(2005年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、2006年1-3月、4-6月、7-9月、10-12月、
2007年1-3月、4-6月、7-9月)
大晦日恒例(今回が2回目だけど)、この一年に買った本を振り返ってみよう。
ちなみに、以下の集計は、国内で本を現金で購入した場合に限る。海外の本を買ってクレジット決裁した場合は含まない。学会や研究会に入る理由の大部分は学会誌や会報を入手することだが、それも含めない。
2007年に買った本は、144冊。購入金額は197,299円+税。2006年が、145冊で188,207円+税なので、あまり変わっていない感じ。
購入した本をタイプ分けしてみると、
・自然史関連本:56冊、96,431円+税 (42冊、83,087円+税)
・SF関連:61冊、78,780円+税 (60冊、74,240円+税)
・ライトノベル:12冊、8,740円+税 (14冊、9,282円+税 )
・その他小説:7冊、8,253円+税 (6冊、8,743円+税)
・マンガ:8冊、5,095円+税 (23冊、12,855円+税)
()内は、2006年実績。
こうしてみると、狙ったわけではないのに、内訳の冊数と金額も2006年とあまり変わらない。マンガが減って、自然史関連本が増えたくらいか。
さて、ついでに今年も読んだ本の数を数えてみた(ただし、いくつかリストアップもれがあるので、後で追加する)。自然史関連本34冊、SF関連48冊、ライトノベル6冊、その他小説5冊、マンガ8冊。合計101冊。今年買った本を読んだとは限らないのだが、読破率(一年に読んだ本/買った本の割合、これはむしろ回転率?)は、70%。2006年の84冊、58%に比べるとかなりがんばった感じ。
でも、総括としては、今年は未読の山を43冊増やしたってことになる。わが部屋には本がたくさん積んであるのだけど、近頃、未読の山が幅をきかせてきて困っている。この正月に少しでも善処しなくては。
大阪辺りの池では、人影を見るとすぐに、カモが集まってくる。すっかり餌付いている感じ。ちょっと遠出をしたら、遠くのカモがそうそうに飛んで逃げてしまうことも少なくない。そんな場所では狩猟が行われていたりする。人を見たら近づくカモと、人を見たら逃げるカモがいるのではなく、場所によって人に対する対応を変えているんじゃないかと思っている。場所ごとに、ここの人は餌をくれる、ここでは撃たれるってな具合。
さて、今朝、人気のない植物園をウロウロした。池のそばから、茶色い大きな鳥が飛び出した。オオタカ。足にドバトをつかんでいる。その後ろから、5羽程度のカラスがついていく。カラスに追い回されて、ゆっくりドバトを食べてられないらしい。
オオタカは、ドバトをつかんだまま、水面から2mくらいの低いところを飛んでいった。その下には数十羽のカモが浮いていたのだが、カモはまったく無反応。オオタカがつかんでいるドバトと、キンクロハジロの大きさに大差はないのに。とっても不思議な感じ。
大和川で鳥を見てて、オオタカが飛んだらカモメ類とドバトはもちろん、カモ達も飛んでいるように思う。どうして植物園のカモはオオタカを無視するんだろう?
仮説1 オオタカをカラスと勘違いした。で、カラスは無視する事に決めているから。
仮説2 植物園のオオタカはカモを襲った事がないので、ここではオオタカは危険ではないと学習している。
仮説3 ドバトを持ってる状態のオオタカは危険ではないと知っている。
仮説4 とっさのことに反応できなかった。
思いつくのはこんなところ。仮説2なのかも、って思ったのだがどうだろう?
昼頃、オオタカはやっぱり8羽ほどのカラスに追い回されていた。あのドバトはちゃんと食べられたんだろうか?
標識調査をする関係で、一日に何度も植物園をウロウロする。日頃はウロウロしない夕方にもウロウロする。すると、いつもとは違うものが見られるから面白い。
昨年に引き続き、カラスの集団ねぐらが植物園にできている。規模はあまり大きくなくて、今日みたのは100羽程度。飛びまわるのを下から見ていると、なんとなくハシボソガラスとハシブトガラスが区別できる。ハシボソガラスの方が小さめで、尾の比率も小さい。で、この植物園にはハシブトガラスの方が多いのだが、今日飛びまわっていた中には、ハシボソガラスがかなり混じっているようす。もしかしたらハシブトガラスよりも多いかも。
薄暗くなってから、林内に入ると、樹から鳥が飛び出すことがある。キジバトやヒヨドリが多いのだが、一昨日にはカワウが飛び出して驚いた。1羽だけでこんな所で寝ているのかもしれない。
薄暗くなると小鳥類はそうそうに活動しなくなる。カラスはともかく、やかましかったヒヨドリもすぐに静かになる。そうなると水鳥のたてる音や声がよく聞こえ出す。カモ類は、けっこう夜行性なので、昼間よりも元気な感じ。不思議なのは、カワセミの声がけっこう聞こえる事。もう暗くて水中の魚は見えないと思うのだけど、何をしてるんだろう? あるいは、うすぐらい中でも、星明かりの下でも、魚が捕れる?
センサーカメラの使い方講習会を受けた。赤外線に反応して自動的に撮影できるカメラのこと。夜行性の哺乳類の生息調査なんかに威力を発揮する。で、大阪府の哺乳類の分布調査のために、手分けしてあちこちに仕掛ける予定。そのための講習会。
セットして、4週間後に回収して、何が写っているかワクワク現像という楽しい調査。当然ながら、どんな場所にセットするかで、結果は大きく変わってくる。そこで、写った哺乳類をもとに、対決をすることにした。
一度セットして回収してきたフィルムに、どんな種が写っているかでポイントを与えて、合計ポイント数を競う。当然、珍しい哺乳類が写れば高ポイント、生息情報が欲しい哺乳類が写っているほど高ポイント。
とりあえず、こんな配点でどうだろう?
10点:タイワンザル、モモンガ、ヤマネ、ツキノワグマ、ニホンカモシカ
9点:カワネズミ、スミスネズミ、樹洞生コウモリ、ハクビシン
8点:ジネズミ、ヒナコウモリ、タイワンリス、アナグマ
7点:ムササビ、ヒメネズミ、キツネ、テン
6点:洞窟生コウモリ、イノシシ
5点:ニホンリス、アカネズミ、ハタネズミ、ヌートリア、ウサギ、タヌキ
4点:ヒミズ、モグラ、その他ネズミ類、アライグマ
3点:ニホンザル、ニホンジカ
2点:アブラコウモリ、イタチ
1点:ノネコ、ノイヌ
0点:ヒト
2点以下はとくに情報を集めていない哺乳類。3〜5点は、すでに多くの情報があるか、昼間にフィールドサインなどで生息確認できるか、今回あまり期待していない哺乳類。6〜9点がとくに情報が欲しい哺乳類(中でも、ハクビシン、アナグマ、キツネ、テンがメインターゲット)。10点は基本的に大阪にいない哺乳類。
期間は、来年の秋まで。場所は、大阪府内。他にもセンサーカメラを持っていたら、参戦可能。参加希望者は連絡されたし。ただし、参戦した場合、証拠として撮影した画像の提供を求めるのでそのつもりで。さらにそれに基づく分布図が本に載ったりするので、あらかじめ了解のこと。
今年も今日を入れてあと5日。そろそろ今年の目標を立ててみた。
世の中では、どうやら年の初めに目標を立てたりするらしい。が、年の初めにその年に起きそうな事を見通せるはずがない。現に、今年の初めには、4月のイベントさえクリアしたら、比較的穏やかに、観察会をこなし、研究なんぞに現を抜かせるはずだった。ところが、現実はどうだろう。5月以降は、にわか哺乳類屋として、哺乳類調査に追いまくられ、すっかり鳥屋ではなくなっているではないか。というわけで、年頭に立てられるのは非現実的な夢でしかない。
しかし、あと5日であれば、さすがに何が起きそうかは予想できる。明日をもって、世の中の大部分の人が活動停止状態になるという要因も大きい。というわけで、目標を立てるには絶好のタイミングなのである。
とりあえず、羅列しておこう。
・鳥の標本を受け入れる(けっこうたまっている)。
・処理中の皮をなめし液に浸ける。
・標識調査をする(さっき網を張ったし)。
・今年最後のセンサス調査と木の実チェック。
・受け取っているカヤネズミ情報を整理して、分布図を更新する。
・受け取っているヌートリア情報を整理して、分布図を更新する。
・カワウの標識個体情報を整理して、サイトを更新する。
・サークルAの会報を送付する。
・サークルBのメルマガを発行する。
・サークルCのホームページを更新する。
・サークルDに調査報告。
・頼まれた、ネズミの歯形のチェックと、種子の同定(なぜ鳥屋に頼む?)。
・年頭に行く調査の準備。
・メールで来ている質問に答える。
・行事案内を作成して、送付。
・ひよろり書店在庫調べ。
・雑誌を整理する。
・学会の来年度会費を支払う。
・ゴミを捨てる(黒い袋を使えるのは今年いっぱい)。
・牛乳パックの海を撤収する。
・洗濯する。
・家賃を払う。
・年越しそばと雑煮の準備
例年ならここに「年賀状を書く」というのが紛れ込むのだが、年賀状は昨年をもって卒業したのである。このくそ忙しい年末に、そんなことに時間を取られるのが嫌になったのである。というわけで、年賀状は送らないので、関係者のみなさま、あしからずご了承を。
その他にもやらなくてはならないのだが、年内には無理という鋭い洞察のもとにはずしたものがある。目標ではないが、一応メモしておこう。
・論文Aを書く(データ整理段階で何年もとまっている)。
・論文Bを書く(この秋に投稿すべく書き出したのだが、面倒な分析に行き当たりとまっている)。
・論文C〜を書く(昨年までやっていた調査プロジェクトの報告である。いっぱい調査をしたら、いっぱい書かないといけないらしい。大変だ)。
・ユリカモメの標識個体情報を整理して、サイトを更新する(数年分がたまっている、M川以外だけでも、この冬のだけでも更新したいところ)。
・部屋を片づける(ははは、無理に決まってるやん)。
いろいろあるけど、大丈夫。仕事納めは、4日後だから。そして、標識調査は暇であることが予想されるから。
【追記】
年末に今年の目標を立てると、すぐに目標が達成されたか検証できるというメリットがある。ただいま大晦日の午後8時半。そろそろ本当に仕事を納めて、年越しそばでも食べようと思う。かかげた目標の大部分は見事に達成。達成できなかったのは、
・サークルDに調査報告。
・頼まれた、ネズミの歯形のチェックと、種子の同定
の二つのみ。この二つは年明け早々に処理することにしよう。
目標の大部分が達成されたのは、3人の助っ人のおかげが大きい。みんなありがとう〜。驚いたことに、目標にあげるのを避けた部屋の片づけも大部分達成されてしまった。恐るべし助っ人パワー。美しいこの部屋を来年の今頃まで維持したいものだ。
今日、とある会議中で、パーティゲームを思いついた。
ガガブタってのはため池とか生える水草らしい。短花柱花と長花柱花の2型があって、二つの型がそろって初めて有性生殖して種子をつくる。片方の型しかなかったら殖芽によって無性的に増殖する。種子や殖芽は、水路づたいにため池の間を分散する。そのメタ個体群の維持には、ため池をつなぐネットワークが重要。
で、ゲームの仕方。
丸く座って、最初、短花柱花と長花柱花の二つの役を決める。で、あとは、4拍子のリズムに乗って、両手で両隣のどっちかを指名していく。
チャンチャン(拍手)、短花柱花、短花柱花(左右どっちかを指す)
てな感じ。
短花柱花と指名された人は、その次の時に
チャンチャン短花柱花、短花柱花
とまた両隣のどっちかを指名。
長花柱花役になった人も同様。毎回、「短花柱花、短花柱花」と「長花柱花、長花柱花」という声が錯綜することになる。
で、同時に短花柱花と長花柱花を指名された人は、
チャンチャン短花柱花、長花柱花
といいながら、両隣以外の2名を短花柱花と長花柱花役に指名する。
パーティゲームとしては標準的な難しさかな?
殖芽より種子の方が長距離散布するという根拠がないのが難点。
いや別に、大阪の哺乳類を日本全国にまき散らそうとかいう話ではない。大阪周辺の哺乳類についての本を出す予定なのだが、そのままでは大阪周辺でしか売れない。どうしたら全国で売れる本になるだろうかという話。
一日中、哺乳類の皮の処理をしつつ、つらつらと考えてみた。
とりあえず、大阪府とその周辺に生息する哺乳類の解説と写真、分布図なんかを載せるわけだが、それでは全国区の興味はなかなか持ってもらえない。じゃあ、何を付け加えるか。
・とりあえず海域の哺乳類の話も盛り込むとしよう。大阪湾で記録されたクジラ類の一覧。ストランディングレコード一覧。スナメリの観察ポイント。これは、クジラファンの心をくすぐるかもしれない。
・大阪府で絶滅した哺乳類もすべて盛り込むとしよう。カワウソとかのみならず、ナウマンゾウから入れてみよう。真の意味で、大阪府の哺乳類の完全リストとなるだろう。これは、古生物ファンの心をくすぐるかもしれない。
・哺乳類の見分け方、フィールドサインを含めて盛り込む。でも、類書はすでにいっぱいあるしな〜。
・哺乳類の見つけ方、観察ポイント、調査方法を盛り込む。類書はあるが、とくに調査方法に関して、手軽な類書はあまり見あたらない。これは、哺乳類の調査に興味のある人の心をくすぐるかもしれない。
・その流れで、哺乳類の骨による同定の仕方の解説を盛り込む。最低限、頭骨で。これは、遺跡調査の人とかの心をくすぐるかもしれない。
・大阪府周辺での観察地を紹介する。これは、ローカル色を強調して、むしろ全国展開の妨げか?
でも、一番重要なのはタイトルだろう。上記のポイントを盛り込んで、大阪府周辺を取り上げつつ、全国展開できるタイトル。言うは易し。
『哺乳類の調べ方 陸生・海生、現生種から化石種まで 大阪府周辺の哺乳類を調べた結果』
こんな感じ??
ここんところ毎年恒例のホネホネクリスマス。毎日朝から夜までなのでちょっと疲れ気味。3連荘で、明日が最終日。
ホネホネ作業は、指先を酷使するのである。皮むきにしても、皮の脂肪取りにしても、骨取りにしても、指先が命。普段使わない筋肉を使いまくるからだろう。指先がだるい。筋肉痛。その上、切り傷が絶えない。まあ痴呆症予防にはなるような気がする。
さて、ホネホネクリスマスの基本コンセプトは、冷凍室の床を空けよう、というものである。というのも、数日後に向けて、冷凍室の床を空けろという圧力が毎年この時期にかかるから。常連組はこの基本コンセプトをよく理解していて、大きな哺乳類を一度に処理しようとしているのを見て、年末だなぁと思うらしい。
今年のもう一つのコンセプトは大阪府産哺乳類。というわけで、処理してるのは哺乳類ばかり。イノシシ、ヤギ、スナメリといった大物、そしてタヌキ、アライグマ、テン…。
目的にあった物を見つけるために、3晩続けて冷凍室を漁る。マイナス40度は寒いので、パーカーの上にダウンを着て、フードもかぶっての完全防寒体制。と思いきや、足下はぞうりばき、手は素手。とにかく、落ちてきた霜が、足にかかって解けて濡れるのとの競争。濡れた足先はとても冷たく、短時間でも凍傷になりそう。途中で、冷凍室から飛び出すこともしばしば。靴を履けばいいのに…。
でも、それ以上の出来事は今晩あった。何を思ったか、手を洗って濡れた手のまま冷凍室に入って作業してしまったのだな。指先が死ぬほど冷たくって、慌てて出てきたけど、どうやら軽い凍傷になったらしい。マイナス40度の世界に行く前は、手を乾かしておく事をオススメする。
というわけで、指先をものすごく酷使するホネホネクリスマスなのであった。
来年、秋に地震の特別展を計画している博物館もあるかもしれない。そんな博物館のために広報戦略を思いついたので、老婆心ながら教えてあげよう。
どうせ広報用の予算はたいしてないことだろう。電車の車内吊りだとか、駅貼りなどといった金のかかることはなかなかできないはず。できてもせいぜい、広告の空きがある時に、安く吊り広告を混ぜてもらえる程度に違いない。ましてやテレビやラジオでスポット広告なんて夢のまた夢。新聞社が後援に付いてるわけでもないので、きっと新聞広告もほとんどないだろう。まあ、地震だけにタイミングを間違えなければマスコミの反応も悪くないはず。記事を投げ込めば反応があるかもしれないので、ダメもとで広報努力はおこたらないように。
しかし、ここで提案するのは、たいしてコストはかからず。いやむしろ収入がある上に、広報効果も見込めるという画期的なアイデア。画期的なのは自然史系博物館的に画期的なだけで、世の中的には別に珍しくはないのだが…。
まず、可愛い地震展用マスコットキャラクターを作るべし。アランジアロンゾとかに頼みたいところだが、そんな金はないので、手近なデザインが得意な人に頼んでみよう。あるいは友の会会員に公募するというのもいいだろう。地震だけにキャラは、ナマズかモグラといったところだろうか。べたでもわかりやすいのが一番。格好いい地震展ロゴも作る事にしよう。同じく、金のかからない相手に頼もう。で、キャラと組み合わせて、かっこいいデザインを仕上げる。頼む相手は…(以下同文)。
で、Tシャツを作成。和手拭いやミニタオルもいいかもしれない。でも、広報効果としてはTシャツが一番だろう。とにかくこのTシャツを春から売りまくる。ミュージアムショップでは一番目立つ場所に、行事でも必ず行商。断層を見に行くといった行事シリーズなんかがあると、さらにグー。
忘れてならないのは、例えば、あくまでも例えばだけど、「地震 大阪市立自然史博物館 Oct.-Dec., 2008」といった内容の文字列をさりげなく入れておく事。もちろんプレス発表前に広報を開始してはいけないが、これは単なるTシャツのデザインだから問題なし。あるいは特別展の広報ではなく、博物館自体の広報活動の一環であると位置付けよう。
選挙運動は選挙期間中しかしてはいけないが、政治活動は常に行っていていいのである。それと一緒。
ホネホネ展でもやろっと。来年からやろうかな?
ピタゴラ装置のDVD第2弾を見せてもらった。やっぱり楽しい〜。朝、テレビで見られるというが、そんなに早起きするのは…。えっ、午前8時過ぎやんって? そんなことはさておき、自分でもDVDを買いたくなった。とりあえずショップの本屋さんに仕入れてもらって。
ここで問題が発生した。問題は、はたして『ピタゴラ装置DVDブック』は自然史関連、あるいは博物館関連の本かいなかである。ひよろり書店は、自然史関連か博物館関連の本しか扱わないという鉄の掟があるから、この問題は重要である。
で、短い思案の末、おそらく自然史関連の本であろうということになった。ピタゴラ装置→物理学的→科学的→自然史関連というわけである。あるいは、現象の連鎖→風が吹けば桶屋がもうかる→生態学的→自然史関連という論理も成り立つ。動きのある展示→博物館関連でもかまわない。
というわけで、今日、予約した人。仕入れたら買うように。
大阪では北部、北摂の山間部にのみシカが生息している。イノシシは全域に生息しているのに、不思議。
今月は、高槻市、茨木市、能勢町と北摂を哺乳類を求めて歩いた。カヤネズミの巣を軸に、糞で生息が確認できるシカやウサギも調査対象。刈った後の田んぼや、休耕田を歩き回って、巣や糞や足跡を見て歩く。
高槻市北部。あっちにもこっちにも、田んぼ周辺には掘り返した跡、チョキマークの足跡。未熟者にはイノシシかシカかわからない。副蹄なんて付いてないし。シカだって掘り返すこともあるだろう。獣毛を見つけたら見分けられると教えられたが、そんなん探すのは面倒〜。ってことで、もっぱら探すのは糞。イノシシは、なぜか掘り返しまくった辺りにあまり糞をしないらしい。でも、シカはたっぷり糞をしてくれる。掘り返し跡の大半にはシカの糞が落ちていた。掘り返し犯人はシカの可能性が高そう。とにかく、シカの糞があっちにもこっちにも。
今日、能勢町東部に行った。状況は高槻市北部と一緒。田んぼ周辺には掘り返し跡とチョキの足跡、そしてシカの糞がたくさん。イノシシの糞も少しあったが、多くはシカが犯人かなと思う。
ところが、先日行った茨木市北部。アライグマらしき糞が道沿いにたくさん落ちていたが、田んぼ周辺にシカorイノシシの痕跡はほとんどなし。シカの糞はまったくなし。
能勢町〜豊能町にはシカがいて、高槻市にはシカがいて、でも間にはさまれた茨木市にはなぜかシカがいない。と、聞かされてはいたものの、行ってみると本当にそうだった。とっても不思議。なにか障壁でもあるのだろうか? 境界がどこなのか探ってみたいところ。
自転車でため池めぐり。まだ冬だと思っていたら、なぜかオオバンが繁殖モード?
昔は珍しかったオオバンも、少なくとも冬にはあちこちの池で見られる。今日もあちこちでオオバンを見かけた。で、最後に見たのが大泉緑地の大泉池。この冬は、けっこうたくさんいる。今日見ると、額の白い部分が、大きくなっている。これは繁殖モードの印のはずだけどな〜。などと思って、ふと見ると、草をくわえて運んでいる個体が2羽。見ていると、運んでいっては、枯れたハスの葉の混んだ辺りに積み上げようとしているらしい。それって、巣づくりやん。
親戚筋のバンは、けっこう秋から冬にも繁殖する。オオバンも同じように冬に繁殖してもいいのだけれど、なんか意外であった。冬に多くなるので、てっきり冬鳥と思っていたので…。冬にも繁殖可能な鳥が、渡りをすると、越冬地で繁殖することになって、鳥の区分けがややこしい。
ともかく来月にはもしかしたら、可愛いヒナが見られるかもしれない。
断言とは大胆な。前に「たぶん」、後ろに「思う」と付けておく事にしよう。
今日は朝から会議、会議、会議の3連発で、さらに夜は頼まれ仕事。とくに書きたい事がないっていうか、書きにくい事ばかりなので、昨日の事を書こう。
昨日は、一日かけて東大阪市を縦断した。東大阪縦断の中でも最難関のコースだったに違いない。西の方や真ん中当たりを縦断するのに一日もかからない。平地を6kmほど歩くだけなんだし。東の端っこ生駒の尾根筋は多少アップダウンはあっても、楽な行程。しかし、歩いたのは東の山際。住宅地の端っこを狙うコース。これは大変。上がったり下がったり。道がなかったり、薮をかき分けたり、金網を乗り越えたり。その上、神社があったりその林をチェック。かなりのサバイバルコースであった。
要はカヤネズミを中心にした哺乳類調査。山林につながる農耕地を探してまわった。が、東大阪市にそんなもんはほとんどない。基本的に山林ギリギリまで、家が建っている。少し古い地図を持っていったので、地図では荒れ地や田畑マークなのに、行ってみるとことごとく住宅に変わっていた。わずかに田畑が残っていても、しっかり舗装された道路で山林から切り離されている。
調査の最初に池島周辺もうろついたが、カヤネズミがいそうな雰囲気は薄かった。
結局、東大阪市でカヤネズミの巣は見つからず。いるかもしれないのは、一番南の山際。八尾市にかけて山裾に農耕地が続いているエリアくらいか。でも、八尾市の最北部ですでにカヤネズミの巣の情報があるから、あまり改めて調査に行く気も起きなかったりする。
東大阪にカヤネズミはいない、と断言しておくので、ぜひ反証を。
今日は、とある展示室で子ども向けのワークショップの企画を考えることになった。といっても、考えるのは他の人たちで、こっちの希望は通らない。これはストレスがたまる企画である。その上、ある意味ひま。暇なので、自分がやりたい企画を考えてみた。
考えてみると、今までやったことのある企画は、いずれも鳥がテーマ。外に行って羽根を拾ったり、完全ホームの状態。展示室内にあるもので(鳥は実質的にない)、というしばりはなかなか難しい。
でも、いくつか思ったのでメモを。今回は無理でも、いつか実現するかも。
・種子散布の展示があって、風散布の例としてフタバガキの種子がぶら下がってたりする。あれを軸に、自分で風散布種子を作ってみよう、というワークショップ。工作+実験系とでも言おうか。できたら、展示室の外に出て、2階から落としてみるのである。なんかを競うというより、落ち方を楽しむような感じで。
・ホネの展示がたくさんある。ゾウの頭骨も置いてある。鼻と耳には骨がないので、ゾウの頭骨は変な感じ。これに自分で考えた耳と鼻を作って、付けてあげる、というワークショップ。作ったのを骨に付けて、記念写真でも撮ろうか。大きな工作は一人では大変なので、集合作品を作るような感じだろうか。もちろん、実物通りでなくってOK。骨からの復元の難しさを考えてもらえればいいな〜。
ところで、今回の主役達が考えている時に出てきたアイデアの一つ。ピタゴラスイッチみたいなの。ピタゴラスイッチって何? 何人かが説明してくれたけど、どの説明もいまひとつわからなかった。
【追記】
ピタゴラ装置ばかりが収録されているDVDを貸してもらった。面白い〜。第二弾のDVDもあるらしい。誰か貸してくれ〜。
とにかく、これはワークショップのみならず、展示にも使ってみたい。でも、展示だと初期状態への復帰が問題だろうなー。
今日は茨木市に行った。調査なのだが、なぜか中高生を連れてということになった。まあ、中高生を連れて行く観察会はよくあるので、たいした事はないと思っていたのだが、なかなか手強かった。
駅からバスに乗って終点まで、そこでさらにバスを乗り継いで最北部まで行く。乗り継ぎのところで15分ほど待ち時間ができた。暇なので、バス停の横の田んぼをながめにいく。中高生たちも付いてくる。浅く水がたまっていて、年が明けたらアカガエルが産卵するかも。などと考えながら、イネ刈り後の田んぼをウロウロ。水がたまってドロドロの場所があるので、要注意。
すると、一人の中学生が妙な声を上げた。日頃からよく妙な声を上げるのでさほど気にしなかったが、また妙な声を上げた。見てみると、靴が沈んでいる。片足がはまった段階で、戻ればいいのに、両足とも沈めたらしい。それでもすぐに戻れば簡単に抜けただろうに、靴が沈むー、と騒いでいる。騒いでいる間に、さらに沈んでいった。
アホやなー。と思ったが、それだけでは済まない事を思い出した。あと10分ほどでバスが来る。これを逃すと次のバスは1時間後。調査にならん! さっさと足を抜け! 放ってくぞ! とせかしても、冷たい〜、抜けへん〜、とか言ってるだけ。やっと片足抜けたけど、靴は泥の中に取り残されていた。残り5分。だんだんイライラしてきた。何でもいいから抜け! 放ってくぞ! やがてバスがやってくる。出発まで2分弱。という辺りで、なんとか靴ともども脱出に成功。急いでバスに乗る。
ところが、そやつは足はドロドロ、手もドロドロ。とてもバスに乗せていいとは思えない。しかし、調査に行くねん! というわけで、絶対にどこも触るな、と念を押しつつ、両足にビニール袋を履かせてバスに乗せた。降りる時は仕方がないから、バス代を立て替えた(財布出されへんし)。バスの運転手さんはノーコメントだった。
バスから降りて、用水路の水で手足と靴を洗っていた。見た目は綺麗になった。でも、とても冷たそうではあった。
さて、その後、一日中、ずーっとテンション高く話続けてくれた。これはいつもの事なのだが、田んぼに沈む話を振った時だけ、静かになる。ちょっと面白い。この弱点は今後も活用しよう。
とくに用もないのに、草むらを歩き回って、今度はズボンをアレチヌスビトハギの引っ付き虫だらけにしていた。またもやバスに乗りにくくなったのだが、それは帰りの話。
ともかく、波瀾万丈の一日であった。なにはともあれ、みんな無事(?)に帰って来れて目出度し目出度し。
請負仕事で、外来生物絡みのサイトを作らなくてはならない。実際に作るのはもっと、ITな担当者にお願いするのだが、テキストを考えなくてはならない。という宿題を頂いたのが、11月の終わり。部分的に進めたものの、2週間ほど止まっている。今週は忙しかったとはいえ、一段落した今現在もやる気が起きない。困った困った。
やる気がなかなか起きない理由は簡単で、このサイト、作ってもあまり意味がないだろうな〜、と思ってるから。いやいや、まったく意味がないとは思わないのだけれど、苦労して必死に頑張るほどの仕事でもない。でも、引き受けたしな〜。
考えてみれば、高校を卒業して以来、意味がないと判断した事はほぼ回避して生きてきた気がする。なんて、幸せな人生。でも、おかげでこんなに我が儘に。
てなことを書いてるのは転位行動であったりする。そろそろ仕事にかかろう。
今日は夕方からお出かけして、1時間半ほど哺乳類の話をしてきた。でも、哺乳類の話だけでは淋しいので、両生類の話もした。制限時間をオーバーしてしまった。質疑の時間はほとんど取れなかった。ラッキー。
てなことはさておき、その時聞いた話を忘れないように書いておこう。
河内長野市天見あたりでは、ウサギ対策として、キツネを放した事があるらしい。シカやイノシシの方が問題になっている今では隔世の感があるが、当時はウサギの方が問題だったらしい。ただ、どこのキツネを放したのかがわからないのが気になるところ。北海道産ではありませんように。
豊中市でも、千里緑地や服部緑地でカヤネズミの巣の記録があるらしい。ただ、ここ数年は見かけないという。周辺を調査しておいた方がよさそう。
あと、現在でも豊中市で数カ所トノサマガエルの生息地があるという。
大阪の哺乳類や両生類の分布状況についての話をしたのだが、その大半で、まだまだ情報が足りないから、情報をください〜。と言ってただけ。なんとなく手応えはあったかも。手応えというのは、講演内容が伝わったとかではなく、情報をくれそうという意味だが。考えてみれば、なんと邪気にあふれた講演であろうか。
【追記】
河内長野に放したキツネについて教えてもらった。20年以上前に中国地方から買ってきて放したとのこと。でも、みんな死んでしまったとのこと。教えてくださったIさん、ありがとうございます。
2回目にして最終戦。昨日、シビアな闘いを経験したので、今日の闘いは拍子抜けするほど、あっけなかった。端的に言って、一方的に圧勝したと言ってもいいだろう。
圧勝とは、好きな日程をおさえられたということで、すなわち再来年の3月まで予定がつまりまくったということ。2008年度は土日・祝日合わせて、118日程度あるらしい。その内、約60日が埋まった。ここにさらに、少し追加があり、毎月二つのサークルの行事までもが入ってくる。
すでに、4〜6月と8月の週末はほぼ埋まったか、埋まる予定が決まったので、新たな仕事が振られても、断るしかない。関係者のみなさま、用事があれば平日に。
最初のラウンドは、本日午後4時頃から始まった。気付くと約1時間半もかかっていた。今日のお題は、プロジェクトYな感じ。ただ、一つ日程を決めるには、他の日程との絡みは避けられず、さまざまな日程を勝手に決めてしまった感がある。
ともかく、潮の具合、合宿など有力行事の予定、中高生の定期テストの平均的日程、学会のスケジュールなどなど、さまざまな諸要素を武器に闘った後、ようやく淀川を6回歩く日程が決定された。
三川合流から河口まで、3区画に分けて淀川を歩く。左岸と右岸で3回ずつ。合わせて6回。来年3回、再来年3回という案も浮上したが、再来年は猪名川とかを歩くねん!という主張が勝って、来年6回歩く事になった。
大和川を制した強者どもよ。今度は淀川を完全制覇しようではないか。
さらに鳥の調査の研修するねん、とか。カエルも見に行くねん、とか。水草の研修をしなくては、とか。ジャンボタニシの調査を始めるとしよう、とか。そうそう、4月に恒例の中間発表会をしなくっちゃ、とか。色々と計画を練った。
ふと気付くと、3ヶ所に水を汲みに行かされることになっていた。いわゆる水質班にいつのまにか組み入れられてしまったわけ。おそるべしプロジェクトY。
明後日、来年度のスケジュールを決める運命の日がやってくる。明日は、その前哨戦もある。と言う中で、自分なりに来年度の計画を考え中。カレンダーを睨みながら、かなりややこしいパズルをやっているようなもの。
すでに合宿、泊まり、同定会、つどい、ミニフェス等と称する大物行事の日程はかなり決まっている。今日は講演会の日程も確定した。
中高生には定期試験があるから、それは避けなくてはならない。すべての学校に対応するのは現実的に不可能だが、多くの学校とぶつかってしまうと、この前の化石探しのようなことになる。
植物園での鳥の観察は、基本第3土曜っぽいが、変更の余地有り。ただ、渡りシーズンなどに上手にぶつける必要あり。さらにその前の週に下見を兼ねたセミナーを開催するので、日程をよく考えること。
淀川を歩き回る行事がけっこうたくさん設定される予定。これを考えると、他に鳥の観察会を設定するのは難しいかも。ツバメのねぐらと、もう一つくらい? でも、淀川水系の鳥の調査はしないといけないので、その研修も必要。ソウシチョウの観察も入れてみたいが…。
でも、カエルの観察会はしたいな。カジカガエルとヒキガエルでどうだろう? あと哺乳類のフィールドサインの観察会もしたいところ、山と川の2回くらい?
とまあ、そんな感じで、明日と明後日の闘いに挑みたいと思う。ドラフト会議と同じ、闘いに負けたら別の日程を探さないといけない。4〜6月の土日がもっとたくさんあればいいのに、と毎年思う。
大阪府では、2000年のちょっと前に淀川にヌートリアが侵入・定着したらしい。その後、淀川水系に広く広がり、京都盆地や琵琶湖にも進出した。そして、昨年あたりからは、淀川支流のかなり上流部にも出現している。
というわけで、大阪府北部に広く生息しているヌートリアだが、大阪府南部での生息情報は少ない。というか知る限り確実なのは、岸和田市の津田川下流部のみ。他に河川でも噂はあるので、もう少し分布しているのかもしれない。でも、なぜか大和川には生息していない。
大和川水系にも、戦後すぐには生息していたという。少なくとも奈良盆地中央部での生息記録がある。しかし、その後の記録はないらしい。昨年まで数年間にわたって大和川水系の動物を調べてきたが、ヌートリアは確認できなかった。この十年ちょっとの間、毎月大和川河口部の水鳥を調査しているが、ヌートリアは観察していない。
ヌートリアを必死で探しまくってるわけでもないので、見逃している可能性はあるけど、たくさん生息していたら、姿やフィールドサインを目にする機会があってもよさそう。というわけで、ほとんど生息していないのは確かだと思う。
なぜだろう?
ヌートリアは海を泳いで移動する。津田川のヌートリアも、淀川辺りから泳いでいった公算が高い。じゃあ、途中の大和川に来てもおかしくない気がする。
今日、大和川を自転車で走りながら、大和川にヌートリアが侵入していない理由は、河口部の形状に関係があるに違いない!と思いつき、帰ってきて地図を見てみた。うーん。このアイデアは没かも。
淀川から津田川まで泳いで移動するのなら、その途中の春木川にも大津川にも石津川にも、もちろん大和川にもヌートリアが侵入しておかしくなさそう。南港の沖合を通るならべつだが、かもめ大橋の下を抜けたら、大和川に来るのが自然。
というわけで、大和川にヌートリアがいないわけは、やっぱりわからなかった。
普段、なにげなく出掛けて、なにげなく帰宅している。忘年会で酔っぱらって、ベロベロでもなぜか家に帰り着いている。しかし、それは我々が歴戦の強者だからで、初心者にはそんなに簡単なことではないらしい。
今日、大阪府南部へ中高生を引き連れて化石堀りに行った。大阪市内のターミナルから電車に乗って、ローカル線に乗り換えて、さらにローカルなバスに乗って、とかなり遠い。当然、交通費もかかる。こんなに交通費がかかるとは思わんかったという中学生が一人。ちゃんと案内に、交通費の金額は書いてあったし! でも、帰りのお金が足らんかも、とブツブツ言っている。
さて、問題の帰り道。少し歩いて別のコースから帰ることになった。バスの時間の都合ではあるが、おかげで交通費が200円位安くなって嬉しい。ところが、件の中学生、大阪市内のターミナルまでの切符を買ったら、残りの所持金が40円になっていた。ってことは、行きと同じコースで帰ってきたら、ここまでもたどりついてないやないか…。
でも、まあ大阪市内へは帰れる。そこまでは親に迎えに来てもらうから大丈夫とのこと。よかったよかった。
で、大阪市内へ向かう電車を待ちながら、今の内に電話しておいたらちょうど待ち合わせられるからと、家に電話するように言った。驚いた。携帯電話を持っていない。そして、家の電話番号を知らないらしい。え〜、どうやって親に連絡するねん!
いったいどうするのかと尋ねると、大阪市内から歩いて帰るという。歩いて帰れるのかと思って、住所を尋ねてみた。住所もわからないらしい。それでどうやって、帰るんやー!
家の所番地はわからないまでも、市は覚えていた。大阪市内から20km位はありそう。地理に詳しい者なら歩いて帰れるかもしれんけど、自分の家の住所もわからん奴が歩いて帰れるとも思えん。ヒッチハイクするとか言ってるけど、どうやって行き先を伝えるねん!!!
仕方がないので、某所に電話をかけて、参加者名簿を見て、住所と電話番号を教えてもらう。思いっきり個人情報の目的外使用ではあるが、まさか本人に教えるのが問題になることはあるまい。というか、まさか個人情報を、本人に教えてやらないといけないとは…。
大阪市内のターミナルに到着。家の住所と電話番号のメモは持たせた。帰りの交通費も持たせた。乗って帰る電車のホームの上まで連れて行った。日本語が話せるなら、これで帰れるだろう。
というわけで、家に帰るというのは、初心者にとって一大アドヴェンチャーなのであった。本人にとってと同時に、周囲にとっても。
無事に帰ったかな?
昔、バードソンというイベントがあった。チーム対抗で、制限時間内に観察した鳥の種数を競うというもの。ライフリストを密かに競うのに飽きたらず、短期決戦のゲームにしてしまうというもの。別に競いたいなら競ったらいいけど、バードウォッチングと言えば見た種数を競うもの、てな勘違いを助長しそうなので、あまり好きではなかった。
さらにこのイベント、寄付という参加形式があった。各チームにいわば賭けて、そのチームが観察した種数×■円を主催者に寄付するのである。ようなバードソン自体が、寄付集めのイベントなわけ。寄付する気があれば、そんな妙なイベント抜きでも寄付するわい。と思って、これまた気に入らず。一度も寄付しなかった。
さて、今日はホオジロソンを行った。お金は絡まない。対抗形式でのゲームでもない。一日に何種のホオジロ類を見られるかに挑戦するのである。てな大層な話ではなく、ホオジロ類の見分け方の勉強をしよう。じゃあ、一日に6種見られるコースを設定するね。とまあ、少なくとも企画時点では、軽いノリであった。
しかし、コースを設定したものとしては、当日は自らの名誉を賭けた闘いにほかならない。とりあえずホオジロ、アオジ、カシラダカはどこでも見られるはず。で、コース設定としては、まずは河川敷でホオアカ狙い、そして社寺林でクロジを探して、最後に棚田周辺でミヤマホオジロ。すべて数年前に見た事があるラインナップ。
まずは、川に行った。カシラダカの群れと、それに混じるホオアカを探す。が、アオジが少しいるだけ…。あれは! と思ったらホオジロだった。まあ、とりあえず2種ゲット。でも、ホオアカは無理かも、と思っていたら、なぜか土手にじっとしているホオアカを発見。ラッキー。さらにヨシ原に飛び込むカシラダカの群れも確認。姿をゆっくり観察。
あとは、クロジとミヤマホオジロだけ。意気揚々と社寺林に移動。しかし、以前よりも林が明るくなっている。クロジの影もなし。すぐにミヤマホオジロポイントに移動。しかし見つからず。
仕方がないので、コースを延長して、二次林、植林、オレンジ園の周辺を歩く。一ヶ所、クロジっぽい声を聞いて粘ってみたが姿は見られず。
というわけで、ホオジロソンの成果は4種。目標は6種だったので達成率67%。ぎりぎり合格か?
大阪でホオジロソンをするなら、このコースだと思ったけどな〜。
オタマジャクシの飼育には自信がある。なぜかはわからないが、カエルにならずに、いつまでもオタマジャクシのままで飼育できる。今年も7月初めに採集したモリアオガエルのオタマジャクシを飼っていた。だんだん数が減ってきたので、今日とうとう標本にした。約半年飼育していたことになる。
年を越させて、来年カエルにならないかな。と思っていたが、それは難しそう。ここ数日でバタバタと死んでしまったし。死ぬとホネも残らないので、全滅前に苦渋の決断。カエルツボカビ症が問題になっている昨今。一度飼育した両生類を放すわけにもいかない。死んで消えてしまうよりは、せめて標本として残った方がいいでしょう。
ちゃんと餌を食べてるオタマジャクシが、どうしてカエルにならないのか。どうして足が生えてこないのかは、よくわからない。この秘訣を維持しつつ、長寿を達成して、永遠にオタマジャクシで飼える技術を開発したらいいかも。なんせオタマジャクシ飼育の最大の問題はカエルになって、飼育が面倒になることだし。
というわけで、来年もオタマジャクシ長寿を目指して(?)飼育する事になるに違いない。冬を越してみたいな〜。
久しぶりに本をもらった。が、ずいぶん長い間気付いてなかったらしい。
そもそもあんまり郵便受けのチェックをしない。
自宅の郵便受けはほとんど見ない。この住所を教えてる相手はあまりいないし、知り合いは自宅に物を送っても気付かないことを知っている。だいたい宅急便だと受け取ることもない。家にいないし、不在の時の通知を見てないから…。先日も、とある研究所の昔の出版物の放出セールがあって、手元にないのの送付をお願いしたところ、なぜか自宅に送ってきた。もちろん気付かなかった。しばらくして、職場に送り直してくれた。
職場の郵便受けもできるだけチェックしない。チェックしたら仕事が増えるから。どうしてもしなくてはならない仕事は、メールでも催促してくるはず。と信じている。そんなわけで、送られてきたのに気付くのが遅れた。
ちなみに自宅から職場に送り直してくれた出版物。送ったとメールが来たのに、手元にない。おかしいなと思っていたら、冷凍室にあるのを発見した。こやつ宛に送られてくる宅急便は冷凍が必要と判断したのだろう。おおむね正しいが、その中身は本当に書籍なんだな。
さて、偶然にも郵便受けから救出された本のタイトルは、『生態系ってなに?』であった。この著者が、生態系を語るのか? という点でまず驚いた。章立てを見ると、第1章と第2章こそ生態系ってなにって話だが、第3章は行動生態学、第4章は動物社会学から群集生態学、って感じの内容。そして、第5章の最後に生態系概念のまとめがある。物質やエネルギーの流れに注目したときに生態系、その流れの担い手である生物間の相互作用に注目したら生物群集と言ってるらしい。
章立てをながめて、中身をパラパラめくると、なぜか『川と湖の生態学』という本を思い出す。参考文献のリストをながめると、今どき珍しくエルトン、川那部浩哉、オダムといった人の著作が散見される。ただ、その一部は載っているものの、『川と湖の生態学』自体はリストになかった。
知り合いからメールが入っていた。沖縄島でマングースの死体を拾ったという。これから飛行機に乗るけど、持って帰ろうか? という内容。飛行機にマングースの死体を持ち込んだらダメなんじゃ? いくら標本と主張しても…。
奄美大島と並んで、沖縄島のマングースは大問題。ハブを食べるに違いないという根拠のない思いこみのもとに放されて、世界でここにしか生息していない固有種を絶滅の危機に追いやっている。奄美大島と沖縄島ではマングースの駆除作戦も進められているけど、撲滅は遠そう。このお間抜けな事態を招いた奴は、どう思ってるんだろう?
てなことはさておき、マングースは車に轢かれていたらしい。大阪辺りのイタチと同じような存在になっているのかな? 通りかかったトラックの運転手もマングースだと知っていたという。けっこうメジャー。
沖縄や奄美では、夜、天井をマングースが走り回って、うるさくて眠れない。といった苦情が出たりするのかな? 家屋に入ってくるのかな? そこまで行けば、完全にチョウセンイタチ状態だが…。
マングースを連れて飛行機。マングースの着ぐるみを着たのだめを連れて、飛行機に乗るようなイメージが湧くのは、私だけ?
淀川に行った。ヌートリアの足跡がある!と呼ばれたので行ってみると、なるほどヌートリアの足跡だった。わかりやすく岸から水の中に消えていっていた。五本指で、指の長い足跡。前足と後ろ足の大きさの差が激しい。後ろ足の跡は、相当でっかい。よく見ると水かきの跡まで付いている。
同じく五本指で、指の長いアライグマの足跡と、似てるようなイメージがあるけど、しっかり付いた足跡なら、間違えそうにない。水かきがなくても、ヌートリアの指は根元に向かって太くなってる感があるし。
そして、その周辺にたくさん糞が落ちていた。もちろんヌートリアの糞。ほんのり緑色がかった黒い糞。直径1cm、長さ4〜5cm程度。両端が細くなって、ニュルンとした感じの形。
陸にあがって草を食べたカルガモやヒドリガモの糞と間違えないのかな、と思っていたけど、ぜんぜん違う。尿酸の白い部分がないとかではなく、形が違う。
なんとなくヌートリアの糞を一つ割ってみた。中からは植物繊維の切れ端がいっぱい出てきた。なるほど草を喰ってるらしい。臭いはほとんどしなかった。記念に3つ拾ってきた。乾かして保存してみようと思う。
今までヌートリアの足跡や糞を見つけたことがなかったのだけれど、これでサーチイメージができたと思う。これからガンガン探そう。
同じ場所には毎年1月初めに行ってる。でも、ヌートリアの足跡や糞はなかった気がする。サーチイメージがなかっただけだろうか?
ねぐらって、鳥が集まって寝る場所のことね。つまりここでは、鳥の集団ねぐらと呼ぶのが正しいけど、ここでは面倒なので、ねぐらとだけ呼ぶ。
今日の私と、昨日の私は。あるいは一年前の私は同じかどうか、てな哲学的な問題を考えてみよう。物質的な部分だけ考えてもけっこう難しい。が、ねぐらの同一性はさらに難しい。
私は少なくともマクロに見れば、境界ははっきりしてる。今日と昨日を比べる程度なら、大部分同じ物質で構成されている。今日と一年前を比べたら、大部分が違う物質で構成されていることになる。もしかしたら外見上も一年前とはけっこう変わっているかも。空間的に存在する位置になると、今日、あるいは今この瞬間と、昨日や一年前はかなり違っている可能性がある。いや同じ椅子に座って、同じ机の上の同じ画面に向かっているか…。ともかく、私に関しては、境界がはっきりしている上に、連続的に存在しているつもりなので、継時的に追跡観察すれば、昨日や昨年との同一性は証明できそうな気がする。観察とはなんぞやという問題はさておき。
ねぐらは、そもそも境界が曖昧。その上、夜にだけ形成されるので、継時的に追跡観察できない。毎日同じ場所に鳥が集まれば、同じねぐらと呼んでいるだけ。その構成要素たる鳥が、いつも同じ個体が集まっているとは限らない。というか、集まる個体数はふつう毎日変わるので、構成要素は毎日変わっているはず。となると、ねぐらの同一性は、空間的な場所の同一性に求めるしかない。ってゆうか、ねぐらができる場所に名前を付けているようなもの。
が、ねぐらの境界があいまいであるというのが問題になる。昨日は木で寝ていたけど、今日はその前の電線で寝ていたら、同じねぐらなのか。昨日スズメが集まっていた木の、隣の木に今日はスズメが集まったとしたら、はたしてそれは同じねぐらなのか。隣の木なら同じねぐらだけど、2本向こうの木なら別のねぐら、というのはあまりに恣意的。じゃあ、どのくらい離れていたら別のねぐら?
たとえば、日本のツバメの集団ねぐらでは、そんな問題は基本的に考えなくていい。ツバメが集団ねぐらをつくるようなヨシ原は、パッチ状にしか存在していないから。でも、どこにでもある街路樹や電線にできるねぐらでは、悩ましい問題となる。
毎日のようにちょっとずつねぐらが移動していったら、どうしたらいいんだろう? 毎日10m以内の移動は同じねぐらとしても、えんえんと移動して、かなりの範囲を動き回るかもしれない。複数のねぐらが、あるエリア内を縦横無尽に動き回るなら、それはそういう実体として、社会構造すら想定できるかもしれない。少なくとも個体群動態や空間利用の研究はできそう。
今日、突然ゲッチョがやってきたという話を聞いた。真偽のほどは定かではない。目撃者約1名。でも、単体での観察であり、この辺りに出現したら、一緒にいてもよさそうな団長は観察されていない。ほんとなんだろうか?
ほんとなら、早めに言っておいてもらったら、ショップにゲッチョ本の在庫をそろえておいて、サイン本にしてもらったのに〜!
ちなみに発見者によると、ゲッチョはドングリを拾いに来たらしい。確かにこの植物園にはいろんなドングリが揃っている。各種ドングリ集めにはいい場所だろう。でも、植物園にドングリ拾いに来るって。幼稚園児の集団みたい。と思ってしまった。ザックいっぱいにドングリを詰め込んで帰ったんだろうか?
ナンキンハゼの種子をどんな鳥が食べるかを調べている。といっても、試しに観察を始めたばかり。まだ試行錯誤に近い。10月末、11月上旬に続いて、3回目の観察。とばかりにはりきって(ウソ)観察木の前まで行って、驚いた。葉っぱがほぼ落葉しきっている。周囲のナンキンハゼの葉っぱはまだまだあって、紅葉が綺麗なのに…。とはいえ、葉っぱがないのは観察しやすくていいこと。でも、種子ももうほとんど残っていない…。周囲のナンキンハゼにはまだまだあるのに…。どうやら、偶然にも人一倍早く落葉して、早く種子が食べ尽くされる個体を選んでしまったらしい。
これでは、観察してても鳥は来ないよな〜、と思いつつも、最低1時間は観察することになっている。仕方がないので、道ばたに座り込んで、ナンキンハゼをながめていた。というか、予想どおり鳥が来ないので、視線はすぐ向こうの池にいきがち。あっちはカイツブリ、カワウ、コサギ、カモ類、オオバンといろいろいて楽しそう。カワセミも行ったり来たりしている。
道ばたに座り込んで、上を見上げていると、前をいろんな人が通る。大人は、見ても見ないふりをしてくれる。しかし、子どもは容赦ない。幼稚園児の団体が通りがかった。
あっ、へんな人がいるー。
このひと、だれ?
面白い事に、幼稚園児の視力は悪いのか、遠距離には興味を持たないのか、かなり近づいてから道ばた怪しい人がいることに気付くらしい。おかげで、すぐ近くで大きな声で感想を言ってくれる。目の前で、こっちを見ながら、この人誰と言われても、こっちが困る。
と油断していたら、突如スズメの集団がやってきて、ナンキンハゼの種子の白い部分を食べ始めた。あやうく、スズメの到着を見逃すところであった。葉っぱがないので、観察はとっても簡単。でも、種子を食べてくれるわけではないので、どう記録したらいいのか迷う。何口食べたと記録すべきか、何個の種子の白い部分をこそげたかを記録すべきか。こそげた体積と、こそげた種子数? そんなの記録できない!
ともあれ、このナンキンハゼの木での今シーズンの観察はこれが最後になりそう。木を変えて観察しようかな〜。
今日、植物園を歩いていたら、道ばたに鳥の羽根が1枚落ちていた。何気なく拾い上げると、なんとヤマシギの羽根であった。と、突如としてハネハネ博士が出現した。
説明しよう。ハネハネ博士とは、パタリロにおけるシバイタロカ博士に相当するものである。ただし、ハイテンションで強欲なパタリロが、シバイタロカ博士になると温厚で無欲になるのに対して、ハネハネ博士はかなりハイテンションで積極的に羽根を集め始める。パタリロ−シバイタロカ博士の関係とは正反対である点は興味深い。なお、何をきっかけにパタリロがシバイタロカ博士になるのかは謎に包まれているが、ヤマシギの羽根を拾ったとたんにハネハネ博士が出現したという事から、珍しい羽根を拾うとハネハネ博士が出現することが推察される。
ハネハネ博士が辺りを見回すと、なんとすぐ側に、ヤマシギが襲われたとおぼしき羽根の散乱が見つかった。ハネハネ博士は嬉々として羽根を拾いまくり、目に付く風切羽のすべてと、可能な限りの体羽を拾った。袋などを持っていなかったので、シャツとパーカーのポケットに羽根をいっぱい押し込んでいた。これはすごい!とかつぶやきながら、道ばたで羽根を拾う様子は、おそらくかなり奇異なものであったに違いないが、幸い通りがかる人はいなかった。
ヤマシギの羽根で盛り上がったまま、すなわちハネハネ博士のまま、さらに植物園を歩いていると、またもや道に珍しい羽根が落ちていた。今度は小さな鳥の風切羽であった。不覚にも何の鳥かわからない。辺りを見回すと、点々と同じ鳥とおぼしき風切羽と尾羽が落ちていた。後で種を同定するために、とりあえずできるだけ多くの羽根を回収することにした。ここにもあった〜! などとつぶやきながら羽根を拾っている様子はかなり奇異なものだった。その証拠に、通りがかったバードウォッチャーが変な目で見て、そそくさと通りすぎていった。
戻ってきて、収穫物をながめてみた。
ヤマシギの風切羽は、左20枚、右4枚であった。尾羽がまったくなかったことと合わせて考えると、どこか他の場所でも羽根をむしっているに違いない。そこを見つければ、あのきれいな尾羽が手に入るはずなのだが…。
もう一つの羽根は、拾っている時はアオジであろうと考えていた。が、しかし、図鑑を見ると尾羽はアオジよりもかなり短い。風切羽もやや短い。ホオジロ類よりも小さい鳥となると、けっこう珍しい鳥では? と盛り上がる。でもって、図鑑をパラパラとめくり、とあるページを見て愕然とする。スズメの羽根であった。スズメの羽根ってアオジよりも短いのか…。スズメの羽根で盛り上がっていたとは…。
まだまだ未熟なハネハネ博士であった。
自転車でため池をめぐっていた。とある池、おじさんがユリカモメに餌をあげていた。池の端に豆腐屋があるのだが、そこのおじさんが、余ったおからをまいているらしい。
野生動物への給餌はどうかと思うけど、池の水質にはマイナス効果だけど。おからを産業廃棄物として捨ててるところもあると聞くのからすると、ユリカモメの栄養になる方がましなのかもしれない。
おじさんの前を通りすぎて、ため池全体をながめて、水鳥の数を数える。そういう調査をしてまわっているわけ。この池はユリカモメを除けば、カイツブリ数羽程度しかいない。で、ちょっと離れたところでおじさんの給餌が終わるのをまっていた。餌を求めてユリカモメが飛びまわっている間は数えにくいので。
そこに若いお母さんが、自転車に子どもを乗せて通りかかった。池の柵にユリカモメが並んで、餌をくれるのを待っている様子はとても可愛い。しばらく見ていたと思ったら、携帯電話を取り出して撮影している。やがて、おじさんに話しかけはじめた。
これは何という鳥ですか?
これはウミネコや。
へぇー、ウミネコっていうのか〜。
違う。違うぞ。違うけど。
これはウミネコではなく、ユリカモメ! と遠くから叫ぶのは変。
急いで近づいていって、これはウミネコやなくてユリカモメやで、と言うのも変。
と迷っているうちに、おじさんの給餌は終わり、お母さんも自転車にまたがりこっちの方へ。ここで声を掛けるのはさらに変。
というわけで、ユリカモメをウミネコと誤解する人間が、目の前で一人から二人に増殖したのだが、何の手も打てなかった。こうして、あの鳥をウミネコと呼ぶ人がどんどん増殖したら、やがてユリカモメはウミネコと呼ばれるようになるのかもしれない。その時、本家ウミネコの立場は如何に?
他人の誤解を訂正するのは難しい。
今日は、大阪府の外来生物についての会議があった。外来生物といいつつ、諸般の事情で、哺乳類と鳥類だけ。そして話題は哺乳類が中心。にわか哺乳類屋としては、ためになる話が多いのだが、鳥屋としてはちょっと不満。しかし、ターゲットはこれまた諸般の事情でソウシチョウ1種だけなので、やむを得ない。
その際に、特定外来生物がらみのソウシチョウの資料を見せてもらった。意外な事が書いてあったのでメモしておこう。日本でソウシチョウの繁殖が確認されている地域の一つとして、大阪府が上げられているのだが、その地域が金剛生駒山系となっている。
不思議だ。金剛山系でのソウシチョウの記録は聞いた事がない。生駒山系には確かに生息しているが、確認場所は、むしろ大阪府というより奈良県側のように思うが…。これは要確認。
そして、大阪府で一番ソウシチョウの噂が多いのは、能勢町や箕面市など北摂の方だと思うのだが…。それにしても確実な繁殖例はあるのかな?
ちなみに『外来種ハンドブック』(地人書館、2002)には、生息地の一つとして、生駒山系があがっている。情報の元はこっちかもしれない。そのさらに情報源をたどろうとしたが、よくわからなかった。
ともかくソウシチョウの大阪府での生息状況(できれば繁殖状況)を、おぼろげながらでも、明らかにしなくてはならなくなってきた。というわけで、いろんな人に尋ねてまわることになりそう。繁殖期に調べるならともかく、今の季節では聞き取りしかしようがない。
大阪府のソウシチョウの生息状況を観察日と観察場所がはっきりしている情報があれば、ぜひお知らせを。
今日は、奈良県と大阪府の境を歩いた。大阪の哺乳類の情報を欲している身としては、微妙な一日であった。奈良県側で哺乳類に出会うと嬉しいような、残念なような。
とある造成されたような場所。草むらでカヤネズミの巣を探すが見つからず。まあ奈良県なのでかまわないのである。でも、イノシシとウサギの糞を見つける。水たまりの周りでは、イノシシとアライグマの足跡を見つける。奈良県なのに…。
大阪府に入ったので、張り切ってカヤネズミの巣を探すが見つからず。ウサギの糞も見つからず。リスのエビフライもないし…。と思っていたら、水槽に落ちて死んでいるタヌキが発見された。地図で確認するとぎりぎり大阪府。やった〜。水槽からタヌキの死体を引き上げて、どこかに置いて水でも切ろうと思ったら、こちらを見ている人が…。この格好は怪しいので、説明がいるか? と思ったら、話しかけてこられた。なんと知り合いであった(ほぼメル友)。コウモリ調査に来られたとか。せっかくなのでと、見つけたコウモリを見に案内して下さった。テングコウモリがいた。小さい穴にギューギューにはまりこんでいて、とても可愛い。でも残念。ぎりぎり奈良県であった。
いや別に奈良県でも大阪府でもいいんだけど、今の企画が大阪府の哺乳類なので。駅への帰り道、ようやくカヤネズミの巣を発見。やっぱり奈良県であった。
今日は毎年恒例の高校生の発表を聞く日。他に仕事があるのを放って、聞いていた。すると途中でその仕事に呼び出さその上、昆虫や植物は面倒なので、それぞれひとまとめ。すなわち、実質、鳥と哺乳類だけの食物網を考えての話。キーストーン種がどれか考えてみようというわけ。無理があるな〜。
主に植物食のネズミ類、ネズミや昆虫類を食べる食肉類。
種子食、昆虫食、両方食べる小鳥類。ネズミ食の猛禽類、鳥食の猛禽類。
登場するのはこんな面々。食物網は(実証的にデータに基づかなくてよければ、一般論として)書ける。キーストーン種を「除去したらその場所の生態系に大きな影響を与える捕食者」とでも考えてみる。で、じっと食物網を睨む。
食肉類を除去したら、植食性のネズミ類が大発生して、ヨシ原がなくなってしまう。のなら話は簡単。ほんとかな? ネズミ食の猛禽類を除去して…(以下同文)。鳥食の猛禽類を除去したら、小鳥が減って、ヨシにつく昆虫の生存率が高まって、ヨシが昆虫に食べられまくったりするのか??
結局のところ除去実験をしないとわからない。でも、少なくとも冬に猛禽類がどのくらい生息するかは年による変動が激しいはず。年ごとの比較でなんとかならないものか?
なんて事を考えたりするけど、鳥の場合、小鳥も猛禽類も移動力が大きく、けっこう色々な環境を利用する。冬に除去実験しても、その効果はその冬の間に出なかったりすることも多そう。そんな中で、冬のヨシ原と限定してキーストーン種を考えたりできるんだろうか? 企画倒れかな??
今日は毎年恒例の高校生の発表を聞く日。他に仕事があるのを放って、聞いていた。すると途中でその仕事に呼び出されて、以降は聞けず。まあ、今年は鳥の発表もなく、幸い最初の方の生態学がらみのは聞けたので良しとしよう。
一番印象的だったのは、大阪城の堀のプランクトンを調べた研究。偉大なる先輩Kさんに導かれて、奈良公園の糞虫を調べていたが、Kさんが卒業すると糞虫はやめて(たぶん同定できる人も好きな人もいなかったんだろう)、30年前にやっていたという大阪城の堀のプランクトン調査に回帰したらしい。断続的とはいえ、生物部が30年以上にわたって存続している点にまず驚いた。
少なくとも2005年12月から月に1〜3回の採集を毎月続けているらしい。プランクトンネットを放り込んで、5m引っ張って採集し、それを持ち帰って同定。配付資料を見る限り、藻類も甲殻類もワムシ類もたいてい属レベルまでは同定して、個体数を数えている。これをどうまとめてくれるのかと思ったら、せっかく同定したのにボルボックス、ゾウミジンコ、ケンミジンコの3種の個体数変化しか示してくれなかった。あとは、藻類や甲殻類といった合計数やバイオマスの評価もなく、全種まとめた個体数だけ。で、話はプランクトンから少し離れ始める。
採集時に、水温とpHを測っているらしい。20年前と最近の水温の季節変化の比較の図がおもしろい。20年間で明らかに温暖化している。というか、秋になっても気温がなかなか下がらなくなっているらしい。で、それとpHの季節変化の比較の中で、秋にまだ気温が高いのにpHが下がり出す点を指摘。その原因として、オオアカウキクサが水面を覆い、プランクトンの光合成を妨げる可能性を指摘していた。
標題は、プランクトンの研究だからそれからずれていきつつあるけど、pHと気温を手がかりに、オオアカウキクサとプランクトンの関係を調べていくのは面白そう。プランクトンを植物プランクトンと動物プランクトンに分ければ、三者間の間接相互作用も検出できて、さらに面白そう。
課題として思ったことを列挙。
・pHと絡めて議論するのなら、光合成量と呼吸量の推定が欲しいところ。となると、動物プランクトンは個体数でもいいかもしれんけど、植物プランクトンはクロロフィル量を測った方がよさそう。
・そして、小さな植物プランクトンまで捕獲できる目の細かいプランクトンネットを使おう(これは始めているらしいが)。
・でもって、オオアカウキクサが水面の何%を覆っているのかの数字を評価するべきだろう。とりあえず、決めた場所から毎回写真を撮るのでもいいんじゃないかな? あとから面積に直せるっしょ。
・で、最後に。結局のところオオアカウキサのいる時、いない時、で比べるのがわかりやすい。大阪城の堀を仕切らせてもらえるならそれをしたらいいけど(あるいは内濠と複数ある外濠を比較とか)、でなけりゃ水槽で飼育して実験したらいいのでは?
そういえば、水面を浮葉植物が覆うことで、ブラックバスだかブルーギルがすみにくくなるという研究があった気がする。魚も含めて考えたら、さらに面白いかも。
今日は、会議が二つあっただけなので、昨日の事を書く。
この秋は、ツグミがあまり来ていない。シロハラも少ない。そしてヒヨドリも少ない。ヒヨドリが多い年は、今頃の林は、耳が痛くなっていったい何羽のヒヨドリがいるんや!という位だが、今年は静かなもの。
果実の成りは中位だと思うのだけど、地域によってはけっこう豊作とも聞く。果実食鳥が少なくて、けっこう果実が成っているなら、果実はなかなか食べ尽くされず春先まで残りそう。
というような調査をしてる。
さて、昨日、そんな調査をしていたら、ヒヨドリがモクレンの木に集まって何かしているのに気付いた。近づいて見てみると、数羽でモクレンの葉っぱを食べていた。
昆虫、果実、花・蜜なんかを主に食べるヒヨドリだが、秋から冬に樹木の成葉を食べることもけっこうある。一番よく見られるのはユズリハやヒメユズリハの葉っぱ喰い。葉軸だけを残して、木の上の方の葉っぱを軒並み食べてしまい、上の方がツンツンの尖った感じにされている事も少なくない。その他では、トウネズミモチなどの葉っぱも食べる。
とまあそういうわけで、ヒヨドリがモクレンの葉っぱを食べるのは、さほど珍しくない。が、二つ気になることがある。
ユズリハ、トウネズミモチなど、今まで聞いたり見たりしたのは、厚めの常緑樹の葉っぱを食べる例だった。厚めの葉っぱとはいえ、モクレンは落葉樹なのにな。
木の成葉を食べてもあまりおいしくなさそうな気がする。果実を食べ尽くして仕方なく食べるならわかるが、まだまだ果実がたくさん残っているこの時期に食べるというのが不思議。
とくに後者について。他の観察例でも、まだ果実がある時期の葉っぱ喰いの例が多い。むしろ果実を食べ尽くしてから食べるのは、草の葉っぱ。木の葉っぱは、草の葉っぱとは食べる理由が違うのかもしれない。そして、むしろ果実が豊富な秋から冬によく木の葉っぱ喰いがあるように思う。どういうことだろう? そして、この冬はヒヨドリの木の葉っぱ喰いが盛んなのだろうか? というわけで、ユズリハの木があったら、注意して観察してみよう。
今日は健康診断に行った。本来行くべき日は仕事が忙しくいけなかった。もう面倒なので、今年はパスしようかと思っていたのだが、対決があるので受けてくるようにと言われた。確かに対決に加われないのは少し残念なので、行ってきた。
健康診断の対決には、ハイクラスとロークラスの二つの階級がある。我々一般人はロークラスの対決にしか参加できない。ハイクラスの参加者からは、俺たちはハイクラスだから、などと優越感一杯の言葉を投げつけられる。
この対決、要は健康診断の結果に付いてくる星(*)の数を競うものである。何が根拠かは知らないが、個々の種目ごとに、基準となる数値の範囲が設定されている。その基準を見事に超えたら星(*)がもらえるという仕組みである。ちょっと聞くと簡単そうではあるが、じつは複雑系を効果的にコントロールしないと、なかなか勝者にはなれない奥の深い競技なのである。
より多くの星(*)をゲットするために、ハイクラスの競技者たちは、日夜酒を呑み、酒を呑み、酒を呑み、研鑽を積んでいるらしい。我々のようなあまり酒が好きでない者には、とても真似のできないトレーニングである。さらにプリン体というものを接種することによって、確実に星(*)の数を増やしている強者もいる。一種のドーピングであるが、この薬物には副作用があって、とても痛いらしい。そこまでして星(*)を取りに行くとは見上げた根性である。
さて、この競技の勝者は偉そうにするので、すぐにわかる。ハイクラスでは、より多くの星(*)を取った者が勝者であるらしく、自慢げに星の数を吹聴して歩いたりする。一方、不思議な事にロークラスでは、星(*)の数が少ない方が勝者となるらしい。たとえば、この部屋の壁に、ロークラスの者たちが自分の星の数を書き込んだ昨年の星取表が張りだしてある。そこには、「健康優良児 おほほほほー」と勝者の偉そうなコメントが書いてある。
ちなみに毎年ロークラスでの優勝を狙っているのだが、厳しい闘いが続いている。昨年はあと一歩で同点優勝だったのだが…。
というわけで、今年こそ優勝をと、前日から真面目に用意した。というか、前日の午後8時以降は絶食だったのである。それを無視すると、血糖値が高いなどという因縁を付けられて、糖尿病の疑いがありますなどというデマを流される。そこで、真面目に絶食したのだが、問題が一つ。午後8時までに夕食を済ませるのを忘れていた。その上、昼は諸般の事情で慌てていたので、パンを少し食べただけだった。ちなみに朝食を食べる習慣はない。つまり、一日でパン少し食べただけ。さすがに腹が減った。血糖値が低すぎるのか考え事ができない。原稿を書くつもりが、さっぱり書けなくて(血糖値が低くなくても書けなかったが…)、さっさと寝る事にした。しかし、腹が減って眠れない(腹が減ってなくてもあまり寝付きは悪いが…)。結局、朝方まで起きていて、寝不足のまま健康診断を受ける事に…。今年も優勝は望めないかも知れない。
一般的な「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(いわゆる種の保存法)の勉強というより、法の「第三章 生息地の保護に関する規則」罰則規定について調べてみた。ふだんは「第二章 個体等の取り扱いに関する規則」ばかり見ているので、勉強になる。
まず第三章の出だしにこうある。
◆第三十四条 土地の所有者又は占有者は、その土地の利用に当たっては、国内希少野生動植物種の保存に留意しなければならない。
◆第三十五条 環境大臣は、国内希少野生動植物種の保存のため必要があると認めるときは、土地の所有者又は占有者に対し、その土地の利用の方法その他の事項に関し必要な助言又は指導をすることができる。
第三十六条では、国内希少野生動植物種の生息地を保全するために必要とあれば、環境大臣が生息地等保護区を指定できるとある。その中に、管理地区、立入制限地区、監視地区を指定できるともある(第三十七〜三十九条)。そして、そうした指定された地区内での違反行為などに対して、原状回復などの措置命令ができるとある(第四十条)。
「第六章 罰則」を読むと、第三十七〜四十条に違反した場合については、罰則規定がある。でも、第三十四〜三十五条に違反した場合の罰則はない。
つまりたとえ国内希少野生動植物種が生息していても、その地域を生息地等保護区に指定されなければ、何をしても法的な罰則はないということになる。
たとえば、国内希少野生動植物種が生息しているのが明らかで、そこの開発がその地域の個体群に大きな打撃を与える場合。もし、そこの開発を強行するなら、それは明らかに第三十四条に抵触するわけだけど、すなわち違法だけど、その開発を法的に止めるのは難しいってことか? まあ、少なくとも罰則はない。あとは、社会的な圧力に期待するしかないのか?
生息地等保護区に指定するよう運動する? ものすごくハードルが高そうだけど…。
種の保存法って、人間の管理下にある個体の扱いについて厳しいけど、野生個体群の扱いはゆるい。というか生息地の保全にはほとんど力がない感じ。そもそも種の保存法でしかないのが問題かもしれない。もっと包括的な生態系保全の枠組みがほしいところ。
ハネハネはかせは、まず室内での導入から始まる。まず助手と博士の掛け合いで、植物園でハネを拾えそうな鳥の紹介、ハネ以外の鳥のフィールドサインの紹介、そして調査方法を説明。で、準備して、植物園に出発! 鳥を見たり、ハネを拾ったり、話をしたりしながら、ダラダラと調査区画へ向かう。そして、ハネの散乱を見つけたら博士を呼ぶように言い含めて、調査開始。
調査区画を一通りウロウロ。助手達が入れ替わり立ち替わり拾ったハネを持ってくる。それを端から同定していく。時々現時で同定できないのもあったりする。ハネの散乱やタヌキのため糞を見つけては、みんなで集まって観察。鳥のホネが落ちていたり、鳥の巣を見つけても、みんなで集まって観察。一通り区画を歩き回ったら調査終了。まだハネを探したい〜、という助手達をせき立てて、帰路につく。
再び室内に戻ったら、拾ってきたハネの解説。そして助手達は作業に入っていく。助手達が作業に没頭している隙に、博士は現地で同定できなかったハネやホネの同定に頭を悩ませる。結局わからず仕舞いというのも稀にある。
とまあ、そんな調査を一日3回繰り返す。先月に2日、そして昨日と今日。4日も繰り返してきて、かなり手際はよくなってきた。今日なんかは、風が強くて寒かったせいもあって、外での調査はとてもスムーズに、すぐに終わった。おかげで、室内での作業の時間を多くとれた。
というわけで、密かに準備されていた羽根ペン企画を本格投入してみた。要は、カラスの大きな羽根の先を切って、字や絵をかいてみるだけ。でも、年長組を中心にかなりリアクションがよかった。これなら、羽根ペンを中心にしたのもできそう。
植物園に行って、カラスやハトの羽根を拾ってきて、先を切って羽根ペン作り。試し書きをした後に、なにか作品を作って終了。導入は、羽根の構造関係か? ミクロの世界の時の羽根の電顕写真も使えるだろう。実体顕微鏡を使ってもいいし。それなら時間がかかる羽根拾いはカットか?
で、タイトルは、「めざせ羽根ペンカー子ちゃん」。コスチュームは、カラスのかぶり物に、黒いマントだろうな〜。
今日は、ハネハネ博士の調査の日。助手たちを引き連れて、植物に繰り出して、ハネを拾う。主な目的は例によって、ハネの散乱、すなわち鳥が襲われた跡を見つけてプロットすること。ついでにタヌキのため糞の位置も記録。
という本来の目的を忘れて、今日はいろいろな鳥の羽根が確認されて面白かった。カラス、ドバト、キジバトの定番3種に加えて、ヒヨドリやシロハラもけっこう拾われていた。初回で一番はモズとメジロのハネ。2回目で一番盛り上がったのは、アオバトのハネ。今くらいから冬にかけてアオバトが出現するのは珍しくはないが、今年来ているとは知らなかった。ハネ拾いも馬鹿にならないなー、と思っていたら、最後に驚きの発見が待っていた。
最後の調査に行った時、助手の一人からハネの散乱を見つけたとの報告があったので、現地に急行した。急行はしたけど、どうせハト類であろうと、とくに何も思わずに現地へ。到着してちょっと困った。何のハネがわからないのである。博士なのに何のハネかわからないとは、ちょっと情けない。とりあえず、後で調べるために、一通りの模様のハネを拾っておく。
帰ってきて、助手達が次の作業に取りかかっている間に、博士は図鑑や、手近にあるハネのサンプルをながめて、ハネの正体を調べる。が、よくわからない。ハネが落ちていてもよさそうな一通りチェックしたのに…。仕方がないので、ハネ図鑑を最初から全部見ていくことにした。あっけなく、そっくりなハネが見つかった。見つかったけど、信じられないので、図鑑を最後まで見てみる。他に該当しそうな鳥はいない。でも、全種の全部のハネが載ってるわけではないし。とはいうものの、どうみてもそっくり、大きさも、模様も、色合いもバッチリ。この種でなければ断定するのだが…。
というわけで、自分でもなかなか信じられないのだが、拾ったのはオオヨシゴイのハネらしい。慌てて拾った場所に戻って、周囲に残っているハネをすべて拾い集めた。落ちていたのは、雨覆から肩羽、胸から腹・脇にかけてのハネ。死んだわけではなさそう。ただ、林の中なのがすこし合点がいかない。オオヨシゴイとしても、誰かが置いていったものだったり? いや、そんな物好きもいないだろうし、そもそもオオヨシゴイのハネを入手して、植物園にわざわざ捨てる人もいないだろう。じゃあ、本当にオオヨシゴイが来ていたのか?
『大阪府鳥類目録2001』によれば、大阪府下でのオオヨシゴイの記録は、1954年堺市、1973年吹田市、1992年堺市の3例のみ。これが4例目なのか?
とりあえず、オオヨシゴイや近縁のサギ類の標本を一通りあたってから、最終的に結論付けるとしよう。
前向きな喜び
これは売れるに違いない!と大量に仕入れて、平積みにした本が、飛ぶように売れた時。
これを売ろうと思って、目立つ場所に置いたら、ちゃんと売れた時。
平積みにしてもさほど動きがなかった本が、ポップを付けたとたんによく売れるようになった時。
後ろ向きな喜び
売れるかと思って仕入れたのに、思いのほか売れない本。タイトルがよさげだったので仕入れたけど、中身がも一つで、さっぱり売れない本。フェアの勢いとかで仕入れてはみたものの、その後さっぱり売れない本。そんな、もう売れないんじゃないかと思っていた本が、ある日何故か売れてしまった時。
今月は、後ろ向きな喜びが2件。5年近くにわたって2冊そろって居座っていた『鯛の**』。5年半ほど本棚に並んでいた『アシカ語******』。この2タイトルが相次いで売れた(本の名誉のためにタイトルの一部を伏せ字にしてみた)。嬉しい。誰が買ったか知らないけれど、御礼を言いたい気持ち。買った人は、こちらの喜びは知らないんだろうな〜。
さて、しかし上には上がいるのである。本棚の最長老は、すでに6年以上居座ったまま。誰かに買われていってくれないものか?
そして、明日から二日間、ちょっとした学会がある。遠方から日頃やってこない人がやってくるに違いない。今まで売れなかった本を売るチャンス。ここは後ろ向きにがんばろう。
先月の終わりにファイルサーバが壊れた。バックアップのなかったファイルが失われて困った困った。そこでふと気付いた。そういえば自分のコンピュータに入ってるファイルのバックアップを長らく怠ってきた。たぶん昨年の2月にバックアップしたっきり。いまハードディスクがクラッシュしたら、ものすごく悲しいことになる。どころか、仕事に大きな差し障りがでる。ってことで、バックアップを取る事にした。
取る事にしたといっても、ファイルサーバのクラッシュから、半月も経った今日になってようやくバックアップをとった。今の環境は、バックアップを取るのにあまり時間がかからないことが判明。これなら、もっと頻繁にバックアップを取ろうと思った。
とまあ、全体的に呑気なのは、コンピュータを使うようになって、20年位経つけど、自分のマシンがクラッシュしたことが、まだ一度もない。ハードディスクに入っていた大切なファイルがなくなって困ったという経験がないわけ。フロッピーディスク時代にもあまり覚えがないな〜。
でも、近所の人たちを見ると、頻繁にクラッシュさせている人がけっこういる。何が違うんだろう?
何が違うかは知らないけど、このまま一生クラッシュ知らずで過ごせますように。と祈りつつ、これからは頻繁なバックアップを心がけよう。
ところで、今日は職業体験最終日。タヌキの皮を剥いた。けっこう臭いのもあった。この二日間を漢字一字で表すなら、「臭」となるだろう。
人生二度目の職業体験。
朝からなめし液なるものに浸かったタヌキ、アライグマ、ハクビシンの毛皮を取り出してきて、水洗いの後、新聞紙の上に拡げて乾かす作業。
それが終わったと思ったら、砂場に一年以上放置して、肉を虫に喰わせてホネにしたというスナメリという動物のホネを洗う作業。砂がこびりついているだけではなく、クモの巣やゴキブリの卵嚢なんかも付いていてなかなか面倒。
それが終わって、ようやく昼食。
昼からは、まず冷凍室に連れて行かれて、積み上がっている箱を取り出してきて、中身をチェック。大阪府産の死体を選び出しているらしい。で、大阪府産のタヌキやテンやシカはテーブルの上に拡げる。明日、皮を剥くんだとか。
とどめは、冷蔵室に長らく保管(?)していたらしい鍋とバケツを持ってきた。中身はドロドロに腐ったイノシシとクマのホネ。ホネ洗いというらしい。ものすごく臭いのを、水で洗って、トレイに並べていく。見た目はきれいになっても、やっぱりものすごく臭い。
妙な臭いを付けたまま、一日目が終了。汚くて、寒くて、臭い仕事であった。
今日は会議のようなもので明け暮れた。とくに書く事もないので、昨日の事を書くとする。
昨日は、神崎川から淀川にかけてを、6時間ほど歩いた。けっこう疲れて、帰ってきてそのまま寝てしまった。歩いた目的は、カヤネズミの巣さがし。いるのはわかっているけど、そこはきちんと押さえておきたい場所。さらに言えば、淀川の中でも歩いた事のないエリアなので、どんな場所なのかも見ておきたかった。予定通り、カヤネズミの巣は各所で見つけられた。が、予定外のものも見られた。
神崎川は、安威川との合流から淀川へ向けて歩いた。しばらく行くと、怪しげな水生植物が繁茂していた。これはミズヒマワリという特定外来生物に違いない!と思ったが、帰ってきてから植物屋さんに尋ねたら、ナガエツルノゲイトウだった。同じような植物で、陸寄りに生えて、やや大きな白い花を付けているのがあった。きっと水生型と陸生型であろうと思っていたが、陸生型と思った方がミズヒマワリであった。特定外来生物には違いなかったわけだけど、不覚。
最初、ミズヒマワリ改めナガエツルノゲイトウを見つけた時は、少し発見感もあったが、その後は死ぬほど大量に見つかった。というよりも、神崎川はナガエツルノゲイトウを両岸に配した庭園のようになっていた。その間にマガモとカルガモとヒドリガモが入り込んで、盛んにナガエツルノゲイトウを食べている様子。そして、なんか茶色いのがいるなー、と何気なく双眼鏡で見たら、ヌートリアだった。
ここんところ、みんなで手分けして、淀川水系の川を歩いてヌートリアを探してきたけど、さっぱり見つからず。昼間に川沿いを歩いても見つからないものなのか、と思っていたが、いる所にはいるらしい。1匹見つけたら、次々と見つかり。合計3匹もいた。みんなナガエツルノゲイトウを食べていた。
岸沿いの植生が観察しやすい場所ならば、川沿いを歩く事で、それなりにヌートリア調査ができるのかも知れない。少なくとも高密度の場所なら見つかるだろう。真っ昼間でも普通に活動していた。
神崎川から淀川に入ると、今度はボタンウキクサが大量に岸沿いにたまっていた。神崎川でもボタンウキクサを見かけたが、少数が流れているだけだった。ボタンウキクサの間にもヌートリアはいないかと探したが、見つからなかった。浮いてるだけなので、食べにくいのかもしれない。
さらに進むと、ホテイアオイ、ミズヒマワリ(こっちは本物)、オオフサモと外来植物のオンパレード。
淀川大堰より下流では、沖合をボタンウキクサが流れているくらいで、そんなに特定外来生物の水草は目立たない(もちろん外来植物は多いが)。それが大堰より上流は、すごいことになっている。
思うに、こうした外来の水生植物は、塩気に弱いのではなかろうか? 大堰を開けて、感潮域を拡げたら、かなり撃退できるんじゃなかろうか?
阪南市に行った。海岸で鳥を見た後、山手でカヤネズミの巣探し。一人で歩いて行くつもりが、大勢で車で行く事になった。その中には、阪南市でカヤネズミの巣を探してみたけど見つけられず、阪南市にはカヤネズミの巣はないと思う。と弱気になっている者もいた。弱気になってどうする。阪南市にも必ずやカヤネズミは生息しているに違いない。わしがカヤネズミの巣の探し方を伝授してくれよう。と偉そうに言ってみた。
とりあえず車で山手に向かう。少し古い地図を持っていたが、愕然とした。田んぼのあるはずの谷が、新興住宅地になっている、バイパス道路になっている。山際の田んぼを探して、車でさまようことになった。車でよかった。歩いていたら大変な事になっていた。
なぜか岬町に入り込んで、ようやく田んぼのある谷筋を発見。道ばたにあった放棄畑みたいな場所で止めてもらう。ここにはカヤネズミの巣がきっとある。と豪語して、ススキの中に分け入る。すぐにつくりかけの巣を発見。さらに探すと、チガヤに立派な巣をいくつか発見。
カヤネズミの巣の見分け方、探す時のどんな場所が狙い目か、などについて偉そうに説明する。
これに気をよくして、再び阪南市での探索を開始。あそこ!と山際のため池の堤を指さす。降りて探すと、すぐにまたカヤネズミの巣を発見。
さらに山の中に行ってみて、ここ!とススキの生えてる空き地を指さす。降りて探すとカヤネズミの巣がある。
ここにはカヤネズミの巣があるといった場所に3回ともあって、いずれもすぐに自分で巣を発見。ちょっと格好いいんじゃなかろうか〜?
とまあそういうわけで、探し方を伝授された諸君、大阪府下のカヤネズミの巣をどんどん見つけて、報告するように。とくに泉南、泉北、北河内、北摂の情報を待っている。
さて、話はかわって、全国7123名の難読地名ファンのみなさま。ほぼ一年ぶりの難読地名。阪南市に行く事はあまりないので、ここでやっておかないと。
自然田、山中渓、箱作、淡輪
最初の以外は駅名にあるので、読める人が多いかも。でも、山中渓は最初読めなかったなー。
ダンゴムシの迷路に入れたら、どんな動き方をするか知ってるかな? 歩き回るって、それはそうだが、歩き方に不思議な決まりがあるという事になっている。
最初、突き当たって左に曲がるしかないとしたら、次ぎに突き当たると右、その次ぎに突き当たると左と、交互に曲がるというのだ。これは、ちょっとした工作でダンゴムシが歩く迷路を作ってみれば簡単に確かめられる。
昨年、萌蔵がそんなのを作っていた。で、なぜか今日もその迷路を持ち出してきて、オカダンゴムシを歩かせていた。昨年もそうだったが、今日もなかなか予定通りにはいかない。
最初突き当たって左に曲がらされると、次の突き当たりは右に曲がる。ここまでは予定通り。でも、次の突き当たりでも、また右に曲がろうとするのだ。2匹のオカダンゴムシを歩かせていたが、どちらも同じ傾向があった。何度やっても同じ。ただ片方のオカダンゴムシは少し賢くて(?)いったん右に曲がって少し歩いてから考え直して左に行く事もあった。すると、後はけっこう右、左と予定通り交互に曲がってゴールにたどりついていた。7回の曲がり角を無事にクリアしてゴールに到着したときには、観客から暖かい拍手がうまれていた。観客は二人だけだったが…。
左右交互に曲がる傾向があるはずなのに、どうやら右に曲がろうとする傾向が強いらしい。これを右利きのダンゴムシと呼ぶなら、ダンゴムシはすべて右利きであるのかもしれない。サンプルサイズは2つしかないが…。
さらに二回目にも続けて右に曲がっておいて、わざわざ引き返してきて左に進む行動を見ていると、右に曲がりたい!という衝動がまずあって、その後に交互に曲がるんだったということを思い出しているように見える。ダンゴムシの中でどのような葛藤があるのか知りたいところ。
今日は自転車でため池めぐり。少なくとも見てる範囲では、今のところカモ類の数は少ない。数を数えるのも簡単。サギのコロニーのサギもいないし、カワウのコロニーも今はお留守。とにかく鳥が少ないので、調査は楽。
とある公園の池に着いたら、大きなカメラをもった人たちが20人以上集まって、何かが出てくるのを待っている。一応、調査を終えてから、なにげに近づいていく。
昨年は、そうやってキガシラシトドを撮影していた。でも、キガシラシトドですら、平日にいた人数は15人ほど。20人以上もいるってことはそれ以上の珍鳥? バードウォッチャーの端くれとしてはやはり気になる。さりげに近づいたら、知ってる顔があったので、なにを狙ってるのか尋ねてみた。
ヒクイナ。
思わずヒクイナかぁ。と言ってしまった。ヒクイナなら毎年のように来るし。いやもちろん、ヒクイナが見られると嬉しい。クイナと甲乙付けがたいくらい嬉しい。でも、ヒクイナかぁ。
昨年のちょうど今頃、ヒメクイナが一日だけ出現したらしい。正直見たかった。一瞬ヒメクイナかと思ったのに…。集まったカメラマンの多くも、もしかしたらヒメクイナ。と思ってたのかも。
久しぶりに植物園の木の果実の数を数えた。
今シーズンの秋冬物の成り具合は微妙。クロガネモチやモチノキなどIlex、そしてセンダンはかなり不作。ムクノキもどっちかと言えば不作。カキも成ってない。一方、エンジュは成り年(こいつは隔年なのでわかりやすい)。トウネズミモチはけっこう成っている。
問題はクスノキ。植物園にクスノキは多く、大木になるので果実供給量も多い。果実全体の豊凶はクスノキが決めてると言ってもいい。でも、その成り具合は微妙。個体による差が大きく、全体としては平年並みとしかいいようがない感じ。
さて、一方の果実を食べる鳥はというと、ヒヨドリの渡来が少ない。11月に入っても林内がぜんぜんうるさくない。ツグミ類の動きも少ない。通過する大型ツグミはいるけど、越冬するツグミやシロハラは到着していない感じ。
となると、果実はなかなか減らないんじゃないかと。この冬の植物園での果実食べ尽くし予想日は、中途半端な2月中旬ってとこか?
近頃、論文に関わる作業と言えば、他人の論文の悪口書きばかり。かと思いきや、ここ数日、珍しく自分の論文を作っている。自分のといっても、共同調査の結果なので、著者は連名。でも、実際は一人で勝手に論文を作って、一応みんなに見てもらって、投稿してしまおうという腹。
むかーしむかし、論文は書くものだと思っていた。データを入力して、並べ替えて、まとめて、分析して、図表を作って、その上で書けない書けないとウンウン言っていた。文章を書くのが苦手だったので。その代わり、あの頃は、時間がいくらでもあったので、書くのを避けて、いつまでも色々とデータをいじったりしていたっけ。あと引用文献もたくさん集めたな〜。
さて、近頃は時間がない。でも、文章を書くのは少し上達した。少なくとも文章が書けなくてウンウンは言わない。軽ーくデータを処理して、なんとなく見えた傾向から、とりあえず適当に文章書いてしまう。イントロを適当に書いて、方法をそれなりに真面目に書いて、わかってる範囲で結果を書いて、考察の項目出しをして、いい加減な文献リストを作ったりする。
そこで、少しウンウン言う。簡単なまとめはすでに他で書いていたりする。論文にするには少しは分析らしいことをしなくては。どんな分析なら簡単にできるかな〜? どんな分析がないとレフェリーが五月蠅いかな〜? データの構造と、補足できる手持ちデータと、イントロを受けてのあるべき結果の構成を考える。ここに数日。一昨日にようやく方針が決まる。結論は、面倒でもやれることはやってみよう! という当たり前のもの。でも面倒〜。
今日になってようやくデータ起こしを開始。やってみると、そんなに時間はかからなかった。起こしたデータの入力まで終わってしまった。そのデータを分析したらどうなるのかは、明日のお楽しみ。
データの分析の如何に関わらず、これで論文は形になりそう。
今、論文は書くものというより作るもの感が強い。文章を書くのがさほど負担でなくなったからかもしない。いくつかの部品を上手に組み合わせて作り上げるという感じ。ちょっとしたパズルみたい。解けない間はイライラもするけど、方針が見えると楽しい。ゆっくりパズルを解く時間がもっとあればいいのに。
顔なしとか、オバさんとか呼ばれていたオオバン君。突然やってきた団体さんが、勝手にバンチョウさんと名付けたので、多数決でバンチョウさんになった。
とても元気で、もりもりコイの餌を食べ、もりもり糞をして、箱が臭い。昨日、獣医さんに見てもらっても、とくに怪我していないとのこと。測定して、記念撮影をした後に、放す事にした。
バンチョウさんの黒い羽根は、ふわふわで、とてもさわり心地がいい。足は、カイツブリばりの辨足。という感じの、不思議なヒレが付いている。触るとけっこう柔らかい。脚は灰色っぽくて、根元だけ緑色が入っている。などと、各部を見ているとつつかれた。
首が伸びてきて、遠距離から攻撃がくる。目や口を狙ってくるので、眼鏡をかけていない人は要注意。眼鏡をかけていても、唇をつままれると痛い。血が出る。
記念写真も撮り終えて、植物園の池に放しに行った。ちょうど目の前にもう1羽のオオバンがいた。そっちに向けて、岸近くの地上におろす。
すると池とは反対に向かって、猛スピードで走り出して、ツツジの植え込みに入ってしまった。ビックリしたのかな? と思いつつ、ツツジの植え込みから池の方に向けて、ゆっくりと追い出してみる。すると、走ったり、低く飛んだりしながら、また別のツツジの植え込みに入ってしまった。池はすぐそばなのに…。
とにかく、元気ということはわかった。空も飛べるし、猛スピードで走れる(あんなに速いとは思わなかった)。植物園の中なので車にもひかれないだろう。ということで、植え込みに入ったバンチョウさんをそのままに帰ってきた。
一目散に池に向かうと思ったのにな〜。もしかしてバンチョウさんは、水が嫌いなんだろうか? なんとなく、もう一度保護されて連れてこられるような気がする。
とある動物園関係者に聞いた話。バードケージを作って色んな鳥を入れて飼っていた。カモ類のヒナが孵ったと思ったら、どんどん数が減っていく。なんでかな〜?と思ったら、シュモクドリがパクパクとヒナを食べていたそうな。一緒には飼えないってことになって、シュモクドリは里子に出されたという。
シュモクドリって、色合いは地味だけど、不思議な形でけっこう好きな鳥。バードケージができた頃には、けっこうシュモクドリを見ていた。枯れ枝を積み上げた巣をつくっていて、かなり気に入っていたのだけれど、ある時からいなくなってしまった。てっきり病気かなんかで死んでしまったと思っていたけど、里子に出されていたのね…。
いろいろあった一日で、一番衝撃的な話だった。シュモクドリって、カモのヒナとかを、パクパク食べるのか〜。
というお題をいただいた。カエル屋でもない鳥屋に、どうしてカエルの話をしろというお達しがくるのか? というのが、大阪のカエルの現状を考える上で重要なポイントかもしれない。という話でもしようと思う。
ついでに、カエルツボカビ症がなくても、カエルはすでに大幅に減少している。カエルツボカビ症以外のカエル減少の原因にも目を向けよう! 増やそうカエルファン! 立ち上がれ、カエルな人たちよ! みたいなアジ演説調でもいいかも。
カエルツボカビ症は不幸だけど、おかげでカエルへの注目が多少なりとも高くなるのは間違いない。この機会を利用して、カエルの味方を増やし、カエルの減少に少しでも歯止めがかけられないかと思う。
オオタカが見つかったら、とりあえず工事は止まる。開発側は、口先だけでもオオタカとの共存と言い出す。でも、オオタカよりもはるかに絶滅の危機にあるダルマガエルがいても、工事は止まらない。オオタカなら保全運動が盛り上がるのに、ダルマガエルではあまり盛り上がらない。バードウォッチャーはたくさんいるのに、カエルウォッチャーはあんまりいない。カエル飼育の愛好家はそれなりにいるにしても、やはりマイナー感は否めない。カエルファンを増やすのが、カエルを守る第一歩と思う。カエル観察会をすると、子どもに大人気なので、カエルファンは潜在的には多いと思うんだけど…。
さて、話のついでに、大阪のカエル13種の分布図を作り直してみた。最新情報を盛り込む余裕はなかったけど、プロジェクトYのおかげで、大和川水系の情報だけはたくさん盛り込めた。
大阪のカエルは全部減少してるとは思うけど、激しく減少している種と、さほど減少していない(少なくとも分布からみると)種に分けられると思う。
◆分布域が激減している種:ダルマガエル(ほぼ絶滅状態)、トノサマガエル、ニホンヒキガエル(この2種は平野部から消失)、ニホンアカガエル、ヤマアカガエル(2種とも産卵適地が激減)
◆分布域はさほど変わっていない種:ニホンアマガエル、タゴガエル、ヌマガエル、ツチガエル、ウシガエル、シュレーゲルアオガエル、モリアオガエル、カジカガエル
ツチガエルとシュレーゲルアオガエルが本当に激減していないかは、過去の情報が薄いので少し自信がない。現在の平野部でも生息しているニホンアマガエル、ヌマガエル、ウシガエルはさほど分布は狭くなっていない。主に山に生息しているタゴガエル、モリアオガエル、カジカガエルも分布は変わっていない感じ。
減った方では、田んぼの変化(乾田化、周囲の宅地開発、圃場整備など)の影響が大きそう。ただよくわからないのは、ニホンヒキガエルの減少。東京の市街地周辺にはまだ生き残っているのに、大阪と何が違うんだろう?
モザンビークに行った人から、写真を預かった。鳥の写真を撮ったので名前を調べて欲しいとのこと。預かってから、早一ヶ月以上、忙しくて放ってあったのだが、ようやく調べてみた。
海で撮ったとおぼしき鳥が一つある以外は、市街地周辺で撮影したらしい。少なくとも背景を見る限り、そんな感じ。アフリカ南東部の都市鳥の様子の一端がわかる。
同定できたのは、以下の通り。
・コサギ(Egretta garzetta):日本と同種。干潟みたいなところにいる。
・アカメジュズカケバト(Streptopelia semitorquata):名前の通り、目が赤いジュズカケバト。芝生みたいな場所を歩いている。
・ハジロハクセキレイ(Motacilla aguimp):白黒模様が特徴的なセキレイ。舗装された家の前を歩いている。
・アフリカヒヨドリ(Pycnonotus barbatus):黒くて下尾筒が黄色いヒヨドリ。いくつかの亜種にわかれているが、亜種はパス。木の上、屋根の上、ホースの上。いろんなところにいる。
・イエスズメ(Passer domesticus):世界中にいるスズメ。芝生に降りている。
・メンガタハタオリ(Ploceus velatus):全体に黄色くて、目の周りから喉が黒、目が赤いハタオリドリ。似たようなハタオリドリは他にも何種かいるので、分布から決めた。木の上にたくさん巣をつくっている。
・ムナジロガラス(Corvus albus):白い方のコクマルガラスみたいなパターンの白黒のカラス。芝生で何かしている。
以上の7種は同定できた。わからなかったのは2種。ハタオリドリの一種だが、雌か幼鳥らしい。こっちは、ちょっとお手上げ。もう一つは、ホオジロ科っぽい鳥。全体に茶色く、翼はホオジロ類によくある模様、顔にはあまり模様がないが、首から上が全体に黄色っぽい。全体にキノドアオジ(Emberiza cineracea)に似た感じなのだが、分布が違うし…。ホオジロ科ではないんだろうか? こっちはちょっと悔しい。だれか心当たりがあればお知らせを。
アフリカってはるか遠い国々って感じだが、都市の鳥は不思議と似た感じ。ハタオリドリを除けば、ハト、セキレイ、ヒヨドリ、スズメ、カラスが並んでいる。種は違うが、属はあまり日本と変わらない。都市環境におけるニッチェの相似を示唆してるんじゃないかと、妄想にふけってしまいそう。
参考文献は、種の同定について「The Birds of Africa」全7巻、和名について「世界鳥類和名辞典」。
ナンキンハゼの果実、というよりは種子をどんな鳥が食べるかを調べる企画を立てた。他の人にも観察してもらう手前、自分でも観察して見せなくてはならない。最低限10月から種子がなくなるまで毎月一回は観察すること。と偉そうに言った手前、自分でもやらなくてはならない。というわけで、10月最終日にようやくナンキンハゼの木を1時間ながめてみた。
とにかく、木立の端っこの、他の木から区別しやすい木を選んだ。池の畔で、周囲はけっこう開けていて観察しやすい。15mほど離れた地面に腰を下ろして、木を見上げ続ける。
おばちゃんがやってきて、何見てるのかと訊いてくる。目をそらしたくないので、顔も合わせず、鳥を観察していると答える。ちょっと感じがわるかったかもしれない。
ハシブトガラスが一度来たが、種子は食べず。あとはキジバトばかりが入れ替わり立ち替わりやってくる。池の反対側から、ナンキンハゼを目指してまっすぐ飛んでくる。しばらく種子を食べたら、また飛んでいく。ここのナンキンハゼをわざわざ一直線に食べに飛んでくるのがけっこう面白い。池の反対にもナンキンハゼはあるのにな〜。
ナンキンハゼの種子がなっている枝先での採食は、キジバト的にはなかなか難しそう。細い枝先で細かい動きはできないので、これはと思うところに陣取っては、届く範囲の種子をがんばって食べては、バサバサと枝を移動。全部の種子を食べるのは絶対無理だと思う。
キジバトは種子を消化してもらうので、ナンキンハゼ的には種子散布者ではなく、種子捕食者。ナンキンハゼは、キジバトにあまり種子を食べて欲しくないはず。キジバトの食べにくそうな様子を見ていると、ナンキンハゼの思惑は、完全ではないものの、それなりに達成されているようにも思う。
枝の細さや、果実を付ける位置をコントロールすれば、少なくともハト類の採食を避けることは、けっこうできそうな木がする。
比較的観察しやすいナンキンハゼを選んだのだが、やってきたキジバトが、何個の種子を食べるかを数えるには、キジバトからほとんど目が離せない。複数個体が同時に来た時は、一羽の採食数をがんばってカウントしつつ、他個体の木への出入りをチェックする程度しかできない。それでも一応、ナンキンハゼの種子を食べた各種の貢献度は計算で出せるのでいいだろう。
同じような観察をして、やってきた各個体が採食した果実・種子数を完全に出している研究がよくあるが、いったいどうやっているのか不思議。
警察から生きた鳥が届けられた。拾得物を預かった感じ。警察で生きた鳥の管理はできないから。でも、こちらも生きた鳥の管理ができるとは言い難い。それでも受け取ってしまったのは、単にオオバンを触ってみたかったからかもしれない。
見せてもらうと確かにオオバン。野外で見るより小さい感じ。そして、なぜかかなり可愛い。持ってみるとドバトくらいのものか。足指の水かきが、アンバランスに大きくて面白い。
明らかに野鳥なので、警察で拾得物として受け取るよりも、傷病鳥獣として扱うのが適当と説明。拾得物とはいえ、怪我をしてるようだったら獣医に回してもいいことを確認。受取書類に名前を書いて受け取る。でも、警察としては、持ち込まれた鳥がペット由来か、野鳥なのか判断しろと言われても困るだろうな〜。
この辺にオオバンは普通かと尋ねられる。大阪ではあまり多い鳥ではない。昔ほど珍しくはないけど、この周辺ではここの公園の池に、今年珍しく1羽来ているくらい。と説明していて気付いた。保護されたのは、公園のすぐ近所。この土曜日に池で見ていたあのオオバンがこうして保護されてきたのかもしれない。
とりあえず、箱に入れて様子を見る事にした。怪我をしていないなら、すぐに放すつもりだが、それでもあまりに可愛いので、名前を募集した。
オバさん:オオバンを短くしただけ。
顔なし:真っ黒な体で、顔のところが白いから。
どっちもいまいち。
【追記】
今日、公園の池に行ったらオオバンがいた。顔なしオバさんとは別人だったらしい。
7月頃に、夏休みの自由研究についての相談をよく受ける。いきなり相談されても困ってしまう事も多い。そんな時は、質問に質問で返して時間を稼ぎ、なんとか知恵を振り絞る。
が、それも面倒なので、日頃思いついたのをメモしておき。いざという時に活用してみようと思う。とりあえず、昨日の夜考えたのを書いておく。
Dニーズには、キーウィフレッシュなる飲み物があって美味しい。果肉の入った生ジュースって感じ。季節によっては桃フレッシュとか洋梨フレッシュとかもある。キーウィフレッシュにはいったいいくつのキーウィが使われているのだろう? 黒い種子が一緒に入っているので、その数を数えて、キーウィ1個に入っている種子数と比べればわかるはず。
果実一つに入っている種子数というのは、基本的な数字だが、キーウィだけでなく、多くの果物のその数字はよくわからない。マンゴーに入っている種子が一つだけというのはわかるが、スイカは? イチゴは? なかなか奥が深そう。食べると種子だらけで不満が残るアケビやザクロの種子の数も妙に気になる。トマトやキュウリやナスやピーマンもどうだろう? リンゴやカキはあまり盛り上がらないが、数えるのが大変な果物・野菜なら充分その努力が評価されて、夏休みの宿題としてはいけるに違いない。何より、数を数える過程で、スイカを丸ごと一つとか食べられるのも魅力的。
問題は、数がわかったから何やねん! と突っ込まれた時の返し。キーウィフレッシュに何個のキーウィが使われているかが知りたかった。というのは、通用しないかな?
午前10時 ハネハネ博士の朝が始まる。
午前10時15〜30分 助手達が、調査参加者を集める。
午前10時30〜50分 助手達と一緒に、調査参加者に、調査の概要を説明。
午前10時50分〜午前11時30分頃 野外でハネハネ調査。
午前11時30〜45分 博士から調査結果についての解説と、助手から調査のまとめ方の説明
午前11時45分〜午前12時15分頃 調査のまとめ
午前12時15〜30分 助手達が、次の調査参加者を集める。
(中略)
午後1時45分〜午後2時15分頃 2回目の調査のまとめ
午後2時15〜30分 助手達が、最後の調査参加者を集める。
(中略)
午後3時45分〜午後4時15分頃 3回目の調査のまとめ
午後4時15〜30分 後片付け
午後4時30〜午後5時 博士と助手で反省会
午後5時〜午後5時30分頃 後片付けの続き。
とまあ、そんなわけで、ハネハネ博士は助手達と一緒に、一日3回の野外調査をしているだけ。フィールドに出ると時間はあっという間に過ぎる。あっという間に過ぎるので、調査と調査の間に休憩がなくなる。昼食時間もない。体感的にはあっという間に一日が過ぎ去る。そして、空腹に気付く。
午後5時半にハネハネ博士の一日は終わる。
終わってから昼食。そして、普通の仕事が始まる。原稿書かなくっちゃ。
そんなわけで、今日は2年半ぶりにハネハネ博士が登場した。驚くなかれ、2年半前とまったく同じ格好なのであった。進歩がないというか、すでに完成形だったとでもいうか。
あまりに久しぶりに再臨したハネハネ博士、すっかり仕事の手順を忘れていた。最初はあまり人がいなくてよかったよかった。3回目になって、ようやく以前の雰囲気をほぼ思い出した。と、思ったら、今日はもうおしまい。明日は、朝からがんばろう。
今日は、ハネハネ博士が本調子でなかったこともあって、天気が悪かった。なんとか調査は行えたが、雨が降ったり止んだり。地面が濡れていて、羽根が見つけにくい。羽根も濡れていて、種類がわかりにくい。
それなのに、けっこうまったく濡れていない羽根も落ちていた。まさに今日落ちた羽根なんだと思う。まったく濡れていない羽根で構成されたドバトの羽根の散乱もあった。まさについさっき襲われたんだと思う。
18日の下見時にもあった羽根の散乱も確認できたが、かなり古い感じになっていた(たったの9日前なのに!)。羽根の散乱があったはずなのに、見つからないような気がすることもあった(下見時の位置は正確に記録していないので、けっこう曖昧)。
まあともかく、意外に落ちている羽根の加入スピードは速いんじゃなかろうかと思った。それなら毎月ハネハネ博士が活動しても、十分新たな羽根が拾えることになる。
いけない事と、わかってはいる。ニュースで毎日お目にかかる様々な不祥事のほとんどすべてが、関係者の見て見ぬふりによって、問題が大きくなってしまっているのは明らか。誰かがもう少し早く見て見ぬふりを止めれば、もう少し事態はなんとかなったかもしれない。でも、あらゆる問題に正面から取り組んでいては、時間がいくらあっても足りない。困ったもんだ。
明日のワークショップで、ドバトとキジバトの羽根を見せたい。せっかくなので、直前にドバトとキジバトの皮むきをして、皮が柔らかい状態で見せたらええやん。ということになって、今日はドバトとキジバトの皮むき。
超普通種なので、数百羽の鳥の死体をため込んでいる冷凍庫を開ければ、どちらもすぐに見つかると思っていた。ドバトは確かにすぐに見つかった。でも、キジバトが見つからない。そういえば、最近けっこうキジバトの皮むきをしたような気がする。
二つの冷凍庫の中身を総ざらえしたのに、キジバトは見つからない。代わりに処理ができていない物が色々見つかって、冷凍庫の整理が大幅に進んだ。でも、肝心のキジバトがない…。仕方がないので第三の冷凍庫に手を付ける事にした。
かつては、この第三の冷凍庫一つしかなかった。その頃は、頻繁に活用されていたのだが、新しい冷凍庫が二つ加わった後は、ほとんど顧みられることはなくなっていた。実は、この第三の冷凍庫は、過去に故障したことがある。知らぬ間にドアが開いて、中身が一部溶けた事もある。そうした試練を乗り越えて、この冷凍庫に入っている物は、多少傷んでいるのである。皮むきはできるはずなんだけど、確認するのが怖くて…。つまり長らく見て見ぬふりをしていたのであった。この中には、確実にキジバトの死体がいくつか入っている。
仕方がないので、キジバトの死体を一つ取り出してみた。微妙な臭いはするけど、思ったほど死体は傷んでいない。古い死体なので、ベストではないが、十分皮をむける状態。よかったよかった。それなら、見て見ぬふりしなくてよかった。
というわけで、これを機会にボチボチと、この第三の冷凍庫の中身も処理していこうと、固く心に誓ったのであった。とでも書いておかないと、また見て見ぬふりに戻りそう…。
鳥の標本を棚と箱に入れた。ついでなのでナフタレンも入れた。冷凍してあったヘビ・トカゲ・カメを解かして、ホルマリンに浸けた。6月にもらった鳥と魚のリストを作った。クマを冷蔵庫から出した。
これが今日の仕事のお品書き。標本作成の色んな部分を、鳥類、爬虫類、哺乳類を題材に盛りだくさんに扱った感じ。
博物館実習って、博物館によっては普通に授業だったり、時には放置されるだけだったり、いろいろらしい。今日のは、単位目当てに学芸員の下働きをしたって感じかも。でも、博物館の仕事をいろいろ体験するなら、下働きが一番でもある。
鳥へのリアクションはいまいち。ヘビを触れなかったりするかな?と思ったけど、ぜんぜん平気な感じだった。カメを標本にするのには可哀想という声が。ヘビは可哀想とちゃうんかい! そして予定通り、クマへのリアクションは良好。皮むきしろと言ったら、したかもしれない。
毎年、年に2回くらい動物園に行く。動物園に行ったら、アシカの餌を狙ってるゴイサギを見たり、バードゲージの外側で巣をつくっているアオサギを見たりしたいところだが、残念ながら行くのは動物病院の一角。もう何年も、ゆっくり生きた動物を見ていない。
今日も、軽トラックで動物園へ。裏から入れてもらって、ブルーシートやオレンジの袋に入った荷物を積み込んで帰るだけ。滞在時間は30分ほど。ちょっと足をのばせば、生きた動物がいっぱいいるのにな〜、と毎回思う。
しかし、そんな場面ではない。どれくらい荷物を受け取るかで毎回微妙な駆け引きがあるのだ。敵はできるだけ多く持って帰ってもらって、自分とこの冷凍室を空けたいと考えている。しかし、荷物をもらいすぎると、今度はこちらの冷凍室に入らない。でも、これは要りますか?と次々と取り出されると、受け取ってしまうのが悲しい性。
毎回受取過ぎて帰ってきて後悔するのだが、今日の敵はさほど押しが強くなかったので、こちらの優勢勝ち。大物2点と中物2点、小物2点の合計6点におさめることができた。それでも軽トラックはいっぱい。もしも、帰る途中に事故にでもあったら、ちょっとした見物になると思う。全局のローカルニュースを制覇できそう。
帰ってきて、番号を付けて、冷凍室の中へ。ぎりぎりなんとか詰め込むことに成功。ただ、他の人はしばらく冷凍室の中で作業しにくいはず。どうしても何か作業する時は、クマの上に乗ってね。少なくとも体重60kgが乗っても大丈夫だったから。なんせ、100kgを超える大物なので。
ここんとこ、魚ばかり食べて、すっかり食傷気味。今日は、真っ白な食パンがとてもうまい。パンなら毎日食べられるけど、魚が毎日続くのは辛い。もう魚の臭いをかぎたくない。漁師のヨメには慣れそうにないことを実感した。
さて、そんな中、とある研究助成金をとるべく、応募書類を書いてみた。毎年書いてる、たいてい取れない。まあ、取れると書いたことをしなくてはならないわけで、他に死ぬほどやることがある中、取れない方がいいのかもしれない。
などと、思っているからか本当に取れない。取れないは取れないで少しむかつく。書いた時は、これは取れてしまうかも〜、などと思ったりするのだが、なにがいけないのだろう? やはりなんとなく書いているのがばれているのか?
とりあえず、今回は今までと違って文系風の分野で出してみることにする。きっと、読む人には目新しいから取れてしまうかも〜。とまた思う。
さて、とりあえず何をするか決めないといけない。来年度から3年間をこれで縛られる可能性があるかと思うと(その可能性は少ないが)、あまりうかつなことも書けない。取れてしまって大変と言ってる知り合いもいたりするし。というわけで、少なくとも来年はしなくてはならない調査に、普及を絡めてみることにした。
「市民を巻き込んだ調査研究」というネタで文章を書いた事があったが、それを普及方面で強調するイメージ。みんなで調査して、調査研究&普及教育の一石二鳥は、ある意味お家芸。得意分野でお金を取って、使わしてくださいって感じで。
と書いてる間があったら、申請書類を書かなくっちゃ。
昨日は、昼も夜も魚を食べた。とくに夜は余り物が大量にあったので、けっこう食べた気がする。でも、今日も余っていた。
でっかい大皿に焼き魚。大きな鍋が5つもあって、煮付け、あら炊き、みそ汁、かき玉汁、謎の汁。と盛りだくさん。とりあえず、鍋には一通り火を通してみた。ビニール袋にたくさん余っていた刻んだ白菜。傷んでいるのを除いて、みそ汁にぶち込む。焼き魚と煮付けは小さい入れ物に移して、突き当たりの冷蔵庫へ。これでとりあえず明日までは持つだろう。
で、少しでも減らすべく、昼食に煮付けのカレイを2匹ほど、焼いたアジも2匹ほど。みそ汁とかき玉汁を飲んだ。昨日からの魚の食い過ぎで少し気持ちが悪くなってきた…。
夕食用に、煮付けと焼き魚を少し持って帰るけど、食べられるだろうか?
今日は一日中、泉佐野の漁港でひなたぼっこ。寒いかと思ったら、一日中快晴で、風もなく。日向に座っていると暑かった。それが8時間。季節はずれの日焼けをしたのではないかと思う。ひなたぼっこ以外には、子どもと話をして、子どもにいじめられて、笛を吹いて、少し魚を食べた。だいたいそんな一日。
なんやら周辺では、底引き網でとれた色々な動物の観察が行われていたり。漁獲物で料理が作られていたりしたが、あまり覚えていない。よく覚えているのは、水産試験場勤務のNさんが、突然ポケットから取り出したタッパーに入っていた物。
タッパーの中には、小さなアワビの貝殻がいっぱい入っていた。なんでも増殖事業として、ある程度まで育てて海に放すんだとか。途中で死んでしまったアワビの殻を集めて、洗って乾かしてきたらしい。おもしろいことに、緑色をしている。
Nさんの説明に曰く。水産試験場では餌として緑藻を与えているので、緑色になるんだとか。天然物のアワビが赤っぽい色をしているのは、紅藻を食べるからなんだとか。緑色の貝殻をよーく見ると、どの個体も真ん中の方の同じようなエリアが茶色くなっている。それは、たぶん褐藻食べていた時期があるんだと思うとの答え。
で、こうした増殖事業で放されたアワビは、野外に放されて大きくなっても、小さい頃の緑色の貝殻をもっているとのこと。完全な天然物のアワビか、増殖事業の成果かは、アワビの貝殻をよく見ればわかるらしい。
食物から得た色素を、羽毛や体毛の色素に転用する話はあるけど、貝殻でもそんなことが起こっているとは知らなかった。でも、緑藻の緑色って、クロロフィルの色のはず。ってことは、緑色のアワビは、貝殻で光合成をしてたらおもしろいな〜。などと思ったけど、まさかね。
今年の夏の調査結果を受けて、来年の夏の計画を練った。調査結果というよ予備的観察。計画を練ったと言うより妄想を語り合った。放置したら、来年の夏どころか、春になる前に忘れてしまうので、書いておこう。
◆カラスはアブラゼミよりもクマゼミを好むのか?
アブラセミとクマゼミの両方がいる場所で、カラスが食べているセミを調べたら、クマゼミばかりだったそうな。まあ、たいした例数を観察していないので、ほんまかいな〜?というところから検証が必要。
でも、都市でクマゼミが増えて、アブラゼミが減っている理由として、クマゼミの方が鳥から逃げるのが上手だから。というのをあげている人もいるらしい。
クマゼミとアブラゼミの個体数の比率を調べた上で、鳥がどっちを高い頻度で食べているかを調べたら、おもしろそう。
◆クマゼミの鳴きまくっている時、鳥はセミを食べないのか?
7月の終わりから8月初め、朝のクマゼミが鳴きまくる時間帯の観察では、カラスは耳を聾するセミの声を避けているように感じたらしい。
そういえば、クマゼミが死ぬほど鳴いている時は、鳥の活動があまりないような気がする。ヴォーカルコミュニケーション不能になるし、活動しやすいはずがない。大量のセミが鳥に与える影響については、以前から気になっていた。
これって、クマゼミが鳴く時間帯と、そうでない時間帯に、鳥がセミを食べているかを調べたらいいだけ。けっこう簡単。
というわけで、来年の夏はセミと鳥の関係調査を少しまじめにしてみようかと。特別展をしていた今年にしとけよ!という声が聞こえそう…。
なぜか近頃、本が何万部売れたと聞くと、著者に入る印税はいかほど、などと計算するのがマイブーム。
今日も、とある本の帯に30万部突破とあった。本体価格740円の本で、著者の取り分を仮に10%とすると、2220万円! と計算してから中をながめる。そんなに驚くことは書いてないし、むしろ当たり前の教科書的な内容に、ちょっとエピソードを混ぜてるだけに思える。こんなんがなんでそんなに売れる?
今年みんなで書いて出版した本が増刷されるらしい。増刷分から印税が入る約束。印税が入ったら、編集をしてくれる人を雇って、次の本を作ろうと計画中。この調子で、ずっと編集者を確保するには、いくらかかるか計算してみる。週2日の安いアルバイトをお願いするとしても、年間100万円は必要。これを目標としてみよう。
著者取り分を10%として、本の単価を2500円としたら、年間100万円稼ぐには、年間4000冊売る(というか増刷する)必要がある。年間50万円に目標を下げても、年間2000冊。
不可能ではないように思うけど、ずっと維持するのは難しそう。30万部売れる本を一発作れば、20年以上大丈夫だけど…。
こうして考えると、夢の印税生活って遠いな〜。
この秋、約2年半ぶりにハネハネ博士が復活する。久しぶりで、以前なにをどうしたかあまり覚えていない。記憶をたどる意味を込めて、今日は下見をした。
要は、下を見ながら、植物園を一通りウロウロする。ちょっと暗い感じの散歩のようなもの。ときどきしゃがみ込んでは何かを拾い、なんやらブツブツ言ってたりするので、もしかしたら少し不審だったりするのかもしれない。しかし、不審者に思われるのを怖れていては、博士にはなれないのである。
さて、もっぱら落ちてる羽根を探してウロウロしたわけだが、以前とは様子が大きく異なっていた。前はドバトやキジバトの羽根が多く落ちていた。各所で襲われたらしき羽根の散乱も見られた。でも、今回はハト類の羽根よりも、むしろカラスの羽根の方が目立っていた。カラスが襲われたとおぼしき羽根の散乱も3ヶ所で見つかった。カラスを襲うとはいったい犯人は誰だろう?
その他の収穫物としては、トラツグミの羽根がある。おそらく腹の羽根。腹の羽根で種類がわかることは、博士といえども稀なのだが、先っぽがチョンと黒く、その縁を軽く黄色が彩る羽根は、トラツグミに間違いない。本体は見ていないが、やってきているらしい。
タヌキのため糞も2ヶ所で見つけた。新鮮な糞があったので、まだタヌキは健在。片方の糞にはワシントンヤシの種子がたくさん入っていた。ワシントンヤシが生えている場所からかなり離れているのは、行動圏の広さを示しているのだろう。
ハナミズキの果実やナンキンハゼの種子も落ちていた。自然に落下するには早いので、これは鳥が採食するときにこぼしたものだろう。ハナミズキの方は、周辺では騒いでいたヒヨドリが犯人らしい。ナンキンハゼの種子を落としているのは、と上を見たら、目の前でキジバトが熱心に種子を食べていた。食べるのに夢中で、1mほどの距離にいる人間をまるで無視。そんなにおいしいのか?と思う。先日、一緒にいた子どもが囓ってみていたので、負けじと味見をしたけど、あんまり味はしなかった。たぶん毒なので、真似して味見をしない方がいいかも。
というわけで、下見は無事に完了。以前何をやったかもだいたい思い出した。また同じようにやってみよう。今回何をかぶるかは、まだ未定。
先週、大阪市内の埋立地方面に飛んでるコウモリを探しに行った。見つけられなかった。時間が少し遅かったのか? ちょっと寒かった? とか思って、今日もう一度行ってみた。同じ場所で、今度は飛んでいた。やっぱり埋立地にもいるんだね。
ということで、山間部にどの程度まで飛んでいるかという点は気になるものの、その他の点に関しては、大阪府下で飛んでるコウモリ(大部分はおそらくアブラコウモリ)の分布調査は一応完了。もう寒くなってきて、埋立地の例でもわかるように、ある日に飛んでいなかったからと言って、いないとはいえない季節になってきた。今シーズンはいったん調査を終了して、山間部はまた来年に確認に行こうと思う。もちろん山手で飛んでいたという情報は大歓迎なので、もし飛んでるのを見かけたら、ぜひお知らせを。
さて、そんなわけで、いったんコウモリは卒業して、カヤネズミを軸に、ヌートリアを探して歩こうかと思っている。淀川などの川沿いも歩くけど、今年辺りからは山間部でもヌートリア情報が出てきている。山手のカヤネズミを探して、ついでに河川上流部のヌートリア探し。暗くなってきたら、やはり飛んでるコウモリも探してということになりそう。
ってことは、やることはあまり変わらず。
一昨日は、淀川にサークルの観察会で行った。十三で解散。梅田に出て、せっかくなので本屋で買い物。まだ時間が早かったので、中津に戻って、淀川をさらに下流に向かって歩くことにした。目的は、ヌートリアとカヤネズミ探し。そして日が暮れたらアブラコウモリを探そう!
結局、ヌートリアは見つけられなかった。やつらは手強い。でも、カヤネズミの巣はけっこう見つかった。こいつらは慣れればちょろい。カヤネズミは巣を見つけるのだが、それを記録する際、やはり巣がついている植物の名称も欲しい。ヨシ、オギ、ススキはいいとして、わからない植物に巣を作ってるのが一つあった。仕方がないから、穂の部分だけ採集してみた。
しばらく歩いていくと、見たことのないイネ科植物があった。いかにもカヤネズミが巣をつくりそう。今はつくってなくても、その内に巣を見つけるかもしれない。どうせ植物屋に名前を尋ねるついでがあるわけだし、これも採集して帰って、名前を尋ねてみよう。軽い気持ちで採集した。
今日になって、ようやく採ってきた植物を植物屋さんに見せた。後から軽い気持ちで採集した植物は、つぼみだったらしい。今日見たら、花が咲いたらしく、ものすごくフワフワした物に変わっていた。一昨日はもっと落ち着いた感じだったのに…。
とりあえず3人いる植物屋の内、一番イネ科に強そうな、というかオープンランド担当のsさんに見せた。カヤネズミの巣が付いていた方は即答してくれた。ヤマアワというものらしい。河川敷にたくさんあるのにヤマアワとは少し納得がいかないが、まあいいとしよう。ヤマアワは即答したsさん、おまけの植物を見て悩みだした。悩みつつ、研究室に持って帰っていった。
しばらくして、植物研究室に行ったら、nさんと一緒に帰化植物の図鑑をひっくり返して、悩んでいた。この二人が一緒に悩んでいる姿は、標本同定会でおなじみ。どうも結論は出ないらしい。
さて、所詮軽い気持ちで採集した植物。名前を尋ねたこともすっかり忘れていた夕方。sさんがやってきた。近畿地方の植物なら俺に任せ解け!というほどの大先生Sさんに尋ねてくれたらしい(大先生なので大文字表記にしてみる)。Sさんでもわからなかったのだとか。Sさんに勝った〜。といった感じで妙に嬉しい。
メリケンカルカヤに近い、新手の外来植物ではないかとのこと。花の付き方は似てるんだそうな。確かに似てるかも。でも、こっちの方は、全体に緑色っぽいし、大きめでしっかりした感じだし、花が開いた時とっても派手。
初記録っぽいので、一昨日に採集してヘロヘロになってるのを標本にしておくという。えー、あんなのを? とりあえず採集データ。採集したのは、大阪市此花区の淀川左岸。伝法大橋の少し上流。誰か、行くついでがあれば採ってきてあげてね。名前がわかったら教えてね。
さて、そんなわけで、一昨日は日暮れまで淀川で楽しく遊んだのであった。今日になって気付いたが、一昨日は夕方に約束があったのであった。約束を完全にすっぽかしてしまった…。Aさん、ごめんなさい。
【追記】
その後、U大先生にも見せたがわからなかった。ただ、北米東岸にこんなのがあった気がする…。と言っていた翌日、すでに神戸で見つかっていて報文もあると教えて下さった。別途、この日記を見て教えて下さった方もいた。みなさん、ありがとう〜。
で、問題の植物の正体は、
◆フトボメリケンカルカヤ(新称)Andropogon glomeratus
とのこと。
椋鳩十の話だそうな。教科書によく載っていて、国語の教材としてとってもポピュラーらしい。もしかしたら、国語の教科書で読んだことがあるのかもしれないが、まったく覚えていない。
今日、この話について質問された。どんな話か覚えてないので、質問者の説明に基づいて、以下のようなやりとりをした。
『大造じいさんとガン』というのは、ガンを捕獲しようとする大造じいさんが、ガンと知恵比べをする話らしい。大造じいさんがガンを捕まえるために繰り出す工夫は、「ウナギ釣りの針を使う」「沼にタニシをばらまく」「ガンをおとりにする」と展開していくんだそうな。問題は「タニシをばらまく」作戦。
詳細はともかく、ガンをおびき寄せるために、ガンの食物であるところのタニシをたくさん田んぼにばらまくらしい。で、ガンってタニシを食べるんですか? と尋ねられた。
ここでいうガンの種類は、マガンかヒシクイか、はたまた他のガンなのか。いずれにしてもガンは基本的に植物食。葉っぱを食べたり、種子を食べたり。田んぼで落ち穂を拾って食べるし、池でヒシの実を食べたりはする。でも、タニシはあまり食べないだろう。もし呑み込んだら消化できるんじゃないかとは思うけど、タニシをまいてもガンが来る事はないと思う。
ついでに言えば、この話は、ガンの群れを率いる「残雪」という名のガンの頭領とおじいさんの知恵比べなんだとか。ガンの群れにはリーダーもいないと思うが…。
椋鳩十といえば、日本の動物文学の金字塔。実際の動物の生態に詳しく、それに即した物語を書く。のかと思っていたのだが、そういうもんでもないらしい。他の物語もあまり鵜呑みにしないほうがいいのかもしれない。
「大造じいさんとガン」を使った国語の授業の指導案に、
◆Q:なぜ、大造じいさんは五俵ものタニシを集めておいたのでしょう。
といった設問に答えさせたりするのがあったりする。正しい答えは、
◆A:大造じいさんは、ガンがタニシを食べると勘違いしていたから。
すっかり哺乳類屋のような今日この頃。今日はアライグマについてのとある資料を見せてもらった。前にも似たようなのを見たから、以前にも書いたかもしれないけど、改めて感心したので、書いておこう。
とにかく、大阪府下ほぼ全域で、アライグマが記録されている。アライグマの記録がないのは、枚方市、大東市、門真市、守口市、松原市、高石市、泉大津市、忠岡町。この市町にしても、この資料で記録されてないだけなので、ほとんど全域にいるんじゃないかな〜、といった感じ。それでも密度の濃淡はある。
◆大阪府北部
能勢町、豊能町、箕面市、茨木市、高槻市と北摂の山手を含む市町はたくさんいるらしい。一方、同じ北摂でも豊中市、吹田市、摂津市といった市街化された平地から丘陵の市では少なめ。
◆大阪府中部
北河内には全般に少なく、中河内も東大阪市や八尾市は少ない。でも、柏原市は多い。生駒山地南部には多いということか?
あと、大阪市内にもいることになっているが、淀川かな〜?
◆大阪府南部
南河内の生息状況はよくわからない。市街地化が進んでいる藤井寺市や松原市が少ないのはわかるとして、山手も全般にあまり多くないことになっている。ただ河内長野市だけ多いことになっている。これは調査努力量の違いのような気がする。
泉北は全般に少ないけど、和泉山脈を抱えている和泉市だけ多い。泉南は、山のない田尻町以外は軒並み多い。和泉山脈にはたっくさんアライグマがいるということだと思う。同時に海岸しかない田尻町でも記録されてるってことは、海岸沿いにも少数は生息してるってことかな?
この資料、市町村単位でしか示されていないのが難点。もっと細かい位置情報を〜!
本来、鳥屋のはずが、なぜか夏頃から哺乳類のことばかりしている気がする。ここんところ、アブラコウモリを探して、午後になると出掛けることが多かった。が、そろそろ夜は涼しい季節。アブラコウモリが飛びまくる季節も一段落な感じ。それに合わせて、コウモリ探しも一段落としよう。
で、今日辺りから軸足をネズミモードに。とりあえずみんなで調べよう、って感じのテーマとして、カヤネズミとヌートリアを設定。カヤネズミは巣を見つければいいし、ヌートリアは本体を見ることができるはず。ってことで、情報募集サイトを準備、合わせて現時点での手持ちデータでの分布図を作成。
大阪府のカヤネズミ分布図を作ると、南河内にばかりカヤネズミが分布しているかのようになる。それは昨年まで3年間ほど大和川水系を調べまくっていたから。おかげで、南河内の分布はわかったというか、ほとんど全面にカヤネズミが分布していることがわかった。あとは大阪の北半分と、和泉地域。市街地化が進んでいる大阪府中央部を除いて、周りには一通り生息してるんじゃないかと思うけど、どうなるだろう?
ヌートリアの方は、やはり淀川本流の情報が多い。そして神崎川、大川、芥川などの支流。大阪市内のただの溝みたいな川や北摂の山間部の細い川でも確認されているので、さがせばもっと広い範囲に生息しているのかもしれない。とくに気になるのは泉州での生息状況。きちんとした情報をもらっていないのだが岸和田方面の河口部での観察記録があるとのこと。
とまあ、この2種の分布はなんとか押さえられそうだけど、問題はその他のネズミ類。野ネズミ系は、真面目に捕獲調査をしなくては仕方ないかも。でも、家ネズミはとりあえず協力を呼びかけてみようと思う。
家でネズミを捕まえたら、ぜひ送って下さい〜。ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ、種類は問いません。
この後、軸足は、リスを含めた齧歯類全般に展開の予定。
秋は論文の季節。立て続けに論文査読の依頼がやってきた。一挙に3本も。9月に2本クリアしたところなのに〜。3本の内、2本は以前にコメントした論文なので、断るにも断れない。
査読したら、そのまま受理か、あっさりリジェクトするのが、レフリー的に適応的な態度ではないかと思うようになってきた。真面目にコメント付けて返すと、二重に問題が生じる。手直ししたその論文を再び査読する羽目になることと、編集者がまた別の論文の査読を依頼してくること。
先日、編集者と話をしていたら、Tさんに頼んでも、ぜったいにコメントが帰ってこないから、そっちに回した〜。などと、言っていた。Tさんの行動こそが研究者として適応的な行動と言えるだろう。査読ばかりしていたら、自分の論文を各時間が減るばかりなんだから。
あと一つ気になったこと。今回立て続けに帰ってきた改訂論文。論文自体が送られてくるのはいいけれど、前回のこっちのコメントにどう対応したかを書いたお手紙が付いていない。自分がレフリーのコメントを受けて、書き直した時は必ず付けるんだけど、おかしいな? これは、雑誌次第なのか?
どこをどう手直ししたのか書くように! とコメントしようかな、と思う。だって、自分のコメントを見直すのは面倒だし、それを改訂論文と引き比べるのはもっと面倒。
哺乳類の大きさを比べる時、よく使われるのは体重かもしれない。でも、体重って、同じ骨格でも、太ってたり痩せてたり。自分の事を考えても、朝と夕とで違っていたりする。それで比較するのはちょっと不満。
体重が嫌なら、身長を。というわけで、長さで比べるという手がある。多くの哺乳類では、頭胴長がお奨めかもしれない。有蹄類なんかでは体高という数値で比べるのもいいかも。でも、どこの長さを使うかで、大きさの順位は変わってくる。体型の大きく異なる種を比べるときは、いったいどこの数値を比べたらいいのかわからないのが不満。
そんな不満を持っていたあなたに、いい比べ方を教えよう。それは表面積である。表面積は、一日の間にそんなにコロコロ変わらない。表面積は、体型が違っても関係ない。なかなかいいアイデア。問題はどうやって測るか。
さて、生きた動物にはあまりお奨めできないが、表面積を測る簡単な方法が一つある。皮を剥いで拡げてみるのである。この目的のためには、できるだけ平たくなるように剥くのがコツ。足先は筒剥きではなく開きにしよう。下顎部分は先まで開いた方がいいだろう。
で。開いた新聞紙の上に拡げてみる。真上から写真でもとって画像処理でもしたら、新聞紙の大きさを基準に面積計算が可能なはず。それが面倒な人は、Shinbun(sbnと表記することにする)という単位で表面積を表してみよう。開いた新聞紙1枚の広さが1shbnである。
偶然にも今日、とある部屋に入ったら、一面に哺乳類の皮が拡げられていた。ちょうどいいので、表面積を測ってみた。タヌキ0.5sbn強、アライグマ0.5-1.0sbn、イノシシ(メス若)約2sbn、イノシシ(オス成)3-4sbn、ツキノワグマ(オス成)4sbn弱、ニホンジカ(オス成)5-6sbn。
ニホンジカは大きい。ツキノワグマはイノシシとあまり変わらない。といった結果は、体重の比較とあまり変わらない…。
今日は観察会をする予定だった。でも、数日前から天気が怪しい。昨日の夜は、真面目に準備をするかかなり悩んだけど、念のためと思って、資料を作って印刷もして持って帰った。
天気予報が気になるので、なかなか寝られない。いっそ徹夜しようかと思いつつ、午前2時半頃、ようやく眠る。
天気予報が気になって、午前6時に目が覚める。観察会を決行するか中止にするかの判断は午前7時がリミット。テレビを付けて、各チャンネルの午前6時台の天気予報を見まくる。かなり微妙だが、朝方雨、いったん止んでも午後からは雨。絶対に雨は降るというのが一致した意見だった。その合間にも何度も外をながめる。雨がザーザー降ってるかと思ったら、止んだりもする。でも、地面が乾くことはなく、午前7時前は降っていた。というわけで、観察会の中止を決定。手配をする。
観察会が中止になっても、念のため集合場所には行ってみることにする。誰か来るかもしれないし。来たら、せっかくなので雨の中でも簡単に案内しようかな。せっかく作ったので、資料も渡そうかな。
集合時間の20分前に、集合場所に到着。誰もいない。集合時間まで待ってみるも誰も来ない。みんなにちゃんと観察会が中止だと伝わったらしい。それは喜ばしいことだが、せっかく集合場所に来たのに、少し不満でもある。
さらに不満なのは、現地は雨が降ってないこと。家を出た頃に少しぱらついていただけで、雨はすぐに上がってしまった。
不満に思いながらも、帰ってきた。そして今は夜。結局のところ、その後、雨は降らなかった。観察会はできたなー。みんな気象台が悪い。
河川敷などで草むらの中を歩き回ってカヤネズミの巣を探す観察会。雨が止んでいても、草が濡れていると大変なことになるので、観察会を中止にしたのは正解かもしれない。
でも、せっかく資料を作ったのに。今日、カヤネズミの巣を観察してもらって、その勢いで、一緒に淀川水系のカヤネズミの分布調査をするつもりだったのに。
というわけで、
◆参加申込者で、資料が欲しい方、受取に来られたら渡しますので、ご連絡を。でも、郵送はご勘弁下さい。
◆淀川水系、及び大阪府下のカヤネズミの巣の情報を募集します。締め切りは、2008年3月。もし見つけたら、発見日、詳しい場所、周りの環境(できるだけ詳しく)、付いていた植物名(分かる範囲で)、巣の色・様子・数をお知らせ下さい。
ちなみにすでに大量のデータがあるので、大和川水系及び南河内地方は、調査対象から除外。淀川水系と和泉地域の情報を〜。
今日はたくさんヘビが車にひかれていた。シマヘビ5匹、シロマダラ3匹、ジムグリ1匹。可哀想に。そしてシロマダラが3匹って、もったいない。
場所は、河内長野市の滝畑ダムの奥。ほんの数百メートルほどの間で、ヘビが5匹も轢かれていた。バーベキューをする人たちの車がけっこう行き交う道なので、ヘビはペッタンコ。アスファルトに貼り付いている。シロマダラは標本にならないかと思ってはがしてみたものの、頭骨もペッタンコで、どうにもならないので捨ててきた。
帰りも同じ辺りの道を通った。今度は少し上にある砂利道の林道。ここでもヘビが2匹轢かれていた。ここは通る車が少ないせいか、ペッタンコではない。せっかくなので拾ってきてホルマリンに浸けてみた。シマヘビは液浸標本らしくなった。ジムグリは微妙。
轢かれていたのは、いずれも同じような大きさ(30cmくらい)の幼蛇。この時期、お馬鹿な幼蛇が車に轢かれやすいのか。それとも、ちょうど幼蛇の移動ルートに当たっていたのか。
シロマダラがひかれまくってるってことは、夜走り回ってる車がけっこうあるのかも。そして、夜に来たら生きたシロマダラが道を渡るのに出会えるのかも。
今日は、(山階ではなく)池田鳥類研究所所長が来館された。この夏、猪名川源流から河口部まで鳥の調査を実施したそうで、その結果を見せてもらった。同様の調査を各季節に行う予定とのこと。
ちょうどこちらもプロジェクトYと称して淀川水系(猪名川水系を含む)の調査をしている。それに協力をお願いしたらよかったのだが、他の話題で盛り上がりすぎて、うっかり忘れていた。今度お会いしたらお願いするとしよう。
盛り上がったのは、ヌートリア。なんと、鳥の調査の途中でヌートリアを確認し、しっかり写真も撮られていた。かなり狭い川で、近くから撮影した写真。なんと日生中央よりも上流でのことだという。ヌートリアは、そんなに上流にいたのか〜。
ということで、先日、猪名川沿いを歩いてヌートリアを探したけど、見つけられなかった話題で盛り上がったわけ。もっと上流を調査したらよかったとは気付かなかった。
でも、猪名川水系は、全長がほぼフルマラソンのコース並にある。所長は4日かけて調査したそうな。こちらは一日だけ。それだけでもすでに負けている感じ。唯一勝ったのは、所長は神崎川と合流する猪名川の真の河口に到達せず。藻川と再び合流する地点で力尽きたと言うこと。
所長、それはあり得ません。あと500mほど。その地点から見えていた新幹線がゴールだったのに〜。
今日は、観察会の下見に行った。たぶん失敗なんだと思う。どうしよう? 雨乞いか?
ある地域の自然の観察会の場合、下見とは面白そうな物が見られるコース探し、道路事情やトイレ事情の確認、昼食場所を決める。といった程度なので、失敗はあり得ない。
でも、かなり狭い範囲のターゲットがある観察会の場合、下見の重要性は高くなる。ようするにターゲットが観察できる場所に行かなくてはならないわけだし。下見に行って、ターゲットがいなければ、その下見は失敗と言っても過言ではない。
今回の場合、ターゲットはカヤネズミ。なんとなくいると聞いていたような気がして、絶対いると思って場所を設定。でも、下見に行ってもいない。まあ、川沿いにはいるのだけれど、山手の農耕地周辺にいない。
先日見つけられなかったので、もう一度念のため(やっぱり絶対いると思っていた)下見に行った。やっぱりいなかった。チェックできそうな場所はだいたい見たと思う。だいたいいそうな場所はあまり多くない。休耕田にはセイタカアワダチソウが入りすぎてることが多いし…。それでも見つけたススキの生えた休耕田。ヌスビトハギをかわしつつススキの海を泳ぎまくったが、発見できず。
これだけなら、カヤネズミの巣を見つける目が鈍ったとも考えられる。でも、違う。昨日は、コウモリ探しに岬町に行った。少しだけ早めに行って、山手の田んぼ周りでカヤネズミの巣を探した。ココ!と思った場所で簡単に見つけた。我ながら感心したばかりなのに…。
まあ、川ではカヤネズミの巣は見られるので、観察会自体は成立すると思う。悩ましいのは、見つからなさそうなのに、わざわざ山手まで歩くかどうか。あとは台風と相談しながら、出たとこ勝負ってことにしよう。
昼過ぎに出掛けて、南海本線と南海多奈川線に乗りまくってきた。岬町から泉佐野市まで、駅で降りてはコウモリを探し。電車に乗ったり降りたりを繰り返す。どうしても各駅停車に乗ることになる。よくても15分に1本、下手すると20分に1本しかない。
これのいいところは、どうせしばらく電車は来ないからと、改札を出て、周辺のコウモリのいそうな場所まで探しに行けること。ただし、次の電車を逃したくないので、ギリギリまで粘った末に、ダッシュで駅まで帰って、ハァハァいいながら電車に乗ることになる。かなり変な人かもしれない。
これの悪いところは、改札を出て入る度にお金がかかること。前後の行き帰りを含めて、5000円近く使ったらしい。
結局のところ、大部分の駅(及びその近く)でコウモリを確認した。ただ、岬町のいくつかの駅では確認できなかった。日没からしばらくの間、少し風が吹いていた。その影響があったのかもしれない。孝子駅にコウモリが飛んでいるかは、機会があれば、もう一度確認したいところ。
【追記】
電車に乗ったり降りたりするなら、一日乗車券を使え。とのご指摘をいただきました。ごもっとも。ただ、当初、基本的に改札を出る気がなかったので…。それに思い至ったのはすでに出入りを繰り返した後だったり。この次は、一日乗車券を使ってみようと思います。
夜になるとけっこう涼しい季節。アブラコウモリが飛びまわる季節は、もうピークを過ぎた感じ。でも、そんなこと関係ない。アブラコウモリを探しに行こう! 1ヶ所でじっくり行動観察もいいけれど、すぐに退屈するはず。ここは一つ、いろんな場所でコウモリが飛んでいないか、どんどんチェックして歩こう。そして分布図を作ってみるのである。そんなあなたのために、いくつかポイントを伝授しておこう。
大阪府のように電車網が発達している地域では、電車の駅ごとにチェックしていくだけで、かなりのエリアをカバーできる。電車賃が問題だが、改札を出さえしなければたいした事はない。
持ち物は、最低限筆記具があれば足りるが、薄明るい内は双眼鏡があると便利。暗くなったらバットディテクターが欲しいところ。準備ができたら、さあ出発だ!
ホームでコウモリを探すなら、狙い目はホームの端っこ。電車の一番前か一番後ろに乗って、降りて、乗って、降りてを繰り返す。ホームの一方の端で見つからなければ、反対の端まで移動する。移動の間もコウモリに要注意。
他の乗客や運転士や車掌の不審そうな目は無視しよう。とにかく、視線は上め、手にはバッドディテクター。くれぐれも線路に落ちないように。
もし、どうしてもホームからコウモリが見つからず、駅の近くに川や池があるなら、思い切って改札から出てみよう。あまり繰り返すと金がかかって仕方がないが…。
そんなわけで、昨日はコウモリを探して駅を渡り歩いた。夕方に京都で用事があったので、帰り道に寄り道。
JR山崎駅をスタートしたのが午後5時45分。歩いて阪急大山崎駅へ。阪急京都線で高槻市駅へ。京阪バスで京阪枚方市駅へ。京阪交野線で私市駅へ。それから河内森駅に戻って、歩いてJR河内磐船駅へ。JR片町線で長尾駅へ。JR片町線で鴫野駅まで戻り、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線蒲生四丁目でゴール。時刻は、午後10時25分。
4時間半の長い寄り道。チェックしたのは15駅。内、13駅でアブラコウモリを確認。印象としては、結局のところどこにでもいる感じ。ただし川沿いや耕作地周辺に多い。
この調査、基本的に各駅停車に乗ることになる。そして、かかっている時間の大部分は、駅での電車の待ち時間になる。阪急や京阪は10分おきに来てくれるのでいいのだが、JR片町線の大部分は15分おき。駅に降りて、すぐにコウモリを見つけても、次の電車が来るまで15分。時間がかかって仕方がない。一番良いのは、電車から降りて、すぐにコウモリを見つけて、同じ電車に乗ることだが、それができたのは2駅だけ。なかなか都合良くはいかない。
そんなこんなで、大阪府下の電車のかなりの部分を、この2ヶ月ほどの間に乗りまくった。残るメジャーは、南海本線、JR関西本線、大阪モノレールといったところ。だれか水間鉄道とか乗らないかな?
4時間半もコウモリを探したら、さすがに疲れた。大部分電車待ちとはいえ、動いたのはほとんど駅構内とはいえ、けっこう歩いたし。疲れて帰って何もせずに転がってしまった。この夜の調査、けっこう消耗するのが難点。そして朝起きられない…。
大きなワニガメを2匹飼ってる。片方はすぐ目の届く場所に置いてるのだけれど、もう片方は水槽の都合で、ちょっと離れた場所に。離れた場所に置くと、なにかと眼が届かない。というか存在を忘れがち。
今日、久しぶりに目が届いてない方のワニガメの水替えをした。対面するのは、1週間ぶり。その時に、餌のアメリカザリガニをたくさんあげた。
対面の間が開くと、元気かどうか以前に、生きてるかどうか心配。ドキドキしながら見に行くと、元気だった。というか、水替えをしてると元気に怒っていた。この前あげたアメリカザリガニはみんななくなっていた。ちゃんと食べたらしい。よかったよかった。
肉に餌付いてくれると楽なんだけど、まだ無理かな〜。またアメリカザリガニか何か生きた餌を確保しなくては。