テーマ別自然観察会「久米田池の水草」

2024年10月5日(土)にテーマ別自然観察会「久米田池の水草」を実施しました。

きしわだ自然資料館との共催行事で、久米田池の水草を観察しながら、昨年見つかった珍しい水草ムサシモを探そうという行事です。

久米田池のムサシモについては下記URLをご参照ください。

岸和田市報道発表「ムサシモが発見されました」

https://www.city.kishiwada.osaka.jp/soshiki/3/houdou-20231102musasimo.html

久米田池交流資料館に集合した参加者たちは、久米田池沿いを時計回りに歩きながら観察ポイントへ向かいます。道中、歩道から見られる水草や水鳥も観察しました。

途中、きしわだ自然資料館の岡本館長からヤブカラシの2倍体と3倍体の解説もありました

久米田池の東岸の観察ポイントに到着。今回は久米田池の水利組合の方に許可をいただいて、ゲートを開けて池岸まで降りて観察させてもらいました。

長靴を履いて池の中に入ってみると、水草がたくさん生育しているのがわかりました。

よく見ると水面からホザキノフサモの花が立ち上がっています。

採集した水草をみんなで観察しながら種類ごとに分けていきます。よく見ると花が付いているもの、果実が付いているもの、根っこが付いているものが見つかり、それぞれの器官を観察しながら水草の生態について考えたりもしました。

種類ごとにバットに入れて観察しました。一番左のバットにはホザキノフサモ、真ん中のバットにはリュウノヒゲモ、一番右のバットにはオオトリゲモとツツイトモが入っています。

みなさん、それぞれの興味に合わせて池岸でいろんな生き物を観察しました。昆虫や鳥に詳しいスタッフもいたので、水草以外も見られる充実した観察会になりました。目的のムサシモですが、みんなで一生懸命探しましたが、残念ながら確実にムサシモと思える植物は見つかりませんでした。岡本館長が栽培している久米田池産のムサシモを持ってきていたので、ムサシモがどんな植物かは見ることができました。

池岸での観察を終えて、行きのルートとは違うルートで植物を観察しながら帰りました。特に久米田池の南岸には植生帯があり、様々な植物が観察できます。下の写真はモミジアオイという外来植物。園芸用に持ち込まれた植物だと思いますが、池岸に定着しているのはやや珍しいと思います。

町中の側溝やコンクリートの隙間でよく見かける外来植物のヤナギバルイラソウが久米田池の中に生えていました。昨年の行事の際は見かけませんでしたが、これから拡がるのか心配です。

最後の久米田池交流資料館に戻って解散としました。普段は見られない水草をたっぷり観察できた充実の行事となりました。

久米田池の水草の変遷については下記のリンク(きしわだ自然資料館研究報告のページ)から詳細が読めます。

久米田池(大阪府岸和田市)における水生植物相の現状と変遷

https://www.city.kishiwada.osaka.jp/uploaded/attachment/63680.pdf