近頃の自然史博物館

2007年7月8月9月、10月、11月、12月

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2007年12月

2007/12/31
 28日が仕事収め、29日はまだ来ている学芸員もいたものの、昨日と今日は学芸員は一人っきり。朝一番の出勤者(出勤扱いではないのだけど)の栄誉を二日続けてGETしている。
 とまあ、大半の人は今年の仕事が収まっているらしいが、こちらはなぜか仕事が多くてアップアップしている。昨日と今日は、ひよろり書店の在庫調べ。翼竜展があったせいだろうか、予定よりも在庫が少ない。思わぬ本が売れていて嬉しいのだけれど、ほんとにこの本が売れるか〜? と思う本も多く、探しまわるので、時間がかかる。どうやら、近来まれにみる在庫数の少なさになっているらしい。年々在庫数が増えていくことを心配していたので、これは朗報。


2007/12/23
 もうすぐ今年も終わり。ということは、年末恒例のあのイベントがあります。展示物の燻蒸です。第4展示室に展示されている穀類にはすぐ虫が発生します。で、毎年年末の休館期間中に燻蒸するのです。その他に連続して休館になるときはないので、ここしかないのです。
 近ごろの燻蒸は冷凍室に放り込んで虫を殺します(だから燻蒸ではないのですが‥)。ということは、冷凍室に穀類をしばらく入れておくスペースを作らなくてはなりません。穀類はわけのわからないかさ張る容器に入っています。したがって、床に並べるしかありません。数週間前、植物担当より冷凍室の床を空けるようにとのお達しがありました。で、この3日間にがんばって冷凍室の整理です。とにかく溜め込んでいる死体をできるだけ処理する。それが無理なら、隅っこに積み上げる。今日がんばって、床面積の約半分を空けました。これで許してくれないかな?
2007/12/17
 廊下のワックスがけの日。昼過ぎに来てみると、すでにワックスがけは終わっていました。何もなくてピカピカの廊下。いつでもこうだったらいいかも。でも、ちょっとよそよそしい気がします。
 明日の今頃には、いつもの風景に戻っているはず。
2007/12/15
 明後日の月曜日に、年末恒例の廊下の掃除があります。それを控えて、そろそろ廊下が片付きはじめました。その流れに乗って、夕方少し片づけを始めてみました。2007年のカレンダーを発掘してしまいました。誰ももらってくれないだろうな…。あとは、大量の発砲スチロールの箱と、段ボール箱の処理といった感じ。目の前の廊下だけについていえば、あとはホネホネ団と萌蔵の荷物だけ。明日でなんとかなるでしょう。

2007年11月

2007/11/21
 今日は図書の発送作業をしました。午後一番に始めて、4〜5人がかりで5時間ほどかかりました。それも封筒に発送物を入れるだけで時間切れ。封をして実際に発想するのはもう少し先になりそうです。なんせ発送する物が多すぎる。それもそのはず、2年ぶりの発送作業なのでした。昨年さぼったのが痛い。
 図書の発送とは、博物館で出版した印刷物を、日本中や世界各国の博物館施設、研究機関、大学などに送ることです。お返しに先方からも印刷物が送られてきます。こうして印刷物を交換することで、面倒なお金のやり取り無しに、さまざまな出版物を博物館資料として手に入れることができるという寸法です。
 本来は、毎年送らなければならないので、昨年発送をさぼったのは交換相手には内緒です。真面目に図書の受け入れをしている博物館などは(いわゆる大英博物館とかスミソニアン博物館とか)は、印刷物が届いてないぞー、とこまめにクレームをくれます。でも、国内の博物館からのクレームはほぼ皆無。いちいちチェックしたりはしていないようです。


2007年9月

2007/9/30
 昨日と今日、長居スタジアムでミスターチルドレンのコンサートがあります。長居周辺は、ただでミスチルのライブを聞こうという人で、とてもにぎやかです。さて、大阪市音楽団は、そんなミスチルのライブに、自分達のライブをぶつけてきました。強気です。
 ミスチルは、昼頃からリハーサルをするので、昼間っから長居公園にはその音が鳴り響いています。そんなまっただ中の午後2時半から1時間半ほど、大阪市立自然史博物館のポーチで、音楽団の演奏会です。ミスチルの音に負けないかと思っていたのですが、幸いにもミスチルのリハは午後2時には終わり、午後5時の開演まで静かになるのでした〜。おかげかどうかはわかりませんが、音楽団の演奏会もたくさんの観客を集めて、盛況に終わりました。
 中には昼頃から長居公園に来て、ミスチルのリハ→音楽団の演奏会→ミスチルのライブとはしごをした人もいたに違いありません。寒い中、御苦労様です。


2007/9/14
 今日は翼竜展のプレビュー。午前中から夜まで、4本立てであった。その内、一般向けプレビューというのにかり出された。鳥の展示があるので、その前に立って、説明しろというお達し。とりあえず、展示室に2時間ほど立っいた。
 だいたい翼竜が主役なのであって、みんな翼竜は見るけど、鳥の前はほとんど素通り。始祖鳥の復元骨格もあって、ほーと思って見ていたのだけれど、他の人は少しみるだけ。もちろん鳥の展示について質問する人はいない。暇なので、翼竜の骨をいろいろ見て回った。なかなかおもしろかった。それはいいのだけれど、翼竜の前にいると、翼竜についての質問をされるので困った。質問されてもわからない。詳しい奴は、偉いさんの相手で忙しい。仕方がないので、一緒に悩むだけであった。あの翼支骨って、どうして第一指ではないの?!
 質問に答えられないだけでなく、ケースにもたれて、会場係りのお姉さんに怒られた。お姉さんがなんのために立っているのかと思っていたが、あの壊れやすそうなケースを見張るためだったらしい。みなさんもケースにもたれないように。
2007/9/13
 明後日から、いよいよ翼竜展がオープン。で、明日はプレビューがある。一日中いろんな人たちがプレビューに来るらしい。で、翼竜展は担当ではないのでぼんやりしていたら、プレビューにかり出されてしまった。なんでも鳥の展示があるから、前に立って説明しろってことらしい。さて、明日いきなり前に立つのもなんなので、夕方下見をしにいった。感心なことに、プレビュー前日の夕方なのに、展示はすべて完成していた。これが主催展なら、これからの時間帯が最後の山場なのにな〜。
 で、展示の全体を初めて見ることができた。なかなかかっこいい。巨大なケツァルコアトルスの復元模型と骨格標本がぶら下がっているのが、やっぱり売りだろうけど、他の展示もなかなかおもしろい。イメージは、「恐竜博2005」に似ている。スーの代わりがケツァルコアトルス。ネームヴァリューは負けるけど、実物を前にした時の迫力は負けてないかも。あと、何ケ所かで上映されている翼竜のCGを多用したビデオのかっこよくできている。思わず見入ってしまった。
 担当の場所には、ダチョウの骨やキーウィの剥製などが並んでいた。前に立ってるのはいいけれど、いったい何を説明すればいいのだろう?
2007/9/12
 今日は、翼竜展のケツァルコアトルスの復元模型の組み立て日。取材のプレス関係者がけっこうやってきていた。昼過ぎに重大ニュースが入ってしまったので、取材予定の多くのプレスは急きょこちらに来るのを取り止めたらしいが。まったく、えらい迷惑。
 さて、それでも来てくれたプレス関係者に混じって、翼竜展の会場にいってみた。天井からいくつもの翼竜がぶら下がっている様子はなかなか楽しい。そしてケツァルコアトルスの復元模型は、ほんまに大きい。人間でもくわえて飛んで行きそうな感じ。トラックヤードがいっぱいになるはずである。
 もう一つ重大な発見は、うちの博物館が持ってる展示ケースも、綺麗な背景の前に置いたら、かなりかっこいいということ。あんなに映えるとは思わなかった。普段の主催展でも、もっと背景に凝ってあげればいいのかも。
2007/9/8
 トラックヤードにケツァルコアトルスとかいう大きな翼竜の復元模型が箱入りで置いてあった。大きな箱が二つ。のぞいてみたけど、翼しか入っていない。組み立てたら、ほんまに大きなものになりそう。
2007/9/7
 「世界一のセミ展」が終わったと思ったら、今日からは「世界最大の翼竜展」の搬入が始まりました。こちらは手伝う必要がないので楽珍です。ちなみに世界一の後は、世界最大〜。二番煎じやなー。と思うかもしれませんが、先に名前が決まっていたのは「世界最大の翼竜展」の方で、「世界一のセミ展」がパクったのでした。
2007/9/6
 「世界一のセミ展」の片づけは最終段階。通称”高松塚”(ヒメハルシアターの正面に置いてあったあの山門みたいなやつ。なんでこんな通称なのかはよく知らない)の片付け。といっても、クレーンで釣り下げて下に降ろしただけに近いが…。あとは、いらないケース類を片付けておしまい。
2007/9/4
 「世界一のセミ展」の片づけはほぼ完了しました。標本はすべて撤収されました。パネル類もすべて撤収されました。その他の展示物や音響機器も見当たりません。例の門と覗き絵以外には、空の展示ケースが並んでいるだけになりました。
 特別展の撤収としては、おそらく史上最速。唯一の問題点は、やればできるということがわかってしまったこと。
2007/9/3
 「世界一のセミ展」の片づけは驚くほどの早さで進んでいます。ワークショップコーナーはすべて撤収完了。ヒメハルシアターは例のお寺の建物らしきものだけが立っています。ショーウィンドウの中の展示の前半部分(セミの標本が並んでいない部分)の撤収も完了。展示パネルやドイツ箱も半分くらいははずされました。準備には時間がかかるけど、撤収はあっという間です。まあ、後ろにすぐ翼竜展が控えてなければ、1ヶ月程度は放ってあったりするのですが…。
 ミュージアムショップの方も、昆虫モードから、恐竜モード(アイテムが少なすぎて翼竜モードにはできないので)に模様替えしました。
2007/9/2
 そんなわけで、今日が「世界一のセミ展」の最終日です。セミのストラップをつくるワークショップも最終日ということで、最後に自分用のを作らせてもらいました。マジックで薄いプラスチック板に絵を書いて、トースターで暖めると、あーら不思議、小さく固くなります。子どもたちがやってるのは見ていたのですが、見るとやるとは大違い。何より、トースターの中でプラスチック板がグニャーと曲がって、動き回った末に、元通り平たくなるのには驚きました。あんなにインパクトの強いものだったとは…。

 そして閉館したと思ったら、さっそく展示の撤収作業が始まりました。なんせ2週間後からは、翼竜展が始まります。間が詰まっているので、次の木曜日までに撤収を完了するようにとのお達しが出ています。木曜日には翼竜展の準備がもう始まります。
 というわけで、さっきまでお客さんが見ていた展示が次々と撤収されていきました。さっそく見る影もなくなったのは、ヒメハルシアター。私も自分の担当コーナーの標本を片付けて、背景に貼ってあった大きな写真も片付けました。ヒヨドリとタヌキとヒキガエルの拡大写真。けっこういい感じなのでとってあるのですが、貼る場所がない…。友の会総会のオークションにでも出すとか。
2007/9/1
 今週は、博物館実習ウィーク。博物館実習生がやってきていて、学芸員が日替わりで対応します。今日が担当にあたっていたので、一日実習生3人と作業しました。午前中から昼過ぎまでは、タヌキとアライグマの骨のクリーニングと仕分け。一人1頭やってもらいました。時間があまった人は、背骨を並べたり、歯を入れたり。その後、皮を剥いたままになっていた鳥の仮剥製の脚にラベルをくくり付けてもらいました。たまっていた仮剥製を一通り処理してもらってちょうどタイムオーバー。今回の実習生は、けっこう優秀だったように思います。

2007年8月

2007/8/31
 あっというまに8月が終わってしまい、あと2日で、「世界一のセミ展」もおしまい。なごりを惜しんでいる間もなく、すぐに撤収して、その次の「世界最大(だったか?)の翼竜展」の準備をしなくてはならない。
 当初、セミの特別展なんで誰が見に来るんだろうと思っていたのだけれど、ふたを開けてみれば、予想外の入場者数。誘致展ではない特別展としては、今までで一番の入場者数になった。大きな原因の一つは、マスコミで多く取り上げられたことではないかと思う。もちろん中身もあるだろうけど、展示ってのは中身がわからない状態で見に来てもらわないといけないので、広報が大きくものをいう。広報予算がほとんどないことを考えると、マスコミに取り上げられるかどうかが大きなわかれめ。夏にセミ展ってのがよかったのか、マスコミへのアピールがよかったのか、主担当者は毎日のようにテレビにラジオに出まくり。特別展がオープンしてからの方が忙しそう。関連行事も多いし。
 今年の成果は、来年の特別展にいかせるのか? 夏は誘致展のD展なので、秋冬に予定しているあの主催展に。季節感がな〜。9月か1月なんやけど、両にらみは難しいしなー。


2007年7月

2007/7/23
 なにげにセミ展で検索したら面白いサイトが引っ掛かりました。そのサイトに書き込めばいいようなものなのですが、あまりに楽しくなったので、忘れないようにここに書いておきましょう。
 「世界一のセミ展」を見に来てくれたそうです(ありがたいことです)。で、どこかの神社の門を移設したコーナー(ヒメハルシアターですね)を見て、とってもお金がかかっていると思われたらしく、役人は見えない所で無駄遣いしてる! と糾弾されているのです。
 これを読んだら、企画した主担者のSさんも、トラックで運んだNさんも、そしてヒメハルシアター設計・施工をすべて独りでやったTさんも、きっと嬉しくなってしまうに違いありません。
 あの門は、捨てるというのももらってきたんだよ〜。学芸員の実家からトラックを借りて運んだんだよ〜。展示室に入れる時は、雨の中クレーンにぶら下げて、みんなでがんばったんだよ〜。そして、背景も含めて、独りの学芸員の手作りなんだよ〜。ものすごーく、お金がかかってないんだよ。お金があれば、もっと色んなことができたんだよ…。


2007/7/22
 今日は自由研究相談会という行事がありました。夏休みの宿題の手助け企画です。例年、一日で20件程度のものでしょうか。さほど忙しくなく、そんなに待ち時間もなく、じっくり相談に乗れます。ところが今日は、例年の倍以上の件数。朝一番には待ち行列が長くできてしまいました。かといって、一人にかける時間が減るわけでもなく、人気分野の担当学芸員は大変でした。たとえば化石担当、例えば昆虫担当、そして意外にも魚担当。
 ところが、魚以外の脊椎動物の質問はとても少なく、というか例年なみで、例年通り暇でした。応対は2件だけ。鳥の卵に関するものと、イルカについてのもの。前者は、有精卵を手に入れて孵化させることになりました。後者はおもに本の紹介。そしてなぜかイルカの研究者になるにはどんな道があるかについての相談でした。

2007/7/6
 日が変わって、午前1時15分です。といっても、気分は昨日の続きで、25時過ぎって感じ。まだ5人残っています。そろそろ疲れてきて、妙に楽しくなってきました。特別展オープンの前日っぽいです。
 午前2時15分。まだ、5名います。主担当者はお疲れの様子。でも、まだケースが4つほど未完成。打ち出し係りには日が変わってから発注が出て、慌てて打ち出し中。音声担当もなにやら音をいじっている。遊撃隊2名は、片づけも掃除も一段落して、そろそろ帰りたい気分。
 午前3時45分。まだ、5名います。こうなると一段落しないと帰れない。で、ようやく作業が一段落。あとは明日、もとい夜が明けてからだ! というわけで、4名は帰ります。1名は泊まりかな?

 朝寝坊した。仕方がないので、午前半休という技を使った。
 午後からは、特別展の内覧会。さほど多くの人が来るわけでもなく、ましてやマスコミはさほど来ず。そのために準備日数が一日少なくなるのは、少し不満。ではあるけど、展示ほぼ完成から、展示オープンまで一日時間があるのは、最終チェックや手直しをする上ではいいことかもしれない。
 と今日の夕方になってもバタバタしている音声担当を見ていると思ったりする。

2007/7/5
 いよいよ明後日から、特別展がオープン。となると、準備はあと二晩。かと思いきや、明日はプレスプレビューがあるので、実質今晩が最後の準備。ぎりぎり明日の午前中まで。
 で、現在午後11時50分。まだ作業してるのが6人。3日前までどうなることやらと思っていたけど、なんとか形になってきたのが驚き。大部分の標本や展示物は並び、パネルの設置もほぼ完了。あとは間に合うのかどうなるのか謎のコーナーが一つ。主担当者が、どうするか悩んでいる展示ケースが3つ。そして音声担当さんがあたふたしている。おそらく泊まり込むのは3人程度。

 今日は、楽しい発見があったので記録しておこう。でっかいセミ行灯や、バナーと称する垂れ幕を天井からぶらさげた。油圧式のリフトで天井近くまで上っての作業で、ちょっと恐い。今回の特別展のプロデューサーが上ろうとしたら、機械が何度やっても止まる。試しに代わって上がってみた。天井まで上がれた。他の者も試しに上がった。上がれた。どうやら数キログラムの体重の違いが問題らしい。

2007/7/3
 先週は週末の行事の準備や調査などで忙しかった。で、今日ふと気付くと、特別展オープンまで、4日しかない! 前日のプレビューまでとなると3日しかない! というわけで、あわてて発注を受けていた仕事にとりかかる。
 解説書用に散々世界のセミの分布図を作ったのだが、それに色を付けて、指示された大きさに合わせて打ち出せという注文。面倒臭い。分布図は158枚もあるし。グループ化解除、マスク解除、レイヤー分けしなおしつつ、色付け。グループ化して、マスクして、大きさを調整して、打ち出し。本当に面倒臭い。
 地図ごとに微妙に処理が違っていて、妙な設定になっていて手間取る。分布域がバラバラなので、地図のエリアもバラバラ。打ち出しの大きさを設定するのに手間取る。というわけで、イラストレーターのファイルと戯れて、一日が過ぎる。打ち出しは明日にしよう。

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