博物館実習4日目(3班兼C班から)
本日は、今年で21年目となる靭公園のセミの抜け殻しらべのお手伝いを行わせていただきました。
靭とは、矢を入れて腰につけて持ち歩く筒形の入れものを意味し、これは別名矢巣(やす)と呼ばれます。
昔、周辺で市場が開かれていたとき、「やすいよ!やすいよ!」という掛け声から、矢巣つまり靭の名をとって、靭公園になったそうです。そんな靭公園でのセミの抜け殻調べですが、スタッフ、実習生含め60人程度お集まりいただきました。そこからA~Dの4班に分け、それぞれセミの抜け殻調べを1つ目の区画でセミの抜け殻から種類と雄雌の見分け方を学び、その後各班ごとの担当区画をたどりながら抜け殻を調べて参りました。
<見分け方の大まかなまとめ>
クマゼミ…出ベソになる。エリが黒くない。泥がまばらにつく。少しほかのより大柄。
アブラゼミ…出ベソにならない。エリが黒くなる。泥はほとんどつかない。クマゼミより小柄。
ニイニイゼミ…全体が泥に覆われており。小柄。
以上のまとめを参考に、我らがC班はおよそ10区画をまわりセミの抜け殻を探して回りました。
木の幹や枝、葉にあるものはもちろんのこと、しげみの中や、土の上などの足元にも多くありました。
私は何分目が悪いのも相まってなかなか見つけられなかったのですが、班にいる子供たちは慣れているようであちらこちらにあるセミの抜け殻を見つけてはドンドン集めていました。
初めはセミの抜け殻を触れなかった子も次第に慣れていき、セミの抜け殻を触れるようになって、子供たちもとても楽しそうに蝉の抜け殻探しを行っていました。
もちろん、子供だけでなく、大人の方も子供と一緒になってたくさんのセミの抜け殻を集めてくださいました。
さて、実習生はというと、釣竿を持って高所のセミの抜け殻を取るなどセミのぬけがを探す傍ら、それらを分類、集計し、中央情報局の方への集計結果の伝達を行いました。
分類、集計などには、たくさんの方々にお手伝いしていただき、大変助かりました。ありがとうございました。
皆様の協力のもと、蚊に刺される以外は大きな怪我もなく、無事にC班は担当区画での抜け殻収集を終えることができました。
C班の担当区画の総合結果としては、アブラゼミが3427個、クマゼミが1948個、ニイニイゼミが0個で、計5375個になり、圧倒的にアブラゼミの方が多いという結果になりました。
ですが、A~D班までの全体の結果としては、アブラゼミが8944個、クマゼミが8847個、ニイニイゼミが2個の軽17793個になり、全体としては、アブラゼミとクマゼミの間でほとんどその量に差はありませんでした。
以上のことから、C班の担当していた区域はアブラゼミの比較的多い区域であり、これはアブラゼミが生息しやすいような環境であるなど様々な理由が考えられます。
なお、この今年の結果である17793個は去年の18612個に比べれば若干少ないという結果になりました。
21年間のデータと比べると、若干データからの予測とはずれる結果となりました。
わが班では、背の高い木などは、低いところの枝が切られていたために、セミが羽化する時に障害となるものがなくなって、セミがより高いところまでのぼり、羽化することができるようになったためであるかどうかわわかりませんが、私たちの手の届かないところにセミの抜け殻が多くあったために、その分取り損じが生じ、去年よりも少なくなってしまったのではないか、などと私は勝手に推測しております…。
理由はさておき、今年の結果に対して、例年通り行われている活動を始める前の総数の予測から順位をとり、最も結果に近い予測をした方々には景品が送られました。なんと、1位は4人もいました。すごい!
恐縮ながら私も、17000と予測し、景品をいただいてしまいました・・・・ありがとうございました。
セミ以外にも、大阪市で見られたのは初?のキマダラカメムシやニイニイゼミの抜け殻など非常に貴重なものを見ることができました。
今日の実習ではセミの抜け殻集めを通して、地域の方々との触れ合いを行うとともに、学芸員としての博物館外部での活動時のふるまい方や、注意点など様々なことを学ぶことができました。また、日本、世界?初21年目に当たるこのような大規模な広範囲におけるセミの抜け殻を集めるという貴重な行事に参加することができ、大変良い経験になりました。ありがとうございました。
本日はは皆さん、お疲れ様でした。参加者の皆々様、本当にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
明日はついに博物館実習5日目の最終日となります。最後まで気を抜かずに頑張りたいと思います。