令和元年度 夏期博物館実習4日目
博物館実習4日目、3班は鳥類や哺乳類を担当されている学芸員の和田さんに、標本の管理に必要な台帳や剥製、標本について教えていただきました。また、実際に標本にするための骨を洗う作業も体験させていただきました。
初めに標本の管理について説明していただきました。標本の管理は紙媒体で行われます。デジタル化したデータは長く保存ができないですし、消えてしまうリスクもあるからです。紙媒体のデータは標本受入台帳と標本受入票の2つで管理されます。
博物館が動物の引き取りにあたり重要視するポイントは『いつ・どこで採集したのか』が分かることだそうです。これが分からないと資料としての意味がないようです。受入票には動物を受け入れる際のやり取りの詳細までこと細かく記載されていました。それほど情報を残しておくことは大切なのだと思います。
次に骨の洗浄を体験させていただきました。今回洗ったのは大型の陸上哺乳類の骨でした。砂場で虫に肉の処理をさせた後、水につけて肉を腐らせたものを歯ブラシなどで洗う作業でした。臭いはそれなりにしました。でもそのうち慣れます。海獣類や鯨類に比べれば全然マシだそうです。
その後、洗った背骨を実習生で順番に並べる作業もさせていただきました。きちんと正しい順番に並べればパズルのようにピッタリはまります。感動ものです。動物によって腰椎や胸椎の数が異なることや、骨を見て初めて気付く事がたくさんあり、感心する事ばかりでした。ただ、普段学芸員の方が1人で作業すると考えると、とても大変な作業でした。その後、外で乾燥させていた皮を倉庫内に運びました。重くてとても1人では運べませんでした。この皮は薬品で殺虫した後、収蔵するようです。
最後は収蔵庫の標本や剥製を紹介していただきました。収蔵庫には同じ種類の動物の標本がいくつもあります。これは、いろんな時代の標本があって初めてわかることもあるからだそうで、集められるだけ集めるそうです。トリの仮剥製やナマケモノなどの骨格標本について説明していただき、実習4日目は終了となりました。
重たいものを運んだり、汚れる作業であったり、本当に大変な作業が多い印象を受けました。日々の業務や研究もこなしつつこういった仕事もこなす、座学だけでは分からない学芸員という職業のリアルな側面に触れることができました。しかし、大変な作業ではありますが、種類を問わず様々な動物の骨格標本をじっくり触ったり見たりできるのは学芸員の特権でもあると感じました。
K大学 T.M