(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月)
モフとは、鳥の皮むきをする時に生じてしまう悲しい物。わかりやすく言えば、取れてしまった羽根のこと。世間一般に通じる言葉とも思えないが、誰が言い出したかは知らない。ともかくモフが生じるのは、鳥の剥製を作るという目的から大いに逸脱するものであるのは間違いなく、モフが山になるというのは、悲しみが山になったに等しいのである。
ところが、ここにキジバトという恐ろしい鳥がいる。何が恐ろしいかというと、キジバトの皮むきをする時、モフの発生を抑えることは極めて困難であり、しばしばモフは山を成すのである。それだけに、キジバトは鳥の皮むきの修行の上で避けては通れない関門なのである。この世界では、キジバトを剥けて一人前という格言すらあるのである(もちろんウソ)。
というわけで、今日は、モフ山対決を行った。ルールは簡単。キジバトを1体ずつ皮むきして、その過程で生じたモフをすべて集めて、その量を競うというもの。もちろんモフが少ない方が勝ち。参加者は4人だった。
優勝は圧勝でW鳥さん、2羽剥いたモフ山ですら2番手より少ないという圧勝ぶり。2位はフッキー(仮称)、3位は不思議ちゃん、4位はフッカー(仮称)であった。1位のW鳥さんには、豪華なバナナが進呈された。
勝敗の分かれ目は、もちろん実力もあるけど、材料選びが大きかったのではないかとも思う。キジバトはすべて窓ガラスに衝突して死んだ個体。その際に怪我をしていたり、羽根が抜けやすくなっている個体もある。さらに言えば、冷凍してあっても、古い死体は少しずつ傷んでいく。フッカー、2003年の死体を選んじゃあダメダメ。
けっして、葉脈に見るではなく、葉脈標本に見る。というか、葉脈標本を作る時に知るとでも言おうか。
ようするに色んな葉っぱの葉脈標本を作ったわけ。水酸化ナトリウムだかでしばらく似てから、歯ブラシで叩いたり、こすったりして葉脈だけを残す。おもしろいのはできた葉脈の色。ウバメガシやヤブツバキなどたいていの葉っぱの葉脈は茶色い。でも、ヒイラギ、ヒイラギナンテン、ナンテン、ヒイラギモクセイの葉脈は黄色かった。推測するに、ツバキ科やブナ科は茶色く、メギ科やモクセイ科は黄色い、と一般化できるに違いない。
ちなみに、メギ科やモクセイ科の3種は、葉脈標本にするのがとっても簡単。ただしヒイラギナンテンだけは、どうしてもうまくできなかった。こちらは系統とは関係ないのか?
近頃、周辺で体長5メートルもの巨大なヤンマを見かける。オニヤンマの100倍ってことか? 遠目にも気になるし、近づいてもやっぱりすごい。でもって、近くで見るに、このサイズのトンボなら、人間くらいなら食べてしまいそうな感じ。
現代にこんな巨大トンボがいなくてよかった。かつてはこんなんが飛びまわっていて、人間くらいの大きさの哺乳類を食べてたんやで、怖いね〜。と、一緒に見ている人に話しかけると、中には信じてくれる人がいるから楽しい。
トンボがこのサイズだと、ヤゴも3メートルはありそう。そんなんが棲んでる池ってとっても危険。たぶん水中の魚だけでは暮らせないので、水辺に来る哺乳類を捕食するに違いない。
昆虫を100倍に引き延ばしてみるだけで、意外なくらい楽しい。そして、妄想が膨らむ。100倍のバッタやアサギマダラもなかなかすごかった。ただ、100倍のノミはせいぜいネズミくらいで、迫力は今ひとつ。あれ? 50倍だったっけ?
イチョウ羽根っていうのは、オシドリの雄の三列風切の一番大きいやつのこと。オシドリの雄を見ると、意味不明のオレンジ色の三角の羽根が、背中にのっている。あれのこと。
鳥の羽根コレクターに、どんな羽根が欲しいか尋ねたら、100人中97人くらいまでは、サンコウチョウの長い尾羽と並んで、オシドリのイチョウ羽根をあげるはず。というくらい、羽根コレクターの垂涎の的のはず。だと思ってた。
鳥の羽根を拾ってきて、パウチして、切って、穴あけて、紐でも付けて、オリジナル栞と称して売り飛ばそうという計画が進行中。昨年は、ドバトの羽根で作ったら評判が悪かったので、今年はハト類以外の羽根を拾ってくるようにとの指令が出ている。
手軽なのは水辺でカモ類の羽根を拾うこと。他にはヒヨドリの羽根や、ちょっとレア物ではコジュケイの羽根が集まった。一人が、一箇所にたくさんの羽根が落ちていた!と言いながら、袋から大量の羽根を取り出す。何かに襲われたんだろうな〜、と思いつつ見ていたら驚いた。イチョウ羽根が2枚出てきたから。襲われたのはオシドリの雄らしい。
イチョウ羽根は多少傷んでいるものの、充分綺麗。でも、拾った本人は何とも思ってないらしい。見ているこっちがやや興奮気味なのをよそに、たくさんの羽根を拾ったことを自慢しているだけ。自慢するのはそこではなく、イチョウ羽根やろ!
うまくやれば、イチョウ羽根をだまし取れたんじゃないかと思うのだが、思わずイチョウ羽根の貴重さを力説。後からやってきた人も、みんなイチョウ羽根を話題にするので、ようやく本人も貴重さに気付いたらしい。最後には1枚は持って帰ってコレクションする気になったらしい。
とはいえ、1枚はオリジナル栞のようなものに化けた。誰が買うんだろう? いくらで売るのが適正なんだろう? たぶん身内が速攻で買うんだろうけど…。
イチョウ羽根に関心のなかった彼は、そのちょっと前に、目玉模様の付いたクジャクの羽を欲しがっていた。なぜイチョウ羽根に反応がなかったのか不思議。
みたいな企画を、バードフェスティバルですることになった。とある行事で毎回出していた鳥の生態に関して考えてくる宿題を、多少改変して作成予定。
問題は、その宿題では必ずしも正解がない問題を出していること。問題は、毎回の解説を聞いてないと、問題文で使っている用語や、そんなことを問われる訳がわからないこと。問題は、記述式なので、検定結果の評価が面倒なこと。
問題はたとえばこんなの。
問題その一.鳥はどうして渡りをするのでしょう?
最大の問題は、そもそも正解のある質問をしていないこと。そのテーマについて考えてきてもらうのが目的やったし。
とりあえず、問題文に補足をつけて、三択形式にして、明らかな間違いの答えを0点とかにして。あとは、10問の合計得点を自分で計算してもらって、合計点に応じた評価表を見て楽しんでもらうってところか。
将来発展させて、本当に検定試験にしてみたりして。
今日は休みの日。昼前までゴロゴロしてから、仕事場へ。そこで思い出す。今日は停電だった(ウソ。停電なのは知っていた。でも、全館停電だったと気付いたのは昨夜。それでもどうせ昼過ぎには停電は終わるだろうと思っていた)。仕方がないので、電気のいらない仕事をする。
植物園での調査、郵便局へ行く、剥いたタヌキの毛皮の処理、生ゴミを埋める。仕事がなくなった。
電気というか、コンピュータなしにできる仕事が極めて少ないことを実感。電気がなくてもホネホネ団的な作業は可能。閑だから鳥の皮むきでもしようかな、と思っていたら新館部分の電気が復活。新館にコンピュータを持ち込んで、仕事を始める。今度は、ネットやLANが使えないのが不便。
結局、停電が完全に復旧したのは、午後5時頃。電気ってありがたい。そして、停電の時は、フィールドにでかけるに限るな〜。
鳥の皮を剥いているところの画像を用意せよとのお達しがあった。とは言うものの、自分で皮を剥いている場面を、自分で撮影するのは至難の業。この世でもっとも信頼できるカメラマンに、撮影を依頼した。依頼内容はかくの通り。
「一連の画像を見て、サルでも鳥の皮むきができるように撮影すべし」
今日、撮影された画像を見てみた。むむむ。鳥の中身は全部赤くって、何を撮しているかわかるのは、鳥の皮むきがよーくわかっている人だけ。サルどころか、自分で見ても何をしているシーンか、よーく考えないとわからない〜。これは企画自体に問題があったのかもしれない。ただ…
たしかに決定的瞬間は、一瞬で終わるから撮影も大変だっただろう。しかしピントが合ってなかったり、ぶれたりしてるのが多すぎる。 オートフォーカスで手ぶれ補正付きなのに! というわけで、今週末にもう一度やり直し。
最初に残念なお知らせをしなくてはならない。はずれのドリアンだったのだ。経験者に言わせると、まだ充分熟してないらしい。もう少し待ってから食べたらよかったのかもしれない。でも、割ってみる前に、外側の匂いを嗅いだところでは、メロンのような甘い匂いがしてたんだから仕方がない。
で、初めてのドリアンのお味は。ほとんど甘くなかった。味はあんまりしなくて、ガス臭いタマネギのような臭いがした。ただ噂に聞いていたような、耐えられない臭さではなかった。まあ、その直前まで、周囲からはアライグマやタヌキの臭いがしていて、手元からは腐った鳥の内臓の臭いがしていたわけで、鼻が麻痺していた可能性も否定はできない。ただ、もし臭いはあの程度のままで、甘い味と香りが上乗せされるなら、充分おいしいと感じられそうに思った。
とはいうものの、今回食べたドリアンはまずかった。タマネギ臭ばかりで甘くないんだから。当たりのドリアンを食べた経験のある人は、本当のドリアンは、もっと甘くてトロっとしていてうまい、とドリアンの肩を持つ発言をしていた。おもしろいのは、今まではずれのドリアンばかりしか食べたことのない人の意見。今まで食べたドリアンの中で一番食べやすかったそうだ。どうやら、これよりまずいドリアンも存在するらしい。ドリアンは奥が深い。
少なくともうまいと言った人はいなかった今日のドリアン。やっぱり1/5くらい残ってしまった。鳥や哺乳類の死体の処理も一段落。一息ついていると、部屋の中がタマネギ臭い。嗅覚が復活してきたのかもしれない。
なるほど、ドリアンは臭い。一緒の飛行機には乗りたくないかも。とりあえず、冷蔵庫にでも入れておこう。
昨日は、一日だけ松山に行った。昼間は愛媛大学をウロウロして、学食で昼食。夕方から道後温泉の温泉宿に移動。温泉宿で夕食を食べて、温泉には入らず(温泉あんまり好きやないし)、宿泊もせず(夜の内に帰路につく予定を組んでしまったので)、30分ほどの発表して帰ってきた。夜行バスは寝苦しい。
正直この30分だけのために松山まで行ったようなもんであった。発表の出来映えは、さっぱりわからんけど(総合討論の途中で帰ったし)、今までできてなかったデータが処理できたのは大きい。こんな機会でもないとデータはたまる一方だったりする。
他の人の話も少しは聞けた。シジュウカラがトウネズミモチの果実を食べるというのは知らなかった。ってことは、当然種子散布に貢献するってことになる。驚いた。
ウミネコがタブの種子散布をするとかしないとか言う話を聞いた。ユリカモメはクスノキの果実を食べるので、ウミネコがタブの果実を食べてもおかしくないような気がする。もしそんな観察をしたらお知らせを。
来年は、3月14〜18日に福岡で会いましょう。来年はフル参加できればいいけど、たぶん難しいだろうな〜。
台湾の知り合いが送ってくれた。というか、日本に行く知り合いに言付けてくれて、それをまた日本の共通の知り合いに言付けてくれて、それを受け取って。と、まるで怪しい物を密輸してるかのような展開をして手元に届いた。
入手経路は怪しげだが、中身は怪しくない。出版は、台湾の行政院農業委員会林務局。最初の1/6は、陸貝の形態・生態・系統などの解説。残りは台湾の陸貝図鑑になっている。台湾には250種以上の陸貝がいるらしいが、どうもその大部分が載っているらしい。らしいというのは、当然ながらすべて中国語で、繁体字が並んでいるわけで、意味が半分くらいしかわからないため。掲載種数を数えたらいいんだろうけど面倒…。
図鑑としてちょっと面白いのは、種の説明と同じくらいのスペースを属の説明に割いていること。でも、科の説明にはあまり力が入っている様子がない。
図鑑パートに関しては、貝殻の写真だけでなく、けっこう生態写真も載っているのが楽しい。蘭峡光澤蝸牛は、白い貝に、白い軟体部、角が細長くてとても綺麗。高腰蝸牛類も軟体部が白くて綺麗な〜。台湾青山蝸牛は、殻が緑色で、角が長くて綺麗。てな具合に、軟体部も楽しめる。
対馬に行ったらツシマナメクジを見なくては行けないが、台湾に行ったら、高腰蝸牛類や青山蝸牛類あたりを見ておきたいところ。
しばらく部屋を空けて、戻ってみると、机の上が楽しくなっていた。ヒトデやタコやヤドカリや貝が並んでいる。近場の海岸では見かけないような物ばかり。
ヤドカリが入っているのは、クマサカガイの仲間の貝だった。貝殻に二枚貝の殻とかをくっつける変なグループ。「日本近海産貝類図鑑」をながめると、日本産として10種載っている。各種が殻に何を付けるかについての記載が、とってもおもしろい。
・クマサカガイ:表面に貝殻や小石を付着させる。
・ホンクマサカガイ:殻表にはヒヨクガイの殻を主に、そのほかの貝殻を密に付着し、殻の地肌は表面からほとんど見えない。
・シワクマサカガイ:石灰藻に覆われた小石を付着させ、貝殻をつけることはほとんどない。
・チリメンクマサカガイ:(付着物についての記載なし)
・ウスクマサカガイ:付着物は小型で少数。
・クルマクマサカガイ:付着物は密。
・セブチリメンクマサカガイ:斜めに走るうねはかなり規則的で付着物もほぼ等間隔になる傾向がつよいく貝殻よりもレキが多い。
・オオクマサカガイ:キヌガサガイに似るが、殻頂部ばかりでなく、螺層の縫合部から体表の周縁に沿って殻や小石をつける。
・ダイオウキヌガサ:表面は螺層の縫合線状に沿って貝殻や小石をつけ、体層部では周縁に付着。
・キヌガサガイ:殻頂にわずかに砂粒が付着する。
貝殻に何がどのように付いてるかは、重要な分類形質らしい。でも、クマサカガイくん達は、成長しながら自分で周囲にあるものを選んで、貝殻に付けていくわけ。これを分類形質にするってことは、行動様式を分類形質に使っているに等しい。場合によっては、生息環境をも含んだ形質のはず。そんな形質を分類形質にするのか〜。と驚いた。
キヌガサガイが、みんな殻に貝を付けてないから自分も付けんとことするのか。それとも、ちょっとお洒落に目覚めて、貝殻をいっぱい付けてみるのかは、自由じゃないのか? でも、妙におしゃれなキヌガサガイは、オオクマサカガイと呼ばれるわけ。
個体差以外にも、地理的変異、生息環境による違いはないんだろうか? 個体差や地理的変異は、その変異幅を押さえればいいんだろうけど、環境の影響(もしかしたら学習効果?)とかがあったら困らない?
鳥で言えば、巣の材料や形で分類してるようなもの。拡張された表現型だなぁ。鳥の分類では聞いた事がないな〜(あったら、タイプ標本に巣を残す事になるのかな?)。というわけで、貝屋にとっては当たり前のようだが、鳥屋的には驚きの事実であった。
堺市のとある池。島があって随分以前からサギのコロニーがあった。アオサギ、コサギ、ゴイサギが繁殖し、少数ながらダイサギも混じったりした。そこでカワウが繁殖するようになったのは2003年から。
サギのコロニーがあった頃から、コロニーのある島の木は枯れ始めていた。枯れた木が倒れて、日当たりがよくなったところにクズなどが繁茂していた。しかし、カワウが繁殖を始めると風景は一転。あっという間に木はすべて枯れたし、地面は白くなり、草すら生えなくなった。恐るべしカワウ。
最初の内、木の高いところをカワウが占拠し、サギ類は下の方で営巣していたのだが、カワウがだんだん下まで進出してきて、今では地上で営巣しているカワウも少なくない。
島での繁殖もそろそろ飽和状態。と思っていたら、昨年から池の南岸にあるこんもりした林でも少数のカワウが営巣をするようになった。先月、今年も南岸の林にカワウがいるな〜、とは思っていた。でも、今日見てびっくり。
その南岸の林が真っ白になっていて、すでにかなりの数の木が枯れているらしい。先月はこんなにひどくなかったし。あっという間にカワウは木を枯らすんだな〜。ちなみに池で繁殖しているカワウの約1/3が、この南岸の林に営巣していた。すべての木が枯れるのも時間の問題か。カワウが目の敵にされる理由もわかるような気がした。
さて、今日は堺市の大泉緑地にあるため池も見に行った。ここで一番大きな池にも島があって、微妙に木が生えている。今日、その島を見てみると、カワウがたくさんいて、1羽が地上に座り込んで、翼を上げたり下げたり動かしている。あれって、つがい相手を巣場所に誘うような行動のはず。ここでもカワウが繁殖を始めるんだろうか?
将来的には、あっちの池でもこっちの池でも木を枯らしては引っ越し、を繰り返して、あたりの池周辺の木を全部枯らしてくれるんだろうか? それとも全部枯らす前に、いったん枯れた木が再生するんだろうか? あるいは、木が枯れてもカワウは引っ越しせずに、上野の不忍池状態になるんだろうか?
ともかく、カワウの状況はまだまだ目が離せないらしい。
キジバトとのおつきあいは長く、約20年にもなる。最初の数年は、ものすごく深いおつきあいをしていたのだが、ここ10年ほどは、死体を拾って皮を剥く程度。キジバトの皮むきをすると、そのうに大抵食べた物が入っている。キジバトの死体は入手しやすいので、そのう内容物をチェックする機会も多い。当然ながら、キジバトが何を食べているかについては詳しいつもりでいた。
多くのキジバトが食べているのは、植物の果実や種子。あとは植物の芽や花。けっこう小石も入っている。これでほぼすべて。まれに小さい陸貝が入っているけど、間違えて呑み込んだんだろうな。と思っていた。
今日、キジバトのそのうから、小さな淡水巻き貝がたくさん出てきたという話を教えてもらった。とってもびっくり。ふだんキジバトが採食してる場所に、そんな貝がたくさんいるわけがなく。量から言っても間違って食べたわけもなく。わざわざ貝を食べるキジバトがいたってことになる。
種子を砕いて消化できるんだから、小さな巻き貝くらい消化できるだろう。消化できるだろうけど、狙って食べることがあるとは思わなかった。これからは、水辺で何か食べてるキジバトがいたら、少し注目してみよう。
近頃、意味もなく胸が苦しいような…。そう、まるで失恋したかのような。そういえば食欲もあまりない気がする。いろいろとやらなくてはならない事もあるし、アレとかアレとかストレスのかかるのもあるけど、いま一番の心配の原因はやっぱりバードフェス。
大阪バードフェスティバルは、大阪自然史フェスティバルの鳥版。鳥に興味がなくてもきっと楽しいから、ぜひ来て下さい。
■日時:4月14〜15日 午前9時半〜午後5時
■場所:大阪市立自然史博物館
宣伝はさておき、いよいよ4週間後にせまってきた。出展団体はそれなりに色んな楽しげな団体が集まってくれたし(市民団体が44、企業が13,合計57団体が出展!)。ポスターやチラシの配布も一段落。ブースの配置も決まったし。あと大きな作業は、会場の設営と当日の運営だけ。山場は越えた感じ。
それなのに、今からが一番ストレスがかかる。たぶん前日まで(当日はそんな余裕はないので)。雨が降ったら困るなー。お客さんは来てくれるかなー。会場ですっごいトラブルが起こったりして。考えても仕方がないんだけど。
考えても仕方がないから、事務局の作業ではなく、出展の準備をそろそろ始めようと思う。展示に多少なりとも関わる団体が、実は7団体もある。
◆プロジェクトY:展示はNさんにお任せ。クラフトの材料を集めないと! 今日、かぶりものが一部完成してきた。一つは羽根を取り付け予定。もう一つはこれから色塗り。さらにもう一つ格好いいのを追加か?! かぶりものが一番進んでいるな〜。
◆大阪鳥類研究グループ:ポスター発表3枚分を作らないと。あとはどうしよう? Uさんに押しつけるとか??
◆大阪焼き鳥友の会:大阪アヒルについて調べて、あとは押しつけたらいいのかな?
◆大阪市立自然史博物館友の会:フィールドセミナーでどんな展示を作るかをこれから考える。でも、展示がなくてもその他の企画で充分楽しそうなんですけどノ。展示いる〜?
◆友の会読書サークルBooks:配布資料の原稿のテキスト部分は完成。Mさん、絵は描けましたか? 展示物はお任せに近いので忘れよう。本を集めておいた方がいいかも。
◆ジュニア自然史クラブ:これは販売物を作ればいいのかな? とりあえず羽根集め。展示はどうしよう?
◆なにわホネホネ団:完全に団長任せ。とりあえず鳥の骨をとりそろえるの?
これはほとんど、備忘録と業務連絡。
昨年の夏まで、大和川水系の生物相の調査をしていた。その中で、カヤネズミの分布調査をけっこう熱心にがんばった。河川敷、山際、田畑の周辺、それっぽい場所では必ずカヤネズミを探していた。そんな中で気になっていたのが、岩湧山の山頂部。
岩湧山の山頂部は、カヤ場と呼ばれる草原になっている。ススキがかなり生えている。これが河川敷や山際にあれば、ぜったいカヤネズミがいる、という雰囲気。だから、調べないといけないな〜、とは思ってた。
でもね。岩湧山に登るのはけんこうしんどい。岩湧寺からはとっても急な登り(そもそも岩湧寺にいくのが面倒)。東からだと尾根づたいにアップダウンを繰り返す。自分的には、大阪で登りたくない山No.1に近い。さらに言えば、大和川水系の調査は基本的に水物中心。岩湧山に登ってもカヤネズミがいなければ、まるで無駄みたいな気がすることになる(もちろんいないという情報が得られるのは重要だが、ついでに他にも何か調査成果がほしいところ)。
などと、思って後回しにしている内に、時間切れ。結局、岩湧山の山頂にカヤネズミがいるかどうかは謎のままに残った。
先日、大阪変形菌おっかけ隊の隊長さんから電話があり、岩湧山の山頂のカヤ場でカヤネズミの巣を見つけたという。今日は、それを持ってきてくださった。ほんまにカヤネズミの巣だった。
やっぱりいたのか〜。どうせなら、去年見つけて持ってきてくれてたらよかったのに〜。と厚かましい事を思わなくもなかったりして。
ところで、こうした山頂部の草原でカヤネズミの巣が見つかるのは珍しいんだろうか? 珍しいなら短くていいから報告を書いてもらわなくては。
今日は寒かった。でも、畑周辺ではヒバリがけっこう囀っていた。と思ったら、ヒバリのようで少し違うような妙な声がする。何かな?と思って、見てみると、フェンスの上にモズがいた。
メスの前で、オスが踊っているみたい。尾羽を上げて、首も上げて。尾と頭を左右に動かしている。求愛ディスプレイなんだろう。
メスは少し嫌そうにしながらも、逃げない。その前で、オスが熱心に首を右に向け、左に向け。かなり変。と思ってみてたら、メスが飛んでいった。オスも少し遅れて飛び去る。入れ替わってハシボソガラスがやってきた。
カラスが、モズの求愛を邪魔したかっこう。カラスも、オスの変な様子が気になったのかも。
箱が届いた。誰宛か書いてなかった。が、妙に臭い。それだけの理由で、おまえ宛やろうと言われた。失礼な! と思いつつ開けてみたら、やっぱり自分宛であった。
出てきたのはキツネの皮。お手紙が付いてあった。
「なにわ骨々団様
…(略)…
今回、自分たちできつねを(略)解剖したのですが、皮をなめすのは手に余るという事でなにわ骨々団様に送ろうという声が上がり…(以下省略)」
なにわホネホネ団も有名になったもんだ。そして、困った時にせよ、思い出してもらえるとはありがたい事だ。それにしても高校生諸君。
・なにわ骨々団ではなく、なにわホネホネ団である。
・皮を受け取るのはいいけれど、いつ、どこで採集したかというデータを付けて送るように。
・その際には、外に臭いがもれないように、もっと厳重につつんでおくように。
・そんでもって、こうした連絡がしやすいように、メールアドレスを付けておいてくれー!
手紙で問いあわせるのか〜。これ見てメールをくれないかな?
四季それぞれに自然界ではさまざまな音がする。たとえば、里山を考えてみる。とりあえず人間が出す音は除く。昼と夜を分けてみる。さて、どんな音がするだろう。
要するに、里山の四季?昼夜=8パターンを自然の音で示すとしたら何を選ぼう? って話。昼はまあいいか、ってことで夜を考えてみる。
春の夜は、夜に鳴く鳥がいいな〜。ホトトギスとか、フクロウとか? まあカエルが鳴いてもいいけど。
夏の夜は、やっぱりカエルの鳴き声が中心かな?
秋の夜といえば、シカの鳴き声で決まり!
で、問題は冬の夜。冬の夜に鳴く動物って? 冬には限らないけど、ムササビの声はどうかな〜?
何枚あるか知ってるかな? 初列風切が10枚、次列風切+三列風切が9枚なんてのは常識。尾羽が14枚って知ってたら、けっこう通な感じ。でも、そんな一部の話ではなく、体全体で羽根が何枚あるか知ってるかな?
台湾の友達が、メールをくれた。南投県にある特有生物研究保育中心という場所にある展示の画像が付けてあった。トラツグミまるまる1羽の羽根をむしって、おおまかな部位ごとに分けて、並べて、貼ってある。そして、枚数が記してある。体中全部合わせて、3088枚あったらしい。
暇〜、と思いつつも、すごい。見栄えはするようで、しないような。努力した割りには、たいしたことないような。自分でやる気にはなかなかならないけど、実際やったことはないけど、その数字は参考になる。
ちなみに全体の羽根の枚数の約1/3は、頭部の羽根。小さい羽根が、うじゃーと並んでいる。全部抜いて並べるには、すごい根気が要りそう。
特有生物研究保育中心は、
http://www.tesri.gov.tw/
こんなところらしい。行く機会があれば、実物を見てきてね。と、勝手に努力の結果を紹介するだけでなく、宣伝もしておくことに。友達の友達は、友達だろうから。
羽根を2〜3枚用意する。根元を輪ゴムでとめる。それを
投げ上げるだけ。うまくいくとクルクルと回って落ちてくる。なかなか綺麗。
羽根が大きい方が迫力はある。そして、投げ上げやすい。でも、すぐに落ちてくる。あまり回らない。
羽根が小さいと軽くて、あまり投げられない。でも、クルクルとよく回って綺麗。
重りを付けると、投げ上げるのにはいいけど、落ちてくるのが早くなってしまう。クルクル回る時間も短くなる。
こっちをたてると、あっちがたたず。なかなかに難しい。羽子板の羽根も、それなりの試行錯誤の末に、あの重さ、あの羽根の大きさに落ち着いたんだろうな、と思う。
結局、投げ上げるのはやめて、高いところから落とす方がよさそう。羽根の大きさと重さ次第で、回り方はいろいろ。軽めで大きめの羽根に、重しを付けないのが一番綺麗だと思う。それでも、羽根の向きの調整次第で、回り方はいろいろ。回らずに空中をすべるように落ちてくる事もある。意外にも奥が深い。
とまあ、とあるイベントでの企画を検討した。とりあえず、手頃な大きさの羽根をたくさん集めなくては。
4月14-15日にはバードフェスティバルがある。やはりプロジェクトYは、かぶりものを用意するらしい。今日、その試作品が登場した。まだ真っ白。お椀のようなのをかぶると、上に鳥の首から上が乗ってる感じ。遠目に見ると、不思議な兜をかぶった兵隊さんのような。
二つの試作品の内、片方は、小さめでギューギュー押し込んでようやくかぶれた。おじぎをして落ちないという意味ではちょうどの大きさ。もう一つは大きすぎて、ブカブカ。
と思っていたら、Mさんがやってきた。大きい方をかぶせてみる。大きさはピッタリ。でもものすごく似合わない。
今度はNさんにかぶせてみる。やっぱり大きい方。大きさはピッタリ。そして、ものすごくよく似合う。まるでこのかぶり物のために生まれてきたと言っても過言ではないだろう。
Sさん、Tさん、Iさん、その辺をうろついてる奴に片っ端からかぶせてみる。みんな大きい方。Nさんよりも似合う奴はいない。そしてMさんよりも似合わない奴もいない。
小さい頃から、自分は頭が大きい方だと思っていたけど。今日判明したところによると、この辺りでは頭が小さい方らしい。
もちろん小さい方のかぶり物は、とっても似合ってた(たぶん)。フェスティバルでは、これをかぶってウロウロしてるはずなので、よろしくね(ウソ)。
今日はなぜか海の哺乳類のお勉強。次の漢字を読め。
・海豚
・海象
・海驢
・海狗
・海禿
・海豹
・海獺
・海狸
海豚は多くの人が読めそう。鰭脚類がいろいろ出てきて楽しい。海獺は、なんとなくわかるよね。なっとくがいかないのは、海狸。なにか根本的な勘違いがあると思う。
他にも海の哺乳類を、海+漢字一文字で表すのがあったら、ぜひお知らせを。
とある事情で、鳥編の漢字を調べる。なぜか知らないけど、タカ類とアトリ類の鳥には鳥編の漢字の種類が多い。
・タカ科:鶚(ミサゴ)、鵄・鳶(トビ)、鷲・?(ワシ)、鷹(タカ)、?(ノスリ)、?(サシバ)、鷂(チュウヒ)、鶻(ハヤブサ)
・アトリ科:鶸(ヒワ)、?(イスカ)、鷽(ウソ)、?・鵤(イカル)、?(シメ)
※?になっている漢字は、残念ながら表示してくれなかった。辞書で引いてみてね〜。
漢字を分けてまで区別をするということは、よほど(少なくとも昔の中国の人たちは)関心があったグループということだろう。
考えてみれば、日本語にしても、この2つのグループについては、グループ内の鳥を表す単語の種類が豊富。ほとんど属ごとに別の単語があるといってもいいくらい。
そういえば、英語でも、この2つのグループのそれぞれの鳥には、まったく別の単語がある場合が多い。
どうやら、この2つのグループには多くの民族の関心を引きつける特質があるらしい。タカ類はなんとなくわかるけど、アトリ類は? 昔からの飼い鳥ってことかな〜?
シジミがたくさんいる水路に行った。幅50cm、深さ30cm程度の浅くて小さな水路のほんの3mほどの区間だが、どしゃーとシジミがいる。試しに10cm?10cmの区画のシジミを全部採集して、生きた個体を数えてみた。155個体もいた。大きな個体は数個だけで、あとは同じような大きさの小ぶりの個体。同じコホートが大量にいるんだろうか?
浅い水路に生きたシジミがたくさんいるので、生きたシジミの様子をゆっくり観察するのに最適。ぽかぽかと日当たりもよく、とても気持ちがいい。
巻き貝と二枚貝と言えば、巻き貝の方が活動的で、二枚貝は転がったり埋まったりしてるだけと思ってたけど、ぜんぜん違った。シジミ君たちは、あっちでもこっちでも水管を突き出していて、けっこう頻繁にプハーと息を吐き出す。合わせて泥が舞い上がるので、プハーが目に見える。あっちでもプハー、こっちでもプハー。
その上、けっこう動く。ごそごそ身動きしたり、下に潜り込もうとしたり。
さらにシジミ君たちの間では、他のさまざまな動物が動き回っている。ミズムシ、ヌマエビの一種、カワゲラの仲間が行ったり来たりしている。普段は引っ付いているだけのトビケラの仲間も、家を背負って動き回る。他にも、ヨシノボリの類、ヒル類、なんかわからん赤い細長いものなど、かなりにぎやか。
その中でも注目は、ホタルの幼虫。どうやらシジミを食べているらしい。最初はシジミに頭を突っ込んでいるのが発見された。つまみ上げたら、シジミがふたを閉じてしまい。貝に挟まっていた。よく探すと、シジミに頭を突っ込んだホタルの幼虫があっちでもこっちでも見つかった。巻き貝だけでなく、二枚貝を食べるとは知らなかった。ある程度食べてシジミが死ぬか弱るかしたら大丈夫だが、最初の内はシジミに挟まれる危険性がかなりあるような気がする。それともシジミを麻酔する、といった高度な技があるんだろうか?
ふと気付くと、シジミを1時間半もながめていた。
今年も机の上に、オタマジャクシの入った瓶が並ぶ季節になった。例年なら、自分であちこちに行って採ってくるのだが、今年はあまり出かける余裕がない。それでも、一緒に調査しているみなさんから次々とオタマジャクシや卵が集まってくる。
今日も卵を届けて下さった。必要最小限だけでいいのだが、ペットボトルに大量に入っている。100個くらいあるやん! そんなに大量にいらないので、必要最小限だけ受け取って、残りは元の場所に戻してもらう事にした。わざわざ朝に出かけて採集して、届けてくださったのに、とっても申し訳ない。とはいえ、不必要に殺したくはないので、また面倒をお願いしてしまった。
オタマジャクシを集めているのは、アカガエルの分布調査のため。ニホンアカガエルとヤマアカガエルの分布図を作成したいのだが、卵塊は見つかっても、その周辺で親カエルを見つけるのはけっこう難しかったりする。卵塊で見分けられるとはいえ、それなりに慣れはいるし、卵塊の状況次第では判断が難しかったりする。というわけで、オタマジャクシで確認しようというわけ。分布の証拠標本にもなるので一石二鳥。
そういえば、先日、オタマジャクシでカエルが見分けられるんですね!と誉められた。誉められると辛いな〜。なんせこの時期のアカガエル類2種のオタマジャクシが区別できるだけで、一般的にはオタマジャクシはさっぱりわからないし。
たぶんヤマアカガエルのオタマジャクシが5月にいたら、何カエルがわからないと思う。歯列を見る以外の方法で、確実に簡単にオタマジャクシが見分けられる。そんな図鑑があればいいな〜。
むかーし編集した冊子の原稿が必要ということになった。最終稿、できればそのデジタルデータが欲しい。とりあえず、編集した時の紙の束を探してみる。
今までにけっこういろんな編集作業をやってきたもんだ。というくらい、過去の編集作業の遺物が続々と発掘される。懐かしいな〜、と言ってるといつまで経っても終わらないので、中身を確認したらすぐ次に行く。過去の編集の遺物は、たくさん見つかったが、お目当ての物だけ見つからない。
仕方がないので、発掘場所を変えてみる。今度は過去の査読の遺物が次々と発掘される。いろいろと査読して、悪口ばかり書いてきたんだな〜、と言ってるといつまで経っても終わらないので、中身を確認したらすぐ次に行く。やっぱり失せ物は出てこない。
また、発掘場所を変えてみる。次々とノが発掘され、ノだな〜、と言ってるといつまで経っても終わらないので、以下同文。
結局のところ、失せ物は見つからなかった。書類の山のほとんどすべて発掘したけど、失せ物だけが見つからなかった気がする。おかげで、書類の山は大幅に片づいた。かさは変わってないけど、整然と並ぶと、整理されたような気になるから不思議。
カウンターもたくさん見つかった。なぜかティッシュもたくさん見つかった。
今日聞いた話を独断でまとめると、ポイントは3つ。
・草を生やすべからず
裸地で営巣するコアジサシの事なんだから当たり前。でも言うや易く行うは難し。うかつに土や砂みたいなものを敷くと、草はすぐに生えてくる。最初の年はいいけれど、翌年からは草との闘い。最初はがんばれても、ずっとがんばるのは難しい。最初から草が生えないようにしておくのが理想的。
欧米では、何十年も建物の屋上にコアジサシのコロニーが続いていたりするそうな。草問題をどうやってクリアしているのか知りたいところ。
・カラスに見つかるべからず。
市街地周辺で、最強の巣の捕食者はカラスと言っても言い過ぎではないくらい。当然ながら、カラス対策は重要。重要だけど、一度見つかると対策はなかなか難しい。
カラス以外でも、ネコ、イタチ、アオダイショウ、ネズミなど、捕食者候補はたくさん。そして意外と手強いのがチョウゲンボウだとか。15分おきにヒナを捕食してコロニーを壊滅させたという話を聞かされたが、本当だろうか? いずれにせよ、チョウゲンボウに注意するのは関東の話。関西では、チョウゲンボウが繁殖してたら、その方が珍しいので、保護したくなるかも。
・飽きっぽいコアジサシに要注意
本来、不安定な環境で営巣するコアジサシは、数年で営巣場所を移動させる習慣があるらしい。営巣場所がなくなるから移動するならよくわかるが、営巣場所の条件が変わってなくても数年経つといなくなってしまう、という話がある。これ自体、まだ仮説以前の段階だが、本当ならおもしろい。そして、本当ならコアジサシの飽きっぽさこそが、コアジサシの繁殖地を誘致する際の最大の関門になるかも。なんせ苦労して誘致しても、2〜3年でいなくなってしまうんじゃね〜。
というわけで、もう少しコアジサシ誘致のノウハウがたまるまで、誘致活動に乗り出すのは見合わせよう。というのが、今日の最大の結論かも。
ネタもとはリトルターン・プロジェクト。詳しくは、http://tonet.com/metro-npo/littletern/
ポーチに出て、観察会が始まるのを待っていた。観察会には関係のないカメラを持ったおじさん二人が鳥の話をしている。なんとはなしに耳に入ってくる。昨日と一昨日は、カワセミの交尾が観察されたらしい。昨日は、カワセミが水抜き穴に出入りしていたらしい。
ええー、それってカワセミがここで繁殖しそうってことやん! とたんに熱心に聞き耳をたてはじめる。しかし、おじさんは、どこの水抜き穴なのか教えてくれない。尋ねればいいようなものなのだが、人見知りを自認している者としては、おいそれと尋ねるわけにもいかない。
そのうちに、おじさん達は立ち去り、観察会が始まった。
おじさん達がいうように、観察会では盛んにカワセミが観察される。行ったり来たりしているといっていいだろう。見れはするけど、近くにとまってくれないのが、ちょっと不満。
観察会もそろそろ終わりかな、という頃合い、またしてもカワセミが見つかる。またしても対岸の岸際の木の枝と、遠い。でも、今回のカワセミはずっと同じような場所にとまっていてくれて、みんなでゆっくり観察することができた。カワセミがとまっている枝の近くに、そういえば水抜き穴があるな。と思ってたら、カワセミがその穴に飛び込んだ。あれがその水抜き穴か! その時はすぐに出てきたけど、何度か出入りを繰り返していた。
繁殖するのかもしれない。これから産卵とすると、3月末か4月頭頃にヒナがでてくるかも。その前に、餌を運ぶ姿が見られるかも。
というわけで、その水抜き穴をまた見つけられるように、覚えておこう。
そういえば大阪でコノハズクの繁殖記録ってあったっけ? と思って、いくつか可能性のある場所の、調査報告書の類をながめる。一押しは、箕面。『箕面川ダム自然環境の保全と回復に関する調査研究』(1977年 大阪府)という文献によると、昔の箕面はよかったらしい。注目の部分を抜き出してみる。
「ブッポウソウ、サンコウチョウ、ミゾゴイなどの繁殖がみられなくなったことは淋しい限りである」
ブッポウソウが繁殖してたんかい! ミゾゴイも今でも繁殖してないな〜。でも、サンコウチョウは復活した。
「ミゾゴイ …過去には落合谷附近で繁殖するものがいたが、近年は観察していない」
「ミサゴ …箕面滝附近に営巣して餌を運ぶ姿を観察できたが、近年は見られない」
ほー、あんなところで繁殖してたのか〜。
「コジュケイ …近年のはげしい環境の変化のため減少の傾向にある」
当時から減少傾向だったらしい。
「アカゲラ 留鳥として生息し、高山、三国峠、滝安寺、勝尾寺附近などで観察できるが近年非常に少なくなった。アオゲラよりも少ない」
アオゲラよりもどころか、近年大阪で繁殖記録はないし。
で、結局、大阪でのコノハズクの繁殖例は見つからなかった。
ちょっと短すぎるというクレームをよく耳にしつつ、2月が終わってしまった。3月の最初の山場は、日曜に迫ったとあるサークルの総会。ちょっとした話題提供の準備、会報の発行、総会資料の作成と、準備作業はけっこう盛りだくさん。なかでも毎年ドキドキするのは、会計の締め。端的にいうと、手元にあるお金の額と、帳簿の額が合わないのだ。
ということで、今日はサークル会計の締めをした。ドキドキしながら、手元のお金を数える。今年もやはり合わない。例年通り、手元には予定より多くの金がある。足らないわけじゃないので、いいじゃないか〜。という気もするものの、毎回の事ながら釈然としない。せいぜい2万円程度の出入りしかないのに、2千円近くズレているのは、ズレ過ぎではないのか? 昨年は1万円以上ズレていたのだが…。
このサークルもこの3月でちょうど10周年。つまり会計の締めを10回やったわけだが、その中で帳簿と手元の金額が一致していたのは2回だけ…。なんでだろ? 最初の内は、原因を考えていたのだが、もう考えなくなってしまった。考えてもわからないし。
一つだけはっきりしているのは、会計担当に向いていないということらしい。いや、毎回、手元の金の方が多いのだから、サークル的には問題がないと言えなくもない。差額は寄付という形でサークルの会計に組み入れてしまうので、むしろサークル的にはプラスという見方もあるかもしれない。とりあえずそう考えておこう。
とある会議に出席した。なんか資料の中に分布図が示されてる。知らない情報が含まれてるので、たいへん興味深くながめる。知らないくらい昔に実施した調査なのかと思ったら、さほど古くもないらしい(とはいえ就職前ではあるが)。こんな調査が行われていたとは知らなかったな〜。と、情報収集の甘さを少し反省した。
しばらくしてから、その分布図が載せられている文献のタイトルを見せられて唖然とする。昆虫類等の生息調査の結果なんだって。”等”に含まれているのは、クモやムカデなどの節足動物かと思いきやさにあらず、両生類。そんなん気付くわけないし。己の甘さを反省するのはやめて、文献のタイトルを付けた奴の非常識さを非難することにした。
文献のタイトルは、後々の利用者に内容がわかりやすいように、よく考えて付けておこうね、という話。
先日、とある小学生との会話。なあなあ土日って休みなん? いいや、ほとんどの土日は仕事。ほら今日も仕事してるやん(どうやら今日は一緒に遊びに来てると思ってたらしい)。ほんだら、いつ休みなん? あんまり休みはないけど、月曜日が一番休みやすいかな〜。
というわけで、月曜日が休みの日ってことが多いのだが、実際には丸々一日休んでる事は少ない。じゃあどんな月曜日が多いかと考えてみた。
◆よくある月曜日1:調査に行かなきゃ。というわけで、調査に行く。朝は遅めに出たりするけど。調査から早めに帰ってきたら、あとは職場で夜遅くまで仕事。
◆よくある月曜日2:今日は休みだからゆっくりしよう。と、昼まで寝る。起きたら、職場に行って、夜遅くまで仕事。結局8時間以上は働いてたりする。
◆けっこうある月曜日:朝から普通に仕事。
◆まれにある月曜日:風邪をひくかなんかして一日寝込む。
◆滅多にない月曜日:風邪をひいてないのに一日寝てる、あるいは一日中、本を読んでる。
ようするに基本は、仕事か調査で、まれに寝込んだり寝てたりするわけ。丸一日、仕事を離れて出かけることはないのかと言えば、ないのである。こうしてみると、プライベートはきわめてインドアであることがわかる(アウトドアはイコール仕事なので)。
さて、昨日はほぼ一日寝てた。寒気と吐き気と頭痛がしたから風邪に違いない。残念ながら、一日寝たら治ってしまう。
花に来る鳥の話をしながら、ツバキやサザンカなどを観察。ついでにツバキの花の中にいるキリガの幼虫を見せてもらった。大きなツバキの花は、栄養豊富そうだし、けっこう量もある。そこで育つことを思いつく昆虫がいるのもうなずける。が、教えてもらうまでは思いつきもしなかった。
開ききっていないツバキのつぼみの中を見ると、けっこう大きな幼虫が入っている。外側には幼虫が入ったとおぼしき穴が開いている。
ツバキの花にやってくるメジロの目的は、たぶん蜜や花粉。ヒヨドリならさらに花びらやおしべも食べる。どちらもガの幼虫を見つけたら、喜んで食べるに違いない。
ということは、キリガ的には、鳥たちに見つからないようにするのが、一番の重大事のはず。何より、つぼみが開かないようにするのが肝心。のはずなんだけど、確かに完全に開花している花にはガの幼虫は見あたらないけど、開きかけか、半ば開いた花の中にキリガがいたりする。これではヒヨドリなんかには見つかるような気がするけど…。
花の中で幼虫時代をすごす昆虫って他にもいるのかな? とりあえずサザンカの花ものぞいてみよう。
自然関連の本について、あれやこれや話題にする集まりがあった。お菓子をつまみながらの気軽な集まり。今日はドリアンチップスというのがあった。
ドリアンについての本を読んだところなので、ドリアンを食べたいな〜、と思ってたところ。チップスとはいえ、少し期待しつつ食べてみる。あまり香りも味もなくて、別にまずくもないけど、うまくもないな〜。という感じ。肩すかしな感じ。
メンバーの中にはドリアンを食べた事がある人もけっこういて、その場のドリアン経験者の中では、ドリアンはうまいという意見が多数派。読んだ本も、ドリアンのうまさを布教するような内容。ますます食べたくなる。
チップスではなく、生ドリアンが食べたい。でも、まずいドリアンは食べたくない。初めて食べたドリアンがまずかった人に曰く、生のハンバーグのような味だった。どんな味だかわからないが、きっと相当まずかったんだろう。
骨を預かったのは昨年。名前はわかった〜? と何度か催促された後、ようやく今日重い腰を上げた。預かったら、さっさと名前を調べればいいようなものなのだが、骨は苦手なのである(遅くなってすみません〜)。
やはり骨は難しい。袋に入っていたのは、上腕骨が2つ、尺骨が1つ、脛骨が2つ、その他に烏口骨、肩胛骨、椎骨が少々。2つずつある上腕骨と脛骨は大きさが明らかに違うので、少なくとも2種の鳥が混じっている。
とりあえず上腕骨から考える。短い方は、ハシブトガラスとすぐにわかった。脛骨の片方と、尺骨もハシブトガラスでよさそう。問題はもう一つの上腕骨。カラスよりも長いってことは、カモ? サギ? カモメ? とチェックしていくが形が全然違う。なんとなくノスリの骨に目が行く。よく似てる! 他にもいくつかタカ目の上腕骨を見てみる。どうやらオオタカの雄か、それと同じ位のサイズのタカらしい。残る脛骨もオオタカかなぁ。
とまあ、上腕骨の同定は自信ありげなのに、他の骨を断定しかねているのは、骨のコレクションに問題がある。鳥の死体を入手すると、可能なら皮を剥いて仮剥製にしてしまう。したがって、なかなか骨格標本は充実しない。腐っててどうしようもない死体は骨格標本にするが、冷凍したまま放置している場合が多い。だって、放っておいてもさほど問題ないし。
さて、仮剥製を作るとき、胴体の骨は取り外す。ついでに上腕骨も取り外す。というわけで、このおかげで、上腕骨だけはたくさんのコレクションがある。
そんなわけで、足の骨や翼の先の骨を持ってこられるより、上腕骨を持ってきたもらった方が、同定できる。骨の同定依頼者は、できるだけ上腕骨を持ってきてもらえると助かる。
とはいうものの、もう少し骨のコレクションを充実させたいところ。まずは冷凍庫の腐った死体をどうにかしよう。
例年はそんな風ではないのに、今年は2月末日が締め切り! と騒いでいる原稿が多かった。なんたらガイド、かんたら地図、なんとか作りの原稿。さらに展示のグラフィック、とある冊子の原稿。
他にも2月中にこなすべきこととして、お話会が二つ、サークル二つの会計の締め、あるサークルの総会準備・会報作り、別のサークルの会合準備。
たくさんの締め切りに迫られた時、たいていは締め切り直前になんとかなるか、どうにもならないか(大部分はどうにもならない)。ところが、なんと今日までに、ほぼすべてが完了(少なくとも自分の担当は終わって、他の人に押しつける段階に進んだ)。できてないのも3月頭になんとかなる目処がついた。すご〜い。
たしかに、同定が1件、ダメ出しをする原稿が1本、準備が必要な行事が一つあるけど、もう誤差みたいなもの。
というわけで、明日からここ数年の最大の懸案にかかろうと思う。そうあれ。Gekkoなあれ。今月中に目処をつけて、3月早々に入稿だ! おう!
と、思ったら、提出するのをすっかり忘れていた報告の催促がきた。そういえば、そんなんもあったっけ。道程は険しい。
複数の方から教えてもらった。とはいうものの、ご本人たちも又聞きらしい。が、猟師さんの発言だったりするので、信憑性があるのかもしれない。
ミカン類ばかり食べているヒヨドリの肉は、柑橘類の香りがして上手いんだそうな。
本当なの? 確かにドングリばかりを喰わせて育てたイベリコ豚は云々かんぬんという話は聞かされる。畜産業を営んでいる方々は、より上手い肉をつくるために、どんな餌を与えるか研究している。ような気もする。
そもそも私は、肉の味は、系統よりも食物の影響を受けると主張する「食性派」に属している。とはいえ、これはあくまでも、種単位で肉の味を議論していたに過ぎなかった。食性に応じて肉の味に季節変化があるかもしれないとは、今日初めて気が付いた。
おそらくミカンを食べているヒヨドリの肉は柑橘系の味がし。サクラの花や蜜ばかり食べている時には、サクラの香りがし。夏にセミばかり食べている時期には、セミの味がして。そして、クスノキの果実ばかり食べている時の肉は、樟脳臭いのだろう。
そういえば、小学生の頃は、冬になると毎日20〜30個もミカンを食べていた。手のひらも足の裏も黄色かった。あの頃の自分の肉は、柑橘系の香りがしたのかな〜?
大阪湾でウミスズメを観察したらどのくらい珍しいのか? と尋ねられてもよくわからないので、調べてみた。大阪府下での最近の記録は、
・2000年11月30日、12月2日、12月18日 南港野鳥園沖(『大阪府鳥類目録2001』『むくどり通信No.152』より)
・2005年6月13日、泉佐野港フェリーターミナル近く(『むくどり通信No.179』より)
見つけられたのはこれで全部。少なくとも公表されている記録は、とっても少ない。
ついでに周辺のレッドデータブックでの扱いはというと、
・近畿地方:情報不足
・大阪府:未掲載
・兵庫県:Ex(今はみられない)
・和歌山県:未掲載
・三重県:未掲載
・徳島県:絶滅危惧I類(吉野川河口沖、海南町浅川湾など徳島県下の沿岸海上に、冬鳥として渡来するが、極めて少ない)
共通してるのは、近年の生息情報がほとんどないということのよう。
そういえば、一年ほど前に、2004年頃に泉南の河口で拾ったというウミスズメの死体をもらった。ウミスズメとは珍しい〜、と喜んだが、ここまで珍しいとは思ってなかった。そのまま冷凍したっきりだが、さっさと標本にして、記録を公表しておいた方がいいかも…。
ツダナナフシという謎の生き物を持たせてもらった。ミントの匂いがどうこうとか、目にはいると痛いから気をつけてとか言いながら渡されたのだが、ひとの話を聞かないながらも素直な私は、差し出されたのを何も考えずに受け取って、ミントの匂い?と思いながら鼻を近づけた。確かにミントの匂いがする! ナナフシにミントの匂いって似合わない〜。と思う。
あまり飛ばないな〜、と謎の言葉を発しながら、別の一匹がケースから取り出される。すると、胸辺りから、白っぽい液体が噴き出した! すごい〜。と思いつつ、それも受け取る。一度吹き出した後は、しばらく吹き出さないんじゃないかという予想に反して、また吹き出した! 眼鏡をかけてなかったら、目に入りそう。指にも白い液体がけっこう付いた。匂ってみると、とっても強いミントの匂い。
どこやらで、何とか先生が、その白い液体をなめてみたら〜、という話が始まった。負けてはならじとなめてみた。ごく少量なめただけだが、舌がヒリヒリするような強い刺激。そして強烈なミントの香り。要はものすごくきついミントガム(の甘くないの)みたいな物。ミントが苦手な人にはお勧めできないが、ミント大好き人間は一度試してもいいかも(ただし何が有害な影響が出ても当方は一切責任を負わない)。これが目に入ると確かに痛いだろうな〜、と思う。
ツダナナフシ以外にも、色んな昆虫を見せてもらった。金ピカのオオゴマダラの蛹は綺麗だった。それに緑色が加わったリュウキュウムラサキの蛹はもっと綺麗だった。幼虫も色々見たけど、一押しは、タイワンキマダラ。田植えされたように束になって生える長い毛がフワフワの可愛い上に、顔の全面の大きくて黒い目(のような模様)が可愛い。こんなキャラクター売ってるよな〜。
お話会に行った。モズが繁殖期にもハヤニエをするとは知らなかった。ヤモリ、カエル、バッタ、コオロギ、カマキリ。なかなかいろんなものを刺しているらしい。
で、それはさておき、モズのハヤニエが何のためなのか、という仮説いくつか紹介してくれていた。忘れないように書いておこう。
・貯食説:文字通り、食物が豊富な時に、貯めておくという説。
・〜説(何説か忘れた):大きな獲物を食べる時に、足で押さえる代わりに刺しているんだという説。
・なわばり説:なわばりの境界を示すために刺しているという説。
・毒抜き説:有毒な獲物を、いわば干して毒抜きをしてるという説。
この並びなら、やはりまず貯食説を検討するのがいいんじゃないかと思う。ただ、なわばり説にまぎれて説明されていたが、ハヤニエの量がなわばりの質を示す事になり、ハヤニエ量がつがい形成に影響するという説があるらしい。
ハヤニエを取り除いて、ハヤニエの多いなわばりと、少ないなわばりを作ってみると、ハヤニエの多いなわばりのオスが先につがいを形成した。という野外実験の結果もあるそうな。
というわけで、貯食説となわばり説(なわばりの質を示す方)を軸に、検討したらおもしろいかも。とりあえず、つがい形成時期に、メスよりもオスが熱心にハヤニエを作るかどうかが知りたいところ。雌雄の識別は簡単だし、個体識別をしなくても、それなりに結果を出せそうな。
明日のお話会でお話をすることになっている。予定では、先週の間にデータ起こしを済ませて、今週頭にデータ入力、そして解析。昨日と今日はパワポを作成。という見事な計画が立っていた。のだが…。
とりあえず、先週の間にデータ起こしは完了。今週頭にデータ入力も完了。さあ、あとはささっと解析して、パワポにしたてて。と思ったのだが、一昨日と昨日は雑用だらけで、まったく進まなかった。急ぎの用事だけは処理して、取りかかろうとしても、どれもこれも急ぎの用事らしく、それをこなしていると日が変わりそうな勢い。
とうとう残るは今日一日。今日は休みにした。そして、他の事は何にもしないぞ!と心に誓って、作業開始。と思っても仕事がやってくる。半分くらいは「おれは忙しい!」という宣言のもと無視したが、それでも無視できない仕事もあり…。
外は暗くなったけど、まだ準備ができない。担当のゼミの前日の大学生のようだな〜。
急ぎの用事ができてお話会に行けなくなるというのはどうだろう?
あるいは、出番は3番目なので、前の二人の発表を長引かせて、時間切れ〜、といって帰ってくるというもあるかも。そのためには、前の二人の時に、しつこく質問しまくって。
いやいや一応お話はした方がいいだろうから、過去のネタを盛り込んで延々とイントロを喋って、本題は一瞬で終わるとか。学会でそんな発表をしている大先生も多い事だし。
と逃げ場を考えるのに思わず時間を使ってしまう。転位行動ってやつ。そういえば今こんな文章を書いてる暇はないんやけど。やっぱり転位行動。なんかものすごーく、他の雑用がしたくなってきた。なんかすることないかな〜。
おじさんから電話があった。口ぶりから、何度か会った事があるらしいとわかる。そういえば、そんな気もする。一昨日、綺麗な鳥を拾ったから、持ってきてくれるそうな。綺麗な鳥って?と尋ねても、もちろん種名はわからない。お待ちしています〜、と返事。
意外と早くおじさん登場。持ってきてくれたのは、ヒレンジャクだった。確かに綺麗な鳥。何度見ても綺麗。一日中忙しかったけど、一番なごんだ瞬間。
拾ったという場所はすぐ近くだった。ということは、生きたヒレンジャクも近所をウロウロしているはず。注意して探してみるべ。
重くてでかい。試しに測ってみた。4280g。ちょっとしたタヌキの体重なみ。届いたのは、vol.11。これが11冊もあるってことになる。一度に持ち上げようとしたら、ぎっくり腰の危険性大。
ちなみに全部で16冊になる予定。その中に、世界のすべての鳥の図版と解説が収められるという壮大な計画。1年半に1冊くらいのペースで発行されてるから。2014年頃にコンプリート。その時には、全部合わせた重さが60kgを越えるから、ちょっとした大人の体重並み。
vol.11に掲載されているのは、ほぼ広義のウグイス科とヒタキ科のみ。この二つの科だけで、世界の鳥のほぼ1/16を占めるとは驚かされる。とくにウグイス科には似たようなのが死ぬほど並んでいるのにも驚かされる。
中南米やアフリカには、どのグループの鳥かもわからない鳥たちが並んでいたりする。さすがにユーラシア大陸の鳥は、どこかしら日本の鳥と通じるものがあって、何に近い仲間かくらいはわかるな〜。と思いながら見ていたら、Seicercus属というのが出てきた、アイリングが可愛い。とてもウグイス科には見えない…。インドから東南アジアにいるらしい。見てみたいな〜。
今日は暖かかった。パーカーの上に、ダウンジャケットなんて着ていくんじゃなかった。と言う状態で、茨木市の丘陵をウロウロした。
とある寺でのこと。大きなヤマモモの木の下にヤマモモの種子がいっぱい落ちていた。と、思ったらその種子の大部分が真っ二つに割れていて、中身(梅干しでいうところの天神さん)がなくなっている。何者かが、種子を割って中身を食べたらしい。
ネズミやリスは、こんな小さな種子を割ってたんでは、割に合わないだろう。だいたい、やつらが歯で割ったら、歯跡がつきそうなもの。
食痕を見てまず思い起こすのは、イカルやシメがサワグルミの種子を割った跡。真っ二つになってる感じがそっくり。というわけで、犯人はイカルかシメではないかと思う。
木の下の種子はかなり高い割合で、食べられていた。このヤマモモの木も、種子散布の必要性が身にしみてわかったことだろう。
なにわホネホネ団が発足して、はや約3年(かな?)。いまだに公式サイトができていないのだな。制作中との噂が流れてからでも、すでに半年? まだまだできそうにないので、こっそり作ってみた。団長や副団長には内緒。内緒なので非公式サイト。
作ったのは、1月29日のこと。文字通りホームページを作っただけの簡単なサイト。というわけで、即日にアップ。
ということを今日書いているのはなんでかというと、今日、ググったら、そのサイトがようやくひっかかったわけ。毎日頻繁にググってチェックしてたわけではないのだが、2週間ほどでその存在が見つかったことになる。
それはまあそれでいいのだけれど。気に入らないのは、「なにわホネホネ団」で検索して12番目に並んでいる事(ちなみにYahoo!では3番目)。むかー、公式サイトではないにせよ、非公式サイトでは、限りなく公式サイトに近いんだぞ! なんせ事務局長が勝手に作ってるんだから。それを12番目に並べるとは!
もっと盛りだくさんにしないといけないのかな? それとも更新頻度? もっとリンクを増やす? とにかく、何とかしてググった時にトップに来るようにしてくれる!!
まあ、そんなわけでホネホネ団の活動内容を知りたい方は、非公式サイトNo.1の方へ。入団希望者もまず、そちらを見てね。
カエルの観察会をした。50人を4人で率いて歩く。その50人の内、小学生が19人。大人の参加者には、子どもの付き添いです〜、といったスタンスの方もけっこういた。中には、大人の参加者もいたわけだけど、目立っていたのは圧倒的に小学生。というわけで、一日中、小学生とお話していた気がする。お話するのはいいのだけれど、例によって同時に3人と話をするのは難しい。
みんなカエルがかなり好きらしい。卵もさわるし、カエルもさわる。オタマジャクシもすくっている。集合時点で、水網をかついでやる気まんまん。みんなで採集したらカエルがいなくなってしまうからと、持ち帰り禁止にした。きっと持って帰りたかった子もいただろうけど。ちゃんと約束は守ってくれたらしい。
ちょっとは採集して持って帰れる物もないと、物足りないだろう。ということで、昼食は親水公園風の川沿い。川の中にシジミがいる。と教えたら、昼食もそこそこに、シジミ採集に熱中していた。食べられるシジミの次に人気があるのは、アメリカザリガニらしい。他に、ヨシノボリやカワニナもすくってたけど、これは全部放していた。そろそろ、シジミ取りはやめて、カエルを見に行くぞ! というと、不満げな声。すっかりカエルは忘れてしまってるらしい…。
まあ、それはともかく、こんなに子どもにカエルが人気なら、もっとカエル観察会の回数を増やそうかなと思った次第。子ども対象に、カエル観察グループを作るとかはどうだろう?
琵琶湖に行った。近江今津から新旭まで歩いた。たいした距離ではないはずなのに、なぜか長く感じられるのは、見所が盛りだくさんだから? そんなに鳥は見てないけど…。
何かの骨が落ちてると言われて拾いに行く。頭骨から脊椎がずっとつながった骨が落ちていた。尻尾の先が欠けているけど、長さ1m弱。平たい感じの不思議な形の頭骨、四肢が付いてなくって、脊椎骨だけがその後ろに連なっている雰囲気。今も窓の外にぶら下がっているクジラの骨によく似てる。そういえば、完成したクジラ類の骨とよく似た臭いまでする。おそらく、琵琶湖に固有の、世界一小型のイルカに違いない。まだ記載されていないけど、ここにビワココイルカと和名だけ付けておこう。
ただ、このビワココイルカは、どうも大型の魚類らしい。魚類にイルカという和名を付けてはいけないということもなかろうが、おそらくこの骨は既知の大きなナマズではないかと思われる。ということで、ビワココイルカの和名は、ビワコオオナマズのシノニムとして、一瞬で消え去る予定。
さらに進んでいき、車にひかれそうになりながら、チョウゲンボウやタゲリを見終わったところ、同行の一人が、畑から何か拾ってきた。見せてもらうと、まだ生きている小型の哺乳類。頭部を怪我しており、ヨタヨタとしか動かない。生きた個体を拾ったのは初めて見た。
どうせ死ぬだろうからと、連れて帰る事にした。駅まで、そして電車の中でもしばらく生きていたが、大阪駅到着時には死亡していた。死体は標本に。
さて、この小哺乳類が拾われた時、周囲から、モグラや、モグラやという声が上がっていた。そんな声には負けずにここは決然と、これはハタネズミ! と種名を宣言。ハタネズミ類の形態は、一般的にはモグラと認知されるらしい。
この忙しいのに、メーラーが壊れた。しかし、この忙しい中、メールは読めません〜、というわけにもいかない。仕方がないので、メーラーを乗り換えることにした。随分以前に新しいメーラーを入手していたのだが、古い方のメーラーはずっと調子が悪かったのだが。設定が面倒で、使い方を覚えるのが面倒で、過去のメールの引っ越しが面倒で。放ってあったのだ。
設定は驚くほど簡単であった。使い方も概ねすぐにわかった(いくつかわからない所は、教えてもらった)。しかし、過去のメールをインポートするのには失敗。少し工夫すればできそうなんだけど…。
というわけで、当面は古いメーラーを立ち上げてメールを見ながら、新しいメーラーでメールを書くという事になりそう。もう少し時間のある時に、引っ越し作業をしておけばよかった。と思いつつ、時間がある時っていったいいつあったっけ?という気もする。
ともかく、今日の教訓。
「調子の悪い馴染みのメーラーよりも、馴染みのないメーラー」
昔のメールの移行という問題を除けば、新しいメーラーはとっても使いやすい。
【追記】昔のメールの移行も完了。普通にインポートすると文字化けするんだな。Eudra Mailbox Cleanerというフリーウェアを使うとうまくいった。教えてくれたsakumadさんに感謝。
今日は話題性のある質問が二つ。
片方は、いつものハチドリの質問。庭の花にとある動物が来たので、撮影したんだそうな。知り合いに見せるとハチドリではないかと言われたとか。今年も来たー、と思った。とても忙しかったのだが、妙になごんでしまった。
画像を見ないと断言はできませんが、普通に考えて大阪市内にハチドリは飛んでいません。たぶんスズメガの一種でしょう。
もう一件は、さらに盛り上がった。
電話がかかってきた。何かの下からヘビのミイラがみつかったんだとか。背中に怪しげな模様があるし、牙が2本あるからマムシではないかという話になっていて、同定してほしい。またまた来たーという感じ。どうせアオダイショウの幼蛇ちゃうん。牙って何かの見間違いやろう〜。と思いつつ、とりあえず見せてもらう事に。
持ってこられたヘビのミイラを遠目に見ての第一声は、
「そんな大きなマムシはおらんし。」
なんせ明らかに1m以上、1.5m近くありそうなヘビ。ところが、ミイラを手にして、背中と腹を見て、頭を見てびっくり。明らかにクサリヘビ科の毒蛇。立派な毒牙を立てていた。第一声は正しかったけど、アオダイショウのわけがない。
最初は外国のクサリヘビ科を疑ったけど、冷静に見ると、なんかハブに似てるような…。ハブの特徴を確認してみる。どの特徴もあってる〜。というわけで、結論は、ハブもしくは、ハブにとてもよく似たクサリヘビ科のヘビではないかと。
ヘビに必ずしも強くないので、断定する自信はないけど、やっぱりハブなんだろうな〜。そして、ハブだとしたら、大阪で初記録? まあ、船などで密航してきたとかだろうけど、記録に残しておきたいところ。とりあえず、最後に一言。
「このミイラ、もらえませんか?」
返事はまた後でということになった。もらったら、ハブの専門家に同定を依頼してみよう。
とある日。と。
新年明けてみると(まだ続けてみたり)、展示やイベントや観察会の準備で忙しい。しかし、お話の準備もしなくてはならない。3月後半に四国でお話会。その準備も兼ねて、2月の後半に同じネタで話す機会を二つ入れた。何を血迷ったか、ここ十数年ダラダラと続けてきた調査をまとめて話す事にしてしまった。
そんな機会でもないと、データ整理をしないし。と、引き受けた時は考えたのだが、今は後悔ばかりが先に立つ。あんな約束をしなけりゃよかった〜、なんせここ5年のデータはまったく整理してなかったし…。
というわけで、昨日から泣きそうになりながら、データ起こし。データ起こしに集中できればいいのに、会議に、打合せに、原稿書きに、メールの返事に、原稿の校正に。なかなかデータ起こしに集中できない!
とはいうものの、ようやくデータ整理が少しでも進むのはめでたい。そして、ここ数年の状況を一気に振り替えれるのは、なかなか楽しい。
知ってたかな? この2006年度の冬の様子は、2002年度の冬にすごくよく似てる。冬鳥の小鳥が多い。ツグミが死ぬほどいる。そして、ちょうど今頃、果実を食べ尽くした。いやー、今日までそんなことには気付いてもいなかった。データは取っておくもんだ。
あけましておめでとうございます。
年内に書き上げるべき原稿も、昨日12月67日に滞りなく書き上げ、気持ちよく新年を迎えることができました。これも辛抱強く待って下さったみなさまのおかげです。
さて、新年明けてみると、いつのまにやら1月が過ぎてしまっていました。今年は、1月がなかったため、残念な事に年賀状を出す事もできませんでした。バレンタインデーに間に合っただけでも良しとしましょう。
新年の抱負というか、軽い未来予想をしてみるに、おそらく今年は3月46日頃まで大変忙しく、4月もなくなる公算が大でしょう。そうか、今年は10ヶ月しかないのか〜。
今頃、新年を迎えるということは、旧暦に基づいてるんだな。と思って暦を調べると、今年の旧正月は、2月18日であった。旧暦でもなかったらしい。
大和川の水鳥を数えに行った。これから数えようとしたカモたちが一斉に飛び立つ。でー。とにかく飛び去る前に、飛んでるカモの数を数える。ヒドリガモとコガモが合わせて110羽程度。一直線に上流に飛んでいったかと思うと、なぜかUターンして戻ってきて、元の場所に降りた。やはりここがいいらしい。
元に戻ったので、落ち着いてカモの数を数える。全部で128羽だった。飛んでる時と誤差18羽。許せる範囲か。でも、許せないのは、12羽のオカヨシガモが混じっていたこと。不覚にも飛んでる間は気付かなかったノ。
さて、上を見上げると、上空をトビが飛んでいた。カモ達が飛び立ったのは、トビに反応したせいらしい。トビがカモを襲うはずがないのに! そういえば、先日いった京都の鴨川では、トビが大量に飛びまわっていたが、カモたちは割と落ち着いていた。この違いはなんなんだろう?
鴨川ではトビがたくさんいるのに対して、大和川でトビを見かけることは少ない。これが関係しているとしても、いくつか可能性が考えられる。
大和川のカモは、
・トビと他のタカ(オオタカとか)の区別ができない。
・トビと他のタカの区別はできるが、トビがカモを襲わないのを知らない。
・単にトビを見慣れてない。
互いに排他的ではないけれど。
そういえば、鴨川のカモは、上空をオオタカが横切っても反応してなかった気がする。むしろ鴨川のカモがタカに慣れてしまっているのかも。
今日『ネズミの分類学』という本を買った。それをパラパラと見ていたら、こんな引用があった。ネズミだけの本ではなかったらしい。
「…さて小生3年前に同封の拙文を書き自然の理解のために動植物の名を覚えることの大切さを訴えましたが、<中略>川村多実二先生がこれと同じ主旨を昭和7年という古い時期にすでに強調されていたことを恥ずかしながらはじめて知り…」
元京都大学教授の森下正明が1992年に、金子之史に送った手紙だという。ちなみに金子は、森下の隣の研究室出身。川村は森下の研究室の初代教授。
「個々の植物の名前などはどうでもよい。大切なのは自然の仕組みを知ることだ」「原理原則を知れば足る」。随分以前から、そして今にいたるまで、日本の科学や教育における(近頃では自然保護教育の観察指導員にいたるまで)こうしたスタンスは根強い。そして同時に、それを嘆く一派というものが存在していたらしい。
森下の拙文を金子が要約している文に曰く、
「初心者にとって個々の植物なり昆虫なりの名前を知ることがそれらとなじみになる第一歩であり、そのなじみの関係が広がるにつれて自然全体に対する興味や関心も深められ、複雑な自然の仕組みも実感をもって理解されるようになる」
どうやら自分はこちらの軍門にいるらしい。知らず知らずのうちに、某研究室の伝統をしっかり受け継いでいる事に驚いてしまう。そういやあ知らず知らずの内に、日浦をはじめとする伝統も受け継いでいるようだし。伝統という名の先人のパワーには恐れ入る。
それにしても、森下正明と聞いて思い出すのは、でっかいシェパードを散歩させて(というかシェパードに散歩させられてるように見えた)、構内をゆっくり歩く姿。ときどき研究室にやってきては、実体顕微鏡でアリを見ている姿。ほとんど話をしたことはなかったけど、こんな事を考えてる人やったんやね。
というのを毎年恒例2月1日に書く予定だったのだが、忘れていた。3日遅れだけど今日書いておこう。
2006年に読んだ本ベスト10を作り始めたのは、1998年。最初はSFベスト5だった。やがて、ベスト10になり、国内SFと海外SFを分けるまでになった。が、作ってきたのは、SF関係ばかり。
趣向を変えて、読んだ自然史関連本ベスト5を作りはじめたのは、昨年が初めて。というわけで、今回が第2回の自然史関連本ベスト5。ベスト10にしない理由は、あまり本を読んでないから。26冊しか読まずにベスト10を選んでもね。
●「ミジンコはすごい!」花里孝幸著、岩波ジュニア新書
●「クマムシ?!」鈴木忠著、岩波科学ライブラリー
●「消滅する言語」デイヴィッド・クリスタル著、中公新書
●「人類進化の700万年」三井誠著、講談社現代新書
●「レヴィ=ストロース入門」小田亮著、ちくま新書
例によって変なセレクション。ほっほー、と思えた本を並べてみた感じ。順番は特になし。
植物園を歩いていると何度もオオタカに遭遇した。
ふと横を見ると。林内で、カラスが地面にむかっていく、と思ったらオオタカが飛び立った。足にツグミ大の獲物を持っているらしい。一直線に西へ向かっていく。
しばらく歩いていくと、またオオタカが林内を飛び去る。やっぱり足に獲物をつかんでいる。やっぱりカラスに追いかけられてる。西の方から飛んできた。とはいえ、同じ個体かどうかは不明。
さらに進んでいく。進行方向の林でカラスが動く。人が近づいてきたので逃げたらしい。カラスが逃げた辺りに何か白いもの。と思ったらオオタカだった。さっきと同じ個体かは不明。でも、足にはやっぱりツグミ大の獲物。それを木の上でおもむろに食べ始める。その距離、約15m。こっちを気にはしているものの平気らしい。むしろ人がいた方が、カラスが近寄ってこないってことなのかもしれない。こんなに近くでオオタカの食事風景を見たのは初めて。カラスのおかげかもしれない。
考えてみれば、カラスさえいなけりゃ、都市公園はオオタカの天国。のんびりハトやヒヨドリでも狩って暮らして行けそう。カラスさえいなけりゃ、邪魔が入らないから都市公園の木の上で営巣するかも。
でも、カラスがいなけりゃ、オオタカが生ゴミをあさるようになるかも。なんせ、簡単に肉類が手に入りそうだし(いやむしろ、トビが増えるのが先?)。ともかく、カラスがいなけりゃ、代わりの捕食者層が増えるような気がする。
そんな気もするけど、考えたら大阪の市街地には、かつてはそんなにカラスはいなかった。そもそも、ハシブトガラスはぜんぜんいなかった。そして、その頃も、オオタカは都市公園で営巣してなかった。いやむしろ都市公園でオオタカを見る機会は少なかった、
考えてみると、大阪の都市公園でハシブトガラスが増えたのと同じ頃に、オオタカもよく見るようになった気がする。変な話。
ヤマアカガエルの卵塊を見に行った。つまり、今日をもってプロジェクトY2が始動したわけ。今まで大和川水系のアカガエルばかり相手にしてたけど、他の水系の様子はほとんどしらない。淀川水系のアカガエルがどんな場所に産卵しているのか、大和川水系で得た経験がどこまで通じるのか楽しみ。
今日は、現地ガイドに案内してもらって産卵場所を見て回った感じ。自分でさまよい歩いたわけではないので、効率よく卵塊が見つかる、というより見せてもらえる。発見の楽しみはないものの、気楽〜な感じ。
見せてもらったのはヤマアカガエルの卵塊らしい。さて、淀川水系のヤマアカガエル君達がどんな場所に産卵してるかというと、水のたまった棚田・山際の休耕田、あるいは流れがなく浅く水がたまった幅のある水路。だいたい大和川水系のヤマアカガエルの産卵場所と同じイメージ。
まだ2月に入ったばかりなのに、卵塊はとろけまくっていて、孵化も始まっていた。
1ヶ所で成体のオスがみつかった。やせこけてヘロヘロな感じ。寒いせいもあるだろうけど、ほとんど動かない。色も黒っぽくて汚いし、喉の模様も薄い。繁殖期のヤマアカガエルのオスって、みんなこんな感じになってしまうのかな? ヤマアカガエルといえば、綺麗でダンディーなイメージなのに、色が黒っぽくて、平べったくなっているとタゴガエルみたい。
みんなのアイドル「どんこちゃん」をモデルに、大和川Tシャツができてきた。すっかり忘れていたけど、3枚申し込んでいたらしいので、買ってみる。地の色が明るいと、なかなか愛らしいどんこちゃん。でも、地の色が暗いと、目が死んでる。昨日、やばいやばい、と言ってた人がいたが、買ってみてその理由がわかった。
しかしなんだねえ、大和川水系の調査が終わって、約半年。今頃、大和川Tシャツ。これから淀川水系の調査を始めることを思うと、むしろ淀川Tシャツが欲しかったりする。
きっと、今年の淀川水系調査とか、淀川水系での観察会には、なぜか大和川Tシャツの姿が勢揃いするんだろうな〜。早く、淀川Tシャツを作ろうね。
毎月、約60ヶ所のため池を自転車でめぐって、水鳥を数えている。今日も、そんな調査にでかけた。調査も終わりかけ、最後から二つめの池で水鳥を数えていたら、大きな望遠レンズ付きのカメラや双眼鏡を持った人たちが集まって、何か見ている。近づいてみると、見慣れないホオジロ類の一種。キガシラシトドという珍しい鳥らしい。偶然にもそんな鳥が見られるとは、とってもラッキー。
というのは嘘。
ため池の水鳥を調査してるのは本当。でも、最後から二つめの池にキガシラシトドが来ているのは当然知っていた。今話題の鳥だし、3人から写真も見せてもらった。ため池の調査で立ち寄るので、見られたらいいな〜、と今日は朝から期待しながら出かけた。
とりあえず池の水鳥を数えて、キガシラシトドがいるという場所へ行ってみる(詳しい場所まで聞いていたのだ!)。途中で知り合いに出会う。午前中は芝生に出てたけど、今はヨシの中に隠れてしまってるとか。後ろに打合せの約束があるので、10分位しかいられない。でも、見ずに帰るのは…。とりあえず、現場へ行ってみる。
平日なのに数人がキガシラシトド待ちをしていた。近づいて、さてどのヨシの中に隠れてるのかな? と思ったら、目の前のヨシからホオジロ大の鳥が飛び出して、目の前の木にとまった。突然周辺がにぎやかになる。今まで、見あたらなかった大きなカメラを持った人たちが次々と現れる。それがキガシラシトドだった。
平日なのに、15人くらいで熱心に写真を撮っていた。平日でこれなら、週末はこの何倍になることやら。
このキガシラシトド、少なくとも12月半ばからずっといたらしい。ただ、当初はベニマシコのメスと言われてたそうな。ぜんぜん似てないし。
そのエピソードを聞いて思い出すのは、京都の鴨川で初めてアメリカズグロカモメが出たときのこと。毎日餌やりをしているおっちゃんやおばちゃんは、変なカモメが来ている事は12月から知っていて、ズグロカモメと呼んでいたっけ。フランクリンだ!と盛り上がったのは、1月の終わりになってから。どこがズグロカモメやねん!と思ったものだった。
ともかくキガシラシトドが見られて満足。冬羽なので、あまり黄色くない。黄色っぽい光線のおかげで、額の黄色はいっそう目立たない。春までいてきれいな夏羽のオスに変わったら(オスかどうかは知らんけど)、また見てみたいところ。
昨日の昼過ぎのこと、非常口の外に落ちてる鳥は何? と、昼過ぎに突然尋ねられる。その非常口の前に一日中座っている日で、すでに半日座っていたのに気付かなかった。言われて見てみると、ヒヨドリが翼を拡げて落ちていた。
たぶんガラスに衝突したんだろう。翼を拡げて落ちてはいるけど、生きている。拡げた翼に骨折の様子はなく、口から血を吐いているわけでもない。素直に考えれば、脳震盪。軽い脳震盪なら、その内に復活して飛んでいくだろう。脳内出血しまくっていたら、手の施しようもなく死んでしまうだろう。
とりあえず、外に出てヒヨドリを触ってみる。ほとんど無反応。これは死んでしまうかな? とも思いつつ、そのままにして様子を見る事にした。幸い夕方まで前に座ってることだし。
1時間を過ぎても、ヒヨドリは相変わらず落ちたまま。少し動いたという意見もあったが、微妙。
それから、しばらくヒヨドリの事を忘れてしまっていた。思い出したのは、日没間際になってから。ようやく一日の仕事が終わり、片づけに入ったところで、ふと外を見た。ヒヨドリはいなくなっていた。
ヒヨドリがいた場所に大きめの糞があった。鳥は飛び立つ時に、よく糞をする。羽根の散乱とかもないし。ネコなどに喰われたのではなく、復活して自分で飛んでいったのだろう。
それにしても、たとえ時間が経てば復活するとはいっても、それまでの数時間は地面にじっとしたまま。捕食者に見つかったら、一瞬の終わりだろうな〜、という感じ。
オークションというものがあるというので、2つほど出品してみた。一つは、某TFLから色んな物を引き取ってきた時に紛れ込んでいたマンモスの像。もう一つは、いわゆるゲッチョからもらった本。ゲッチョからの”こんなの書いてしまいました”というお手紙付き、さらに没になった表紙案を打ち出してカバーに付けてみた。
午前中に各ロットの説明があり、昼休み中に入札するという形式。さらに最高価格ではなく、二番手の価格を入札した人が落とすという変則オークション。
せっかく出品したのに、最低価格ギリギリだったり。入札者が一人とかでは寂しいので、自分が出品した物に入札してみた。マンモスは、最低価格1000円のところを2000円で。ゲッチョ本は、最低価格1700円(本の定価)のところを3000円。
最高額を入札しておけば、自分で落とす事はないし。それでいて落札金額が高くなり、主催者側として上がりが増えるに違いないという深い読み。
夕方に、オークションの入札結果の発表があった。担当者から会場にいるようにとのお達しがあったので、なんか嫌な予感がした。マンモスはさらに高額入札が2人以上いたようで、3000円で落札されていた。ゲッチョ本は、出品者自らが落札してしまった…。
会場で笑いがとれたのはよかったのだが、もらった本なのに、なんで3000円払って買い戻さなくてはならないんだ〜?
2番手落札のオークションは難しい。こんなことなら、10万円とか破格の金額で入札しておけばよかった。でも、さらに上の1億円とかで入札する洒落のわかる人がいたら、10万円払う羽目になるし…。来年は、もう少し慎重に入札しようと反省。
ヒヨドリは、昆虫や果実、花蜜などを中心に食べる。とくに冬場は果実食が中心になる。が、なぜか葉っぱも食べる。果実を食べ尽くした時には、地面に降りて、シロツメクサや菜の花、パンジー、ハボタンなど。畑の葉っぱ野菜を食害するのもこんな時。でも、常緑樹の成葉を食べる事もある。こちらは、果実を食べ尽くす前にも食べているようなので、食物がなくなって仕方なく食べているわけではないんじゃないかと考えている。
よく食べるのはユズリハやヒメユズリハ。トウネズミモチの葉っぱを食べるのも見た事がある。先日、オガタマノキの葉っぱを食べることも教えてもらった。確かにオガタマノキのてっぺんの方の葉っぱが、のきなみ食いちぎられている。
さて、今日はみんなで鳥を探してウロウロしたのだが、あんまり鳥がいない。時間が余ったので、ヒヨドリの食痕のあるオガタマノキにフラフラと近寄ってみた。なぜかヒヨドリにならって葉っぱの味見を始める人がいる。せっかくなので、自分でもかじってみた。苦〜い。とすぐにはき出した。しかし、味見をした人で苦いと言ったのは半分程度。あとの人は苦くないと言っていた。
すぐ横にタイサンボクの木がある。似たような木なのに、こちらの葉っぱは食べられていない。なんでかな?と味見をしてみた。まずい〜! 針葉樹のような揮発性物質の匂いがして、とっても苦い。
ついでなので、やはりヒヨドリがたべないアラカシの葉っぱもかじってみた。固い紙を食べているようで、かみ切れない。
ヒヨドリが葉っぱを食べている木には、なにかしら共通点があるような気がした。今度は、トウネズミモチやヒメユズリハの葉っぱも味見してみよう。
今日は季節の童謡について勉強した。
春の歌はいろいろあっていい感じ。
♪は〜るのおがわはさらさらいくよ〜
♪は〜るになれば す〜がこもとけて〜
秋の歌と言えばやっぱり。
♪だ〜れかさんが〜だ〜れかさんが〜だ〜れかさんが〜み〜つけた〜
これって、思わず
♪ち〜さいあ〜き〜ち〜さいあ〜き〜ち〜さいあ〜き〜み〜つけた〜
と歌い始めてしまうくらい秋の歌。
冬はもちろん
♪ゆ〜きやこんこ〜あ〜られ〜やこんこ〜
って感じ。
じゃあ夏は?
思わず歌ってしまうのは、
♪なつがく〜ればおもいだす〜
でも、これって童謡やないよな〜。となると著作権料が必要なので没。とまあ、そんな相談をしたのであった。
中国料理に登場するらしい。どんなヘビと尋ねられたが、どんなヘビなん? ヒントは中国名だけ。
中国のヘビが出てくる図鑑系をひっくり返したけど見つけられず。ただし、中国のヘビ全種のリストが手元になかったので、中国原産のヘビではないとか、それは食材としての名前、と判断するわけにもいかず。ただ、なぜか『中国的毒蛇及毒傷防治』という本がみつかった。中国の毒蛇一覧が載っていたのだが、大黄蛇はおらず。毒蛇ではないらしい。
もし何か知ってる方がいたら、後学のためお知らせを。ちなみに、尋ねた人にはあっさり、「わかりません」と答えた。
隠岐からきたウミシダ屋さんが、余ったからといってくださった。隠岐自然倶楽部というところの製作・発行。エコツアーをしてたりする団体で、そのガイドブックという趣きがある。非売品、なのかな?
隠岐という島々の存在は知っていても、行った事はないし。行ってみようと計画したこともない。オオミズナギドリが繁殖してるよな〜、くらいの認識の乏しい者にとって、なかなか目新しい情報が満載。
隠岐及び周辺海域における、携帯電話各社の通話可能エリア地図がおもしろい。どうやら、陸でも海でもauが一番エリアが広いらしい。携帯電話持ってないから関係ないけど。
生物については、島根県のレッドデータブック掲載種を中心に紹介してある。画像が小さすぎて見えない〜。のはともかく、隠岐固有種(亜種)というのが19種紹介されている。隠岐が本州から離れたのは、最終氷期(1.8万年前)以降(と書いてある)らしい。短時間でけっこう亜種が分化するもんだね〜。
オキサンショウウオやオキタゴガエルは聞いた事があったが、オキノウサギ、オキヒミズ、オキヒメネズミ、オキスミスネズミ、オキアカネズミ。哺乳類の名前が驚くほど並ぶ。この亜種って今も有効なんだろうか?
ところで危険な生物紹介コーナーにヤマカガシが出ている。白と黒のチェック模様のへんなヤマカガシのイラストが載っている。イラストだけでなく、説明にも「四角い黒斑がありノ」と書いてある。「四角い黒斑」があるといえばあるけど、大阪のヤマカガシのイメージとかなり違う気がする。いつか、隠岐に行ってヤマカガシを見てみたいところ。
とまあ、隠岐への興味をかきたてる本であった。
今日は、30人くらいを相手に、鳥の糞分析(植物のタネ限定)の実習をした。タネの入っていそうな鳥の糞(つまり種子食ではなく、果実食の鳥の糞)、およびその周辺になっている液果を採集してくるべし(もし種類がわからなければ果実だけでなく、複数の葉っぱの付いた枝ごと持ってくる)。という宿題を出してある。
実習の前半は、周辺で採取してきた液果からタネを取り出して、実物タネ図鑑(比較標本)を作ってもらう。後半は、鳥の糞を水で洗って、中からタネを取りだし、同定。とまあ、こんな手順。体験してもらうことだけに重点をおいているので、糞の採集方法とかあまり難しい事は抜き。
いたって簡単な実習。それでいてタネの形の多様性が見られて、けっこう楽しい。ただ、何度やっても、いっつも人の話を聞いていない人が多い。毎度毎度の注意ポイントを整理しておこう。
◆樹になっている液果を採集してもらってきている。これは糞から出てきたタネの比較標本なので、タネにする前に、樹種が明らかになっていないと意味がない。でも、種名がわからないのに、下に落ちていたタネだけを拾ってきて、種名を尋ねてくる人がいる。実習の趣旨を理解してくれ〜。
◆果実食の鳥の糞分析なので、果肉などが付いていて、果実食の鳥が食べる果実以外は関係ない。と、宿題を出す前に何度も説明しているのだが、必ず関係のないタネが集まる。メタセコイヤ、サルスベリ、アキニレ。採集してこなくていいと、名前をあげた種ばっかり〜。
◆糞は、種子食の鳥ではなく、果実食の鳥の糞を拾ってくるように。スズメやハト類の糞はダメ。と、これまた散々言っても、明らかにハトの糞を拾ってくる人は拾ってくる。これはまあ、ハトの糞がわからなければ、しょうがないんだけど…。
その他細かい注意点としては、
◆比較標本は、果実を鳥の糞から出てくる状態にするのがポイント。
・果肉を除去するだけでなく、マユミやナンキンハゼの場合は、種皮もむく。
・逆に、エノキやアオキはむき過ぎないようにチェックが必要。アオキのタネまで細かく砕いて、タネが出てきませんでしたという人がいる。
・シャシャンポなど果実の中に小さなタネがたくさん入っている場合では、どのくらいの大きさのタネを探すべきか教えておく。でないと、タネがないという人がいる。
◆糞からタネを取り出す時は、
・ヒサカキやシャシャンポのような小さなタネは、まるで無視する人が多い。糞を水中でほぐしてもらったら、その水を捨てる前に必ずチェック。
何度もやってる実習なので、どんどん手慣れてきた。今回の反省は、持ち物にルーペor拡大鏡を入れておいた方がよかったということ。とくにお年を召した方々が対象の時には。
さて、この実習をする時の最大の恐怖は、同定できないタネが糞から出てくる事。まあ、毎回少しはあるのだけれど、今回もあった。とくに複数出てきたというタネがわからなくて悔しかった。
実習終了後、植物担当に見せてみる。右往左往し、アップルパイをGETした末に、カバノキ科の種子だろうということになった。おそらくツノハシバミかその近縁種。
これは液果ではなく、鳥の糞から出てくるはずがない。いったいどこで何を採集してきたんだろう?
昨日と今日は、日没時に植物園内を歩き回った。どうも12月からそんな感じだったが、植物園にツグミとカラスの集団ねぐらができているらしい。
年始まで大量にいたツグミが、近頃はあまり多くなくなった。と思っていたが、夕方になると大量に集まってくる。ケヤキやエノキ、ナンキンハゼなど、葉を落とした木に、孤立したり小さくまとまって生えている、あるいは林内の突出木を選んでとまっている。1本の木にとまっているのは、数十羽程度。でも、あちこちの木にとまっているので、合計したら数百羽になると思う。きちんと数えたいところだが、近づくとどんどん飛び立って別の木に移るので、総数がいまひとつわからない。カラスとはなかよくとまっていたりするのに、地上を近づいてくる無害な人間から逃げるとは解せない。
それにしても、ツグミの集団ねぐらというのは、今年初めて知った。葉っぱのない木にとまっているけど、最終的には葉を付けた木に入るんだろうか?
カラスは毎年年末年始には増える。冬の間中、たむろしているのも珍しくない。というわけで、昼間にカラスがたくさんいても、集団ねぐらの可能性は考えていなかった。夕方にカラスの集団を見ても、塒前集合で、最終的には仁徳陵に飛んでいくんだと思っていた。
でも、近頃、林内にカラスとおぼしき糞が大量に落ちているのには気付いていた。12月頃から、真夜中にカラスの声を聞く機会が増えた。それが兆候だったのかもしれない。
日没時、カラスが林にどんどん集まっていた。昼間はさほどいないのに。その数は200羽程度にはなりそう。塒前集合の可能性は依然としてあるが、集まる時間帯が遅すぎるように思う。南西へ飛び去る個体も見あたらないしノ。一度、本当に最後まで植物園にいるのか確認にいかなくては。
などなど考えながら歩いていたら、前の木からツグミの集団が飛び出した。少し遅れてハイタカが1羽とツグミが1羽。どうもハイタカがツグミの群れに突っ込んだところに出会わせたらしい。最後に飛び立ったツグミは、どさくさに紛れて逃げれたんじゃないかな? 感謝するように。
ウミウミ大集合と称する妙な講演会があった。海には、陸にいる似たような生物にちなんで、「ウミ〜」と名付けられている生物が多い。そのいくつかの研究者を一同に集めた講演会。ウミサボテンにはじまって、ウミグモ、ウミシダ、ウミセミ、ウミナナフシ、そしてウミクワガタに終わる。
いろいろと用事があったので、ずっとは聞けなかったが、いくつかの話を聞いた。観客も予想以上に多く、中身も予想以上におもしろかった。
ウミグモって、形態も生殖も行動も研究の歴史もおもしろい。4対の歩行肢、2対の触肢(片方にハサミがあったりなかったり)、さらに1対の担卵肢があったりなかったり。全体としては足だらけで、おまけのように腹部が付いている。背中側の丘の上に目がある。ここまでで充分変わってるけど、さらに変わってるのは繁殖行動。
まずメスは、4対の歩行肢の付け根よりのところに卵巣がある。つまり8つの卵巣。そのそれぞれから卵を産むらしい。オスの方も4対の歩行肢すべてにセメント腺という穴と精巣があるらしい。で、オスはメスから卵を受取、受精させて、セメント腺からの分泌物で固めて、卵の塊を担卵肢で抱えて保護するらしい。
海底や潮間帯をゆーっくり歩いている姿は、とってものんびり屋っぽいのだが、肉食性で、イソギンチャクやコケムシなどあまり動かない柔らかい相手を見つけては体液を吸うらしい。
どうもウミグモは日本中の海に生息しているようなのだが、今までに報告された生息地をプロットすると、大部分のプロットが駿河湾に集中するそうな。駿河湾でばかり調査されてきたらしい。瀬戸内海でも10ヶ所から9種が報告されている。もちろん友ヶ島からも1種が記録されている(これは出席者にしかわからないギャグ。友ヶ島大好きな男の子が、そんな質問をしていたのだ)。けっこう潮間帯でも見つかるそうなので、探してみるとおもしろいかも。転石の下に集まっていたりする事があるそうな。あと、海藻に付いている事も多いとか。今度、磯観察に行ったら、探してみるとしよう。
ウミクワガタも謎の生きもの。分類学的には等脚類というから、ダンゴムシやフナムシの親戚。メスを見ても何にも思わないけど、オスには立派な大顎みたいなのがあって、クワガタムシの雄にそっくり。オスだけに大きな器官が発達しているだけあって、オス1匹にメス複数匹のハーレムを形成して繁殖するらしい。
なによりおもしろいのは、その生活史。成虫は、自分で掘った巣穴や、カイメンの中、ゴカイの巣の中などに生息しているという。口器が退化していて、生殖だけに専念する。とはいえ、思ったよりは長生きで、メスで半月程度、オスでは2年程度は生きるらしい。等脚類なので、メスは卵を抱いて、幼虫が孵るまで保護するし、絶食中とは思えない頑張りを見せる。
幼虫での分類が進んでいなくて、幼虫ではなかなか種の同定はできないそう。だが、幼虫はよく知られた魚の外部寄生虫らしい。ある研究によると、掃除魚として知られるホンソメワケベラが掃除して食べていたのは、ほぼすべてウミクワガタの幼虫だったとか。鰓とか鰭とかいろんなところに付くらしいが、魚の目に付いてるのは、見るだけで痛々しい。
魚に寄生しつつ、魚に食われまくるウミクワガタの幼虫。寄生といっても妙な生態を持っていて、1匹が1回に魚に引っ付いている時間は、30分から1時間、長くても数時間程度らしい。その後、成虫のすみかと同じような隠れ家に行って、脱皮して成長。再び短時間の外部寄生、隠れ家で脱皮。これを3回繰り返して成虫になるとか。変な生活〜。
とにかく、こちらも潮間帯で見つかるらしい。今度、磯観察に行ったら、カイメンを切ってみたり、ゴカイの巣の中をチェックしたりするとしよう。
というわけで、自分でもウミグモやウミクワガタを探してみようと思うのだが、ネックはその大きさ。ウミグモは、せいぜい1〜2cm程度のが多いらしい。海藻についていると称する画像を見せてもらってもよくわからない〜。その上、ウミクワガタはさらに小さく、せいぜい3mm程度? こっちは生きたのを見せてもらったけど…。野外で見つけられるかどうかは、はなはだ疑わしい。なんせ、最初は瓶の中のどこにいるか気付かなかったし。
日もとっぷりと暮れた頃、小さなナマケモノに出会った。彼女(彼ではないらしい)は、とあるパーカーに潜り込んでいた。引っ張り出すと、パーカーの上をのそのそ歩く。動きは遅い。こっちを見て、口を開けて、頭を上下に震わせている。超音波攻撃か?
やがて、片足でぶらさがって、休憩。せっかくなので記念撮影。しばらくして、休憩が終わると、またのそのそと動きだし、袖口から中に消えていった。
飛べばいいのに、ぜんぜん飛ばない。ビロードみたいな背中。のそのそとした動き。ヒナコウモリは、かなり可愛かった。もう少し目がパッチリだと、もっと人気が出たのに。
ここ数年で、大阪府のいたるところにアライグマがすっかり定着してしまった。スイカ、イチゴ、ブドウなど果物への加害はしゃれにならないらしい。タヌキやキツネ、テンなど、食性の近い他の中型食肉類への影響も気になるところ。
というわけで、せっせと駆除をしているのだが、時既に遅く、根絶の目処は立たなさそう。あと3年早く動いていたら、ここまで広がり増えなかったと思うのだがノ。今からでは、せいぜい個体数を低いレベルに保つ努力といったところか。
そんな中で、とってもでっかいアライグマが捕れたというので見せてもらった。今までで最大と称せられたそのアライグマの重さは、11.2kg。確かにでっかい。たいていのアライグマは5kg程度。大きなネコのイメージ。タヌキと並べてもさほど違いはない。が、10kgを超えると、ネコやタヌキなんかとは、まったく桁違いに大きい。中型食肉類よりは、大型食肉類に近いような気がする。少なくとも野外で近くで出会いたいとは思わない。タヌキやキツネは、絶対に負ける。その内、タヌキやキツネがいなくなって、でっかいアライグマだらけにならなければいいけど。
懸念はさておき、Yさんに、大阪府最大のアライグマの自慢をしてみた。兵庫県の事情に詳しいYさん曰く。兵庫県最大のアライグマは12kgやで。
負けた。兵庫県に負けた。なぜか悔しい。
今年から、淀川水系の生物相調査をはじめる。淀川水系といっても、琵琶湖まで行くのは大変なので、三川合流より下流(支流を含む)のみ。おおむね大阪府下ってことで。
この一年くらいは、できるだけあちこち歩き回って、土地勘を養う予定。ついでにボチボチと、カエル類、ヌートリア、カワガラスなどの生息情報を集めていき、来年以降、真面目に調査しようかと計画中。
両生類、爬虫類、哺乳類も担当で、甲殻類や貝類にも興味があり、とうぜん水草や甲虫の調査にも参加するつもりだが、やはり本業は鳥類。ため池や河川沿いの鳥調査は一通りするつもりだが、中でも注目する予定なのは、イカルチドリとカワガラスの分布、セキレイ類の流程分布。少し河川からは離れるが、イワツバメとコシアカツバメ。そしてヤマセミに要注意。といったつもりでいた。
今日、知り合いの方からアオシギの画像が送られてきた。そういえば、昨冬にもアオシギの画像を見せて頂いた。その上、昨冬も今回のも淀川水系!
アオシギといえば、冬の山手の小さな川の代表選手。それでいて、その生息状況は今ひとつはっきりしていない。
今まで調査対象と思ってなかったけど、これはぜひ冬の河川沿いを調査して、アオシギの生息状況を明らかにせねば! というわけで、アオシギ調査も盛り込む事に決定。まあ、カワガラス調査と兼ねられるんじゃないかと。
とりあえず、来年の1月に調査の研修を兼ねて、アオシギの観察会? うーん、いったいどこに行けば…。
朝方に雨が降った。昼前にはあがっていたけど、人出は少なく、ほとんど植物園を独占状態。
果実はちゃくちゃくと減少中。クスノキやトウネズミモチはほぼなくなった。先週の土曜にはまだけっこう残っていたサンシュユも完全になくなった。センダンの果実がちゃくちゃくと減少中。早い個体ではすでに果実はなくなり、遅い個体でも半分くらいになっている。問題はクロガネモチ。ようやく減り始めたけど、まだまだたくさん残っている。果実が完全になくなるのは、来週なのか?
とはいえ、おいしそうな果実はほぼなくなってしまい、鳥の方はぼちぼち果実消失後に向けての動きがはじまっている感じ。あんなに乱舞していたツグミがほとんど見あたらない。ヒヨドリの個体数もかなり減った。
そして、久しぶりにムクドリの群れが出現。ムクドリは、例年、植物園外の果実から食べているらしく。植物園内に出現するのは、果実に最後のとどめを刺す時。いよいよ果実消失がせまっている感じか〜。
てなことを考えて、昼間は植物園をウロウロしていた。夕方、ふと植物園に出てみると、数百羽のツグミが飛んでいた。昼間はどこに行っていたのか知らないけど、夕方は植物園に戻ってきて寝ているらしい。
昨年を振り返って、達成できなかった目標を正直に告白し、懺悔。そして、今年の目標を高々とぶち上げるという、不毛な企画があった。まあ、今年はこんなに忙しいから、これ以上仕事を増やすんじゃない!と宣言するくらいのもんだと理解している。
さて、そんなわけでも今年も忙しい。調査をして、展示を作って、観察会をして、会議をして。春にはイベントをかかえているし、学会発表の約束もしてしまったし。その上、時間が残れば原稿を書いて。
そんなに忙しいのに、本業とまったく関係のない目標を立ててしまった。元旦の日に、うっかり魔が差したとでも言おうか。その目標とは、
「今年は毎日本を読む。そして、毎日少なくとも1冊読み終わる。」
なんて無謀な目標〜。しかし驚くなかれ、昨日まではちゃんと目標通りに本を毎日1冊ずつ読み終わっていたのである! どうだ、驚いたか。15日で15冊(ほぼすべてSF)。この調子なら一年で365冊読めるはず(そんなにたくさんのSFが出版されるかな〜?)。
ところが、今年の目標は残念な事に昨日までで潰えるのである。いくら文庫本でも、1000ページ以上を一日で読むのは難しい。残り時間は4時間ほどしかないしノ。
というわけで、今年の目標は、「毎日、少しでも本を読む」にトーンダウンということになりそう。
この日記めいたものを書き始めて、今日でちょうど丸二年になる。書き始めた当初はこんなに続くとは思っていなかった。
さて、一周年の時と同様、この1年365日の中で何日書いたか(実際には、何日書いてないか)を数えてみると、344日書いてることが判明。
一年目が325日だったので、大幅に改善! というか、さらに時間を費やした事になる。
この2年に書いたテキストの量は相当なものになるはず。やはり、そんな暇があったら論文書けよ、って気もしつつ。いつか、こうしたブログが業績として認められる時代が来るかもしれない。いやきっと来る!などと、妄想も抱きつつ、三年目に突入。
しかし、一年間に起きる出来事は、毎年毎年さほど変わるわけではない。一年の同じ時期に、気付かずに同じようなことを書いてるんだろうな〜、と思いつつ、それが明らかになるのが恐いので、読み返してはいない。だから、探さなくていいからね。
ひさびさに鴨川沿いを歩いた。学生時代に歩いたっきり。というわけでもないのだが、気分はそんな感じ。午後から行って、ユリカモメのねぐら入りを見たからかもしれない。
久しぶりの鴨川は様変わりしていた。ユリカモメが少ない。七条大橋から三条大橋辺りまではそれなりにいるけど、その上流にほとんどいない。ちょうど荒神橋を午後3時15分頃にとおりかかった。かつてであれば、荒神橋のおばちゃんの給餌時間。この時間になれば荒神橋周辺には1000羽を超えるユリカモメが集まったものだが、ユリカモメの姿はまったくない。なぜか寂しい感じ。
こんな調子では、ねぐらへ向かうユリカモメの鳥柱も期待できないな〜。と思っていたら、午後3時半を過ぎる辺りから、下流や上流から賀茂大橋の辺りへ、数百羽単位の群れが4つほど。結局合計1000羽以上の個体が上空を飛んで、比叡山方面へ飛び去った。いったいどこにいたんだろう?
久しぶりの鴨川は様変わりしていた。トビがやたらと多い。確か数年前に行った時にもトビが多いな〜、とは思ったが、今回はとくに印象的。なんせトビに餌やりをしている人が2組もいた。片方は、ユリカモメに餌やりするついでにトビにも餌を与えている感じだったが、もう片方は明らかにトビを狙って餌をあげている。あげているのもパンではなく、炭酸煎餅とかビスケットの類らしい。口笛かなにかで音をならすと、そやつの上空に何羽ものトビが近寄ってくる。そこをめがけて、丸くて平べったい物を投げ上げる。それをトビが上手に上空でキャッチ。確かに楽しそうではある。下では、トビがキャッチしそこねたのやら、トビからの横取りを狙って、カラスが多数待機。ちなみに水上ではカモ類が待機。おもしろいことに分け前にあずかれない事を知っているのか、ユリカモメはほとんど集まってきていなかった。
トビの方は、七条大橋から賀茂大橋の間で70羽程度数えられた。これが下鴨神社の森に集まって寝ると聞いたので、見晴らしの良い場所でトビが集まるのを待つ。午後5時くらいには来るだろうと思っていたのに、ほとんど集まらず。寒い寒いとブーブー言っていたら、20分遅れで次々と集まってきた。寒かったけど、待ってよかった。
それにしても寒かった。あわてて行ったので、草履履きだったのも敗因。さらに河川敷の草の中にカヤネズミの巣がないかなー、などと思って水辺に行ったら、足先を濡らしてしまった。一層寒い〜。そんなわけで、帰ってきたら、軽く熱っぽかった。
大阪人へ忠告、京都は大阪より寒い。京都へ行く時は、厚着をして、靴を履いていった方がよろしからん。
林内を歩いていたら、目の前の横枝にヤマガラがとまった。何か持っている。と思ったら、足で押さえてつつき始めた。どうもシラカシか何かのドングリらしい。嘴でたたき、ちょっとずつちぎって食べている感じ。両足は、ドングリをしっかり押さえつつ、体も支えているわけで、なかなか器用。
その枝がお気に入りなのか、時々ドングリをくわえて向きを変えたりするものの、ずっとその枝でドングリを食べている。隣から他のヤマガラがやってきても、ちょっと動いて、また戻ってきていた。
ふと気付くと、周囲には、他に3羽ほどヤマガラがいる。でも、他のヤマガラは、サザンカの植え込みの中や、アラカシの葉っぱの先辺りをウロウロして、虫を探している様子。ドングリを食べているのは1羽だけ。その1羽の近くにやってきても、ドングリを奪ったり、自分もドングリを拾って食べる気はなさそう。
ヤマガラにはドングリ好きと、ドングリ嫌いがいるのかも。個体識別ができれば、明らかにできるのにな〜。ドングリの渋は、けっこう有害で、渋の多いドングリばかり与えていると、アカネズミは死んでしまうらしい。ヤマガラの場合は、どうなんだろう? ドングリ好きは注意した方がいいぞ〜、とちょっと気になった。
刑事が二人。おもむろに椅子に座り、ビニール袋に入った物を机の上に置き、尋問がはじまる。
「これは一体何や?」
「と、鳥の羽毛だと思います」
「何の鳥や?」
「た、たぶん水鳥のダウンじゃないかと…」
「なんでそんなもんが、現場に散乱してるんや?」
「ダウンジャケットとか、羽毛布団が破れたとか…」
「現場の前に落ちてたこっちは何や?」
「そ、それも同じようなダウンですが、現場と同じ物かどうかは、ウニャムニャ」
「ほんだら現場周辺のあちこちに落ちてた、これは何や?」
「大部分はハトとかスズメとかの羽根だと思いますが、いくつかはダウンのように思います…」
「思いますだ〜!」と刑事は机をドンと叩いて立ち上がり、被疑者の胸元をつかんだ。
なんてことはなく、「なるほど参考になりました〜」、と言って帰られた。尋問ではなく、質問だった。
ダウンの根元って、けっこうふくれてる事があるのね。最初はてっきり何かの植物のタネかと思ってしまった。勉強になった。
思い起こせば忘れもしない、2004年の9月の…、いつだったかに、初めてカヤネズミの巣探しをした。その後、2006年の7月までの2年弱の間、大和川水系のあちこちに行きまくってカヤネズミの巣を探した。おかげで、カヤネズミの巣を見つけるのはかなり上手になったと思う。
大和川水系のカヤネズミの巣探しの一つの焦点は、カヤネズミの分布の一番下流側の端っこは、大和川のどこなのかだった。まあ、生物学的にというよりは、個人的に。
さて、大和川の河口から約13kmについては、カヤネズミに関わらず、この10数年間毎月1回、自転車で走っている。そのついでに、カヤネズミの巣にも注意していた。ススキやオギやヨシがある程度まとまって生えている場所では、けっこう探し回ったりしたのだが、カヤネズミの巣は見つけられなかった。
結局、カヤネズミの巣を見つけた一番下流よりの場所は、大和川に東除川が合流する辺りだった。
2006年の秋には、カヤネズミの巣探し熱は、とりあえずすっかりさめていた。大和川の河川敷を自転車で走るときも、カヤネズミの巣はほとんど意識に登っていなかった。
が、今日、なんとなく河川敷を自転車で走っていて、ふと目にとまった物がある。オギの上の方にボール状のものが…。自転車を降りて近づいて見てビックリ。カヤネズミの巣! 去年も一昨年もあんなに探して見つからなかった場所なのに〜! と思いつつ、周囲を見てさらにビックリ。さらにカヤネズミの巣が3つもある! もっとじっくり周囲を見て、またまたビックリ。すごい狭い範囲にカヤネズミの巣が8つもあった。近い巣どうしは50cm程度しか離れてないし…。どうやら、たくさんのカヤネズミが住み着いたというよりは、巣をつくりまくる少数個体がやってきたような気がする。
ともかく、大和川のカヤネズミ分布は、下流側に数km程度拡大したことになる。いったい何があったのやら。
さて、一ヶ所見つけると、さらに見つけたくなるのが、人情。さらに河口近くのヨシに、なにやらボール状の物が付いてる! またまた記録更新〜。と思いつつ近づいたら、落ち葉がヨシの先に丸くからみついてるだけだった。残念。
植物園の果実がどんどん減少中。もちろん鳥が食べるから。食べるからというか、大きな果実は食べるよりも落とす方が多い気もする。そういう意味では、木の上からどんどん減少中。
クスノキの果実がほぼ食べ尽くされた。といっても、なぜか毎年最後まで食べ残される木がある。今年も相変わらず、食べ残される木には果実が残っている。
モチノキの果実は、味見をするとけっこう甘い。そのせいか、クスノキ並に早く食べ尽くされる。モチノキの果実はとっくに食べ尽くされたと思っていたら。先日、果実をたわわに付けたモチノキを発見。今日も相変わらず果実がたくさん残っている。すぐ隣のクスノキの果実は食べ尽くされたのに不思議不思議。
センダンは、最後の方まで果実が残る樹種の一つ。そうは言っても、上の方からどんどん果実は減少中。数日に1回、同じ場所から撮影しておけば、果実がみるみるなくなる様子を記録できそう。今シーズンはすでにタイミングを逃したけど、試しに今日撮影してみた。
さて、センダンの木の中にも、最後まで残る木が決まっている。大池にかかる橋の北にあるあのセンダンの木。果実が小ぶりな気がするけど、そのせいかな〜? ともかく、その木にはまだまだ果実がたくさん残っている。
年末に果実がすべてなくなる予定だったが、予定ははずれ。全部なくなるのは、来週ぐらいかな〜。予定より半月遅れってとこか。
自然観察地図というものの更新作業中。2001年に調査した場所を、2006年に再調査して、ヴァージョンアップ。たくさんあるのをみんなで分担。担当は、3ヶ所で、なぜか大和川・石川合流点と淀川鵜殿の2ヶ所の川が含まれている。鳥屋は河川がお似合いってことだろうか。
山の地図なら、5年程度では、地形や道にさほど変化はない。でも、河川は驚くほど変化している。とくに中州の形や流路が様変わりしてたりする。ベースマップの変更からしなくてはいけないので面倒〜。
石川の場合、すでに高水敷は(必然的に川岸が)コンクリートで固められていて、いまさら変化のしようがなさそうなのに、河道が大きく変化している。道明寺辺りで大きく蛇行しているのである。蛇行して、三日月湖を残して、再び真っすぐの河道に。というのを狭い幅の中で繰り返しているらしい。けなげ〜。
鵜殿の場合、淀川の河道は大筋では変わらないのだが、それでもカーブしてるところの州の感じはけっこう変わった。岸側に水たまりができたりもして。
でも、もっと変わったのはヨシ原の方。再生事業のおかげで、増水時に流れる水路ができたりしてるし。ヨシ原の間を新たな道が走ったし。一方で、水路沿いの道がなくなった。水路を渡る橋も変わったみたい。
というわけで、5年に一度は改訂して正解って感じ。ってことは、次の改訂は、2011年?
この二日間は、たくさんの小学生とお話をした。毎年恒例。本当は、鳥の皮むきの実演をして、その説明をすることになっているのだが、小学生の興味は千差万別。さらに皮むきが気持ち悪い子もいる。というわけで、相手の様子を見つつ、何を説明するか決めることになる。結果として、一方的に説明するというよりは、相手の質問に答えつつ、その方向で話を膨らますことになる。とはいえ、最低限、話しておきたい事はある。そこはそれ、何とか無理矢理にでも話を持っていく。
質問が出ない時は簡単。最低限の説明をしてしまい。あとは、自分が説明したいことを、様子を見ながら適当に話すだけ。説明が終わってから質問される場合もこのパターン。
最初や途中の質問が少ない時も簡単。質問に答えつつ、都合の良い方向へ話をもっていく。あとは相手次第。
問題は、質問の多い時。なぜか小学生は、同時に話し出す。
二人同時に質問されても、質問内容はそれなりにわかる。少しでも話出しの早いほうを優先して、順に質問に答える。三人同時に話をされても、まあ質問内容はなんとかわかる。問題は答える方。ってゆうか、二人に答えてる間に、次の新たな質問がノ。そのうち、三番目の質問がわからなくなるノ。
聖徳太子は同時に10人の話を聞いて理解できたらしい。それはたいしたもんだ。でも、返答はさすがに同時にはできまい。どうやってたんだろう? 偉いさんだから、待たせて順に答えてた? それなら、最初から順に話をさせて、順に答えればええやん。
というわけで、聖徳太子のマルチタスク機能は、さほど実用的ではないんじゃないかと思った二日間であった。
まあ、皮を剥いてる鳥とか、その辺に転がっている標本の生き物とか、室内の機械についての質問なら、ぜんぜんOK。小学生は突然関係ない事を話し出す事がある。今日困ったのは、
「あたしのお兄ちゃん、知ってる?」
「えー、今日あったかな?」
「うううん、今日は来てないねン」
どうやら以前会った事があるのを覚えてるかという質問らしい。
「お兄ちゃんに会ったら、思い出すかもノ」
「あたしもお兄ちゃんいる!」「僕も!」「私も!」
いやいや、その話題にかぶせてこなくていいから。
「みんなお兄ちゃんがいてよかったね〜」
なぜかこれで一段落。 楽しい二日間であった。
情報センター仮説というのは、鳥が集団をつくる理由としてよく言われる説。たとえば集団ねぐらをつくるのは、集まった個体間で、良い採食場所についての情報伝達が行われると考える。と言っても直接教え会う事を想定している訳ではなく、良い採食場所を見つけて、たらふく食べたとおぼしき個体の後を、あまり食物にありつけなかった個体が付いていくだろう。といった程度のもの。
パッチ・シッティングというのは、昼間の採食場所に応じて、集団ねぐらの位置を変えていく。とまあ、集団ねぐらと採食場所の利用パターンの一つを指す言葉。ただ、一般には昼間集団で採食している場合について言う事が多いような感じ。ともかく、どうして集団ねぐらをつくるかといった問いとは関係なさげ。
でも、パッチ・シッティングする種で考えると、集団ねぐらが情報センターとして機能しているかどうかをある程度検討できるんじゃないか。などと思いついたので、忘れないようにメモ。
昼間集団で採食して、夜は集団ねぐらを形成する鳥を考えよう。
もしその集団ねぐらに他の場所で採食していた群れが合流しなければ、情報センターとしては機能しない(新しい情報がないし)。そんじゃあ、他の場所で採食していた群れが合流することにしよう。これでめでたく、集団ねぐらの情報センターとしての機能を通じて、群れの昼間の採食場所がシフトできる。
でも、これはパッチ・シッティングではない。パッチ・シッティングは、採食場所に応じて、集団ねぐらの位置も変わらなくては! そこで重要なのは、意志決定のタイミング(誰がどのように決定するかは、どうでもいいことにする)、そして採食場所と集団ねぐらのどちらを変える決定をするか。3つに分けて考えてみよう。
<1>昼間、採食場所を変える決定をする。それに応じて集団ねぐらも変わる。
→集団ねぐらは、情報センターとして機能しない。
<2>朝、集団ねぐらから飛び立つ時に、採食場所を変える決定をする。それに応じて集団ねぐらも変わる。
→もし、採食場所と集団ねぐらの対応関係がきちんと決まっているなら、飛び立ち時の集団ねぐらで、新たな採食場所の情報は得られないので、集団ねぐらは情報センターとして機能していないことになる。
もし、採食場所と集団ねぐらの対応関係がルーズなら、集団ねぐらが情報センターとして機能している可能性がある。
<3>夕方、集団ねぐらを変える決定をする。それに応じて翌日の採食場所も変わる。
→集団ねぐらの情報センターとしての価値は、あまり高くなさそう。もちろん新たな集団ねぐらから、どこに採食に行くかという意志決定には役立つだろうが。
そして、気になるポイントが2つ
★1:いずれの場合でも、もし群れの構成メンバーに入れ替わりが多ければ、メンバーの過去の経験をいかした形で、採食集団自体が、情報センター機能を持つことが考えられる。
★2:<3>の場合で注目は、塒前集合の有無。もし塒前集合があるなら、塒前集合こそが情報センターとして機能して、その日の集団ねぐら、ひいては採食場所選択に影響をもたらすかもしれない。
というわけで、集団で採食し、集団ねぐらを形成する種で、集団ねぐらのシフトが起こっている場合。一日のどのタイミングで、集団ねぐらや採食場所のシフトが起こっているかを観察すれば、集団ねぐらが情報センターとして機能しているかを少しは検討できそうに思う。
ユリカモメならいけるんじゃないかな? 京都の鴨川で採食している群れは、琵琶湖に集団ねぐらをつくる。けど、大阪湾との行き来も多い。大阪湾岸を採食場所にしているユリカモメは、大阪湾に集団ねぐらをつくる。
鴨川のユリカモメが、採食場所を大阪湾に変える時、夕方、鴨川から大阪湾の方に飛んでいってるように思う。これは未確認ではあるが、もしそれが本当なら、塒前集合なしの<3>に当てはまる。
赤外線センサー付きのカメラを、山中に仕掛けて撮影した写真を見せてもらった。カメラが狙っているところを何かが動いたら撮影するという例のアレ。食肉類を中心に、偶蹄類、ネズミ、リス、ウサギ、鳥類。ときにはスズメバチや蛾まで写っていて、とってもおもしろい。
学会などで発表してるのを見ると、とっても綺麗に動物が写っているかのようだが、アレは見栄えのするのを選びまくっているらしい。多くの画像は、動物の一部しか写っていなかったり、なぜか露出がオーバーだったり、あるいは妙に暗かったり。動物が写っていてもなかなかその種を同定するのが困難な場合が少なくない。さらに風の影響などをうけて、動物がいないのにシャッターが切られている事が多い。というわけで、一見、何にも動物が写ってなさそうな写真を睨んで、動物を探し、苦労して同定することになる。
最初の内は、真ん中にネズミが写っていても気付かなかったのが、たくさん見ていく内に、画面の中のネズミが目に飛び込んでくるようになる。尻尾だけしか写ってなくてもハクビシンとわかるようになる。ひとが一度チェックしていても、見逃しも少なからずある。競い合うように、写真を見ていく内にあっという間に2時間。結局、全部見てしまったらしい。
鳥はあらかた同定できたけど、中にはよくわからないのも。哺乳類では、妙にアップで体の一部しか写っていないのが手強い。光っている眼しか写っていないのは、ほとんどお手上げ。
ともかく、日頃山を歩いていても見かける事のない哺乳類がたくさん写っていて、とっても楽しい。その結果は学会で発表するそうなので、どんな種が確認されたかは書けないけれど、近所の山や公園で、一度やってみたいな〜、と思った。
ツグミの死体を入手した。ツグミというか大型ツグミ類の死体の入手はさほど珍しくない。ヒヨドリなんかと比べると旋回性能が落ちるんだろうか、まっすぐ飛んで、曲がるのが下手っていうか。とにかく、ガラスによく衝突する。大阪でなら、ツグミやシロハラの死体は普通。アカハラやトラツグミもさほど珍しくない。
でも、今回の死体は珍しい。死んでいたのが、大きな花壇の中で、周囲に窓ガラスがないのだ。ガラスに衝突して死ぬ場合、拾われるのは、ガラスから数メートル以内。10メートル以上離れていることは少ない。まあ、高ーいビルの下なら別だろうが、一番近い建物は、一応2階建て。
珍しい理由はもう一つ。実は年末にもツグミの死体を入手している。拾った場所は、今回のに近い林の中。前回の死体も、今回のも、とくに外傷はなく、外見はとっても綺麗。というわけで、捕食にあったのではなさそう。じゃあ死因は?
鳥の大量死といえば、毒のある食べ物を食べたとか、感染症とかが疑われるかも。今年はツグミが多くて、200羽以上がウロウロしている。そのうちの2羽では、大量死とも言えない。とりあえず今後もツグミが死ぬか要注目。
今日は、仕事始めという日らしい。普段とあまり変わらない生活をしていたので、あまり実感がない。とはいえ、正月三が日は、あんまり仕事をしなかった。
元旦:昼間は地元のフィールドで調査。鳥を数えて、木の実を数えた。デスクワークはパスして、帰って本を読んでいた。お餅を15個も食べた(小さめのも含めて)。人生で最高記録かもしれない。
2日:調査に出かけるつもりが雨だったので、挫折。その上、気分が悪くて、一日寝ていた。元旦に餅を食べ過ぎたせいの気がする。起きて本を読んで、気持ち悪くなって寝るの繰り返し。
3日:昼間は軽く調査。帰りがけに本屋に寄った。記録を見ると、昨年も1月3日が、本の買い初めだったらしい。帰ってからは、本を読んだり、テレビを見たり。
たぶん、この3日間が、正月休みだったんだろう。正月早々体調を崩したのが悔やまれるところ。一年の計が元旦とか、正月三が日にあったりしたら、ちょっと嫌かも。
元旦の植物園。当たり前だが、他には人は誰もいない。完全に独り占め状態。鳥たちも我が物顔に振る舞っている感じ。池のカモの浮いてる場所もいつもと違うし、けっこう陸に上がっていたりする。
年末年始には、カラスがたくさんやってきて、色々と悪さをするのが年中行事。今年は、一昨日にやたら花壇の周りでなにかやっていた。見に行ってみると、ハボタンの葉っぱがちぎられ、株から抜かれたのまである。さらにパンジーの花も軒並みちぎられている。パンジーと並んでいたオレンジの花(種名がよくわからないノ)も同じような被害にあっていた。
カラスと並んで多いのは、ツグミとヒヨドリ。ヒヨドリは、クスノキやエンジュなどの果実に集まって盛んに食べている様子。大半のクスノキの果実はすでに食べ尽くされた感じ。モチノキやトウネズミモチの果実もほとんどなくなっている。残っているのが目立つのは、クロガネモチ、センダン、エンジュといったところ。クロガネモチには、まだほとんど手が付けられていない感じ。エンジュとセンダンは、ヒヨドリ、ツグミ、ハシブトガラスが盛んに食べているので、なくなるのも時間の問題。
例年と一番違うのは、とにかくツグミが多いこと。地面に降りてるのも多いし、樹上にも大量にいる。カラスが木にとまると、そこにいったツグミが一斉に飛び立つ。歩いていくと、前方の地面や樹上からバラバラとツグミが飛び立つ。上は数十羽のツグミが飛びまわる。とにかくツグミだらけでにぎやか。ざっと数えて約250羽ってところか。植物園の外側との出入りも多いので、公園全体ではもっといそう。
この冬は、年末に果実がなくなると予想していたのだが、その予想ははずれた。はずれはしたが、この10日ほどでなくなりそうではある。というわけで、大きくははずれてなかったってことで‥。