イベントレポート
自然史博物館が実施した自然観察会や子ども向けイベントなどをちょっとずつ紹介します

テーマ別自然観察会「ドングリと秋の木の実」

2024年11月4日(月祝)、テーマ別自然観察会「ドングリと秋の木の実」を実施しました。この行事は「木の実」と銘打っていますが、植物のタネ(※文末にタネの解説)をいろいろ見てみようという観察会です。植物は地面に根を張って、一生を動かずに過ごしていると思っている方も多いかもしれませんが、実はタネの時期は植物が動ける絶好の機会となっています。気持ちいい快晴の中、動物にひっついて運ばれるタネ、鳥に食べられて運ばれるタネ、風に吹かれて飛ばされるタネなど、様々なタネを観察しました(横川)。

枝先に付いたアラカシのドングリをみんなで観察。ちょうど熟す頃のドングリがたくさんなっていました。

カラスウリの果実を割って中の種子を取り出してみました。タネを見つけた時はとりあえず割ってみるといろいろな発見があります。

アオツヅラフジの果実を割って種子を取り出したところ。巻貝のような特徴的な種子が出てきました。

寄生植物のアメリカネナシカズラも観察。葉はありませんが、しっかり花を咲かせて結実もします。

「ひっつきむし」であるコセンダングサがいっぱいのあぜ道。着ている服にひっついたタネも観察しました。

行事中に集めたタネっぽいものの「集合住宅」。形や色が様々なタネをたっぷり観察できました。この「集合住宅」はあくあぴあ芥川の受付に展示してもらっています。

観察した植物:コバノガマズミ、コマユミ、ノブドウ、ナラガシワ、ヘクソカズラ、アオツヅラフジ、イタドリ、アレチヌスビトハギ、アメリカセンダングサ、アカネ、ノイバラ、サネカズラ、カラスウリ、オシロイバナ、ヤマノイモ、ニガカシュウ、ヨウシュヤマゴボウ、アラカシ、イロハカエデ、チャノキ、フユイチゴ、キンミズヒキ、チカラシバ、アベマキ、クヌギ、コセンダングサ、ホソアオゲイトウ、カナムグラ、ノコンギク、アメリカネナシカズラ、アキノエノコログサ、エノコログサ、セイタカアワダチソウ、オオニシキソウ、ムクノキなど

この行事は高槻市立自然博物館あくあぴあ芥川との共催で実施しました。写真はあくあぴあ芥川から提供していただきました。

あくあぴあ芥川の「あくあぴあブログ」にも行事の様子が掲載されています。

https://aquapia-akutagawa.blog.jp/archives/27031527.html

※この記事で「タネ」と表現したものは生態学の専門用語では散布体と呼ばれ、植物体から離れて散布される種子等を含む器官のことを指します。植物によって、散布体は果実であったり種子であったり、時には茎や枝、葉を含むこともあります。

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