長居植物園案内(6月)虫スペシャル

毎月行っている植物園案内ですが、どうしても密になってしまうために、残念ながら当面中止となっています。単に中止というのも味気ないので、学芸員が無観客で行事を行ったつもりで、植物園の今の様子を紹介しています。6月は私が担当でしたので、本日の様子を紹介します。(松本@昆虫研)

1.サンゴジュの花
ちょうどサンゴジュの花が咲く時期です。
花には花粉や蜜を求めていろいろな昆虫がやってきます。
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キムネクマバチやコアオハナムグリは花粉まみれ。
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アオスジアゲハは軽やかに飛びながら蜜を吸っていきます。

2.アオスジアゲハ
アオスジアゲハの幼虫はクスノキの葉を食べます。
大阪では街路樹にクスノキがたくさん植えられていますので、アオスジアゲハもよく見られます。
少し育ちの悪い柔らかそうな葉を探すと、卵や幼虫が見つかります。
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3.クモ
クモは網を張って獲物を捕まえます。
種によって網の構造が違うので、それでクモが見分けられることもあります。
写真はマルゴミグモとコガネグモ。
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マルゴミグモは並べた卵のうが目立ちます。
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コガネグモの網にはX字状の白帯が見られることが多いです。モンシロチョウを捕まえたところ。

4.オオスカシバ
いつもはせわしなく飛びまわっていますが、なぜか葉っぱにとまっていました。
幼虫がクチナシを食べるスズメガのなかまです。お腹の先っぽがフサフサ。
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5.ナミアゲハの幼虫
園内には柑橘のなかまが何種類も植えられていて、ナミアゲハの幼虫が見つかります。
若齢幼虫は黒い糞のような色形をしていますが、大きくなると一転、緑色になって葉っぱに溶け込みます。
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6.アカスジカメムシ
見た目そのまんまの名前です。セリのなかまにつきます。
カメムシなのにそんなに臭くありません。
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7.イヌビワオナガコバチ
イヌビワの花嚢にとても長い産卵管をもったコバチがとまっていました。
花嚢の中の虫こぶで育つイヌビワコバチに、外から卵を産み付ける寄生バチです。
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8.セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ
とっても長い名前です。
帰化植物であるセイタカアワダチソウにつく赤くて目立つアブラムシです。
直接幼虫を産んでいるのが分かるでしょうか。
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9.その他見られた昆虫
ベニシジミ
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ヒメアカタテハ
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キマダラカメムシの卵
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カマキリの若齢幼虫(オオカマキリ?)
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街なかの公園ですが、いろんな昆虫が見られます。
来園の際には、ちょっと虫を探してみるのも面白いと思います。
状況が落ち着いたら、ぜひ植物園案内に参加ください。

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