植物班見出し画像
植物写真  淀川水系には様々な水辺の植物が生育しています。しかし、下流部では残念なことに外来種の大繁茂も目立ちます。植物班では、在来の水生植物、そして海外から持ち込まれた外来水草を対象に分布調査を進めています。

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淀川水系のアサザタイトル画像
アサザ写真 アサザマップ
アサザ(ミツガシワ科)は河川、水路、湖沼、ため池に生育する浮葉性の水生植物です。 生育地の開発などで、全国的生育地が減少しており、絶滅が危惧されています。 大阪府では淀川水系を含めて絶滅したとされていますが、近年、栽培株の移出とみられる産地の発見が続いています。
淀川水系のカワヂシャタイトル画像
カワヂシャ写真
5月〜7月にかけて、本州以南の川辺には可憐な白い花をつけたカワヂシャ(ゴマノハグサ科)が生えています。 しかし、1990年代以降、外来種のオオカワヂシャが侵入し、すっかり日本の川や湿地でおなじみの植物になってしまいました。 このオオカワヂシャの侵入の大きな問題の一つにカワヂシャと雑種をつくることが挙げられます。 この雑種はホナガカワヂシャと呼ばれ、1994年から近畿地方で確認されるようになりました。
カワヂシャ類の花写真 カワヂシャ類の果実写真 カワヂシャ類の葉写真 オオカワヂシャ写真 ホナガカワヂシャ写真

図1:カワヂシャ類の花(上段、オオカワヂシャ;中段、ホナガカワヂシャ;下段、カワヂシャ)
図2:カワヂシャ類の果実(上段、オオカワヂシャ;中段、ホナガカワヂシャ;下段、カワヂシャ)
図3:カワヂシャ類の葉(左、オオカワヂシャ;中、ホナガカワヂシャ;右、カワヂシャ)
図4:オオカワヂシャ
図5:ホナガカワヂシャ

淀川水系のボタンウキクサタイトル画像
ボタンウキクサ写真 アサザマップ
ここ数年、秋になると、淀川下流域では毎日のように黄緑色をした植物が流れています。 レタス?いえいえ、ウォーターレタスの別名を持つ、外来水草のボタンウキクサ(サトイモ科)です。 下流部で大繁殖し、城北わんど(大阪市旭区)や庭窪わんど(守口市)など、淀川下流部の水面を覆っています。

【分布図キャプション】

本流は鵜殿以下は点々と分布し、点野より下流は秋には、ほぼ帯状に分布しています。 本流の分布状況はほぼ明らかになってきましたが、支流や山手での分布情報が手薄です。

淀川水系のミズヒマワリタイトル画像
ミズヒマワリ写真 アサザマップ
ミズヒマワリ(キク科)は中央・南アメリカ原産の水中や水際に生える抽水性の多年草です。 水際にしばしば大きな群落をつくり、在来の水草を追いやります。 淀川水系では高槻市の芥川において分布が確認されてからは、その下流域に分布が確認されるようになり、現在は守口市の庭窪ワンドでは大きな群落をつくり、大阪市旭区の城北ワンドにもみられます。 そして、ついに2007年には琵琶湖の南湖の一部に侵入が確認されてしまいました。今後、琵琶湖・淀川水系全体に分布が広がる可能性があります。

【分布図キャプション】

2008年春の段階では芥川と芥川合流点より下流の分布で分布が確認されています。