2018年度 冬季博物館実習(2019/1/18)
博物館実習の最終日である5日目は、石井学芸員の指導のもと小学校へ貸し出す岩石の教材作成を行いました。
まず初めに、実際に貸し出し教材に触れながら堆積岩と火成岩の見分け方や特徴、特定の河原で何が採集できるかを教えて頂きました。堆積岩と火成岩の見分け方や含まれる鉱物の種類は地学で一通り習っていましたが、教科書の写真や説明を眺めるのと実物に触れて確かめるのとでは理解度に違いがありました。学芸員の方の教示や貸し出し教材とセットで作成されている見方シートを参考にしながら実物に触れることで、「取り敢えず触ってみたい、断面がつるつるしていて面白い」という好奇心が知識の獲得に繋がったからです。
実際に私達実習生が行ったのは、断面の研磨作業の一部とつや出しの作業です。岩石の自然な面と普段は中々目にすることのできない断面を見比べられるように岩石を加工するのですが、この工程がとても手間が掛かっていました。岩石の切断面を研磨は、研磨剤を徐々に細かい粒子のものに切り替えながらほぼ手作業で行います。地味な単純作業ですが断面がどんどん手触りが良くなっていくのが面白く、苦痛ではありませんでした。つや出し作業も同様、よく見掛ける床の石材のようなつやが徐々に出るのは面白いものがありました。
ただ岩石一つ一つを仕上げるのに30分以上時間を割かねばならず、私の想像する以上に貸し出し教材の作成は労力の必要なものであることが分かりました。教育普及活動の一環として比較的ポピュラーに思う学校への貸し出し教材ひとつにしても、博物館に求められる業務を十全に行うことがいかに大変で、そして大切なことであるかを改めて感じさせられました。
(O大学 W.E.)