2022年度 夏期博物館実習5日目 (8月28日)

博物館実習5日目のブログは東京農業大学のSが担当いたします。
最終日は「自作トラップでウミホタルの観察にチャレンジしよう」という、自然史博物館友の会の行事に参加させていただきました。世話役とは名ばかりで、ウミホタルに関しても博物館行事に関しても素人ですので、参加者である子どもたちが博士のように感じました。
指定の駅に集合した後、観察会の舞台となる公園に移動し、暗くなる前に友の会の会長さんからウミホタルについての説明を受けました。姿かたち、食性、生息域、夜光虫との違い、捕り方・飼い方etc…。数十分の説明だけでウミホタルに関する知識レベルが格段に上がりました。簡潔でわかりやすい説明のお手本のようでした。私も人に伝わる説明ができるようになりたいです。
説明が終わり、日も傾いてきたところでいよいよトラップを仕掛けます。参加者は事前にトラップ(プラスチック容器上部に複数の穴をあけ、おもりとヒモをつけてエサの入ったネットを入れたもの)を自作して持ってきていました。我々実習生は、前日に石田学芸員担当の班が実習で作成したトラップを使わせてもらいました。今回は、カニカマでウミホタルをおびき寄せる作戦です。トラップを海に投げ入れて待つこと1時間ー
トラップ引き上げ第1弾です。日も沈み切って、青い光と共に歓声が響くかと思いきや…何も起きません。第1弾は不作でした。私たちの班では場所替えとカニカマの増量を行い、第2弾に挑みました。ウミホタルは胃が体の半分を占めるようになるくらいエサを食べるそうです。見かけによらない食いしん坊だったのでごはんが足りなかったのかもしれません。再びトラップを仕掛けて待ちます。
引き上げ第2弾です。トラップ上部の穴から海水を出し網で濾してみると、2、3と青い光の粒が!ウミホタル捕獲成功です。他の参加者や実習生たちも、おおー!と声を上げていました。明るいところで見ると、俊敏に泳ぎ回る薄橙色の粒が観察できました。ただ、青い発光物質は一度出し切ると再び生成するのに2、3日かかるようで、あの輝きをもう一度見ることは叶いませんでした。せつないです。
今回の捕獲がうまくいかなかった理由としては、風が強く波が出て、トラップが揺られてしまったことが大きいようでした。参加者は各自トラップを持ち帰っていましたが、リベンジする方々の健闘を祈ります。
また、ところどころにあった待ち時間には砂浜に漂着した軽石探しをしていました。沖縄まで到達したとニュースになっていた小笠原諸島の軽石だそうです。持ってみるとその名の通り異常に軽い石なのですが、見た目で探してもなかなか見つかりません。もう10コ見つけた!という子に一緒に探してもらいながら、なんとか見つけることができました。これまでの実習を通してラベルの重要性をより実感し、班員全員が採集日・採集地・採集者を記入していました。
余談です。最終日には他の実習生とも話す機会ができてとても面白かったですが、もっと早く話しておけばよかったと反省もしています。スムーズに人と打ち解けるすべを身に着けるべきだと思いました。学芸員にとって最も重要なことの一つは、高いコミュニケーション能力を持つこと、です!

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