2017博物館実習4日目
こんにちは。充実した時間はあっという間に過ぎるというのは本当で、とうとう5日間の実習のうち4日が終わってしまいました。今日、私たちの班が取り組んだ「植物」について実習の内容をご報告します。
午前中はまず,植物標本が標本庫に配架されるまでの一連の流れを、実際に博物館へ寄贈された標本を見せていただきながら学習しました。
博物館に収蔵された標本にはさまざまな人たちが関わっています。一番わかりやすいのは採集者(研究者や、市民、団体といった「標本を採集する人」)と管理者(学芸員・標本庫職員といった「標本を管理する人」)ですが、利用者(研究者・市民といった「収蔵された標本を研究に利用する人」)も標本の保存を考えるうえでは欠かせません。これらの役割は切り離されているわけではなく、複数を担うことも当然有り得るそうです。これだけ多くの人々が深く関わりながら保存されている標本、大切にしなければならないなとの思いを新たにしました。
午前中の残り時間は、今後調査に使われる予定のゴムボートや収蔵庫のナフタレン(防虫剤)のメンテナンス、収蔵庫の清掃を行いました。ナフタレンは昇華性があり、定期的に補充する必要があります。博物館の収蔵庫はとても広く、一人二人が点検したところで到底一日では終わらないように感じました。清掃も同様で、圧倒的な人手不足の状況に、今も衝撃を受けています。
博物館では近年IPM(総合的有害生物管理)という、日常の点検や清掃を第一に、できるだけ薬剤に頼らない害虫防除の方法が謳われているのですが、現実的にはその導入がまだまだ難しいということがよくわかりました…。
そして午後からは、『配架まつり』(?)と植物担当学芸員の皆さんが呼称されている、配架のための前準備「ソーティング(分類)」を1班さんとの合同でお手伝いしました。
植物の分類方法は様々なものが提唱されているのですが、大阪市立自然史博物館では新エングラー体系という分類体系が用いられていて、それに則った配架がなされています。そこで、私たちもその体系に沿って植物標本を分類していくことになったのですが、植物標本に必須な情報は「属名+種小名」から成る「学名」とのこと。今回分類する基準となる「科」は必須条件ではありません。したがって、学名は書かれているけれど科がわからない!という標本については、全て学芸員の皆さんにご指示をいただきながら分類を進めていくこととなりました。
標本を見ながらテキパキと科を教えてくださる学芸員さんの知識の豊富さに感動すると同時に、お馴染みの植物の科すら知らなかった自分の無関心さに情けない思いも…。さらに、私たちの実習対応中にもひっきりなしにかかってくる学芸員さんへの電話、質問などに対応されているご様子でしたが、どんな状況でも臨機応変に行動されているのを見ると、余計にそう感じました。
今後同様の機会が訪れるかはわかりませんが、せめて今日の自分よりは植物のことを知った上でお手伝いしたい!と強く強く心に決めた一日でした。(5班 実習生 M.M.)