでいました。来週には、業者がやってきて、昆虫以外のケース類の引っ越し作業があります。これで、収蔵庫の引っ越し作業は一段落する予定。
で、業者が作業するためには、作業スペースが必要(そのために昆虫だけ先に運びました)、何をどこに置くのかの配置図が必要、業者に任せられない標本は自力での移動or避難が必要。といろいろ下準備があります。調査にうつつを抜かして、なんにもしてなかったので、今日になってあせりはじめました。そろそろ真面目に配置を考えなくては。
それにしても、収蔵庫の収容スペースは2倍くらいになったはずが、場所取り合戦をしてみるとさっぱりスペースに余裕がありません。いったいどうなってるんでしょう?
2002/1/9
おとついの下見に基づいて、「湖北町の冬鳥」行事の返信を作成。往復はがきで申し込んでもらって、返信で詳しい参加方法を知らせるというシステムです。指定の電車に乗ってもらわなくてはならないし、行きの電車・バスの乗り継ぎがシビア(いずれも2分しかない!)。で、現地は積雪もあって寒い。というわけで、書くことがたくさんあります。
昼飯を外で食べるのはつらいので、湖北野鳥センターで食べられるか確認の電話をしました。で、びっくり行事当日はセンター自身の行事があるほかに、団体が二つもやってくるとか。そのいずれもが室内での昼食を希望。なんとか早めに昼食をとるということで、室内を確保。寒い中で食べずにすんでラッキーでした。ちなみに対応してくださった方はとても親切でした。ここでお礼をば。
2002/1/4
今日は仕事はじめ。らしい。博物館でも何やらあったらしいけど、それをさぼって調査に行ってしまいました。
2002/1/2
出勤ではないけど、夕方から博物館へ。メールをチェックして、年末にし残した作業を少し片付けて、一人だけでの仕事はじめはこんなもんで終わり。