2021年 夏 博物館実習3日目
実習3日目、8月19日の実習生ブログを担当いたします、奈良女子大学のYIと申します。
本日は主に植物の腊葉標本の写真を見ながら、ラベルの情報をテキストデータとして書き起こす作業を行いました。1日目と2日目が他の方々の発表を聞いて質問やコメントをする、という交流の時間が多い内容だったため、実習中に個人で作業をする時間があるというのは少し奇妙な感じがしました。個人作業とは言え、淡々とラベルを読み取り地図を調べパソコンで打ち込んでいたわけではなく、実習生は皆それぞれのやり方でこの作業を楽しんでいたようで、最後のディスカッションの時間では乾燥前の生きている状態を調べて見比べてみたという方もいらっしゃいました。私は採集場所を読み取りながら、その植物が採集された時の状況を想像する、という楽しみ方をしていました。読みなれない筆記体を解読することも難しかったのですが、何よりも知らない土地の地名を調べる事に難しさを感じました。ラベルによっては英語だけで記載されているものや、古い地名の記されたものもあり、思うように作業が進みませんでした。それでもどうにか10枚分の記入を終え、疑問や発見も得ながら楽しむことができました。
時間が前後しますが、この作業の前には植物資料についてのレクチャーを受けました。時代とともに標本の利用方法が増えていく事、ラベルの重要性、採取者にしか残せない情報、動物標本の扱いとはまた違った部分があると知りました。特に面白いと感じたのは、果実を標本にする方法です。植物体は押し葉の状態で、果実や種子は種子瓶につめた状態で保存するものだと思いこんでいたため、果実を薄くスライスして押し葉と同様に張り付けて保存する方法があると聞き、その手があったか!と驚きました。私は以前から生物資料の作成・管理に興味を持っていたため、本日の実習は大変有意義なものとなりました。
最後になりますが、コロナ禍の大変な状況の中、リモートという形で博物館実習を受け入れて下さり、本当にありがとうございました。