皮むき日記

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2010年12月25日  ツキノワグマ、イノシシ
 なにわホネホネ団の活動日。

・ツキノワグマ(OMNH M2412:2010年12月、滋賀県余呉町産)
・イノシシ(OMNH M2401:2010年11月、兵庫県神戸市産)
 皮に付いた脂肪取り。■。

2010年12月24日  ツキノワグマ
 なにわホネホネ団の活動日。

・ツキノワグマ(OMNH M2413:2010年12月、滋賀県余呉町産)
・ツキノワグマ(OMNH M2411:2010年12月、滋賀県余呉町産)
 皮に付いた脂肪取り。■。

2010年12月23日  スナドリネコ
 なにわホネホネ団の活動日。

・スナドリネコ(OMNH M2414:某動物園より)
 皮をむいて、皮に付いた脂肪取り。■。

2010年11月29日  ハクセキレイ、コルリ、キビタキ、ムギマキ、シジュウカラ、クロジ
 なにわホネホネ団の活動日。

・コルリ(OMNH A3261:2010年8月、大阪市東住吉区産)
・シジュウカラ(OMNH A3262:2010年11月、岡山県瀬戸内市産)
・ハクセキレイ(OMNH A3263:2010年11月、大阪府豊中市産)
・ムギマキ(OMNH A3264:2010年11月、大阪市北区産)
・キビタキ(OMNH A3265:2010年4月、大阪市北区産)
・クロジ(OMNH A3266:2010年4月、大阪市北区産)
 小さいのばかりを触ってると、ハクセキレイがとても大きく感じる。そしてムギマキはやはり小さい。キビタキと並べてもその小ささは歴然。とくに嘴が異様に小さい印象を受ける。野外でも要チェックかと。要チェックと言えば、コルリの年令査定は要注意。幼鳥のGC斑がかなり濃い。とくに野外ではよーく見る必要がありそう。シジュウカラの尾羽には両サイドに白斑があるが、外から3枚目の先に少しだけ白斑があるのが綺麗。

2010年10月12日  エランド
 昨日、死んだという連絡が入り、今日、急きょ処理した。大物だけに、冷凍して時間をかせぐことができない。2人がかりで、皮剥き+解体に2時間、肉取り+穴掘り+肉埋め+ホネを砂場に放置で2時間。その他、こまごまとした作業もあるので、結局一日がかりって感じ。

・エランド(OMNH M2394:某動物園より)
 きれいな生き物。とくに前脚半ばの黒ラインがおしゃれ〜。ただ、晩年は辛い日々を過ごしていたと思う。膝関節や首の関節にかなり水がたまっていた。きっと痛かったに違いない。本来500kgくらいある動物らしいが、270kgととても痩せてる。おかげで脂肪がなくて皮剥きは楽チン。ひづめがあまり開かないのは、岩場をウロウロするような動物ではないからか。

2010年9月23日  コゲラ
 なにわホネホネ団の活動日。

・コゲラ(OMNH A3255:2010年7月、奈良県生駒市産)
 ヤマガラみたいに、上くちばしが角ばっているかと思ったけどそんなことはなかった。頭に片側5枚程度の赤い羽、生殖巣を確認するとオスだった。下嘴の下側に2本。黄色いパッドのようなものがついているのに気付いた。ショックアブソーバー的なものだったりするのだろうか?

2010年9月22日  ブラザグエノン
 なにわホネホネ団の活動日。

・ブラザグエノン(OMNH M2384:某動物園より)
 リスみたいな色合い。長くて黒い尻尾に、メッシュの入った頭。おしゃれで綺麗なサル。鼻がほとんど出ていないので改めて見ると不思議な顔。

2010年9月20日  コサメビタキ、ヤマガラ、センダイムシクイ
 なにわホネホネ団の活動日。

・コサメビタキ(OMNH A3252:2010年9月、大阪市北区産)
・ヤマガラ(OMNH A3249:2010年9月、大阪市北区産)
・センダイムシクイ(OMNH A3251:2010年9月、大阪市北区産)
 いずれも同じ場所でガラス窓に衝突して死亡。センダイムシクイは少し傷んでいたけど、あとはとても新鮮。コサメビタキは可愛い〜。ヤマガラは、上嘴の先の方に角ばった部分があるのに初めて気付いた。生きてる時のセンダイムシクイの下嘴はまっ黄色だけど、死体になると黒ずんでしまう。

2010年7月11日  フルマカモメ
 なにわホネホネ団の活動日。

・フルマカモメ(OMNH A6060:2010年5月、三重県津市産)
 砂まみれだけれど、嘴見たら盛り上がる。なんとか剥製にしたいと思ったけど、あまりに傷んでいるので断念。全身の骨と共に、初列風切周辺の翼と、背から尾羽にかけてが剥けたので、残すことにした。幼鳥なんだろうか。翼には不思議な模様がある。

2010年6月26日  ヒヨドリ、ウミネコ
 なにわホネホネ団の活動日。

・ヒヨドリ(OMNH A3223:2010年2月、奈良県奈良市産)
 状態はいいけど、脂のノリもいい個体。でもまあ、処理しやすい。

・ウミネコ(OMNH A3225:2010年1月、千葉県銚子市産)
・ウミネコ(OMNH A3226:2010年1月、千葉県銚子市産)
 一見新鮮だが、内臓や頭はかなり腐ってる。皮は剥けるが、頭の羽がけっこう抜けて悲しい結果になる。A3226の方は、舌にテグスを絡ましていた。かなり可哀想。

2010年4月29日  ネコ
 なにわホネホネ団の活動日。

・ネコ(OMNH A2342:2004年■月、■産)
 やや長毛の雑種ネコ。ふわふわな分、毛が邪魔。本当の長毛ネコの皮剥きはかなり面倒かも。

2010年4月4日  コサギ
 なにわホネホネ団の活動日。

・コサギ(OMNH A3200:2009年12月、和歌山県和歌山市産)
 背中の飾り羽は出てるけど、冠羽はまだという個体。車道に落ちていたと言うし、頭骨が割れているので、車にひかれたんじゃないかと思う。指摘されて気付いたけど、胸の粉綿羽の色がとても白い。普通はもう少し黄色っぽいと思う。

2010年3月13日  ハシボソミズナギドリ
 なにわホネホネ団の活動日。

・ハシボソミズナギドリ(OMNH A3195:2009年6月、和歌山県白浜町産)
 浜に打ち上がった個体。餓死したんだろう。ものすごく痩せていて、皮は剥きやすい。でも、内臓が萎縮して、傷んでいて、性別がわからず…。丸いのと細長いの、2種類のハジラミが付いていた。勢いで、耳小柱も抜いた。ハシボソガラスの鼻孔ってけっこう上向き。

2010年2月27日  シジュウカラ、イカル
 なにわホネホネ団の活動日。

・シジュウカラ(OMNH A3192:2009年11月、大阪府四条畷市産)
 袋に大きなダニが4匹。こんなに付かれてと思ったら、頭の後ろにまだ大きいのが4匹付いていた。せっかくなので、ダニを付けたままの仮剥製にした。皮の内側にはダニの噛んでる部分が食い込み、その内側では体液がしみ出していた。
 ダニとはぜんぜん関係ないけど、頬の白い羽。中央部分は真っ白な羽なのだけど、縁の羽は根元が白く先が黒い羽になっている。

・イカル(OMNH A3194:2010年2月、大阪府交野市産)
 頭をぶつけたらしく、嘴の付け根や喉に傷。さらに脳内出血と頭蓋ひび割れ。でも面白かったのは、頭の構造。目の後ろの頭蓋にべたっと筋肉が付いていて、骨が見えなくなっている。この筋肉をはずすと、眼窩と、頭蓋の正中部分が盛り上がっている。つまり筋肉が付く場所がちゃんと骨に用意されてる。やはり太い嘴で力を出すのに必要なのだろうか。

2010年2月7日  ルリビタキ、ハイタカ、タシギ、キンクロハジロ
 昨年から恒例、友の会向けの裏方見学ツアーのアトラクションで鳥の皮剥き。午前中からと思って4匹準備したら、午後からだった。

・ルリビタキ(OMNH A3186:2009年11月、大阪府貝塚市産)
 メスの成鳥。小雨覆に青い羽根はまったくなし。久しぶりの小小鳥は可愛かった。けっこうはっきりアイリングがあるんだなと思った。

・ハイタカ(OMNH A3188:2009年11月、大阪府阪南市産)
 小さいので雄。と思いながら生殖器を確認したら、予定通り雄だったのだけど、なんかあんまり精巣らしくない形をしていたので、ちょっと焦った。

・タシギ(OMNH A3187:2002年3月、奈良県香芝市産)
 保存状態が悪かったのか、拾われた時からそうだったのか。肉は腐り、頭は乾燥していて、剥いていると羽根がたくさん抜けた。翼の羽根が抜けるんだからよっぽど傷んでる。尾羽は14枚。脇羽が白地に黒のシマシマでとても綺麗。

・キンクロハジロ(OMNH A3189:2010年1月、大阪市東成区産)
 脂肪が少なくってよかったのだが、出血が多くてやっかいだった。内臓を見るとその大部分(1/4位?)を胃が占めていて驚いた。驚いたので大きさを計ってみた。80×48×48mmもあった。

2010年2月2日  カバ
 昨日、寄贈していただいたカバの頭の皮を剥きました。

・カバ(OMNH M■:某動物園より)
 とにかく変な動物だと実感した。気付いたことを上げておく。
 皮膚にはヒトの肌ににた肌理がある。自分の手の甲とかとそっくり。ただしとても大きい。全体的にはゾウより皮膚の毛はまばらだが、口の周りと耳には毛が多い。耳と口角の毛は長い。唇周りには短いけど剛毛が一定間隔で並んでいる感じ。口の周りの触覚は鋭いんじゃないかと思う。
 鼻の穴は大きい。指が3本入った。鼻毛がないので指をいれると気持ちいい。穴は上向きに開いていて、鼻孔は外から中へ内側に曲がっている。鼻軟骨は見当たらない。周辺はとてもやわらか。これって臭いを嗅ぐようというよりは、息をするような気がする。
 目玉はピンポン球より少し小さいくらい。周囲に付属物が多く、皮を剥くのも、目玉を取り出すのも手間取る。妙に固いまぶたが付いている。
 耳は、横向きに付いてるのね。そして、耳介も小さいけど、耳の穴はもっと小さい。直径6mmほどだろうか。小指も入らない。そして、耳の穴の中も毛が多い感じ。
 舌は、表面の感じがちょっとヒトに似ている気がする。舌苔も付いていた。で、おもしろいのがその形。上下の歯を一生懸命避けたような形で、ちょっとプラナリアっぽい。
 腹の皮は薄いのだが、同じ下面でも顔の下の皮は厚い。むしろ背中の皮に近い感じ。でも、頭の側面から上面の皮はちょっと薄めで、骨に皮が乗ってるだけの感じで、とーっても剥きやすい。
 一方、唇周りは、一番剥きにくい。皮は上唇が厚めで固くなっていて、下唇は薄くて柔らかい。下唇はよく動かすんだろうなという感じ。皮の裏には肉がべったり付いていて、その肉はまるでクジラのベーコンのように斑になっている。上唇と下唇の間、口の横には、横唇と呼びたくなるでっぱりがある。ぶよぶよしてて、口の中に膨らんで、口角を横からふさいでいる感じ。

2010年1月17日  ウミウ、アオジ、アライグマ
 なにわホネホネ団活動日

・ウミウ(OMNH A3182:2006年3月、北海道えりも町産)
 海岸で拾われた個体。背中にすこし傷があるが、全体的には綺麗で新鮮。頭の後ろには例の骨があった。頭骨に関節して、筋肉もたくさん付いている。何かを動かすものだろうと思うのだけど、機能がよくわからない。足は、またもや足首ではずした。恥骨の先が広がり、前で交差しているのも含めて、シロエリオオハムとよく似ている。ダニ、胃の線虫、耳小柱を採取した。瞬膜がわかりやすかったのだが、前から後ろに閉じるのには驚いた。

・アオジ(OMNH A3184:2005年7月、北海道えりも町産)
 少し乾燥気味。

・アライグマ(OMNH M2273:2009年10月、兵庫県三田市産)
 アライグマは駆除個体をもらうことが多いけど、これは珍しく交通事故死の個体。皮をゴシゴシ。

2010年1月11日  オオタカ、アオゲラ、ユリカモメ、シロエリオオハム
 毎年恒例、子ども向けの裏方見学ツアーのアトラクションで鳥の皮剥き。の二日目。ツアー自体が終わっても、解凍して準備した鳥は処理しなくてはならない。というわけで、結局、ツアー対応と雑用を挟みつつ12時間も皮剥きしていた。一番の原因は初めてのシロエリオオハムで盛り上がって、写真採ったり色々してたから。この感動を共有する相手がいないのが寂しい。

・オオタカ(OMNH A3178:2009年9月、大阪府大東市産)
 メスの幼鳥。餓死したんだろうと思われる。昨日のサシバでも思ったけど、タカ類の瞬膜って白くてすごく分厚くてとても目立つ。

・アオゲラ(OMNH A3177:2007年10月、京都府綾部市産)
 きれいな雄なのだが、傷み気味。よく見ると、日本らしくないカラフルな鳥。脚まで緑色とは気が付かなかった。腰にけっこう黄色が入っているのも新発見。あと改めて、舌骨がどのように伸びているかみてみた。頭頂で一つになった後、しばらく背中線沿いを進み、右の鼻孔に伸びている。何度みても面白い。

・ユリカモメ(OMNH A3180:2008年11月、大阪市東淀川区産)
 幼鳥。これもガリガリ。今回処理した鳥はすべて脂肪の蓄積がなく、処理しやすかった。

・シロエリオオハム(OMNH A3181:2008年2月、大阪府阪南市産)
 大阪府産というだけでも盛り上がるのだが、初めて剥く鳥でこれだけ変わっていると、とても楽しい。まあ、基本カイツブリに似ているのだが。
 まず脚が面白い。物凄く後ろの付いていて、身体の外に出ているのは足首から先だけ(皮を剥く際も足首で骨を切り離した)。そして普通の鳥と違って、横向きについている。泳ぐ時は平泳ぎみたいになる(むしろミズスマシか何かに似てるかも)。脚の色は、外側(背面)が黒く、内側(腹面)が水色。形は縦に扁平。あと剥いてみると、脛骨の突起がものすごく長い。どうも大腿骨にそって伸びてきた筋肉が付くためらしい。泳ぐ時に強くキックするためなんだろう。
 翼も面白い。まず異様に背中側、異様に後ろよりに付いている(叉骨を基準にして)。皮を剥いてみると、胴体の骨も変な具合。胸骨が異様に長くて、後ろの方まで内臓をカバーしている(おかげで生殖器の確認がしにくい)。さらに腰骨から伸びた恥骨の先が丸く膨らんでいて、丸い部分が腹側の中央で重なっている。内臓の部分を一生懸命カバーしようとしているような形態。どうして内臓をカバーする必要があるんだろう?
 羽根をじっくり見たのも初めて。きれいにチンストラップと下尾筒の黒帯があって、シロエリオオハムと判断するのはいたって簡単。他は白黒のいたって無愛想なカラーリングと思っていたのだけど、初列風切の先端には、一枚一枚少しずつ違った風に灰色が入っている。広げてみるととても綺麗。そして一番気に入った羽根が、小雨覆。大雨覆は真っ黒。中雨覆の多くも真っ黒なんだけど、小雨覆だけは、黒い羽根の先から1/3位の位置の両サイドに、小さく細長く白のワンポイントが入っている。とてもセンスがいい感じ。運良く小雨覆が1枚抜けたので、キープしてしまった。
 もりあがりついでに、耳小柱も採取。ハジラミも採取。楽しかった。

2010年1月10日  オオバン、サシバ、カルガモ、オオコノハズク
 毎年恒例、子ども向けの裏方見学ツアーのアトラクションで鳥の皮剥き。

・オオバン(OMNH A3176:2009年10月、兵庫県淡路市産)
 車にひかれたのだろう。腰骨周辺が平ベったくなっている。足の付け根に黄色がある。風切羽の色は以外とアオサギみたいな灰色。次列風切の先に白がある。とまあ、プチ発見多数。

・サシバ(OMNH A3177:2009年11月、愛知県田原市産)
 保護されて処理されてから死んだ個体。左の上腕骨にピンが入って、左翼は包帯がまかれていた。サシバって思ってた以上に小さい。腿の羽根に可愛い模様がある。

・カルガモ(OMNH A3175:2009年■月、奈良県■産)
 散弾が出てきた。精巣がめっちゃでっかい。でも、脂肪がほぼまったくない。皮剥きはしやすいのだが、いったいどんな暮らしだったんだろう? 繁殖行動で消耗してたところを撃たれた?

・オオコノハズク(OMNH A3174:2007年8月、京都府南山城村産)
 巣立ちビナだろうか。ふわふわの羽根。でも、とても腐っていた。

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