皮むき日記
2004年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年、2010年、2011年、2012年
2013年1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月
(注)ここで行っている皮剥きなどの標本作成は、調査研究目的(及び普及教育目的)で、大阪市立自然史博物館の業務の一環として行っています。またその対象は、この目的で殺したものではなく、事故などで死んだものを用いています。動物虐待ではないかとの指摘があったので、念のため。
●2013年12月21日 タヌキ
なにわホネホネ団の活動日。
・タヌキ(OMNH M2802:2013年12月、大阪市東住吉区産)
久しぶりにタヌキの皮剥きしたら、1時間25分もかかってしまった。メスの切れが悪かったのと、全身介せんで皮や肉球が肥大していたからと言い訳しておこう。
●2013年12月8日 キンバト、ヤマシギ、モズ、カヤクグリ
なにわホネホネ団の鳥の日。西表島鳥類調査隊の活動13回目。2ndシーズン5回目。今年度の鳥剥き13日目で22種35羽目(内、4種4羽は動物園物)。
・キンバト(OMNH A7084:2010年10月、沖縄県竹富町産)
めっちゃ脂っこい個体で、剥いた内側は、解けた脂肪でドロドロ。
・ヤマシギ(OMNH A7081:2013年11月、大阪市東住吉区産)
尾羽は尾端骨の先に扇形に付いているのに、先端はとんがった感じにまとまってる。端の尾羽ほど曲がってるってことかな。どうしてこんなデザインに?
・モズ(OMNH A7093:2010年6月、大阪市北区産)
雌の幼鳥。幼鳥っていうより、巣立ちビナに毛が生えた感じ。モズに見えないともっぱらの評判だった。
・カヤクグリ(OMNH A7088:2013年11月、大阪市北区産)
野外で見てるとスズメより大きいイメージだけど、けっこう小さい。そして、頭を除くと、かなりクロジに似ている。頭無し死体を拾ったら間違えそう。
●2013年12月7日 キンバト、カラフトフクロウ、エゾムシクイ
なにわホネホネ団の鳥の日。西表島鳥類調査隊の活動12回目。2ndシーズン4回目。今年度の鳥剥き12日目で19種31羽目(内、4種4羽は動物園物)。
・キンバト(OMNH A7068:2011年5月、沖縄県竹富町産)
尾の先がすれて、尻が糞で汚れてる。しばらく保護されて飼育されていたのかな?
・カラフトフクロウ(OMNH A7073:某動物園より)
でかい顔で知られるカラフトフクロウ。顔盤の幅を計ってみると約15cmあった。で、頭の皮を裏返して、頭骨の幅を計ってみると、約6cmしかない。あの顔の大部分は羽根ってことになる。ちなみに頭骨で左右の耳の非対称が確認できた。左耳の耳穴の方が明らかに高い位置にまである。フクロウの仲間でもこの非対称が確認できる種と、できない種があるよね。
・エゾムシクイ(OMNH A7075:2013年8月、北海道札幌市産)
久しぶりに小小鳥を処理したので、つぶすかとドキドキした。
●2013年11月24日 キンバト、アオバト、チョウゲンボウ、セグロカモメ
なにわホネホネ団の鳥の日。西表島鳥類調査隊の活動11回目。2ndシーズン3回目。今年度の鳥剥き11日目で17種28羽目(内、3種3羽は動物園物)。
・キンバト(OMNH A7057:2010年10月、沖縄県竹富町産)
微妙な大きさの精巣。繁殖期の終わりって感じかな。
・アオバト(OMNH A7065:2013年11月、兵庫県神戸市産)
そのう内容物は見当たらず。喉から胸に大穴が開いていて、そのう辺りは食べられてる感じ。
・チョウゲンボウ(OMNH A7064:2013年11月、和歌山市産)
全体に茶色いけど、腰だけ灰色。雄の幼鳥かと思いながら生殖巣を見たら、雌だった。こういう雌がいるのね。尾羽の先は、ヒヨドリ成鳥みたいに中央だけ尖ってる。年齢はどっちだろう?
・セグロカモメ(OMNH A7063:2013年11月、兵庫県淡路市産)
右の初列風切がない。とても不自然なので、拾われるまでに、誰かが片方の初列風切を抜いたのかな?
●2013年10月13日 キンバト
なにわホネホネ団の鳥の日。西表島鳥類調査隊の活動10回目。2ndシーズン2回目。今年度の鳥剥き10日目で14種24羽目(内、3種3羽は動物園物)。
・キンバト(OMNH A7044:2012年9月、沖縄県竹富町産)
・キンバト(OMNH A7045:2013年6月、沖縄県竹富町産)
A7045は、でかい精巣を持っていたけど、SOはD。性成熟していても、気骨化は完成しないらしい。A7044は、雌で、SOはC。当年生まれかな。気になるのは、なんか雌にしてはちょっと雄っぽい雰囲気があったこと。換羽中だったからかもしれない。
●2013年9月23日 キンバト、モモイロペリカン
なにわホネホネ団の鳥の日。西表島鳥類調査隊の活動9回目。2ndシーズン突入。今年度の鳥剥き9日目で14種22羽目(内、3種3羽は動物園物)。
・モモイロペリカン(OMNH A7027:某動物園より)
とても変わった鳥で面白過ぎる。下顎はただの輪っかで、その間にべろーんと弛んだ皮が付いてる。喉から首上部前側の皮に連なった皮は、そのエリアの食道とも一体化している。その途中に小さな舌。舌骨は短く、頭骨に届いていない。代わりに舌骨が入る筒みたいな筋肉みたいなのが頭骨の後ろまで回っている。眼窩は大きいけど、眼球は小さく、眼窩の中に筋肉で浮いてる感じ。眼窩と眼球の間に隙き間があるってのは初めて見た。
足は、元全蹼目らしく、ウ類と同様、指が4本とも前を向いていて、すべての間に水かきがある。ウ類に似てるならあるのかな?と思ったけど、頭骨の後ろの三角の骨は探したが見つからなかった。
胴体がまた不思議。皮の下は泡のような構造で覆われていて、とても剥き易い。皮下に脂肪はいっさいなし。ただし尾の周辺だけは大量の脂肪。脂肪はためずに、空気の層で保温するんだろうか?
・キンバト(OMNH A7029:2005年5月、沖縄県竹富町産)
・キンバト(OMNH A7031:2011年5月、沖縄県竹富町産)
A7031は、幼羽が少し残るものの、かなり成鳥っぽい個体。予想通り、繁殖期だというのに精巣は小さく、繁殖にはまだ参加していない感じ。
●2013年8月18日 タシギ、コアジサシ、シロハラクイナ
なにわホネホネ団の鳥の日。西表島鳥類調査隊の活動は休み。今年度の鳥剥き8日目で13種19羽目(内、2種2羽は動物園物)。
・タシギ(OMNH A7014:2011年11月、大阪府堺市産)
尾羽は右7枚、左6枚。ジシギ類の尾羽は、左右非対称があり得たと思うけど、抜けたのかどうか今ひとつ分からず。
・コアジサシ(OMNH A7020:2013年7月、大阪府高石市産)
全体的にとても綺麗。尾羽は最外だけが真っ白で、あとは上面が灰色がかってる。初列風切は、最外だけが灰色がなく、外弁が黒。そして足指は4本とも前向き。血を吐いていたので、洗ったのだが、洗った後、再び薄く汚してしまった…。そして目の綿が赤く…。
・シロハラクイナ(OMNH A7021:2010年3月、沖縄県竹富町産)
傷んでると言って送られてきた。ほんとにメッチャ腐ってる、というかミイラ。腹側はどうにもならないけど、頭の下半分も壊れているけど、尾羽、背中、翼は生きているので、皮を剥いて保存することに。臭かった。
●2013年8月17日 ホオジロカンムリヅル
なにわホネホネ団の鳥の日。西表島鳥類調査隊の活動は今回もお休み。今年度の鳥剥き7日目で10種16羽目(内、2種2羽は動物園物)。
・ホオジロカンムリヅル(OMNH A7010:某動物園より)
気管は胸骨に入ってない。大声は出さないはず。冠は常に立ったままで、仮剥製にするには不便。無理矢理後側に寝かせてみる。頭骨の上を見ると、ボコボコしていて、ほんのり角が2本ある感じ。冠は角の間に生えてる感じ。
●2013年7月20日 アマサギ、ホトトギス、ツミ
なにわホネホネ団の鳥の日。西表島鳥類調査隊の活動は1回お休み。というかキンバト処理はお休み。今年度の鳥剥き6日目で9種15羽目(内、1種1羽は動物園物)。
・アマサギ(OMNH A6992:2010年2月、沖縄県竹富町産)
頭に少しだけ亜麻色がある。翼下面に、灰色い粉がいっぱい付いてる。と思ったら、虫らしい。こんなに大量のハジラミ!と思って採集した。あとで実体顕微鏡でみると、ハエか何かの幼虫だった。羽根の表面に大群でつくハエ。粉のように落ちるハエ。こんなの初めて。
・ホトトギス(OMNH A6981:2013年7月、山口県下関市産)
傷んでると言って送られてきたが、腐ってないし、ケガすらしていない。雨で少しぬれて羽根が乱れていただけ。その上、脂肪がなくてとても剥き易い。丸い大きめの鼻孔は、なんかハヤブサの仲間みたい。
・ツミ(OMNH A6996:2001年1月、沖縄県竹富町産)
ツミはツミでもリュウキュウツミ。たぶん。冬なのでただのツミが越冬してる可能性もあるのかな? なんか分からんけど、とにかく小さい。ヒヨドリくらい。脚がやたら黄色いのが印象的。
●2013年6月8日 キンバト、ダチョウ
なにわホネホネ団の鳥の日。西表島鳥類調査隊の活動8回目。そして最初のシリーズの最終日。今年度の鳥剥き5日目で6種12羽目(内、1種1羽は動物園物)。
・ダチョウ(OMNH A6964:某動物園より)
雌なのでさほど大きくないけど、8人がかり。脚が悪かったらしく、獣医さんがやってきて、関節の写真を撮影。足のパッドの中に空洞があって、エアークッションみたいになってる。
・キンバト(OMNH A6979:2009年6月、沖縄県竹富町産)
頭なし、右脚なし、尾なし。仮剥製とは言いにくい物ができあがった。
●2013年5月14日 フタコブラクダ
突然電話がかかってきて、大物がやってくることが決定。
・フタコブラクダ(OMNH M2762:某動物園より)
体重約500kgという。確かに大物。キリンとあまり変わらない。トラックから降ろすのも、8人がかりで、地球の力に大幅に頼ってのこと。トラックに載せる時は、倍の人数がかかったという。4人がかりで、5時間かかって皮を剥いた。大物は、簡単にひっくり返せないのが難点。地面で作業したので、腰が痛くなるのも難点。
鼻の穴は開いてなくて、スリットみたい。中までけっこうスリット状。目の後ろがやたらプよプよすると思ったら、顎関節の前一帯に柔らかい脂肪がいっぱい。皮はとても薄くて、ウマの皮に違い手触り。とても上質の革製品ができそう。背中のコブの中は、話に聞いていた通り、脂肪の塊。出産間際だったらしく、乳腺が発達し、その近くはとてもミルクの匂いがする。というか、肉全体がミルク臭い。
でも、何より驚いたのは足先。この動物は有蹄類ではない。なぜなら蹄がないから。というか、ゾウの足みたいになっている。先に2本の爪。それ以外の足裏は、柔らかい皮膚。で、その中には脂肪の塊のパッドが入ってる。
足裏とコブを除けば、イメージ以上に長い首を含め、全体的にキリンに良く似た動物だと思う。
●2013年5月5日 キンバト、コビトマングース、モルモット
なにわホネホネ団春の合宿、最終日はヒツジの日だけど、鳥も剥いた。西表島鳥類調査隊の活動7回目。今年度の鳥剥き4日目で5種10羽目。
・コビトマングース(OMNH M2629:某動物園より)
一見イタチ風だけど、かなり違う。真直ぐにピーンとなった尻尾。人みたいに丸い耳。やたら長くてとがった前脚の爪。頭骨はイタチやテンみたいにエイリアン風ではなく、とても普通な形。
・モルモット(OMNH M2661:某個人より)
尻尾がまったくないので、あまり縦に切り開かなくて大丈夫。前脚は4本指、後脚は3本指。げっ歯類なのに指の数が少なくて楽。でも、ヌートリアほどではないけど、切歯の内側まで皮が入り込んでいて、口周りは処理しにくい。
・キンバト(OMNH A6957:2006年9月、沖縄県竹富町産)
他の人が剥いたドバトとキジバトの生殖巣を確認して気付いた。キンバトの精巣は変。普通の鳥みたいに卵型。ドバトとキジバトの精巣は、細長いキュウリ型なのに。ハトじゃないみたい。
●2013年5月4日 ニホンイタチ
なにわホネホネ団春の合宿、中日はイタチの日。
・ニホンイタチ(OMNH M2743:2010年2月、奈良県奈良市産)
唯一のニホンイタチを剥いた。典型的な個体を見分けるのは簡単。哺乳類を剥くのは、とても久しぶり。1時間半かかった。
●2013年5月3日 ヨタカ、キンバト
なにわホネホネ団春の合宿、初日は鳥の日。西表島鳥類調査隊の活動6回目。今年度の鳥剥き3日目で5種9羽目。
・ヨタカ(OMNH A6950:2011年8月、滋賀県長浜市産)
生きたのは持った事があるけど、剥くのは初めて。皮が薄いと聞いていたのでドキドキしたが、それほどでもない。羽根がフワフワで持ち心地がいい。分かってはいたけど改めて口が大きい事を実感。下顎の骨が左右に開くらしいのだが、それに何の意味があるのかよく分からない。ただ、下顎の骨はふにゃふにゃ。頭の皮を剥いてみると、頭骨がとても変な形。目が異様に大きくて、そのせいか耳の穴が目の下に位置している。頭蓋全体が平べったくて、脳は変な形。目と口といった頭の前半が不自然に大きくなって、耳や脳が相対的に小さくなってる感じ。ふしょは、背側だけに羽根が生えている。性別を見ようと腹を開けると、やたら細長くてニョロニョロした精巣みたいなもの。これが本当に精巣なんだろうか? 翼に白斑あるし雄だろうけど…。
・キンバト(OMNH A6940:2007年5月、沖縄県竹富町産)
今日初めて気付いたけど、キンバトの下尾筒は変。左右に分かれて両サイドで尾羽を支えている。尾羽なみに長いので、一瞬下側に尾羽がまわってる!と思った。
●2013年4月21日 キンバト、ハクセキレイ、コサギ
なにわホネホネ団の臨時の鳥の日。西表島鳥類調査隊の活動5回目。今年度始めての鳥剥き。今年度の鳥剥き2日目で4種7羽目。
・コサギ(OMNH A6929:1997年11月、京都市上京区産)
けっこう大きくはなってるが、巣内ヒナ。まだ尾羽はぜんぜん生えていない。尾端骨も拡がってない。ちゃんと対応しているのが面白い。舌骨は短い、足指に櫛がない、上腕骨は軽く曲がる。と色々未完成。
・ハクセキレイ(OMNH A6931:2011年1月、大阪市此花区産)
状態のいいスズメ目の小鳥は剥き易い〜。余裕をもって50分で剥けた。
・キンバト(OMNH A6926:2006-2010年5月、沖縄県竹富町産)
・キンバト(OMNH A6927:2009年9月、沖縄県竹富町産)
胸が破れて、頭乾燥。状態が悪いととたんにビリビリになる。キンバトは処理しにくい。新鮮な状態でどんどん送ってもらった方がいいかも。
●2013年4月15日 キンバト、オオクイナ
なにわホネホネ団の鳥の日。西表島鳥類調査隊の活動4回目。今年度始めての鳥剥き。今年度の鳥剥き1日目で2種3羽目。
・キンバト(OMNH A6910:2006年12月、沖縄県竹富町産)
・キンバト(OMNH A6913:2009年7月、沖縄県竹富町産)
これまで、ずっと3〜8月のキンバトしかなかったから、キンバトは夏鳥かと思ったけど、12月のが出てしまった。幼鳥なのだけど、12月になると頭骨の気骨化は完了している様子。
・オオクイナ(OMNH A6916:2010年10月、沖縄県石垣市産)
初めて剥いた。初めての鳥はちょっと嬉しい。まあ、中身はバンとあまり変わらない感じ。
●2013年3月31日 キンバト、オオバン
なにわホネホネ団の鳥の日。西表島鳥類調査隊の活動3回目。今年度の鳥剥き63日目の85種115羽目(内、動物園物が3種3羽)。
・キンバト(OMNH A6888:2010年6月、沖縄県竹富町産)
・キンバト(OMNH A6891:2006年5月、沖縄県竹富町産)
そのうが肥大してる中に、ツブツブの脂肪のような固まりのピジョンミルクが入っていた。内壁に引っ付いていて、ポロポロとはがれてくる感じ。昔読んだ記述の通り!
・オオバン(OMNH A6900:2013年3月、大阪市都島区産)
べん足の水かきは、内側の方が幅広。野外で翼を隠しているオオバンをよく見るが、隠し方が分かった。腹の両サイドの体羽が長くなっていて、それで覆っている。ちょうど羽毛のポケットに入るみたいな感じ。額の白は、柔らかい。口はおちょぼ口で、白い部分よりも口の切れ込みは長い。腹を開けると、どーんとやたらでっかい胃がある。直径7cmくらいある。その下にグルグルと長い腸。
●2013年2月24日 キンバト、アオバズク
なにわホネホネ団の鳥の日。いよいよ西表島鳥類調査隊の活動2回目。今年度の鳥剥き62日目の84種112羽目(内、動物園物が3種3羽)。
・キンバト(OMNH A6873:2010年7月、沖縄県竹富町産)
・キンバト(OMNH A6875:2008年8月、沖縄県竹富町産)
雄と雌。どちらもあまり脂肪は蓄積していなかった。と思ったら、雄の方は、首の周りに脂肪がたまってる感じ。他の人が処理したのでもそうだった。どうしてだろう?
・アオバズク(OMNH A6870:2008年5月、大阪市鶴見区産)
足はトゲトゲ。他のフクロウ類なら羽根が生えてる代わりがトゲトゲ。どうしてかなぁ。
●2013年2月11日 メジロ、シメ、カルガモ
友の会会員向けバックヤードツアー2日目。今年度の鳥剥き61日目の83種109羽目(内、動物園物が3種3羽)。
・メジロ(OMNH A6867:2008年〜2010年、埼玉県寄居町産)
小さくて、脂肪のない鳥がこんなに簡単とは〜。
・シメ(OMNH A6868:2008年12月、埼玉県寄居町産)
昨日のはメス、こちらはオス。オスの方が目先が黒い。口を開けると、嘴の中の空間が広くて、喉がわざわざ狭くなってる感じ。嘴の中の空間はなんのため?
・カルガモ(OMNH A6869:2013年2月、大阪市東住吉区産)
オスの成鳥らしい。上尾筒に真っ黒くて光沢のある羽根。精巣がよく発達していて、長径約16mm。すでに繁殖モードっぽい。驚いたことに頭があっさり裏返った。ちょっと無理があるらしく、戻す時に少し羽が抜けた。塩腺が存在する。薄くてあまり発達してない感じだが、ウミアイサとかわらないエリアにある。
●2013年2月10日 シメ、ウミアイサ、シロハラ
2月恒例の友の会会員向けバックヤードツアー初日。鳥の皮剥きをしながら説明を3回。後ろに哺乳類を処理している相棒がいるので、こちらの負担はあまり多くなくて楽チン。今年度の鳥剥き60日目の82種106羽目(内、動物園物が3種3羽)。
・シメ(OMNH A6863:2009年1月、埼玉県寄居町産)
嘴がしっかりしてると思っていたが、改めてみるとかなりすごい。以前から開けにくいと思ってたけど、下嘴が上嘴の内側に少し入り込んでる。隙き間はほとんどなし。まるでハサミのよう。
・ウミアイサ(OMNH A6865:2013年1月、大阪府阪南市産)
シメと対照的に、嘴が隙き間だらけ。根元からそもそもかなり開いてる。上下ともにギザギザの歯がついてるが、噛み合ってるのは先の方だけ。こちらはまるで、プライヤー。
脚は、足首まで胴体の中に入っているので、足首で切り離せる。足根骨は縦に薄っぺらい。この辺りは、カイツブリ、オオハムなんかによく似てる。そして魚臭い。頭が簡単に裏返る。カモとは思えない。
・シロハラ(OMNH A6866:2010年11月、兵庫県川西市産)
体重が約95g。通常60-70gくらいの鳥なので、めっちゃ重い。その時点で予想ついたが、予想通りものすごく脂肪を蓄積していた。
●2013年1月21日 キンバト
なにわホネホネ団の鳥の日。いよいよ西表島鳥類調査隊の活動開始。今年度の鳥剥き59日目の81種103羽目(内、動物園物が3種3羽)。
・キンバト(OMNH A6853:2006年5月、沖縄県竹富町産)
・キンバト(OMNH A6856:2007年5月、沖縄県竹富町産)
どっちもオス。上が幼鳥で下が成鳥。なのかな? 幼鳥は胸から腹に明らかな幼羽が混じってるので明らか。でも成鳥がよく分からない。精巣が大きくて明らかに性成熟してるのだけど、SOはD。他の人が処理したのを見ると、SOはCでも性成熟してるのもいた。幼羽以外の年令査定ポイントが知りたい。
●2013年1月14日 カワセミ、ツツドリ、マミジロ、キンカチョウ
子ども向けの裏方見学ツアーのアトラクションで鳥の皮剥き。今年度の鳥剥き58日目の80種101羽目(内、動物園物が3種3羽)。
・カワセミ(OMNH A6847:2010年6月、兵庫県神戸市産)
1指だけ後ろ向き、第2指と第4指が小さい。
・ツツドリ(OMNH A6848:2012年9月、大阪府四条畷市産)
第1指と第4指が後ろ向きで、第1指と第2指が小さい。第4指を前向きには出来なさそう。とまあ足指が面白い。皮が破れ易くていくつも穴が開いた。ドロップが多いのは、家庭用冷蔵庫で3ヶ月ほど保存されていたからか?
・マミジロ(OMNH A6849:2012年10月、大阪府千早赤坂村産)
両サイドの尾羽の先端に白。
・キンカチョウ(OMNH A6850:2012年6月、大阪市住吉区産)
尾羽はなく、初列風切の先が擦れている。篭抜けかと。
●2013年1月13日 アオバト、クロツグミ、イカルチドリ、ノゴマ、キクイタダキ
毎年恒例、子ども向けの裏方見学ツアーのアトラクションで鳥の皮剥き。今年度の鳥剥き57日目の78種97羽目(内、動物園物が3種3羽)。
・キクイタダキ(OMNH A6842:2012年10月、山口県下関市産)
体重5gちょっと。羽根が生えているとキンカチョウと同じくらいだが、体重は半分。胴体を取り出すとさすがに小さい。頭には黄色だけでなく赤い部分も!後ろに向かって拡がっているので、赤も黄色も後ろ寄りの方が見つけ易いかも。
・クロツグミ(OMNH A6843:2012年10月、大阪市天王寺区産)
黒くて綺麗。頭骨の気骨化は完了してるので、成鳥かと思ったけど、尾羽は幼羽に見える。年令不詳。
・ノゴマ(OMNH A6844:2012年10月、大阪府大阪狭山市産)
オスの幼鳥。喉は赤いが先端が白っぽい。
・アオバト(OMNH A6845:2011年11月、大阪市北区産)
ハジラミを2種採取。丸いのと細長いの。ミズナギドリ類のよう。
・イカルチドリ(OMNH A6846:2011年12月、大阪府堺市産)
池に張られた網に引っ掛かっていたらしい。足に網の切れっぱしが付いたまま。乾燥してるかなと思ったけど、意外にも全然問題なかった。引っ掛かって死んだら餓死かなと思いきや、けっこう脂肪を蓄積していた。