2019年度 博物館実習2日目 実施報告
みなさんこんにちは。
博物館実習生の大阪大学のH.K.です。
実習2日目(1月13日)、自然史博物館では小中学生を対象としたバックヤードツアー「はくぶつかんたんけん隊」が実施されました。このツアーでは普段は立ち入ることのできない収蔵庫の中を回ったり、鳥の標本の作成現場を見学できたりなど、博物館好きにはたまらないものとなっていました(私も内心、テンション高めでした…)!ただ、私たちは実習生なので役目が与えられています。それは補助スタッフの方々とともに、列の先頭で説明をされる学芸員さんのサポートをすることです。詳しく述べると…
①タイムキーパー
多くの班が分単位で決められたスケジュールをこなせるように時間の経過を学芸員さんに伝えます。
②扉の開閉
収蔵庫の重いドアやエレベーターのドアを開け閉めして、時間ロスがないようにします。
③顔色チェック←大事!
収蔵庫は薬品などの臭いが強いので、気分が悪くなった方がいないかどうかのチェックをします。特に、小学生だとなかなか自分から言い出せない子もいるので、顔色をしっかり窺います。
しかし、これらについては、どれも何年もやられている補助スタッフの方々が慣れておられるので、その方々の指示も受けながら活動しました!
午前中は小学生高学年のグループに付いて回りました。カメラやスマホでたくさん写真を撮ったり、紙にいっぱいメモをしたりするなど、子供たちの好奇心の強さに驚かされました。あと、今まさに標本になろうとしている鳥の名前をすぐに当てていたのも印象的でした(まあ、好きな子が集まっているので、朝飯前なのかもしれませんが…)。
午後からは保護者の方々のグループの補助を行いました。保護者に対しては、まず館長から自然史博物館の説明がなされたのち、収蔵庫のみを巡るショートツアーが実施されました。大人ということで、「資料を売ることはあるのか」「資料を寄贈したら受け取ってもらえるのか」など子供とは異なる視点からの質問も多く飛んでいました!
ここまでが当日の内容となっています。ここからは私の感想を述べていきたいと思います。
まず、小学生に対して、将来に使える知識が多く話されていました。例えば、新種登録の方法や標本になる前の動物の死体の捕まえ方など…。その中でも、特に私の印象に残ったのが英語を学ぶことの重要性です。研究のために専門書を読むにも、海外の研究者とやり取りするにも、新種論文を書くにも、この世界では英語が必要になります。その大切さが何度も説かれており、小学生もそれを感じ取ったのではないでしょうか。
次に、バックヤードツアーを行うことの意義についてです。一般来館者にとって、博物館とは展示を見て様々なことを学ぶ場だと思います。これらは博物館の役割に含まれますが、それらが全てではありません。資料を適切に処理して研究や展示に利用できる形にしたり、資料を後世に保存・保管したりすることも博物館の重要な役割です。ただ、これは館の裏側で行われていることが多いので、一般来館者が見ることができません。しかし、今回のツアーではその裏側部分を見ることができました。一般来館者にも博物館が担う役割の多くを効果的に知ってもらうことができた良い機会だったなと思いました!
最後に、私にとっても貴重な経験になったと思っています。私は文学部に所属していて、大学の博物館学の講義や学内での実習も、考古資料や絵画など文化系のものを扱うことがほとんどでした。ですが、今回での実習では、多くの標本を見学し、化石や昆虫に関しては実際に標本に触れる機会にも恵まれました。これは自然史博物館での実習でなければ経験することがなかったことです。また、別の日の実習のことにはなりますが、寄贈資料の整理でスケッチを1点ずつ封筒に入れる作業をした日がありました。理科系の博物館では標本を扱うと単純に考えていた私にとっては、文科系で行うような作業もすることが意外に感じられました。このように、大学4年間で文科系と理科系の両方の経験を積むことができ、自分の中の引き出しが1つ増えたような気がします。
.以上、1月13日の実習内容の報告を終わります。長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!