2021年度博物館実習 1月10日
こんにちは。奈良女子大学のM.Mです。
実習3日目の本日は、「はくぶつかん・たんけん隊」のサポートをさせていただきました。「はくぶつかん・たんけん隊」は小中学生向けのバックヤードツアーです。標本資料を収蔵している収蔵庫や学芸員の方が研究を行っている研究室など、普段見ることができない博物館の裏側を見ることができるイベントとなっています。
私は、午前は低学年の子のグループに、午後は中学年の子のグループに同行して回りました。実習生の仕事は、最も重要なのが体調を崩した子を無事に途中離脱させることで、他には収蔵庫の重いドアを開けること、タイムキーパーなどがあります。私はタイムキーパーを担当していました。本日は途中で体調を崩した子もおらず、大きなトラブルもなくとても順調にツアーを終えることができました。
本日のツアーに参加して、子どもとは大人が思っている以上にタフな存在なのだと痛感しました。大人でもしんどいと感じる2時間近い道のりを元気いっぱいに歩き続け、薬品の匂いがきつい(個人的にはナフタレンもホルマリンも割と好きな匂いなのですが)収蔵庫にも、例年気持ち悪いといって途中離脱者が出るらしい液浸標本にも興味津々でした。
最初は大人しかった子も、ツアーが進むにつれて積極的に学芸員の方に質問をしていました。見るもの全てが新鮮で興味深いといった様子で、タイムキーパーとして時間の終わりを告げるのを心苦しく感じるくらいでした。今日がきっかけで研究の道に進む子が出るかもしれない、誰かの人生が変わるような瞬間に立ち会っていたのかもしれないと思うと、なんだか誇らしいような責任重大なような不思議な気持ちになりました。もっとも、私自身はいち実習生なので大したことは何もできていないのですが。
また、私は2回ツアーを回ったのですが、どちらの回の学芸員の方も解説が分かりやすく、また時間のかけどころなどにそれぞれの方の個性のようなものが感じられて面白かったです。スタッフ側として参加した身ではありますが、小学生の子たちと一緒に楽しく聞き入ってしまいました。
「小学生にも分かるように解説する」と一言で言ってしまうのは簡単です。しかし、分かりやすい言葉選び、子どもを惹きつける話し方など、実際のところはかなり高度な技術を要するものだと思います。教育普及に力を入れた博物館であることは初日のオリエンテーションで聞いていましたが、本日はそれを実際に体感することができました。