やさしい自然観察会「レンゲ畑のいきもの」

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4月29日、好天に恵まれ、やさしい自然観察会「レンゲ畑のいきもの」を開催しました。
この行事は、自然観察会に参加するのも初めて、といった親子層向けに開催しています。この日も100名近い参加者が4グループに分かれて、学芸員や大阪市立自然史博物館友の会から参加していただいた「補助スタッフ」のみなさんと高槻市三島江の水田で春の日差しの元、たっぷりと観察しました。
レンゲ畑といっていますが、これは秋に水田にレンゲの種をまいたもの。マメ科植物が根粒細菌と共生することを利用して、水田に窒素分を増やすことを目的に江戸後期頃から広まった農法です。一面に咲いたレンゲの花はどこか懐かしい風景でもあり、雑草や昆虫を観察するにもよい題材です。
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 ここしばらくの観察会では高槻市が農家の協力でレンゲを巻いた水田を開放していただいている「レンゲの里」で開催しています。
 観察会では25人ぐらいのグループに分かれ、学芸員らの指導の下、ルーペを使ったり顕微鏡をのぞいたりして、いろんな観察をしてもらいました。レンゲの花をよく見ると輪になって咲くマメの花が集まってできていること。ミツバチがレンゲにやってくる羽音に耳を懲らし、ミツバチがこの花にしがみつくとおしべが飛び出してくるところを見つめます。蜂はしっかりと花粉団子をつけ、クマバチが全身を震わせて花粉を落とす仕草も観察しました。まだめしべの残る若い果実や大きく育った豆のさやをすかして種を確認したりして、ミツバチが運んだ花粉から実ができるまでを眺めてもらいました。レンゲだけでなくカラスノエンドウも抜いてみるとしっかり根粒ができていることなども確認しました。スズメノエンドウはどうだったかな?
 水田にはナズナ、ハハコグサ(オギョウ)、ノミノフスマや様々なハコベ類、コオニタビラコ(ホトケノザ)などの春の七草が茂り、増え始めたアブラムシをテントウムシがむしゃむしゃと食べています。空にはヒバリが鳴き、子育て中のケリは私たちを追い払おうと躍起に。春の水田は観察することでいっぱいです。
 カンサイタンポポが一面に広がる淀川の土手でお昼を食べると、汗ばむほどの陽気でした。
帰りのバスでは元気だった子供も、大人もついウトウト。
初めての観察会は楽しんでもらえたでしょうか
なお、この観察会の骨子は当館学芸員の大先輩である日浦勇氏によって
中公新書「自然観察入門―草木虫魚とのつきあい」という本にまとめられています。機会があったらご一読ください。
高槻市 三島江レンゲの里
http://www.city.takatsuki.osaka.jp/rekishi_kanko/kanko/database/shizen/1327454708732.html

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