講演録
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●2018年12月8日 14:20-14:40 第33回 日本鳥類標識協会全国大会 大阪大会 シンポジウム「淀川口2級ステーション -鳥類標識調査データを活用した総括の試み-」
タイトル:「長居公園における標識調査〜ヒヨドリを中心に〜」
場所:ホテルフクラシア大阪ベイ 4F 研修室
聴衆:約50名
経過と準備:昨年夏から大阪で標識協会大会をするという話はあったのだけど、普及イベントを兼ねた企画をしたいという意見があったり揉めまくり。ようやく1年ほど前に、この12月に大阪で、普及イベントはかねずに実施することになった。が、今度はどこでどうやって開催するかで、まだ関係者から異論続出。なんとか、開催にこぎつけたなぁという感じ。当初の普及イベントを兼ねる案に関わっていた流れで、なんとなくやり取りに混じっていたけど、揉めるのに混じるのが嫌なので、ちょっと離れたスタンス。そのおかげか、あまり役割は回ってこなかった。そんな中で話題提供をするように言われると断れない…。
なんか忙しくて、2日前になってようやく準備に取りかかる。ヒヨドリの移動や体重変化を最後にもってきて、24年ほど細々と続けてきた地元公園での標識調査を紹介する。過去のBanding報告を引っ張り出して、どんな鳥、何羽標識したかをまとめた。おもにデータを引っ張り出すのに、準備は約4時間。前日にも発表内容を修正・補足しつつ、網場の画像を撮影して貼り込むのに約1時間。
講演内容:長居公園での標識調査の概要を紹介してから、24年間の標識結果を紹介。果実の消失タイミングと絡めて、ヒヨドリの和歌山県への移動と、年末の体重増加を紹介。
反省:そこそこ笑いがとれたので良かった。が、表はすべて字が小さすぎて読めなかった。要約したテキストを付けておいて良かった。
山階鳥研のOさんからは、ヒヨドリ個体数の年変動の原因とどこから渡って来るのかとの質問。それは私が自分のフィールドで観察しているだけでは判りません〜。終わってからは、冬期の体重増加についての質問。研究者系の方は、体重増加は大型個体の加入によるのではないかと思ったらしい。これは、体格の影響を抜いた肥満度の指数にしても同じ傾向が見られるので、答えられる〜。
●2018年12月7日 15:10-16:00 大阪市立大学 博物館学展示論
タイトル:展示見学
場所:大阪市立自然史博物館 展示室
聴衆:44名
経過と準備:大阪市内の博物館が交代で担当する講議。展示室を案内するだけ。準備ないのだけど、今年は例年使っていたキーワード、メンテナンスとコストを変更して、メンテナンスと来館者をキーワードにしてみた。メンテナンスの主な中身は、埃、虫、電球。展示における来館者対応では、メンテナンス要素も混じるけど、考えるべき大きな要素は、展示効果、安全性、そして暴れん坊対策。そんな事を考える時間が少々。
講演内容:第5展示室を、時間をかけて案内。生き物の暮らしの展示室なので、標本展示よりも、ゲームなどの仕掛けを使って動きを紹介し、グラフィックで生態や行動の詳しい解説という第5展示室の基本方針を解説。その後、メンテナンスと来館者への配慮を中心に、子ども達の人気を絡めて、ハンズオンな感じの展示を中心に紹介。というより、アナログゲームの展示効果とコストパフォーマンス、電球替えのしやすさの話、オープンな展示のほこりの話を除けば、来館者が展示物を破壊した例や、怪我をするケースの紹介が中心。
反省:展示室を説明してまわるには人数が多いので、最初の全体説明で基本的なテーマを示し、レポートを書く際のキーワードを宣言。それを入れたら一定の点数はとれるので、最後まで話を聞かなくてもレポート提出して帰ってOKとした。本当にキーワードだけ書いたのが2名。人を信じる素直さに好感が持てる。なんか話していてまとまりがなかった気がする…。来年は、第1or3展示室からの第5展示室の流れを試してみよう。
●2018年11月18日 14:50-15:30 みんなで調べるタンポポ、マルハナバチ、外来生物 − 市民調査への参加のススメ
タイトル:「外来生物、みんなで調べるとこんな事が判る バッタに貝にハッカチョウ」
場所:大阪市立自然史博物館 講堂
聴衆:81名
経過と準備:今年のフェスティバルのメイン講演会は何にしよう。って中で、30年以上の長期研究を紹介。ってKONCから上がってきたのだけど、その演者を見るとちょっとフェスティバルの客層向けじゃ無い感じ。で、その企画はKONC大会でやってもらうことにして、外部資金もあることだし、外来生物っぽく、市民調査のシンポにしよう。と、タンポポとマルハナバチの演者はすぐ決まった。内輪から外来生物調査プロジェクトの紹介をする人を一人。誰にするか未定でずっときてたら、時間切れが迫り、やむなく企画者自身が話すことに…。
フェスティバルの準備と博物館実習の合間を縫って、3日前に。昆虫担当と貝類担当から他で話したパワポを奪い取って、自分でもどこかで話したハッカチョウのパワポを引っ張り出して、前後を引っ付けて、スタイル整えて約3時間半。
講演内容:大阪市立自然史博物館での市民調査の概要から2002年から始まった市民参加型プロジェクト調査の紹介。外来生物調査プロジェクトから、アカハネオンブバッタ、ムネアカオオクロテントウ、スクミリンゴガイ、オオクビキレガイ、ハッカチョウの調査とその成果を紹介。
反省:3人目に登壇。最初のタンポポは面白いけど、話が堅い。次のマルハナバチは、マルハナバチ愛に溢れてよかったけど、アカデミックにちょっと難しい。そして、10分ずつ押してきて、残り時間は40分。総合討論は捨てて、残り時間で、まとめを兼ねたトークにするよう意識。うまくいったかは判らない。でも、他の二人より笑いはとった!
●2018年10月25日 14:55-15:15 新名神と茨木の自然に関する勉強会
タイトル:「北摂の動物について 哺乳類とカエル」
場所:茨木市里山センター 多目的室
聴衆:約30名
経過と準備:新名神高速をつくるにあたって、茨木市の小さな池がいくつもつぶされた。つぶれる池の生きもの(希少種を中心に)を他に移すという代替措置がとられた。その一つとしてサービスエリアにビオトープ池がつくられた。が、問題は出来てからの管理。管理は地元のNPOが引き継ぐとのことなのだが、どのような管理をすべきかについて、専門家とのコミュニケーションが必要だろう。ということで企画された勉強会。言い出しっぺなので、断れない。
10年ほど前につくった大阪の哺乳類やカエルのスライドショーを引っ張りだし、再構成。1週間前に2時間ほど、2日前に30分ほど。
講演内容:前半が哺乳類、後半がカエル。大阪のファウナを紹介して、個々の種の分布を紹介っていうスライドに。北摂での生息状況、ビオトープ池での配慮の方向性を混ぜてしゃべる。
反省:喋ってる間はあまりリアクションがなかった。終わってから、茨木市関係者や地元NPOの人から面白かったと言われたけど、本当のところは判らない。最後の質疑応答では、水辺の生き物の棲み場所を提供するという今回のビオトープの本来の目的に沿うように管理して欲しい。といった真っ当なコメントができたから、良いことにしておこう。
●2018年9月15日 09:00-17:00、16日 09:00-16:00(コアタイム15日14:00-16:00、16日13:00-15:00) 日本鳥学会2018年大会
タイトル:「大阪府におけるイソヒヨドリとハッカチョウの分布の現状」
場所:新潟大学 五十嵐キャンパス
聴衆:約15名(大会参加者は500人くらい)
経過と準備:なんとなく勢いで久しぶりに鳥学会のポスター発表に申し込んだ。来年の生態学会で、大阪府のハッカチョウの分布の変遷を紹介する予定なので、なんとなくイソヒヨドリを混ぜて、2014年の3種の分布調査と、今年のハッカチョウの分布調査の紹介で。どちらも他の場で話したことがあるので、図は出来てる。それの再編成。10日前に4時間ほどで一応完成。
講演内容:2012年の大阪府のムクドリ、イソヒヨドリ、ハッカチョウ調査の結果を示して、おまけで1990年代までのイソヒヨドリの分布図を並べる。そして2018年のハッカチョウ調査の結果を示す。分布図示すだけで、解析はなし。ついでに西日本の他の府県のハッカチョウ情報も紹介。実はその情報募集が主な目的だったりする。
反省:講演要旨に間違ったことを書いてしまったのが、衝撃であった。2014年と書くべきところを2012年と。まあそれだけと言えばそれだけだけど。そしてポスター発表に名を借りて、来た人からハッカチョウ情報を引き出すのに終始。そういう意味では成果があった。
●2018年7月31日 17:30-18:30 学芸ゼミ
タイトル:「日本における移入種ハッカチョウの生息状況、及び大阪府における歴史」
場所:大阪市立自然史博物館 集会室
聴衆:22名ほど
経過と準備:順番に毎月2人ずつ回ってくるんだな。外部の人を呼ぶこともあるかた、おおむね年に1回担当する感じ。で、この繁殖期に熱中しているハッカチョウの話をすることに。大阪府の生息記録は自分でも探してるし、他府県の情報もボチボチ集まってる。でも、それだけでは足りないので、7月に入ってからボチボチ、ネットを検索して、漏れてる情報を探したり。とくに7月16日には半日くらい文献や関連ブログを漁っていた。で、特別展の準備をしなくちゃと空けていたのに、さほど仕事がなかった7月18日には、ハッカチョウの記録のある各府県の状況をまとめ。同じくさほど仕事がなかった7月19日に、5時間ほどかかって、分布図を更新し、パワポを仕上げた。
講演内容:前半が移入種ハッカチョウの記録のある15都府県の生息状況の話、後半が大阪府のハッカチョウの分布の変遷。
反省:事前にアナウンスしたタイトルは「日本における移入種ハッカチョウの歴史、及び大阪府における生息状況」だった。準備していて、逆だと言うことに気付いた。で、断り無くこっそり変更。誰も気付いてないと思う。
●2018年7月31日 09:30-10:00 追手門学院大手前高等学校
タイトル:「学芸員のお仕事」
場所:大阪市立自然史博物館 集会室
聴衆:29名
経過と準備:キャリア教育の一環で、博物館学芸員の仕事や博物館学芸員になる進路選択についての話を聞く。というのの対応で、30分ほど話をせよとのお達し。7月24日から平日5日間にバラバラと生徒が来るのだけど、人数が多い4日間の午前中に話をすることに。私の担当は最終日。午後とかに来て、話を聞けない生徒はいいんだろうか?という疑問はさておき。博物館の紹介ではなく、学芸員の仕事の話だけど、まあここんところ毎年数回行っている博物館実習のオリエンテーションと似たトーンでよかろう。ということで、初日24日の様子を見てから、館報をコピーして準備。あとはぶっつけ本番。
講演内容:前半でうちの博物館の学芸員の仕事の紹介。調査研究、資料収集保管、展示、普及教育の4本柱に加えて、広報や出版物作成やネットワークや情報発信など。後半では、学芸員に限定して目指してなるのは難しいから、研究者を目指しなさい的な話。
反省:■。
●2018年6月22日 15:35-16:50 大阪市教育センター 大阪市立自然史博物館連携研修1
タイトル:「動物が動く仕組み(骨と関節)」
場所:大阪市立自然史博物館 実習室
聴衆:18名
経過と準備:哺乳類と鳥類のホネで、進化と適応の話をするようにというオーダー。昨年夏の教員のための博物館の日の40分のプログラムを、反省点を盛り込んで、ゆったりすることに。朝1時間半と昼から30分ほどで、収蔵庫からホネを取りだしてきて、机にセットした。あとは、昨年の反省に基づいて、おおまかな中身とその時間配分を設定。
講演内容:前半が哺乳類、後半が爬虫類・両生類から鳥類のホネの話。でもけっこう言い忘れていた哺乳類ネタを後から追加したり、ドタバタしてしまった。最後になにわホネホネ団と貸し出しキットの紹介。
反省:まさかこんなタイトルだったとは…。どうりでリアクションが悪かったはずだ(ほんとに?)。一番リアクションがよかったのは、なにわホネホネ団の紹介かも。あまり中身についての質問もなかった。
●2018年5月9日 10:00-12:00 大阪自然環境保全協会 自然環境市民大学
タイトル:「市街地で繁殖する鳥」
場所:大阪市立自然史博物館 集会室 + 長居植物園
聴衆:37名
経過と準備:ここ数年の年中行事。同じネタなので、準備は当日朝にパワポの日付けを変えて、既存の新ネタを追加するだけ。約30分ほどで終了。
講演内容:午前中は室内で講義約2時間。大阪市内の都市公園で繁殖する鳥について、種数、広い公園に多いこと、ここ数十年での変遷について解説。タカ類の都市への進出、イソヒヨドリの都市への進出と分布。それから、スズメとツバメが減少しているという話題からの、2012年のツバメ調査の紹介。おまけでハッカチョウ調査とコブハクチョウ調査。
反省:笑いは所々ではとれた。なぜかとても鳥に詳しい知り合いが混じっていた。ので、その人の反応が気になったのだけど、ほぼ無反応で少し焦った。
●2018年4月14日 13:40-14:20 自然史オープンセミナー「外来生物調査プロジェクト中間報告(前編)」
タイトル:「コブハクチョウ分布調査の中間報告&ハッカチョウ調査の計画」
場所:大阪市立自然史博物館 集会室
聴衆:52名
経過と準備:2年前から始まったプロジェクトAの年に一度の発表会。今年は2回に分かれて実施され、初回に参加。あまり盛り上がらなかったコブハクチョウ調査の報告と、今年と来年で本気で取り組むつもりのハッカチョウ調査の把握している限りの現状を報告。ついでにソウシチョウとヌートリアの分布図も少し示してみた。2日前に大枠を作成約2時間、前日に主にハッカチョウの分布図作り中心に約4時間。
講演内容:コブハクチョウの既存知識からの、この1年に集まった関西の情報を報告。1980年以降の大阪府のハッカチョウの状況のデータを、6期間に分けて分布図作成。日本の他の地域の情報とともに紹介。大阪府のソウシチョウとヌートリアの分布も紹介。で、今年の調査計画を宣言。
反省:直前の貝類班が駅の周辺で調査するというので、ついでにハッカチョウの有無のチェックも!と勝手にそれに乗っかった。
●2018年3月17日 09:00-17:00(コアタイム12:30-14:30) 日本生態学会大会
タイトル:「大阪府の外来鳥類ソウシチョウの分布:市民参加型調査の結果」
場所:札幌コンベンションセンター
聴衆:■名(大会参加者は1000人くらい?)
経過と準備:昨年某N氏にもっと学会発表を増やしていかなあかん。と言われたからか、ふと久しぶりに生態学会大会に申し込んでしまった。新たに解析をと思ったのだけど、時間が無くって、昨年、地域史自然史と保全研究発表会で話したものを並べ替えて、少し整えただけ。出発2日前に2時間ほどで構想を練って、2時間ほどで並べ替えて、15分ほどで打ち出し。打ち出しに手間取ったのは、新しい大型プリンターの給紙がよく分からなかったからだったりする。
講演内容:日本と大阪府でのソウシチョウの生息の歴史をおさらいして、2015年と2016年に実施した大阪府でのソウシチョウ分布調査を紹介。といってもザッと分布を示しただけで解析はなし。参考までにウグイスへの影響と、大阪府北部でのニホンジカの分布も引用して紹介。
反省:コアタイムも半分ほどしかいなかったが。それでも10人ほどには説明した。内、知り合い5人、鳥屋は多分3人。シカ→ササ→ソウシチョウとウグイスへの影響についての質問が多い。調査プロットを設定して、スポットセンサスでもしようかな。
●2018年3月11日 15:45-16:15 大阪鳥類研究グループ総会
タイトル:「大和川下流部のオオバンの個体数の変遷」「大阪市内の公園の繁殖鳥類調査5th報告」
場所:大阪市立自然史博物館 集会室
聴衆:46名
経過と準備:1つめは招待講演のオオバンの話題に合わせて。データ入力からだったので、まる一日かかった。2つめは、昨年度の共同調査の報告。先週の発表と同じ話なので、ついでに作れた。
講演内容:この3シーズン、大和川にオオバンが見られるようになったので、その個体数の季節変化を紹介。大阪市内43ヶ所の公園で繁殖する鳥類相とその変遷を紹介。
反省:ついでに大阪府内の公園の調査やハッカチョウ調査の呼びかけをしたのがいけなかったのか、質問はむしろハッカチョウ…。
●2018年3月4日 10:00-17:00 地域自然史と保全研究大会2018(関西自然保護機構2018年大会)
タイトル:「大阪市内の公園で繁殖する鳥類 最近20年の変化」
場所:大阪市立自然史博物館 ナウマンホール
聴衆:約110名
経過と準備:年中行事のポスター発表。すでにコアになるグラフは作ってあったけど、作り直してみようと思い立ったら4時間ほどもかかった。前日、打ち出しは想像以上に簡単で驚いた。
講演内容:調査の概要・調査地紹介。そして面積種数曲線と、侵入時期と広がりの変遷の図。ついでに生データ付き。各種の大阪市内への侵入時期の表を付け忘れた…。
反省:貼り逃げ状態であった。
●2018年1月16日 10:00-12:05 シニア自然大学
タイトル:「冬の果実と鳥の関係」
場所:大阪市立自然史博物館 集会室
聴衆:31名
経過と準備:1月恒例の年中行事。毎年話している持ちネタなので準備は事実上なし。ただ、それでは楽しくないので、近頃は毎回後ろにおまけを付ける。今回は、西日本のハッカチョウの分布、大阪府のムクドリの集団ねぐら。ハッカチョウは情報募集。準備に約15分。
講演内容:果実と鳥の関係を教科書的に話した後、長居植物園での研究結果を紹介。おもにはヒヨドリの個体数の季節変化と、果実が食べ尽くされるタイミングについて。おまけで、大阪府・兵庫県・香川県のハッカチョウの分布とムクドリの集団ねぐらの話をした。
反省:質問は実質2つだけ、あまり笑いも取れなかった気がする。