2020年度 秋博物館実習 4日目
こんにちは、4班のT.Mです。
博物館実習4日目の9月26日(土)は、佐久間学芸員指導のもと、被災したさく葉標本の修復作業を行いました。
今年の7月の熊本県で起きた豪雨によって、人吉城歴史館に収蔵されていたさく葉標本約3万点ほどが水害を受けました。しかし、現地ではこれら標本の修復作業は困難だったため、他の博物館で分担して、修復することになりました。今回は点数が多いため、「資料を残す」ということを第一に優先し、この標本の一部を乾燥させる作業を行いました。
まず、標本と包みの新聞紙を分け、間に水分吸収のため新たな新聞紙を挟み込みました。その後、乾燥機に入れ、3日から4日間かけて乾燥をさせます。乾燥したものはリストと照らし合わせ状態などをチェックして、元の博物館に返却します。私たちが扱った標本は形が残っている方だったのですが、新聞紙とかなりくっ付いていて、集中力のいる細かな作業だと思いました。1日でそれほど多くの点数の修復作業をすることができず、被害を受けた館だけでの修復には限界を感じました。災害の多い日本では、こうした事態に直面しても資料を失わないために、博物館同士が協力し助け合っていくことが重要だということを学びました。
また、収蔵庫の色々な標本を見学しました。植物標本は地域の何十年前の環境などを知り、現在と比較し理解するために必要な資料です。手前から1980年代の図鑑順に収蔵されており、膨大な数の標本の中からでも特定の標本が見つけやすくなっていました。これは大阪市立自然史博物館には、外来研究員やアマチュアの方々が頻繁に訪れ、標本を扱い研究を行う機会が多いからです。学芸員だけではなく、外来研究員やアマチュアの方々も活用・研究し発表することで、新たな人が博物館に興味を持つ機会を作り普及していくということが博物館の役割の一つであるということを学びました。
(4班 追手門学院大学 T.M)