2023年度夏季博物館実習2日目(8月24日)
こんにちは、大阪成蹊大学のT.Nです。
実習2日目、私たち1班は川端館長と一緒に鉱物の展示ケースの清掃と清掃後、展示物(鉱物)を元に戻す復元作業を行いました。
作業中は、開館中に行った為、パーテーションの設置や清掃中であることが一目でわかるようにポップを作成する必要がありました。私は芸術学部出身なので、ポップを制作するならば率先して制作を担当した方がいいと考え、制作を任せていただく事になりました。川端館長が作業中に仰っていた子どもや車椅子の方のような目線が低い場合でも展示物が見やすいように工夫することも重要というお話を聞き、ポップ制作にも通じる話だと感じました。私が制作したポップでは、子どもにとっては分かりにくい表記になっており、配慮が足りていなかったと考えました。その為、改善案としてふりがなをつけ、誰でも読みやすい言葉を心掛ける、文字はできるだけ大きくするべきだと考えました。また、作業中はパーテーションの内側に展示物をそのまま見せる展示として配置していたので、自然と触りにくい配置になっていましたが、誤って触らないように「さわらないでください」という表記やマークが必要だったと感じました。
今回の作業では、来館者が訪れる中で清掃を行う為、パーテーションや作業している私たちが邪魔になってしまう問題がありました。しかし、作業を行っていく中で、デメリットだけでなくメリットも多くあると気付くことができました。1点目は、展示物をパーテーション内に設置することで、普段は展示ケース越しでしか見られない展示物が直接見る事ができることです。2点目は、川端館長から来館者に向けて直接鉱物の解説をして頂いたことで、鉱物への理解が深まること、3点目は来館者が気軽に質問ができる機会が生まれており、学芸員との距離が近くなっていることです。いずれにしても、来館中に作業を行ったことで生まれたメリットで、来館者の方にとっても貴重な経験になったのではないかと感じました。また、来館者がいることで普段よりも集中して取り組むことができたように感じました。
作業中は鉱石について誕生石という概念が生まれた経緯や、鉱石にも正面があり角度や位置にも気を付けなければならないと教えて頂きました。また、光源が展示ケースの手前にある関係上、光の当たり方や配置を調整することが必要だとお聞きしたので、何度も鉱物一つ一つのバランスを班のメンバーと相談して決めていきました。何度も展示ケースを清掃・復元を行ううちに始めた頃よりも展示物への配置の捉え方がかなり変化したと感じました。最終的にはラベル(キャプション)の位置が少し違うだけでも展示物への印象がかなり異なると考え、ギリギリまで調整を行いました。普段は見ている側の視点でのみ見ていた展示物・ケースが、今回の作業を経て違う見方があることを知るきっかけになり、貴重な経験が出来たと思います。