2019年度 博物館実習 冬期一般コース 5日目
博物館実習の最終日である5日目、私たちの班は主に動物の標本を扱いました。
まず最初に、標本の管理について学芸員の方に説明していただきました。大阪市立自然史博物館では、管理の際に標本受入票と標本台帳と呼ばれる2種類のノートを使用します。標本受入票には、標本を寄贈してくださった方とのやりとり(メール本文やSNSチャットの会話などまで!)が印刷され記録されており、非常に驚きました。標本はそれが採集された場所や日時が分からなければ価値を失ってしまうので、些細な情報でも残しておくことが重要であると感じました。また標本台帳や標本ラベルは、経年劣化しにくい紙やインクを使用しており、長期的に保存するために様々な工夫がされていると感じました。
次に、骨格標本の作製過程の1つである、骨の水洗い作業を行いました。ヒツジ、キリンの子供、ニホンジカの骨を、前足・後ろ足・肋骨・背骨といったパーツ毎に班員で分担し、歯ブラシを用いて汚れを洗い流しました。大きさが小指の先ほどしかない小さな骨や形が複雑な骨がたくさんあり、それらを壊さないように慎重に洗浄作業を進めました。普段生活している中で、動物の骨を見たり触ったりする機会はほとんどないため、骨の手触りや重さ、形などをじっくり楽しみました。またバラバラになっている骨が本来どのように並んでいるのか、実際に組み立てながら説明していただきました。同じ種類の動物でも、年齢によって骨の特徴が異なるというお話が興味深かったです。
最後に砂場や、冷凍庫、収蔵庫などの案内をしていただきました。砂場は、哺乳類の骨格標本をつくる際に使用されており、骨の周りについている肉を微生物や昆虫などに分解してもらう場所です。冷凍庫には、標本にされる前の動物が保管されており、独特のにおいがしました。収蔵庫では、主に哺乳類、鳥類の標本について説明していただきました。
今回の実習を通して、博物館のバックヤードに関する様々なことを体験でき、非常に貴重な経験になりました。5日間、ありがとうございました。
奈良女子大学 O.S