秋期学芸員実習 2日目

 本日は秋期学芸員実習2日目です。日誌を担当するのは、5班Hです。
 5班では、初宿学芸員の指導、解説の下、昆虫標本の整理を行いました。
 標本を手に入れる方法としては、採集、寄贈、購入、交換、寄託などがあります。標本を集めるということはとても大切なことですが、集めて終わりというわけにはいきません。採取日や採取地点、寄贈品であるならば寄贈者情報などといった、標本に関する様々なデータを付け、さらに、種類ごとに分類して保管する必要があります。データがそろっていない標本は「ごみ」として扱われます。せっかく手に入れた標本が「ごみ」になってしまわないように、「標本受入票」にしっかりと記録します。
 今回行った作業の一つは、誰からの寄贈品なのか、ということを示すラベルを標本に付けていく作業でした。寄贈者の名前と整理番号(受け入れ簿に記録してある番号のこと)を印刷したラベルを標本に付けていきました。
 標本を扱う際には、周囲にぶつけて壊さないように注意して作業を行います。「ここまで集中したのも久しぶりだ…」と思えるぐらい集中していました。5班では実習中はほとんど話し声が聞こえませんでした。
 
 今回行ったもう一つの作業は、種類がごちゃまぜになっている標本を、種類ごとに分類する作業です。
 昆虫に限らず、地球上の生物は、界、門、綱、目、科、属、種の7段階の構造で分類されています。「科」以降の分類には専門知識が必要となり、私たちでは難しいので、今後の分類作業が行われやすいように「目」のレベルまでで分類、整理を行いました。
 現在みられる昆虫は30目に分けられます。今回の実習では15目ほどの昆虫を分類しました。「目」のレベル、と言っても、分類は簡単ではありません。ハチ(膜翅目)とアブ(ハエ目)というように、見た目はそっくりなのに目が違うものや、セミとカメムシ(共に同翅目)といったように見た目はぜんぜん違うのに同じ目に属しているものがあります。さらに、昆虫は小さいものが多いので、ルーペも使い分類を進めていきます。
 
 標本の整理はとても時間も人手も掛かる作業です。ですが、とても大切な作業でもあります。しかし、博物館では人手不足が問題となっており、今回の作業を通して、人手不足がいかに打撃的かということを再認識することができました。
 明日以降は別分野の実習になります。そちらもしっかりとがんばっていきたいと思います。
 最後になりましたが、初宿学芸員には指導、解説していただき一日お世話になりました。ありがとうございました。

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