2020年度 博物館実習 一般コース二日目
初日のオリエンテーションを終え、実習2日目ということで今日から本格的に実習が始まりました。実習生が4人1組の班に分かれて、それぞれの班の担当の学芸員さんの指導のもと実習を行いました。
私たちの班は展示物と展示ケースの清掃ということで第二展示室の「三葉虫の海」という展示の清掃を行いました。この展示ケースには主に三葉虫や魚類、植物などの化石標本を展示しており、展示ケースの清掃のために1度展示物をすべてケースの外に出す必要がありました。その際展示物はプラスチックコンテナに一時保管し、清掃中でも来館者の人たちが見られるように並べておきます。展示ケース内の埃を掃除機で吸い取り、ガラスは雑巾で汚れを落とします。展示物についた埃はダスタースプレーを使って吹き飛ばし、ラベルについた汚れはケミカルウェスで落とします。
展示ケース・展示物の清掃が終われば今度はそれらを元の状態に戻す必要があります。展示物を外に出す前にあらかじめ元の様子の写真を撮っておき、その写真を見ながら展示物を元の配置に戻していくのですが、これが思っているよりも大変で、複数の標本を1つの展示台の上に収まるように他の展示物やラベルに被らないように且つ展示物同士の間隔が偏らないようにバランス良く置いていくことや背の小さい子供や車いすでの来館者の人たちにも見えるような配置にするなど考慮することが多く、元あった配置がいかによく考えられていたかを実感しました。
また、取り扱う化石標本には三葉虫のような細い触角のある標本や中には現在では海外から持ち出せないため入手することができないような貴重な標本があり、取り扱いに気をつけなければいけない場面が多く思っていた以上に大変な作業でした。
今日の実習を通して初めて本物の標本を取り扱いその緊張感や大変さを実感しました。また普段自分が博物館で展示物を見ているときは異なる視点から展示を見るとこにより、展示を作ること、またそれを維持していくために重要な事を学ぶことができました。
近畿大学 N.T