近頃の自然史博物館
2003年12月
2003/12/31
今日で、標識調査も最終日。あまり捕れないし、雨が降ってきたので網を閉じました。そんなわけで、相変わらず雑用を片付けています。
午前中は、ファイルサーバのファイルの整理とバックアップ。放っておくといらんファイルをため込むやつがいて、サーバの空き容量がなくなったりするので、定期的に整理が必要です。空き容量残りわずかで気になっていたところでした。
午後からは、ホームページの作成やら、たまっていたメールの返事書きなど。夕方にかすみ網を片付けて今年の仕事は終わりです。
2003/12/30
今日も朝から標識調査。今日はさすがに他に学芸員は誰もいない。警備員さんがいるだけ。あんまり鳥が捕れないので、色々と年内にこなしたい雑用がはかどります。
一番時間がかかったのは、印刷物発送用のラベルの打ち出し。海外で宛先不明で帰ってきた機関の新しい住所をインターネットで検索。アメリカ、イギリス、イタリア、オーストリア、スウェーデン、ポーランドと世界をまたにかける羽目に。イタリア語やポーランド語のサイトなんか読めないぞー! 日本語でサイトを作ってる奴が言うなって感じですが…。
2003/12/29
今日も朝から標識調査。今日はさすがにサークルの合宿も終わり、学芸員も他にはいないだろう、と思いきや他に3人ほど学芸員がやってきて仕事をしていました。
2003/12/28
朝から標識調査。仕事納めも博物館の営業も終わってるけど、二つのサークルが合宿してるし、ショップでは在庫調べをしてるし、こちらも標識調査。なんか普通の日曜日とあまり変わりません。
2003/12/27
昼間は出かけていたのですが、夕方帰ってきて、植物園でかすみ網張り。明日から年末恒例の標識調査。その後、夜遅くまでかかって、ミュージアムショップの本の在庫調べ。グッズ関係の在庫調べは、3人がかりで今日明日かかってやるそうです。本の方はそこまで大変ではなく、一人で一日で完了。どこにどの本が置いてあるか(あるいは隠してあるか)は他の人ではわからないので、とりあえず一人でやるしかない。5時間近くもかかった…。
結局、在庫は788タイトル1553冊。そら数えるのに時間もかかるわ。情報センターができて本屋を開いてから、ミュージアムショップが年末を迎えるのはこれで3回目。在庫の変遷をみると、
2001年末:256タイトル667冊
→ 2002年末:514タイトル1178冊
→ 2003年末:788タイトル1553冊
どうやら順調に増えてる。なんとかこれ以上増えないように(もう置く場所がない!)、気を付けなくては。
2003/12/26
明日で、今年の博物館の営業も終わりです。学校の休み期間なので開館してたら、けっこう入館者もあると思うのですが、公務員はなかなかそんなわけにもいかないらしい。
なもので、冬休み中に博物館に行けるのは、12月25-27日と、年明けは1月6-7日だけ。そのせいか今日はけっこう友達連れで来ている小学生のグループを見かけます。情報センターの当番に座っていると、小学生のグループがやってきて、キーボードを貸してくれと。
知る人ぞ知るけど、大概の人は知らないのですが、当館の標本データベースは公開しています。ただし情報センターの端末だけで。さらに標本データベースに入って検索するには、キーボードを借りないといけない。それはけっこう敷居が高いらしく、貸し出しを始めて1年以上経つのに、キーボードを貸したのは今日のを入れて28件だけ。少ない〜。それもどうやら好奇心旺盛な子どもがもっぱら借りてるらしい。
そんなわけで、まだまだデータベース化できていない標本も多いのですが、標本データベースを見てみたい人は、お気軽に情報センターカウンターの学芸員までどうぞ。
2003/12/18-20
3日間にわたって「種子散布研究会」の会合がありました。今年で3回目。いながらにして種子散布についての色んな話が聞けるし、種子散布研究者との交流もできるので、ありがたい機会です。今回は、香港からのゲストも招かれ、英語中心の会合でした。
会場や機器の準備をしたり、お茶の用意をしたりと、会場提供側のお仕事があるのですが、例年ならその合間に講演を色々と聴ける。はずだったのですが、なんやら雑用が多くなかなか会場に顔を出せずじまい。ゆっくり話を聞きたい〜!
2003/12/13
今日は午後から、来年3月に予定している「大阪自然史フェスティバル2004」の出展説明会がありました。出展希望団体に、申込みや当日までのスケジュールや、出展に対してのサポート体制などを説明したり、模擬ブースを見てもらって出展のイメージをつくってもらうのが目的です。
と言っても、いったい何団体が参加するんだか、さっぱり読めず。ほとんど誰も来ないのでは?とも思っていたのですが、ふたを開けてみると、約30団体もの方々が集まってくださいました。いずれも出展意欲が高く、フェスティバル成功の予感がしてきました。
2003/12/9
今日は、毎年恒例の普及行事を決める会議がありました。広報の都合があるので、毎年この時期に次年度の普及行事がおおむね決まります。また土日がほぼ行事で埋まるという結果になりました。
2004年度の行事の目玉(?)は、2005年度に予定している大和川水系の特別展に向けての行事シリーズ。なかでも源流から河口までを、5回ほどにわけて全て歩こうという企画があります。個人的には楽しみなのですが、一般的には楽しいのかは謎…。
2003/12/8
残念ながら、まだ公表できないのですが、今日は博物館にとっていいニュースが一つありました。思いがけずあっさり決まったって感じ。来年の4月が楽しみです。
2003/12/3
北摂の丘陵の住宅地周辺にキツネが生息していることが、少し前に朝日新聞に載りました。その際、電話で取材を受けて、コメントし、博物館ではキツネなど哺乳類の観察情報を求めていることも話しました。博物館が情報を求めている事も記事に載ったようで、その後3件の情報提供がありました。さすが朝日新聞は霊験あらたかです。
その内の1件の情報提供は、今年の3月頃に吹田市北部でキツネの死体を見つけて埋めたというものでした。その後のやりとりで、埋めた死体を掘り起こして博物館の標本にしてもいいと言ってくださったので、掘り起こしに行きました。
埋めた方の記憶を頼りで、埋めた場所にとくに印も付けていないとのことなので、ほんとに死体が見つかるか心配でした。指示された場所を掘り始めても、さっぱり何も出てこず、どんどん心配になって掘る範囲を広げていったのですが、なんとか無事に骨になっているのを見つける事ができました。結局、最初に指示された場所から数十cmもずれていませんでした。
埋められて一夏を越した死体は、ちょうどいい具合に骨になっていました。骨の周りには周囲の木の細い根がからみついていました。肉を栄養として根がものすごく張っているようです。現地で骨だけを回収するのは無理なので、周囲の土や根っこを丸ごと持って帰ってきました。
→数日後、土の中からキツネの骨を選び出しましたが、脊椎骨はすべて発見、四肢の骨も大物はほぼそろっていて、歯も2本ほど欠けているだけ。陰茎骨もあったし、ほぼ全身の骨を回収することができました。
ちなみに土の中から骨を選ぶ作業は楽しいけど大変。まず一通りチェックしてから、ザルに入れて水をかけて、細かい泥を洗い流して、もう一度チェック。
2003年11月
2003/11/30
今日は博物館実習生の相手の2回目。大阪鳥類研究グループの行事に混ぜて、鳥の皮むきをしてもらいました。4名で2羽。午前中に模範演技を見せてトライしてもらいましたが、まあボロボロと言っていいようなできでした…。
2003/11/29
というわけで、「親子で遊ぶ木とのふれあいワールド パート2」がオープン。子どもが大量にやって来て、一日中遊んでいます。子どもの体温のせいか、展示室はやたらと暑いです。
そんな中で、指にケガをした子どももいました。展示室には複数のガイド兼見張りが配置されていますが、子どもが多いとどうしても目が行き届かなくなります。小さい子どもさんを連れてお越しの場合は、目を離さないように注意してください。
安全に配慮した展示物にはなっているのですが、ケガをしようと思えばいくらでもできますので。
2003/11/28
明日から「親子で遊ぶ木とのふれあいワールド パート2」がオープン。今日はプレスプレビューがありました。近所の保育園や職員の子どもなどをサクラに呼んであります。見てると楽しそうなので、ちょっと一緒に遊んでみたり。
木のボールのお風呂はマッサージになるとのもっぱらの評判。気に入ったのは、小さい木の玉などを上から落とすやつ。こういう落とす系が好きなもんで。
2003/11/27
今週は、博物館実習の学生がやってきています。今回は、なんと二日間も担当しなくてはならない。第1回目の今日は、実習生3人にタヌキの皮むきをさせました。剥き方の説明をかねて多少手伝いましたが、3人でタヌキ2匹を剥いてくれました。なかなかいいできでした。まあ、実習生がやったのは本当に皮むきだけで、その後の脂取りやなめしはこちらがやるのですが…。
2003/11/25
今日は「親子で遊ぶ木とのふれあいワールド パート2」の展示物が到着する日。らしいのだが、さっぱり届かず、なんやら名古屋かどっかで迷子になってるとか。結局、夜になって荷物が到着。遅くまでかかって搬入していました。といっても、仕事してるのは業者さんで、担当学芸員が立ち会っているくらいですが。
というのはさておき、こちらは今日は朝から天王寺動物園へ行ってきました。もちろん仕事で。天王寺動物園では飼っていた動物や保護されてきた動物が死ぬと、解剖した後に冷凍しています。その死体の多くは博物館にもらってきて、標本として保存しています。今日はその死体の引き取り。久しぶりの引き取りなので、たくさんあって、車に死体をギュウギュウ詰めにして帰ってきました。
帰ってきたら、今度はリストを作成して、すぐに処理するのは処理して、残りは冷凍へ。処理は夜遅くまでかかってしまいました。おかげで、特別展への搬入の遅れもよくわかったってわけで…。
2003/11/22
来週の土曜(11月29日)から特別展がはじまります。タイトルは「親子で遊ぶ木とのふれあいワールド パート2」です。2年前に開催して大好評だった「親子で遊ぶ木とのふれあいワールド」のパート2。タイトルそのまんま。
今回の特別展は、なーんにも担当していないので本当に楽です。特別展があることを忘れるくらい。2年前にも同じ事を書いていますが…。
準備の具合はどんなもんかなー、とネイチャーホールをのぞいてみましたが、可動壁の配置が終わってて、子どもたちが遊ぶエリアに絨毯がひいてある。けど、おもちゃは、木馬や木のオルゴールみたいなのがいくつかあるだけ。ホールはがらんとしています。
大部分の展示品は来週になってから到着予定だそうな。
2003/11/5
ここ2-3日、館内のLANが不調です。古いネットワークと新しいネットワークが混在してるのですが、古い方のネットワークが動いていない。入館者向けの端末は新しいネットワークだし、仕事も新しいネットワークだけでなんとかなるので、まあいいか。と個人的に被害がないのであまり気にもとめず…。
で、今日になってその原因が判明。古いネットワークの方のハブのコンセントを誰かが抜いてたらしい。コンセントをさしたら、あっさり復旧。おいおい。
2003/11/4
毎年この時期は、文部科学省の科学研究費の申請という仕事があります。博物館の予算に、学芸員個人の研究費はないので、自分でどこかからお金をとってこなくてはなりません。で、数あるスポンサーの中でも一番の大口が、このいわゆる科研費。調査に行ったり、分析したりするのに金のかかる研究をしたければ、この金がとれるかどうかは大きな問題。
申請書類の館内の締め切りは10月末でした。今年は締め切りが例年より早めで、ボヤーっとしてたら、締め切りが過ぎてしまった。でも、館内でとりまとめて文部科学省方面へ提出する締め切りにはまだ半月以上もあると知ってるので、ぜんぜん余裕。10月末の締め切りを守った学芸員は半分ほど?
今日になってようやく、WEBサイトから申請書類の様式と記入の仕方をダウンロードしてきました。それに昨年の申請文書(もちろん採択されなかったやつ)を張り込んで、少しヴァージョンアップしてできあがり。やってみれば、作業は1時間ほど。なぜか、その後のプリントアウトで1時間ほど手間取ったけど…。
2003年10月
2003/10/22
8月半ばから約2ヶ月。冷凍庫にたまっていた哺乳類の死体の処理に精を出しています。この間に処理したのは、タヌキ8個体、キツネ2個体、アナグマ3個体、テン1個体、ネコ1個体、ミケリス2個体、フサオネズミカンガルー1個体の合計18体(最後の2種は動物園からもらった死体)。といっても、このうち自分で皮を剥いたのは4体だけ。あとは皮むき希望者を見つけては、いろんな人に剥いてもらったようなもの(ある程度剥いてくれた人だけでも約10名になります)。とくにそれぞれ約5個体を剥いて、さらにその後の処理も手伝ってくれたNさんとYさんに感謝です。
鳥と違って、哺乳類の死体の処理は面倒です。鳥なら皮を剥いたあと乾かしておけばおしまいですが、哺乳類は皮を剥いた後が長い。皮は、脂取りをして、洗って、なめし液に浸けて、乾かす。中身は、内蔵などを液浸標本にした後、数時間煮て、洗って骨格標本に(小さい哺乳類で時間がなければ丸ごと液浸)。なんだかんだで、皮が完成するのは、剥いてから約1週間後。あんまり面倒なので皮だけ剥いて、皮を冷凍してあったのも掘り出して処理しました。おかげで今も実習室には、6個体のタヌキの皮が並んでいます。タヌキ臭いらしく(私はもう馴れた)、評判が悪い…。
まあ、そんなわけで冷凍庫のスペースにかなり余裕ができました。処理すべきタヌキは、あと5個体。先は見えた感じ! が、その他にも、ウサギ2個体、ネコ1個体。イタチ22個体、テン8個体などが処理を待っています。タヌキには飽きてきたから、ウサギやイタチ類をしようかな…。
ともかく、今はちょっとした哺乳類ブーム。とくにできたバラバラの骨を並べたり、組み立てたりするのが楽しい。骨の勉強にもなるし。この機会にできるだけ色んな種類のいろんな個体の骨を見ておこうと思っています。というわけで、哺乳類の死体がありましたら、ぜひ博物館まで送って下さい(というか送る前にご一報を。あとは着払いで結構です)。もちろんタヌキも頂きたいですが、まだ今回ゆっくり骨をながめていない(それに冷凍庫にもない)ハクビシン、アライグマ、ヌートリアといった移入種、あるいはシカ、イノシシ、クマといった大型獣は大歓迎です。腐った死体でも骨にするので全然OKです。よろしくお願いします。
2003/10/10
とうとう明日が特別陳列オープンの日。展示点数が少ないので余裕をかましていたら、展示完成がほとんど一番最後になってしまいました…。ともかく、解説パネル1枚と展示ラベル5枚を作って、セットして完成。
「タイガース優勝記念 トラづくし展」はとにかくマスコミ受けもいいらしく、新聞や雑誌の取材が相次いでいる模様。しゃれで展示した方が受けるようで。
2003/10/9
というわけで、ようやく自分の担当の展示物を引っ張り出してきました。といっても点数はいたって少ない。新収資料展では、ゾウとカバの頭骨に、トキの本剥製の3点。「タイガース優勝記念 トラづくし展」では、トラフズクとトラツグミの2点だけ。選手名でノグチゲラという案もあったのですが、ノグチゲラの標本がない…。もちろんトラの頭骨も展示します。
2003/10/8
なんか学芸員が大勢バタバタしてるなー。と思ったら、なんと今週末から始まる特別陳列の準備をしていました。特別陳列のタイトルは新収資料展。最近寄贈を受けたりした標本を並べる展示会です。2000年にやったきり、3年ぶり。たくさん並べるべき物はあるのですが、とても全部引っ張り出して並べる余裕がないし、整理や標本製作が追いついていない…。というわけで、この春に宝塚ファミリーランドから寄贈された物だけを出すことにしました。他のはまた来年の新収資料展で。
さらに同時開催で「タイガース優勝記念 トラづくし展」というのもやります。今の大阪ではなんでもタイガース優勝にあやかることになっているので、トラやタイガースの選手の名前の入った生きものの標本を並べます。誰かが提案したのが、しゃれで提案が通ってしまった感じ。他でもけっこうやってる博物館施設があるようですが…。
2003年9月
2003/9/11
今日は、ついに鳥の巣と剥製の運び出しの日。朝早くから運送屋さんが10人ほど来て、次々と梱包作業を進めていきます。担当者としては、見守るくらいしかやることがないのですが、まったく顔を出さないわけにもいかず、ある意味けっこう退屈。梱包は昼過ぎには終わり。午後2時には運び出しも完了しました。あとは標本が無事に到着するのを祈るだけ。何事もなければ、担当者としても特別展は終わりです。
小海途さんとの打ち合わせから数えれば、3年越し。巣の写真撮影や具体的な打ち合わせから数えれば、約1年。ポスターや解説書の準備から数えたら、おおむね半年。ようやく終わったといった感じです。
2003/9/10
あとは、運送屋さんの梱包と運び出しの作業を待つだけ。といった感じのネイチャーホールですが、その他にもいくつか残されている物があります。水辺の造作、なぞなぞコーナーのブラインド、そして天井からぶら下がっている物。
今日は、天井からぶら下がっているのを取り外しました。下からグイーンと上がっていく機械を使うのですが、これがなかなか楽しい。造作は作ったやつに片付けてもらうとして、ブラインドは…。これ釘で固定されていて、抜くのが面倒。忘れることにしよう〜。
2003/9/6
今日は、小海途さんが来られて、巣の梱包作業。大きいのは運送屋さんに頼むのですが、小さい巣や壊れやすい巣は、自分でやるのが一番安心。ということで、わざわざ梱包に来ていただけました。展示に使ったラベルを回収して、巣の採集ラベルが紛失しないように巣とセットにして、といった下準備の後、一つ一つビニール袋などに包んで行きます。展示したらあれだけ広がっていた巣が、箱や引き出しに入れていくと、驚くほどコンパクトになります。
巣の梱包と平行して、パネル類や背景写真などもとりはずし。運送屋さんが運び出しやすいように、剥製類もケースから出してまとめる。てな作業を終えると、もうすっかり片づいた感じです。ちょっと寂しいかも。
2003/9/1
昨日まで特別展を開催してたのですが、今日からはさっそく撤収作業が始まりました。一番乗りは、鈴木まもるコレクション。鈴木さんが来てくださり、手際よく梱包してくださりました。午後から始めて、3時間程度で完了。並べるのには丸1日かかったのですが、片づけは早いものです。
2003年8月
2003/8/31
特別展の最終日。入場者数は、普及講演会の日、お盆の日曜に続く、ランキング3位。というわけで、駆け込みで見に来られた方が多かったようです。解説書の売れ行きもランキング3位、なんと50冊。ショップでの関連商品の売れ行きも絶好調でした。
とにかく、大きな事故もなく特別展を終えることができて、一安心です。少なくとも見に来た方は、それなりに満足してもらえたようですし。
解説書もけっこう好評で、作った本人としては嬉しいのですが。作った本人は、不充分な点もたくさんあるのを知っているので複雑な気分。そうそう、解説書が売り切れるという噂が流れているようですが、増刷したので大丈夫。特別展が終わってからもミュージアムショップで買えます。
特別展の展示は今日で終わり。明日からは後片付けが始まります。担当者としては、借りた標本を無事に返却したら、ようやく特別展が終わったことになります。
2003/8/30
特別展の会期も残り2日。お盆明けから入場者数は多かったのですが、これは会期が残り少なくなったかららしい。何人もの知人から、この最後の週末に見に行くとの連絡がありました。どうせなら、もっと早く見に来て、宣伝しれくれたらよかったのですが…。
ミュージアムショップでは、鳥の巣の特別展に合わせて関連商品を並べていたのですが、どんどん売れる上に、会期末が近づいて新たに入荷しなくなったので、どんどん売り切れています。鳥の巣関連の本も6タイトル中、4タイトルが売り切れてしまいました。明日は、あまり売る物がない…。
2003/8/28
本日、特別展解説書の初回販売分が売り切れました! 800冊を完売。特別展の会期中に解説書が売り切れたのは、記憶にありません。史上初の快挙かと思ったら、1981年の特別展「河内平野の生い立ち」でも売り切れて、慌てて増刷したとか。初めてやないのは少し不満ですが、それでも快挙には違いなさそう。少なくともこの10年来なかったことです。
初回販売分はなくなったけど、増刷分を販売しているので(特別展が終わってからも)、ご安心下さい。
2003/8/24
今日は、標本同定会です。毎年退屈な一日。毎年退屈退屈と言っていたら、今年は情報センターの当番が割り当てられてしまいました。お客がきたら電話でお呼びがかかるって寸法。まあ、ほとんどお呼びはかからないんですけど…。
結局、今日の同定のお仕事は6件。ビデオでカエルの同定(アマガエルとヌマガエルでした)、カエルの自由研究へのコメント、写真を見ての鳥の同定(アヒル)。シカの骨は、同定依頼ってゆうより寄贈でしたが…。あと特別展のおかげか、鳥の巣の同定が2件。件数だけならよくお仕事をした方かもしれません。
例年なら、標本同定会が終わればほぼ閉館時間。講師の方々と打ち上げ、なんて事になるのですが、今年は午後7時まで開館しているので、ちょっと勝手が違う。なんか、標本同定会後の情報センターの方が忙しかったような…。
あと、特別展の解説書の在庫を確認したところ、次の水曜か木曜には売り切れそうな事が判明! まあなんとか都合をつけて、会期中は手に入るようにはしますが。
2003/8/20
特別展も残り10日間。入場者数は、博物館の夏の主催展としては好調ですが、予算の目標には達していません。でも入場者の反応はとてもよくって、わざわざお褒めの言葉をくださる方もいるほど。けっこう遠方からわざわざ特別展を見に来てくださっている方もいます。さらに九州や関東でも開催してほしいという声も聞かれます。自分でも鳥の巣を集めてみよう!と言いながら帰っている人もいます。というわけで、普及教育効果としては、充分に成功した特別展ではないかと思います。
解説書の方の売上も好調で、現在675冊を販売。残りは125冊。会期中には売り切れそうです。
2003/8/17
今日は、特別展の展示解説の行事です。参加者は、前回同様約35名。人を引き連れての展示解説は、これで6回目。前回の展示解説の行事では、小海途さんに話しを振りまくりましたが、今回は結局ほとんど振らず一人で話してしまいました。門前の小僧も成長したもんです。
これで特別展関連の行事は終了。お盆があけたら、そろそろ撤収の手配をはじめなくては。
2003/8/9
台風の最接近が未明とのことで、博物館が開館するか微妙でしたが、午前9時に警報が解除になって、通常通り開館しました。でもお客さんには伝わってないので、入館者は少なめのような‥。
2003/8/8
台風が接近しているそうで、午後2時半に大阪に暴風警報だか強風警報だかが発令。それを受けて、午後2時45分に博物館は閉館しました。といっても、職員は帰れるわけではなく、遠くから通勤している職員は、無事に帰れるかを心配しながら通常通り午後5時15分までお仕事。
おかげで、特別展への入場者は少ないし、ショップの売り上げもほとんどなし。えらい迷惑です。
2003/8/3
今日は、特別展の展示解説の行事がありました。人を引き連れて展示の説明をするのは、これで5回目(マスコミ向けプレビュー、友の会の夕べ、普及講演会、野鳥の会大阪支部例会に続く)。毎回ちょっとずつ話す内容は変えてる(というか変わってる)けど、だんだん飽きてきました。
今回は、コレクションの持ち主の小海途さんが来てくださったので、前振りをしては、小海途さんにコメントをもらうという司会進行のようなスタイルで進めました。やはり小海途さん本人の話を聞ける方が、参加者の満足度は高そうです。
参加者は、約35名。日曜だけあって一般入場者もたくさんおられて、正確に何人が参加しているのかわかりにくかったので、おおよその数字です。巣を見せながら話しをするなら、この位の人数が適当のようです。
ここ3日間、特別展にからめて1時間半から2時間、鳥の巣の話をする企画が続きました。おかげで、ちょっと鳥の巣には飽きてきたかも。同時に、2時間程度の話しなら大して準備をしなくても話せるようになってきたような…。
あと特別展関連で、鳥の巣の話をしたり、原稿を書いたり、展示案内をする予定は、17日の展示解説があるだけ。ようやく特別展も一段落した感じです。
2003/8/2
今日で特別展の会期もちょうど半分が過ぎました。入場者数は、ぼちぼち。今までの主催展の中では好調な方、というか一番人の入りはいいです。しかし、多額の広報費を使う誘致展に比べると、ぼちぼち。たぶん、コスト・パフォーマンスとしてはいい方なんだろうけど…。
一方、解説書の売上は好調です。どうやら、会期の最後の1週間のどこかで売り切れそう。増刷のことを考えないといけないようです。
2003年7月
2003/7/24
午前中の入場者の少ない時間帯に、特別展で展示している標本など展示物の点数を数えてみました。
【小海途銀次郎コレクション】(一部の巣に卵が入っていますが含めていません)
日本産鳥の巣 321点(130種)
外国産鳥の巣 19点
日本産哺乳類の巣 3点(3種:カヤネズミ、リス、ムササビ)
【西垣外正行コレクション】(一つの台座に2体付いていたら2点としました)
日本産鳥の本剥製 162点
外国産鳥の本剥製 12点
外国産鳥の巣 4点
【鈴木まもるコレクション】
外国産鳥の巣 27点
鳥の巣絵本の原画 30点
【大阪市立自然史博物館収蔵資料】(卵は一腹で1点としました)
日本産鳥の仮剥製 2点
日本産鳥の卵 6点
日本産哺乳類の本剥製 1点(カヤネズミ)
というわけで、展示物の点数は合計で587点でした。じつはプレス発表の時点では正確な点数がわからず(なんせ並べてみなければわからなかったし、並べてからでも新たに採集して増えたのまであるし)、いい加減に約600点としていました。驚いたことに、ほぼ正解だったことになります。
ちなみに解説パネル類の数は、
・コーナータイトル 31枚
・文字パネル
解説パネル 53枚
情報募集パネル 9枚
小海途さんパネル 15枚(内、14枚は鳥の巣採集記)
鈴木さんパネル 4枚
・図表 10枚
・写真 13枚
・ブラインド 3枚
というわけで、コーナータイトルを除けば、ざっと107枚。100枚以内におさめようと思っていたのですが、無理だったようです。
2003/7/21
今日は、特別展の普及講演会。題して「鳥の巣と人との関わり」。東京と名古屋から講師を招いて、嫌われる巣代表のカワウと、好かれる巣代表のツバメの話をしていただきました。その後、ネイチャーホールに場所を移して、特別展の展示解説。
講演会は昼からでしたが、朝から講師を待って、セッティングを確認して、講師と一緒に昼食。講演会が始まってからは、司会進行とスライド係。で、展示解説。夕方まで、なんやらバタバタした一日でした。講演会参加者は、100人ちょうど。ちょっと少なめでした。
一方、特別展の展示室の方は、大入り満員だったようで。なんと入場者数は900人を超えました(当館の特別展としては、これでも多い!)。解説書も全部で58冊も売れたし、ミュージアムショップでは本が85冊も売れました。今年では、フェスティバルに匹敵する売上です。今日のショップの売り上げだけなら、あの伝説の牧野バブルにも匹敵します。鳥の巣バブルがやってきたのか??
2003/7/20
夏休み二日目、さすがに今日の人出は多かった。特別展への入場者数も最高記録を更新。といっても、混雑するほどではないけれど。
解説書を買って、長い時間をかけて熱心に見られたお客さんに、展示の間違いを指摘されてしまいました。訂正しなくては! でも、1点ずつ細かく見ないと絶対に気付かない間違い。これに気付くとは、ちょっとびっくりです。なんせ展示を作った本人はまったく気付かなかった…。
今日は、昨年からはじまった(そしてもしかしたら来年も続く)「夏休み自由研究相談会」という行事がありました。夏休みの最初に、学芸員が自由研究についてアドバイスをするという行事。学芸員は館内に待機してろ、という指令が出てて、担当分野の相談があったら呼び出される仕組みです。今年は、昨年よりも相談件数が少なくて、わずか12件。昆虫や化石が人気だったようで、陸上脊椎動物担当は2件で呼び出されただけでした。
担当した内容は、「飼っているヘビで何か研究したい」「飼っているカエルで何か研究したい」というもの。ヘビは、各種のヘビに(4種4匹飼っています)同じ餌を与えて、食べるかどうかや行動パターンを比較しようということに。カエルは、アマガエルの体色の変化を調べたいってことなので、色んな色の入れ物に入れてビデオで撮影。色の変わり具合と変わる速さを比べることになりました。さて、どんな結果になるでしょう?
2003/7/19
今日からたいていの小中学校が夏休み。さらに夏休み期間中の土日・祝日は、開館時間が午後7時まで延長されます。というわけで、特別展も今日からが正念場。
のはずが、結果はいまいち。まあ、だいたい今日から8月末までの土日・祝日は午後7時まで開館!ってことは通り一遍の広報しかされてないし、たいていの人は知らないのでしょう。今日は、開館時間が延長される最初の日だったのですが、午後4時半、つまり通常の閉館時間になると、潮が引くようにお客さんがいなくなってしまいました。
2003/7/13
特別展がオープンして、2回目の週末が終わりました。入場者数は、最初の週末と同じくらい。夏休みに入ったら、少しは増えるかな〜?
解説書の売れ行きも同じペース。会期末で売り切るくらいなので、ちょうどいい感じでしょうか。念のため8月に入ったら、増刷も検討しなくては!
友の会の会員さんはたくさん見に来てくれているし、けっこう鳥関係の知り合いが来てくれていて、土日だと誰かしら知り合いに会います。評判はよくって、苦情といえば、やはり全部真面目に見ると疲れるとか。だから、みんな何度も来てね〜。
2003/7/11
特別展がオープンして、1週間。会期はまるまる8週間と土日なので、これで予想入場者数を出してみると。
最初の土日の入場者数が824人で、この1週間の入場者数が1629人なので、1629×8+824=13856人。ちょっと少ないなー。というわけで、会場はすいています。ゆっくり鳥の巣の勉強ができますので、ぜひ一度、と言わず二度三度お越し下さい。
ちなみに解説書の売上は、1週間で91冊。最初の土日が多くて59冊。同じように計算すると、91×8+59=787冊。販売用は800冊なので、ちょうどいいペースです。
2003/7/9
特別展がオープンして、4日。平日は、あまり人が多くない…。でも、マスコミの喰い付きはよくって、すでに通信社1社、新聞社3社、ラジオ1社の取材に対応しました。不在の時に取材にきたのもあるし、これから取材をというテレビ局もあるし、マスコミ受けはしています。その報道を見て、入場者が増えますように。と、なぜか今回の特別展は、入場者数が気になる。
ちなみに、けっこう知り合いの野鳥関係の団体が見に来るって話があるのですが、どうも7月21日に集中するらしい。この日は、普及講演会があるから、みんな普及講演会に来なさい! その後、展示解説もするし。
そうそう、巣のコレクションを出展してくださった小海途さんも、日曜には知り合いの方を連れたりして、けっこう展示室に来られます。名札を付けて説明している(あるいは説明してくれそうな)人を見つけたら、質問をぶつけてみましょう。気さくな方なので、誰にでもいろいろおもしろい事を教えてくださると思います。
2003/7/6
特別展がオープンして、最初の週末が終わりました。入場者数は、昨年夏の「化石からたどる植物の進化」や一昨年夏の「レッドデータ生物」には勝ってるけど、昨年秋の「目で見るガン展」や「牧野富太郎と植物画展」には負けてる‥。と、なぜか対抗意識が…。
ちなみに、苦労してつくった解説書は、すでに64冊を販売。このペースだと、会期中に販売分800冊がなくなってしまう! といった感じで、こちらは好調。ミュージアムショップでは、鳥の巣関連書籍を集めて、鳥の本のフェアをしていますが、こちらも売上は好調。一昨年の「牧野富太郎と植物画展」の時のバブルの再来はあるか?
2003/7/5
特別展がオープンしました。とくにセレモニーもないので、あんまり実感はありませんが。朝から雨模様なので誰も見に来ないかと思っていたけど、パラパラとは人は入っているらしい。
夕方に、友の会会員向けの展示解説。これで展示を説明して歩くのは3回目。馴れてきたけど、同じ事ばかり話をするのは飽きてきた…。ところが、昨日のプレビューにきてて、今日も来ている人がけっこういたり。何度も来ないと全体を見れないというか、一度に全部見ようとすると疲れるってゆうか。
【特別展オープン!】
2003/7/4
例年なら、特展オープン前日ともなると、一番忙しくて殺気立ってるのですが。今日はすでに展示が一応完成してるので、のんびりムード。昼からプレビューで2回展示を案内して、あとは新たにミスが見つかった文字パネルを差し替えただけ。
どうやら、展示を軽ーく説明してまわるだけで1時間ほどかかることが判明。真面目に話をしたら、2時間くらいかかるかも。聞く方も話す方も疲れるから、ロングヴァージョンをしないことにしよう…。
と、のんびりした中、ブラインド班の班長だけは、今日も調整をしていました。なかなか思い通りには動かないらしい。やはり企画倒れか?
【特別展オープンまで、1日】
2003/7/3
午前中、解説書が納品されました。中身をじっくり見てミスが見つかるとイヤなので、表紙と中の写真の印刷具合だけチェック。きれいに印刷されています。
昼過ぎまでに、残ったパネルやラベルの配置、標本のセッティングを終える。あとは残った細々としたセッティングと、目に付いた間違いや抜け落ちの手直しにかかりきりでした。出口に所に、関係図書を並べてみたり。チドリ類、フクロウ、ヨタカの巣に卵を置いたり(なんせ卵がないと巣に見えないもので…)。はずれたパネルを付け直したり。ケースの配置を少し変えたり。それでも午後5時にはやることがほとんど終わってしまい、あとは打ち上げの準備状態。
唯一、夕方になっても忙しそうに働いていたのは、Q&Aコーナーの担当者とその下請け達。ブラインドを利用して、表に問題、裏に答え、という企画です。紙に打ち出した物を、細く切ってブラインドに両面テープでひっつけていく作業を延々とやってました。間にひもが通っているので、そこで切り離して上手につなげる。てな所が面倒らしい。表の問題と裏の答えがずれていたり、とにかくブツブツ言いながら楽しそうでした。
ブラインドを待っていると打ち上げができないので、とりあえず打ち上げ! で、打ち上げを終えてから(ってゆうかブラインド班は途中から作業に戻って)、それでも午後10時にはセッティングが完了。なんとオープン二日目の午後10時に完成してしまった!
というわけで、明日はプレスプレビュー、明後日はオープンです。唯一の心配は、Q&Aコーナーのブラインド。動作がいまいち微妙。いたずらする余地も大だし。どうなることやら‥。でも、目新しくって、おもしろげなコーナーにはなりました。
★「実物 日本鳥の巣図鑑」お薦めの一品 その三十★ 【特別展オープンまで、2日】
というわけで、準備ができたのでこのコーナーも最終回。最終回は一番お気に入りの巣を紹介。それは、コサメビタキとサンコウチョウとサンショウクイの巣です(と、また3つセットで)。この3つの巣に共通する特徴がすぐ言えたら、あなたは鳥の巣通です。
答えは、巣の外側にウメノキゴケをつけること。いずれも小さなお椀形の巣で、コサメビタキは横枝の上に、サンコウチョウとサンショウクイは普通枝の又に、巣をのせます。巣自体は、枯草や樹皮を裂いたのなんかでつくるようですが、その外側に装飾としてウメノキゴケという地衣類を付けます。なかなか渋くていい感じの巣です。
こういった共通点があるので、ヒタキ類ではないのに、サンショウクイもヒタキ類コーナーに一緒に展示してあります。ぜひ見ていってください。
2003/7/2
パネルの打ち出しが山場を迎え、どんどん打ち出され、どんどんパネルに仕立てられていきます。それを片っ端から取り付けていきました。パネルを取り付けを待っていた岩場、裸地、水辺の造作のところにも巣と剥製をセットしたし。パネルの取り付けと標本のセットはほぼ完了。再発注したラベルも出来てきて、ラベル関係もおおむね完成。ラベルのセットと一緒に配置も手直しして、大部分の展示ケースは完成しました。
残る作業は、打ち出されていないパネルが7枚、諸般の事情で取り付けがまだのパネルが5枚。ラベルの追加が2つ。手直しや展示物の追加などが必要で完成していない展示ケースは、10台(その多くは本の宣伝コーナーと外国の鳥)。で、なによりQ&Aコーナーだ! どうなるQ&Aコーナー? 果たして間に合うのか??
★「実物 日本鳥の巣図鑑」お薦めの一品 その二十九★ 【特別展オープンまで、3日】
お薦めシリーズもあとわずかなので(オープンしたら終わり)、残るお気に入りをあげなくては! ということで、まずは大量コケでつくられた巣シリーズです。やはりコケの多い場所にそんな巣は多いようで、カワガラス、ミソサザイ、オオルリが御三家。これまた今まで、いまいち違いがわからなかったのですが、これは一目瞭然でした。オオルリはお椀形で、カワガラスとミソサザイは横に穴の開いたボール形。カワガラスとミソサザイは、鳥自身の大きさに合わせて、巣も入口も大きさが全然違います。と形は違うけど、3種ともコケだらけのふわふわの巣を、渓流沿いのすき間なんかにつくります。見つけるとちょっと嬉しいかも。
そういえば、オオルリの巣のお椀の中には、たいてい茶色くて光沢のある細い繊維状のものが敷き詰められています。とてもきれいです。これはリゾモルファーというそうな。どうやら菌類の菌糸束かなんかなんだそうです。リゾモルファーという言い方は、小林圭助さんが「原色 日本鳥類図鑑」(保育社)でしているらしく、日本の鳥の巣関係者には通用します。でも、鳥以外の分野の人には通用しないらしい。学芸員に尋ねても誰もしらなくって苦労しました。
2003/7/1
最後までどうなるのか謎だったクイズコーナーの方針が固まり、原稿を渡して発注も完了。最後の文字パネルの発注も終わったし、標本のラベルの追加・訂正の発注もした。というわけで、あとは発注したのができてくれば、並べたり、取り付けたりするだけ。明日、そろえば明日完了。でも、明後日になりそうな感じ。
★「実物 日本鳥の巣図鑑」お薦めの一品 その二十八★ 【特別展オープンまで、4日】
今回の特別展の準備の中で、鳥の巣について色々と勉強できました。中でも個人的に最大の収穫は、ヒヨドリとモズの巣が区別できるようになったこと。モズの方が、産座の巣材が細かく、産座のお椀が深いのです。これは、話には聞いても実物をいくつも比べて、初めて納得できます。どちらも出会う機会の多い巣だけに、これからは偉そうに巣の同定ができます。ありがたや。
そしてこの2種の巣をたくさん並べてみると、もう一つおもしろいことがわかります。1960年代の巣は枯草や細い枝だけでできているのですが、1970年代以降にはビニールテープを裂いた物を使うようになっています。とくに新しい巣ほど、ビニールテープをたくさん使っているようです。鳥の営巣地周辺の環境の変化を示しているのか、巣材選びの文化が変わったのか、どっちか気になるところです。