2021年度博物館実習 4日目 グループに分かれての活動
こんにちは。奈良女子大学のU.Yです。
この日は3つのグループに分かれて活動を行いました。私が所属した I 学芸員のグループではカタツムリの標本整理を行いました。今回扱った標本は元々、コレクターの方々が集めていたものでした。博物館ではこのように、コレクターの方からコレクションを頂いて展示・保管することがあります。譲り受けたコレクションは古い物も多いので、今回の標本整理では劣化したガラス容器からプラスチックの標本箱に移し替える作業を行いました。一見ガラス容器の方が見やすく保存に便利かと思われますが、劣化するとガラスの成分が標本に影響し、容器壁面にくっついてしまうといった現象が起こります。これでは標本の保存に向かないので、プラスチック製の容器にガラス板をはめ込んだ蓋がついた標本箱に移し変えました。標本は大きさも様々、形も色も様々で、普段ならガラス越しでしか見られない本物の標本を手にとってよく見ることができた貴重な機会でした。また標本の扱い方や保存の仕方の難しさを体感できました。この日の主な活動は標本整理でしたが、今回は特別に設備の説明会にも参加させていただきました。大阪市立自然史博物館では講堂の改修工事を行っており、講堂が少しリニューアルしました。学芸員であるとはいえ、展示する資料のみに気を配るのではなく、設備のこともよく理解しておかねば展示や保管が上手くいかないようです。設計段階からよく見ておかないと、メンテナンスのためにショーケースを開きたいのにケースの配置が悪くて開けなかったり、電球の替えがやりにくかったり、後々に問題が発生してしまいます。また照明は資料を保管するのにも展示するのにも重要な役割を担うので、照明にも気を配る必要があるそうです。
この実習がなければ知らなかったことや気づけなかったことが本当にたくさんあるので貴重な体験になりました。また、来館者として大阪市立自然史博物館に訪れることがあれば、いつもとは違う視点で展示物や建物、そして学芸員さんのことを見ることができるなと感じました。