テーマ別自然観察会「六甲山南縁の地質と活断層」
6月7日(日)にテーマ別自然観察会「六甲山南縁の地質と活断層」を、地学団体研究会大阪支部との共催で開催しました。5月10日開催した地球科学講演会と同様、阪神淡路大震災から20年という節目でもあることから、活断層の観察会を実施しました。30名の参加者がありました。
コースは東おたふく山から住吉川を降り、阪急御影駅まで至るという博物館の観察会にしてはやや長いコースでした。
東おたふく山にいたる道路ではピンク色のカリ長石や透明な花こう岩の目立つ花こう岩の観察をしました。六甲山はほとんどがこの花こう岩からできています。
土樋割(どびわり)峠では、大月断層による破砕帯が観察されました。花こう岩が断層活動によって、ほとんど粘土のように軟らかくなっています。
東おたふく山からは、神戸の街並みや大阪湾を見下ろし、断層活動による六甲山の上昇について説明を受けました。六甲山が急な斜面と緩やかな地形の段々になっているのは、何本もの断層が山地を上昇させたためです。
住吉川を降り、登山道から少しずれて沢沿いの道無き道を進むと、五助橋断層があります。倒木などで断層の境界面は観察しにくかったですが、花こう岩と谷筋を埋める新しい時代の地層が断層で接している様子を観察することができました。
山から降り、昭和13年(1938年)の阪神大水害の洪水水位の碑なども見学しました。台座の下の線のところまで水が来たそうです。
地震や水害などが、山地の地形や地質と関わっていることを実感することができた観察会となりました。