2020年度 博物館実習(冬)2日目

 前代未聞のオンライン実習、2日目の1月11日は動物研究室の石田学芸員による「貝の展示物作製」でした。本実習では、採集・購入などで入手した貝類を、事前に肉抜きなどを行って殻標本としておき、石田さんチェックのもとで同定の確認をした後、ハガキを使った解説パネル(小学生向け)を作製しました。私は札幌に住んでいるので、市場へ行ってウバガイ(ほっき)とヒメエゾボラ(青つぶ)の殻を準備していましたが、せっかくなので、みんな名前は知っていてもその実詳しくは知らなそうなほっき貝で解説を作りました。ちなみに軟体部は大変美味でした。
 作業自体は、実習生各自が黙々と資料を集めて解説を作成するものでしたが、説明資料・図鑑のスキャン画像の共有や、下書きチェックなど石田さんがスムーズに対応してくださいました。全員のパネル完成後は、標本とハガキパネルを一緒に撮影した写真をPC画面上で共有し、凝らした工夫やコメント・アドバイスを交換する講評会を行いました。この際に、他館など外部からのゲスト4名にも参加していただきました。本来ならばわざわざ遠方から実習博物館へ足を運んでいただかねばならないところを、ネットに繋ぐだけで簡単に参加していただけるというのは、オンラインならではの利点であると思われます。
 講評会ではほかの実習生のパネルや、それに対するコメントなどを見聞きでき大変勉強になりました。ターゲットの設定、図・文字のバランス調整、カラーリングなど、展示解説に限らず情報を他者に伝える上で重要な要素を学べたと思います。絵心がないので、手描きイラストによる分かりやすい解説を実現しているパネルには脱帽しました。個人的には、ルビや漢字かなの配分、私自身が関心を持ったことを盛り込めたことに満足しています。一方で、どのような具体的表現(数字?体の一部?)によって、サイズなどを小学生にとってイメージしやすくするかといった部分で至らない点があったと感じます。貝を調理したり、それについて詳しく調べてまとめたりと、普段あまり体験しない活動ができ、ステイホームしながら充実した実習でした。
(北大 R.T.)

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