皮むき日記
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●2022年12月25日 トラツグミ、クロツグミ、ノゴマ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き10日目の20種23羽目(内、動物園物はなし)。
・トラツグミ(OMNH A8697:2022年11月、大阪府八尾市産)
左目から出血があり、喉に傷。喉の傷は2ヶ所にあって、思ったより大きく、さらに剥きながら広げてしまった。左目はガードしたけど、しきれず羽根を汚した…。
・クロツグミ(OMNH A8696:2022年9月、北海道新十津川町産)
頭動かず、翼広げられず、というくらいにミイラ。でも、胴体は剥けるので、普通に剥いた。ミイラのくせに意外と脂肪が多く、ミイラだからか目が落ちくぼんで黴びていた。
・ノゴマ(OMNH A8700:2022年11月、兵庫県西宮市産)
脂肪がなく、新鮮な個体。今日一番楽しかった。ちなみに、最初画像見せられた時は、ウグイス?にしては、脚の色が不健康。という意味不明のことを考えていた。目が落ちくぼんで、眉線がはっきりしなかったからではあるけど、脚や尾の長さに気づけよ、って話ではある。
●2022年12月24日 エランド
なにわホネホネ団の活動日。本来は鳥の日のはずだったけど、3日前に大物が到着したので、大物処理の日に変更。屋外に3日間、放置してあったけど、全然傷んでなかった。寒い季節で良かった。
・エランド(OMNH M3996:某動物園より)
頭がない首無し死体。頭は調べるとのことで、頸椎との間で切られていた。後から届くそう。皮剥きは、おおむね5人がかりで3時間。右前肢、左後肢、尻尾を剥いた。なぜか前肢の方が主蹄が開いて剥きやすかった。尻尾は先がぼうぼうでキリンのよう。一番先も割と太めなので、剥きやすかった。
●2022年11月27日 ケープハイラックス
なにわホネホネ団の活動日。なぜか誰も手を出さなかったので、一人で剥いた。
・ケープハイラックス(OMNH M3989:某動物園より)
尻尾がない、というか尾椎はあるけど、皮膚は飛び出ていないので、剥きやすい。後肢に爪が1本ある以外は、指はあっても爪がない。なので、剥きやすい。かと思いきや剥きにくかった。爪の周りで皮を切る方が楽。爪がないので袋にしようとしても必ず失敗する〜。ほぼ全ての指先に穴を開けた…。
●2022年10月30日 ヒメクロウミツバメ、エゾムシクイ、メボソムシクイ、キビタキ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き9日目の17種20羽目(内、動物園物はなし)。
・ヒメクロウミツバメ(OMNH A8688:2022年9月、大阪府八尾市産)
保護されてから落鳥した個体。真っ黒で小さいウミツバメというだけで、特徴というほどの特徴はないので、少し不安。ヒメクロウミツバメだとしたら、大阪府では、1972年以来、4例目じゃないかと思う。貴重な記録なので、念のため同定を再確認。腰が白くなくて、これだけ小さいと他に選択肢はないのであってるんだろう。
・エゾムシクイ(OMNH A8691:2022年8月、大阪府堺市産)
体重8.8gと、メボソムシクイと並んで本日最軽量。やりにくくて、失敗しまくり。腹が割けてしまった。そもそも頭骨割れて、皮が頭骨に貼り付いていた。それをはがすのに皮が破れた。それも頭の両側。戻すと、左右とも目の後ろが裂けてるし、腹がパカッと開いてる。格好悪い。
・キビタキ(OMNH A8690:2022年5月、兵庫県姫路市産)
オスの幼鳥。予定通り、ぜんぜん黄色くない。エゾムシクイの次に処理したからか、大きくてやりやすい!
・メボソムシクイ(OMNH A8692:2022年8月、大阪府堺市産)
本日4羽目。小小鳥も3羽目。上達したし、状態がいいので、上手に剥けた。エゾムシクイがダメだったのは、状態が悪かったからに違いない。
●2022年10月29日 スズメ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き8日目の13種16羽目(内、動物園物はなし)。
・スズメ(OMNH A8694:2022年5月、兵庫県姫路市産)
成鳥オス。大きな精巣を持っていた。下嘴の縁が巻き込んでいて、その中に舌が入っているのが、フラミンゴみたい。と思ってしまった。
●2022年10月8日 タイワンリス
なにわホネホネ団のリス祭り。
・タイワンリス(OMNH M3979:2018年11月、大分県大分市産)
乳首が発達したメス成体。乳房の脂肪も大きかった。筒剥きにして、手首・足首の先は皮に残した。
・タイワンリス(OMNH M3974:2018年11月、大分県大分市産)
精巣が発達したオス成体。剥き方は上と同じ。ノミが1匹。このオスのみ、背と腹の色が同じだった。
●2022年9月3日 ハイイロミズナギドリ、アオバト
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き7日目の12種15羽目(内、動物園物はなし)。
・ハイイロミズナギドリ(OMNH A8683:2022年6月、三重県津市産)
とても状態のいい個体。砂まみれで濡れていたけど、剥いた後にドライヤーをあてたら、とても可愛くなった。
・アオバト(OMNH A8680:2021年11月、大阪府箕面市産)
尻尾には尾羽1枚と下尾筒1枚しかなく。腰も禿げてる。口から血を吐いてるし。精巣が小さくて、最初はメスかと思った。小雨覆に少し紫の羽根があるから、そのつもりで見たら精巣があった感じ。そのうには果実が8つ、と中途半端。果実では判らないので、1つだけ切って種子を出してみた。ソヨゴだった。
●2022年8月23日 カリフォルニアアシカ
大物が来たので、急遽なにわホネホネ団の活動日。
・カリフォルニアアシカ(OMNH M3970:某動物園より)
オスの成体は初めてかも。体重199kg、全長2.4m。とても大きい。体重は本来なら400kg以上らしいので、とても痩せていたってことになる。が、それでもけっこう皮下脂肪がある。皮下脂肪をある程度取り除くと、皮はコンパクトになった。
●2022年8月7日 ハシボソガラス、メジロ、エナガ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き6日目の12種13羽目(内、動物園物はなし)。
・ハシボソガラス(OMNH A8674:2016年1月、奈良県奈良市産)
6年以上、自宅で冷凍していたもの。肉は干からび気味に傷んでいる。羽根が妙にベタベタしていて、翼の羽根はすぐ抜けるし、上嘴のカバーが抜けた。でも、胴体は粉を振ってベタベタをなくせば、まあまあ普通に剥けた。それで油断した。頭が腐っていると判ってたら、無理に裏返さなかったのに、うっかり裏返してしまい、頭が禿げた。
ハシブトガラスに近いサイズの立派な雄。死体を並べていた時は、大きいからハシブトガラスと思い込んでいた。抜けた羽根の根元が白くてハシボソガラスと気づいた。
・メジロ(OMNH A8672:2022年5月、奈良県斑鳩町産)
顔の左側が血まみれで、綺麗にできなかった。幼鳥だからか、腹の色があまり濃くなかった。
・エナガ(OMNH A8671:2022年5月、大阪府豊中市産)
水に落ちて死んでいたとのことで、ビショビショだった。でも、剥いてる間に乾いて、まあまあ可愛くなった。
オスの成鳥で、精巣は大きかった。メジロの方が体重は約1.5倍大きいが、ホネはエナガの方ががっしりしていて、脚のホネはメジロの方がむしろ折れそうで気を遣った。
●2022年7月10日 キリン
なにわホネホネ団の活動日。
・キリン(OMNH M3946:某動物園より)
オスの子ども。皮がすぐいたむ動物だけど、案の定いたんでいて、皮を剥いてると毛が抜ける。保存状態のせいなんだけど、心へのダメージが大きい。長い前脚の割りには肩甲骨が小さい気がする。蹄はほとんど開かないと思ったけど、外したらよく開いた。指の骨の曲げ具合と連動してる様子。
●2022年7月9日 カワセミ、シロハラ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き5日目の9種10羽目(内、動物園物はなし)。
・カワセミ(OMNH A8668:2022年5月、福岡県大川産)
倉庫に迷い込んで死んだのを発見したとうかがった。そのせいだろうか、翼と頭の乾燥が進んでいる。剥けるけど、剥きにくい。そして、処理中にやたらと羽根が抜ける。肉は腐ってないけど、ミイラ化が進んでいる感じ。
・シロハラ(OMNH A8669:2022年3-4月、兵庫県丹波市産)
体重が99gもあったから予想していたけど、皮下脂肪がMAX。脂肪は除去しないといけないけど、皮が破れやすいから、慎重に処理してたら3時間もかかった。それでも4ヶ所ほど破ったけど。どうしても羽軸を内側から引っ張ってしまう時がある。
頭を裏返していると、首の後ろに妙な出血があった。ぶつける場所でもないし、ケガもない。頭を戻して確認すると大きなダニが付いていた。ダニに噛まれると、こんな風になるのか。
●2022年7月3日 セグロセキレイ、シジュウカラ、ハイイロミズナギドリ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き4日目の7種8羽目(内、動物園物はなし)。
・セグロセキレイ(OMNH A8660:2022年4月、大阪府箕面市産)
巣立ちビナなので、見た人みんな種類が判らないらしくて。面白い。頭は全部灰色なんだけど、羽根の根元が白いので、乱れてると白斑に見えるみたい。
・シジュウカラ(OMNH A8661:2022年■月、大阪府千早赤阪村産)
処理してると腹の羽根が抜けまくる。その上、頭が乾燥していて、口が開かないし、戻した時に目がなかなか出てこなかった。でも、ぱっと見は何とかなった。
生殖巣は腐って判らなかったが、ネクタイは太い。両脚の間は真っ黒。太い黒いネクタイを、両側から灰色の羽根が隠してる感じ。脚の付け根も黒くて帰路井。
・ハイイロミズナギドリ(OMNH A8664:2022年6月、三重県津市産)
めっちゃ臭い。でも、かろうじて剥けそう。と思ったら、予想通り頭が禿げかける。それ以上に両翼の次列風切と雨覆いが抜けまくってショックが大きい。
となりのハシボソミズナギドリより、翼長などは約1cm長い。翼下面の白色も激しい。
●2022年5月4日 アオバト、ヒヨドリ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き3日目の4種5羽目(内、動物園物はなし)。
・アオバト(OMNH A8650:2018年2月、奈良県大和郡山市産)
そのうは空なのに、脂肪はたっぷり。とても時間がかかった。まだ非繁殖期なんだろう、精巣は小さい。というか細い。
・ヒヨドリ(OMNH A8655:2022年2月、大阪市住吉区産)
2月で、尾羽はすでに成羽。でもSOは、まだD。先にSOが完成するかと思っていた。
●2022年5月3日 キジバト
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き2日目の3種3羽目(内、動物園物はなし)。
・キジバト(OMNH A8653:2016年7月、奈良県大和郡山市産)
古くて、嘴はホネになってるし、脚は変色してる。が、中身は問題なかった。精巣の長径が15mmと、繁殖モード。そのう内容物はいっぱい入っていたけど、古そうなドングリの中身と、カモジグサかなぁ?な草本種子が多数。あまり好みの食べ物ではなさそう。
●2022年4月9日 ヒヨドリ、ヤマゲラ
なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き1日目の2種2羽目(内、動物園物はなし)。
・ヒヨドリ(OMNH A8642:2022年1月、北海道江別市産)
北海道産なので、以前なら亜種エゾヒヨドリとされてた。体重85.5gもあったのに、fatランクは1なので、体格が大きいんだろう。でも、外部計測値は大阪府産とあまり変わらない。色合いもあまり変わらない。
・ヤマゲラ(OMNH A8643:2022年1月、北海道鷹栖町産)
初めてのヤマゲラ。鼻孔が鼻毛で、カラスのように隠れている。キツツキ類に隠れてるのと隠れてないのがいる気がする。
●2022年1月4日 クロツグミ、シロハラ
今日は鳥の剥き初め。なにわホネホネ団の鳥の日。今年度の鳥剥き8日目の17種19羽目(内、動物園物はなし)。
・クロツグミ(OMNH A8636:2021年4月、大阪市東住吉区産)
新鮮で状態がいい。春だからか、精巣が大きかった。
・シロハラ(OMNH A8638:2021年1月、兵庫県川西市産)
シロハラの腹の色って、緑がかったあのシロハラ色のが多いけど、時々少し赤味を帯びた個体がいる。2羽並んでたうち、赤味のある方が選んだ。メスだからとかあると面白いけど。