2021年度博物館実習 11月14日
こんにちは。成安造形大学のM.Tです。
博物館実習最終日の14日、一班では災害で水や泥汚れがついてしまった植物標本を乾燥させる為の作業を行いました。作業内容としては、ひとつひとつ標本の濡れ具合を確認し、程度に合わせて新聞や段ボールに挟んでオープンドライヤーで乾かすという手順となります。新聞だけでなく穴の空いた段ボールを挟むのは、ドライヤーの中で熱や風をより循環させるという目的があります。脆く崩れやすい標本や濡れ具合が酷く新聞に引っ付いてしまう状態の場合は、間にネットを挟み対策をします。標本を出来る限り壊さないよう丁寧に扱う必要があり、さらに量もたくさんあるため大変な作業だと感じました。
今回この作業を行うにあたって、東北の震災時のお話もお聞きしました。被災した博物館の対応をしたいと思っても当時はまだ標本処理の手法が定まっておらず、混乱も多かったため想像以上に大変な状況だったことを知りました。同時に、このような被災の経験から私たち実習生のようなアマチュアでも手伝うことが出来、より早くより多くの標本を助けられる手順が定まってきたことも知りました。
今日作業を行なったのも他博物館の所蔵品であり、またこのような処理作業は自然史博物館が主催している友の会の会員の方々とも協力して行っていると聞き、博物館同士の連携や地域での協力など人との繋がりも重要になってくることを学んだ1日となりました。
5日間の実習を通して収蔵庫を見せていただく機会が何度もありましたが、自然史ということもあり数が膨大でこの数が被災する大変さは素人目でも感じられました。災害はいつ何が起こるか分かりません。完全に予防するのは不可能ですが、助け合える状況を作ることは可能です。今回実習で標本や資料に身近に触れた身として、今後もこのような機会があれば力になりたいと思いました。