テーマ別自然観察会「大阪層群の地層と化石」

3月10日にきしわだ自然資料館と共催で、行いました。
この日は47名ものたくさんの方の参加がありました。
お昼過ぎに寒冷前線が通過するとの天気予報でしたが、午後は室内で化石のクリーニングと観察の予定だったので、実行することにしました。


大阪層群は、300万〜30万年前の地層です。
まず、和泉山地は中生代白亜紀の和泉層群、和泉山脈より手前側にある神於山は花崗岩類、その麓に広がるなだらかな丘陵地が大阪層群でできていることを説明しました。


IMGP4824.JPG

その後しばらく歩いて、160万年前の福田火山灰層を観察しました。


IMGP2261.JPG

福田火山灰層は今の北アルプスにあった、今は姿の残っていない火山の巨大噴火でできた火山灰層です。
空から降ってきた火山灰がたまった後、火砕流台地がくずれて洪水を起こしたものが、大阪にまで流れてきました。


さらにしばらく歩いた所で、およそ270万年前の大阪層群の観察をしました。
砂・泥・小石からできている様子、ラミナなどを観察しました。


IMGP4827.JPG

きしわだ自然資料館のアドバイザーの先生が説明をしてくれました。
ゾウの足跡化石の可能性のある地層の変形構造も観察できました。
貝・骨・植物などの生き物の体の一部だけではなく、足跡や巣穴の跡も化石です。


その後お昼過ぎまで、化石採集を行いました。
化石を多く含む地層を固まりで取ってきて、それを細かく割りながら、植物化石を探しました。


IMGP4829.JPG

学芸員さんの説明を聞いているところ。


IMGP4830.JPG

地層のかたまりを割って、化石をさがしています。


IMGP4834.JPG

雨が降りだす直前まで、皆さん大変熱心に採集をしていました。


IMGP4838.JPG

雨が降り出した頃に室内に移動し、お弁当を食べた後、化石のクリーニングを行いました。
メタセコイアの球果、イヌカラマツの短枝や球果の鱗片、イヌマンサクの実、ナツツバキの実、エゴノキの実などが見つかりました。
270万年間の地層の重みでつぶれてしまっているものが多かったのですが、どこを見たら種類がわかるのか、想像力を駆使しながら説明を聞き、顕微鏡で観察しました。
また、観察しやすいように洗い出した福田火山灰の粒を、顕微鏡で観察しました。


参加した皆さんは、見つけた化石をアルコールの瓶にいれたり、乾燥してばらばらにならないように接着剤で補強して、お土産にしました。



自然史博物館やきしわだ自然資料館には大阪層群の化石がたくさん展示してあります。
ぜひ一度ご来館ください。
きしわだ自然資料館についてはコチラ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です