ホウネンエビ
Branchinella kugenumaensis関東以南の水田に見られる鰓脚類です。腹側を上にして泳ぎます。おそらく淀川水系でも水田に広く分布すると見られます。
図)上左:ホウネンエビ 上右:ホウネンエビ抱卵メス
カブトエビ類
Triops spp.海にすむカブトガニと間違える人がいますが、全く別の生き物です。日本にはアジアカブトエビTriops granarius、アメリカカブトエビTriops longicaudatus、ヨーロッパカブトエビTriops cancriformisの3種がすんでいますが、近畿地方にすむのはアジアとアメリカだけです。2種の外見上の形態はよく似ていますが、実体顕微鏡を使えば尾節の棘の位置の違いなどで見分けられます。生態的な違いはよくわかっていません。1970年代後半に行われた調査では、淀川水系の茨木市内では沖積平野の水田にアジアが、段丘礫層上の水田にアメリカが分布するという傾向がありました。現在でも同様の分布傾向となっているのか、興味深いところです。